西川和久の不定期コラム

1万円前半で買えちゃう激安11型Androidタブレット「Blackview Tab90WiFi」ってどうよ?

Tab90WiFi(スタンドは含まず)

 Amazonでは多くのAndroidタブレットが販売されているが、その中でクーポンの併用で1万円台前半から購入できてしまう激安の11型AndroidタブレットBlackview「Tab90WiFi」が存在する。このたび編集部から送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

1万円台前半で購入可能なUnisoc T606/4GB/128GBを搭載した11型Androidタブレット

 同社のAndroidタブレット「Tab16Pro」を8月にご紹介したが、今回は下位モデル「Tab90WiFi」の登場となる。主な違いはLTEの有無、プロセッサがUnisoc T616対Unisoc T606、メモリ/ストレージが8GB/256GB対4GB/128GB。プロセッサはともかくとして、メモリとストレージが半分は結構大きな違いだ。また前者はカバーとスタイラスペン付属だが、本機にはないなど、かなりの差別化がなされている

 パネルは(パーツ的に同一か不明だが)、11型IPS式1,280×800ドット。Widevine L1認証など同じ。割引前の価格は3万6,900円対2万1,900円で、差額1万5,000円。いろいろ違うだけに、この差は大きいのか小さいのか何とも……というところか。主な仕様は以下の通り。

Blackview「Tab90WiFi」の仕様
SoCUnisoc T606(8コア、Cortex-A75×2+Cortex-A55×6、1.6GHz、GPUにMali-G57内包)
メモリ4GB
ストレージ128GB + microSDカード
OSDoke OS_P 4.0(Android 14ベース)
ディスプレイ11型IPS式(1,280×800)、Widevine L1認証
ネットワークWi-Fi ac/b/g/n、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB Type-C、microSDカードスロット、2スピーカー
カメラ前面:800万画素(顔認証対応)/背面:1,300万画素
バッテリ/駆動時間8,200mAh
サイズ/重量約255×165×9.5mm/540g
割引前価格2万1,900円(Amazon調べ)

 SoCは、Unisoc T606。8コア(Cortex-A75×2+Cortex-A55×6、1.6GHz)で、GPUにMali-G57内包する。Unisoc T616との違いはT606は全て1.6GHz、T616はCortex-A75×2/2GHz+Cortex-A55×6/1.8GHzとなる。つまりT606の方がパフォーマンスは低い。Unisoc T616でも遅かったが、これは……っと思っただけにその差が気になるところ。後半のベンチマークテストで検証してみたい。

 メモリ4GB、ストレージ128GB、OSはAndroid 14ベースのDoke OS_P 4.0となる。パネルは11型(正確には10.92型)IPS式(1,280×800ドット)。著作権保護のWidevine L1認証にも対応する。

 ネットワークはWi-Fi 5、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB Type-C、microSDカードスロット、2スピーカー。FMラジオも搭載。カメラは前面:800万画素/背面:1,300万画素。なお前面カメラは顔認証対応だ。

 8,200mAhのバッテリを内蔵し、サイズは約255×165×9.5mm(奥行きは実測)、重量は540gだ。ページ上にあるクーポンやクーポンコード(今回は9%引きの8VJIN9PPが用意された)を併用すれば、1万円台前半で購入できる。

 上位モデルの「Tab16Pro」との違いは上記した通りだが、どちらがお買い得なのかは、その違いをどう見るかで変わってきそうだ。

前面。パネル中央上にWebカメラ。フチはそれなりにあるものの、太いと言うほどでもない
背面。右上にカメラ群。シールの部分に技適マークがある
左側面は電源ボタンと音量±ボタン、スピーカーL
右側面にmicroSDカードスロット、USB Type-C、スピーカーR
カメラは外側がカメラ、内側はフラッシュ
microSDカードスロットTab16ProはLTE対応だったが、本機は未対応。microSDのみとなる
付属品はACアダプタ(10W)、USB Type-C/Type-Aケーブル、イジェクトピン
重量は実測で554g

 筐体の裏はグレー。見た目は価格なりだが悪くない。重量が実測で554gということもあり、片手でもサクッと持ち上がる。

 前面はパネル中央上にWebカメラ。背面は右上にカメラ群。シールの部分に技適マークが見える。左側面は電源ボタンと音量±ボタン、スピーカーL。右側面にmicroSDカードスロット、USB Type-C、スピーカーRを配置。上下側面には何もない。

 ちなみにAmazonの製品ページを見ると、“5G WiFi”とあり、一瞬「5G対応!?」と思ってしまうが、本機は5GもLTEも未対応で、5GHz帯のWi-Fiへの対応のことを指す。紛らわしい表記は勘弁してほしいところ。

 付属品はACアダプタ(10W)、USB Type-C/Type-Aケーブル、イジェクトピン。ACアダプタのプラグが日本仕様でないが、出力10Wなので、今時のACアダプタなら何でも充電でき、特に困ることもないだろう。

 パネルは、価格を考慮すると輝度、発色、コントラスト、視野角どれも良好。タッチの反応も悪くない。ただタッチした先のSoCが遅いのでモタモタ反応するのは仕方ないところか……。

