西川和久の不定期コラム

3万円切りで購入可能な11型Androidタブレット!「Blackview Tab 16 Pro」

Tab 16 Pro

 Blackviewは、Widevine L1認証対応11型1,920×1,200、8GB/256GB、4G、スタイラスペン付属などの特徴を持つAndroid 14搭載タブレット「Tab 16 Pro」を販売中だ。編集部から実機が届いたので試用レポートをお届けしたい。

UNISOC T616/8GB/256GB/1,920×1,200/Widevine L1認証対応の11型タブレット

 同社のサイトを見るとスマートフォンやタブレットなどAndroidデバイス系を主に扱っている(ミニPCもある)。特にタフネス系の種類が豊富。この辺りにこだわりのあるメーカーのようだ。2023年11月にタブレットを1台レビューしているので久々の登場となる。

 今回ご紹介する「Tab 16 Pro」は、ハイエンドではないものの、11型1,920×1,200(Widevine L1認証対応)、8GB/256GB、4G(nanoSIM×2)、GPS、スタイラスペン付属など、3万円前後でツボをおさえた内容となっている。主な仕様は以下の通り。

Blackview「Tab 16 Pro」の仕様
SoCUNISOC T616 (8コア、A75 x2/2.0GHz + A55 x6/1.8GHz、GPUにali-G57内包)
メモリ8GB
ストレージ256GB + microSDカード
OSAndroid 14
ディスプレイ11型IPS式(1,920×1,200ドット)、Widevine L1認証
SIMnano SIM×2(SIM2はmicroSDと排他)
対応バンド2G: 850/900/1,800/1,900MHz
3G: WCDMA 1/8
4G: LTE FDD: B1/B3/B7/B8/B19/B20
LTE TDD: B40/B41
ネットワーク4G LTE、Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB Type-C、microSDカードスロット、2スピーカー
カメラ前面:8M(顔認証対応)/背面:13M+2MP
GPSGPS+Glonass+Beidou+Galileo
バッテリ/駆動時間7,700mAh(18W PD急速充電対応)/18時間
サイズ/重量約225×165×7.45mm(幅と奥行きは実測)/503g
そのほかカバー、スタイラスペン付属
価格3万6,900円(記事執筆時。掲載直前のタイムセール価格は2万8,141円)

 SoCは12nmプロセスのUNISOC T616。Cortex-A75×2/2.0GHz+A55×6/1.8GHzという構成の8コア。GPUにali-G57内包する。後述するベンチマークテストからも分かるようにローエンドだ。従ってサクサクと言うのはあまり期待できない。

 メモリは8GB、ストレージは256GB。価格相応と言ったところ。SIM2と排他になるがmicroSDカードを使えるので、音楽や動画などはこちらへ逃すことが可能だ。本機でSIMを2つ使うことはまずないと思うので、排他とは言え十分有効だろう。OSはAndroid 14を搭載する。

 ディスプレイは11型IPS式の1,920×1,200ドット/16:10。Widevine L1認証なのでいろいろな配信サービスで高品位な動画を再生できる。

 ネットワークはSIM 4G LTE/nano SIM×2(対応バンドは上記参照)、Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスはUSB Type-C、microSDカードスロット、2スピーカー。カバー、スタイラスペンも付する。

 カメラは前面:800万画素(顔認証対応)、背面:1,300万画素+200万画素、GPSはGPS+Glonass+Beidou+Galileo。タブレットでGPUが使えるのは移動などに便利なのでこの点はポイントが高い。

 バッテリは/7,700mAh。18W PD急速充電に対応する。最大18時間。サイズは約22.5×16.5cm/厚み7.45mm(幅×奥行き×高さ/幅奥行きは実測)、重量503g。価格は36,900円とお手頃な感じだ。

前面。パネル中央上に前面カメラ。フチはそれなりにある
背面。右上にカメラ群。中央下のシールに技適マーク
左側面/上側面。上左側に電源ボタンと音量±ボタン。左側面にLスピーカー
右側面/下側面。右側面にnanoSIM/microSDスロット、Rスピーカー
nano SIM / microSDカードスロット。奥がSIM1、手前がSIM2/microSD
背面カメラ:1,300万画素+200万画素とフラッシュ
カバー装着時。カバーだけだと201g。折りたたんで扉の写真の角度か、スタイラスペン使用中の角度で使用できる
スタイラスペンはスマホ用などで見かける先に円盤が付いているタイプ。これだと指の方が精度が良い
付属品。スタイラスペン、Type-Cケーブル、イジェクトピン。なお、ACアダプタは海外向けのサンプルのもの
重量。重量は実測で492gと仕様より気持ち軽い

