西川和久の不定期コラム
GMKtec「NucBox K17」を試す。Core Ultra 5 226VのiGPUが予想以上の出来
2026年4月23日 06:06
去年(2025年)から今年、いろいろなミニPCを触ってきたが、ほぼAMDのRyzenを搭載していた。Intelはちょっと珍しい……という感じだ。その中で、意外とないのがLunar LakeのミニPC。今回、GMKtecからLunar Lake搭載の「NucBox K17」が届いたので試用レポートをお届けしたい。
Lunar Lake、Core Ultra 5 226V搭載ミニPC!
筆者の過去連載を眺めてみたが、Lunar Lake搭載モデルで扱ったのはノートPCのみ。Core Ultra 7 258Vで32GB、1TB SSD、3,840×2,400ドット表示対応のOLEDディスプレイを搭載した「Yoga Slim 9i Gen 10」で、なかなか強力なもの。2025年4月22日掲載なのでほぼ1年前だ。
それ以降、原稿を調べてもLunar Lake搭載機はなく、ミニPCでは意外と今回がコラム初登場となる。3月に本誌でレビュー掲載している「K13」の姉妹モデルといえ、GMKtecのLunar Lake搭載ミニPCの第2弾となる。K13と比べると筐体が小さいのが特徴だ。
ミニPCの場合、プロセッサがメモリを内包しているメリットより、増設できないデメリットの方が痛いと判断したのか、もしくはコスト的な問題かで、メーカーがあまり積極的に採用してこなかった。ただこれだけメモリが高騰してると、プロセッサに内包している方が安いのでは?という話もあるようだ。主な仕様は以下の通り。
| プロセッサ | Core Ultra 5 226V(Pコア4基、LP Eコア4基, 8コア/8スレッド、クロック最大4.5GHz、キャッシュ8MB、NPU最大40TOPS) |
|---|---|
| メモリ | 16GB(CPU内蔵, LPDDR5X-8533) |
| ストレージ | PCIe 4.0 M.2 2280 SSD 1TB(PCIe x4.0 2基/1つ空き) |
| OS | Windows 11 Pro(25H2) |
| グラフィックス | Intel Arc 130V GPU/HDMI 2.1 2基、USB4 |
| ネットワーク | 2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
| インターフェイス | 前面: USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1、USB4(USB PD 3.0 100W入力、DisplayPort Alt Mode対応)、3.5mm音声入出力 背面: USB 3.2 Gen 1 3基、USB 2.0、HDMI 2.1、HDMI 2.1 FRL(8K/60Hz) |
| サイズ/重量 | 127.5×127×44.5mm、約460g |
| 価格 | 8万9,399円(16GB/512GB/税込み)、9万8,999円(16GB/1TB/税込み) |
プロセッサはLunar LakeのCore Ultra 5 226V。Pコア4基+LP Eコア4基の8コア8スレッド。クロックは最大4.5GHz。キャッシュは8MB。最大40TOPSのNPUを内包する。
このプロセッサ、最大の特徴はLPDDR5X-8533のメモリを内包していること。16GBと32GBの2種類あり、SKUの末尾6は16GB、8が32GBとなる。従って226Vだと16GB。帯域幅は有利なのだが、増設できない欠点がある。
できれば32GBのCore Ultra 9 288VもしくはCore Ultra 7 268V、Core Ultra 7 258V、Core Ultra 5 238V、Core Ultra 5 228V辺りを使ってみたいところだが、今どき高価なのだろう。
OSはWindows 11 Pro。25H2だったのでこの範囲でWindows Updateを適用して評価した。
グラフィックスは、プロセッサ内蔵Intel Arc 130V GPU。外部出力用にHDMI 2.1 2基、USB4を備える。
ストレージはPCIe 4.0 M.2 2280 SSD 1TB。M.2スロットが2つあり空き1つ。512GBと1TBの2モデルが用意されている。
ネットワークは2.5Gigabit Ethernet(2.5GbE)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2。そのほかのインターフェイスは、前面にUSB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1、USB4(USB PD 3.0 100W入力、DisplayPort Alt Mode)、3.5mm音声入出力。USB 3.2 Gen 1 3基、USB 2.0、HDMI 2.1、HDMI 2.1 FRL(8K/60Hz)を搭載する。
本体サイズ127.5×127×44.5mm、重量約460g。価格は512GBモデルで8万9,399円、1TBモデルで9万8,999円。メモリ不足や円安でいろいろ値上がりしている中、10万円以下に収まっているのはありがたい。
筐体はよくあるタイプのミニPC。iPhone 16 Proの比較からも分かるように、大き過ぎず小さ過ぎず。重量も実測で461gなのでカバンに入れて持ち運びも可能だ。
前面は、USB 3.2 Gen 2、USB 3.2 Gen 1、USB4、3.5mm音声入出力、電源ボタン。背面は電源入力、 USB 3.2 Gen 1 3基、USB 2.0、HDMI 2基、2.5GbE。裏は四隅にゴム足とその外側にネジ。下側にはVESAマウンタ用のネジ穴がある。