 前面カメラは試した、ところ普段Web会議で見かける画質と同程度。価格の割には映りが良い。普段使いなら十分と言ったところ。

 背面カメラは、外側がカメラ、内側はフラッシュ。モードは動画、写真を撮る、ポートレート、ビューティの4つ。デジタルズームになるが4xまで対応する。出力画素数は4:3で4,160×3,120ドット。Exifの情報によると35mmフィルム換算は不明だが、焦点距離は4mmとある。

 いつものパターンでサンプルを掲載したが、結構寄れるのでマクロ的にも利用できる。画質も1万円台のタブレット搭載カメラと考えれば(少しホワイトバランスが青に傾くものの)よく写っている。

 ただ、大きいので手ブレしやすいのは変わらず。個人的には手持ちのスマホで撮った方がいろいろな意味で楽だと思う。

背面カメラ/写真モードで撮影

 発熱は、裏右上(カメラと逆側)が若干熱を持つものの、気持ち暖かくなる程度なので特に問題ないだろう。

 驚いたのはサウンド。シャリシャリ音は仕方ないとして、意外とパワーがあり、音楽や映像を楽しめる。

 価格を考慮すると、思ってた以上に出来は良く、プロセッサパワーはないものの、コンテンツを楽しむのが主であれば行けそうな感じだ。

Android 14ベースのDoke OS_P 4.0搭載

 初期起動時、ホーム画面は2画面。Dockには、連絡先、Chrome、YouTube、設定、ファイル、カメラが並ぶ。上から下へのスワイプで通知パネル。下から上へのスワイプでアプリ一覧など、OSがDoke OS_P 4.0とは言え、Androidと操作性は変わらない。

 128GBのストレージは14.5GBほどが使用中。IMEはGboard。Widevineはご覧の通りL1認証となる。

 実際のパフォーマンスは後述のベンチマークテストをご覧いただきたいが、操作感としては、何をしてももたつきワンテンポ遅れる。YouTubeなどアプリを起動してしまえばあとは観るだけなので気にならないものの、それまでの反応をどう思うか?で意見が分かれそうだ。

ホーム画面(1/2)
ホーム画面(2/2)
通知パネル/クイックアクセス
壁紙長押し
設定 / タブレット情報
Widevine L1認証

 インストール済みのアプリは、「アシスタント」、「カスタマフィードバック」、「カメラ」、「カレンダー」、「ゲームモード」、「システムスチュワード」、「デバイスを探す」、「ドライブ」、「フォト」、「マップ」、「マルチテックメモ」、「ユーザーマニュアル」、「引越しアシスタント」、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「天気予報」、「電卓」、「凍結室」、「翻訳」、「連絡帳」、「Chrome」、「EasyShare」、「Files」、「Fit」、「FMラジオ」、「Gmail」、「Google」、「Google TV」、「Keepメモ」、「Meet」、「Playストア」、「WPS Office」、「YouTube」、「YT Music」。

アプリ一覧(1/2)
アプリ一覧(2/2)

 Googleのアプリに+α的な感じで多過ぎず、少な過ぎず、構成的にいい感じだ。EasyShareや2画面分割など、あれば便利な機能もある。

 FMラジオは、日本のFM放送が76.1~94.9MHz。下限が87.5MHzなので残念だが完全には対応していない。

 PCモードは、最近Androidタブレットでよく見かけるWindowsのようなデスクトップモードだ。オプションのキーボードなどを付けるとそれっぽく操作できる。ただプロセッサパワーがないので、使い勝手は今一歩だろうか。

FMラジオ。87.5MHzが下限なので日本の周波数には非対応
PCモード

ベンチマークテストではUnisoc T616より低スコアだが、感覚的には同じ操作感!?

 ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 6と(もうディスコンだが過去との互換性を考慮して)Google Octane 2.0の結果を掲載したが、これもなかなかの低スコア。

 参考までに8月に掲載した「Tab16Pro」、Unisoc T616 搭載機のスコアも併記した(キャプション後ろのカッコ内)。本機はUnisoc T606搭載なので、さらにスコアが下がっている。ただ遅い感じはどちらも変わらないような気がしないでもない。

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ12時間でバッテリが切れた。 Wi-Fi経由のフルHD再生で10時間超えれば十分だろう。連続して観てると人間の方が疲れてしまう(笑)。

GeekBench 6(Single-core/Multi-core)は369/1,208 (434/1,500)
Geekbench 6のVulkanは446(519)
Google Octane 2.0のスコアは12,825(15,971)
10時間経過で残24%。12時間ほど行けそうだ

 以上のようにBlackview「Tab90WiFi」は、Unisoc T606/4GB/128GBを搭載した11型Androidタブレットだ。安価なだけに速度はそれなりだが、しっかりWidevine L1認証対応。そしてWi-Fi経由のフルHD再生なら10時間以上持つ。ネットを徘徊したり、音楽や動画を楽しむ程度なら十分。

 とりあえずサブで安価なandroidタブレットを1台……っと、思っているユーザーにお勧めの逸品ではないだろうか。