2.5GbEにはWindows Updateで時間かかるので初期設定時に接続しないように……的な黄色いシールが相変わらず貼ってある。Microsoftではこの件を重く見たのか、初期起動時はWindows Updateしないパターンも選べるようにしたが、起動してWindows Updateすると延々と待たされるのは変わりない。
付属品はACアダプタ(サイズ約98×63×23mm/重量246g/出力100W)、HDMIケーブル、VESAマウンタ。BIOSの表示は起動時[DEL]キーとなる。
内部へのアクセスは簡単。四隅のネジを外すだけ!ただし、裏蓋にWi-Fiのアンテナケーブルがつながっているので、思いっきり裏蓋を引っ張らないように、要注意。
内部にはM.2コネクタが2つあり、1つは装着済み。メモリはもともとプロセッサ内包なので増設はできない。
ノイズは本体に耳を近づければ少し聞こえる程度。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとリアのスリットから生暖かい風が出る程度。どちらも気にする必要はないだろう。
価格を考えるとなかなかのパフォーマンス!
初期起動時、特に壁紙の変更やアプリの追加などはなく、Windows 11 Pro 25H2標準。構成が構成なだけにキビキビ動作し、ストレスは感じない。
ストレージは1TB SSDの「EXT X200E SSD」。調べるとHUAWEIのSSD、eKitStor X200のことらしく、ここによると、最大シーケンシャルリードは6,600/7,000MB/s、最大シーケンシャルライトは3,400/6,500MB/s。前者は512GBモデル、後者は1TBモデルの値だ。本機は1TBなので後者となり、CrystalDiskMarkのスコアもほぼそのまま出ている。HUAWEIのSSDは本連載初登場だ。C:ドライブのみの1パーティションで約952.49GBが割り当てられ空き910GB。
2.5GbEはIntel Ethernet Controller I226-V、Wi-FiはRZ616 Wi-Fi 6E、BluetoothもRZ616。タスクマネージャーにはNPUの項目も見える。
ベンチマークテストは、PCMark 10、3DMark、Cinebench 2026。2月に扱ったCore Ultra 5 125U搭載GMKtec「K15」も併記する。価格9万899円(16GB/1TB)と似ているので、参考になるのではと思った次第。
その結果、ザックリ本機のCore Ultra 5 226Vがほぼ全勝!(App Start-upのみ若干劣るがSSDの性能差?)特にGPU関連項目の違いが大きく、3DMarkでは結構の差が付いている。iGPU、Intel Arc 130V GPUの性能が高いのだろう。
| Cinebench 2026のスコア | |
|---|---|
| Multi Threads | 2,010 |
| Single Threads | 451 |
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 7105.986 MB/s [ 6776.8 IOPS] < 1179.57 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 3827.645 MB/s [ 3650.3 IOPS] < 273.68 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 714.517 MB/s [ 174442.6 IOPS] < 177.56 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 82.482 MB/s [ 20137.2 IOPS] < 49.56 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 6317.793 MB/s [ 6025.1 IOPS] < 1324.42 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 4588.319 MB/s [ 4375.8 IOPS] < 228.24 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 559.345 MB/s [ 136558.8 IOPS] < 233.06 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 158.817 MB/s [ 38773.7 IOPS] < 25.68 us>
最後に、メモリが8,533MT/sとそこそこ速いので、LM Studioで小さいモデルを動かしてみた。ピックアップしたのはGemma-4-E4B。10.69tok/sほど出ている(CPUで推論)。
つまりもっと小さいE2Bや、Qwen 3.5 0.8B/2B/4Bあたりまでは大丈夫といった雰囲気だ。いずれもVision対応で画像認識もOK。それなりに遊べると思う。
以上のようにGMKtec「K17」は、Core Ultra 5 226Vを搭載したミニPCだ。ストレージは512GBと1TBを選べ、どちらも価格は10万円を切る。
パフォーマンスは同クラスのCore Ultra 5 125U搭載K15よりも高く、なかなかなのだが、最大の問題はメモリがプロセッサ内包16GBから増設できないこと。この点だけ譲れるであれば、お勧めの1台と言えよう。




