 筐体はアルミニウム合金の金属筐体で特にチープな感じはない。一般的な11型タブレットだ。実測で重量492g。付属のカバーと合わせても693gと軽め。

 前面はパネル中央上に前面カメラ。上左側に電源ボタンと音量±ボタン。左側面にLスピーカー。右側面にnanoSIM/microSDスロット、Rスピーカー。nanoSIM/microSDスロットは奥がSIM1、手前がSIM2/microSDカード。下側面には何もない。背面は、右側にカメラ群と、中央下のシールには技適マークがある。

 付属品はスタイラスペン、USB Type-Cケーブル、イジェクトピン。なお、今回試用したモデルのACアダプタは海外向けのモデルであり、国内向けは別となるため参考程度にされたい。

 画面は、明るさ、コントラスト、発色、視野角、価格を考えると十分以上。カメラは、前面は、ビデオ会議を想定して、少しビデオで使ったが、これは予想以上の画質だった。背面は、サンプルを掲載したのでご覧いただきたい。結構寄れるのでマクロ的にも使えるが、筐体が大きいだけに手ブレしやすい。手持ちのスマホを使った方がいろいろな意味で無難だろう。

背面カメラ/写真モードで撮影

 サウンドは左右にスピーカーなので横でステレオとなる。パワーはもう少し、そして低音が欲しいところか。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけても気持ち暖かくなる程度で全く問題なしだ。

 価格帯を考えると上手にまとめた感じで特に不満点はなく、このクラスでは良くできたタブレットではないだろうか。

Android 14 +αの構成

 初期起動時、ホーム画面は2画面。ドックに電話、メッセージ、Chrome、YouTube、設定、カメラが並ぶ。電話はおそらく通話可能なのだろうが、使ったSIMがデータ専用なので試せていない。

 上から下へのスワイプで通知エリア/クイックアクセス、下から上へのスワイプでアプリ一覧。壁紙長押しで壁紙の変更など、基本的にAndroid準拠。OSはAndroid 14。認証は前面カメラを使った顔認証にも対応している(登録用のUIが縦固定になるが微妙)。

 ストレージは256GB中約11GBが使用中だ(若干の画面キャプチャを含む)。IMEがGboard。またアプリを使って調べたところ間違いなくWidevine L1認証対応だった。

ホーム画面(1/2)
ホーム画面(2/2)
通知エリア/クイックアクセス(1/2)
通知エリア/クイックアクセス(2/2)
設定 / タブレット情報
設定 / ストレージ
Widevine L1認証

 インストール済みのアプリは、「アシスタント」、「カスタマーフィードバック」、「カメラ」、「カレンダー」、「ゲームモード」、「システムスチュワード」、「デバイスを探す」、「ドライブ」、「フォト」、「マップ」、「マルチチックメモ」、「メッセージ」、「ユーザーズマニュアル」、「ワークスペース」、「引っ越しアシスタント」、「音声レコーダー」、「緊急情報」、「時計」、「設定」、「天気予報」、「電卓」、「電話」、「凍結室」、「翻訳」、「連絡帳」、「Chrome」、「EasyShare」、「Files」、「Fit」、「FMラジオ」、「Gmail」、「Google」、「Google TV」、「Keepメモ」、「Meet」、「Playストア」、「Play Games」、「WPS Office」、「YouTube」、「YT Music」。

アプリ一覧(1/2)
アプリ一覧(2/2)

 Google関連のアプリにマルチテックメモやワークスペースなど、独自のものがいくつか入った感じの構成になっている。

 FMラジオはよくあるイヤフォンがアンテナになるタイプ。手持ちのUSB Type-C/3.5mmアダプタを使って調べたところ、対応周波数は76.0MHz〜108.0MHz。日本のFM放送が76.1~94.9MHzなので問題なく使用可能だ。

 PCモードはいわゆるWindowsっぽいマルチウィンドウで動作するモード、画面分割モードは、何かアプリを開き、下のアイコンをドラッグ&ドロップするとに画面が分割される。このクラスのタブレットだと(パフォーマンス的に)PCモードより画面分割の方が使いやすい。

FMラジオ。日本の周波数にフル対応
マルチテックメモ
ワークスペース
PCモード
画面分割モード

 4Gは、手持ちのSIMを使い、APNを設定すればサクッとつながった。一般的なAPNは登録済みなどで特に手間もかからない。

設定 / SIカードと流量管理
設定 / SIカードと流量管理 / APN

パフォーマンスは価格なり

 ベンチマークテストは簡易式で「Geekbench 6」と(もう旧世代だが過去との互換性を考慮して)「Google Octane 2.0」の結果を掲載したが、久々に見る低スコアだ。参考までに冒頭で少し触れたMediaTek Helio G99搭載Blackview「Tab 18」だと順に736 / 2,061、1,248、22,131。これよりもさらにワンランクダウンすると言った感じだろうか。

 何をしても反応がワンテンポ遅れ、個人的にはう「うーん」と言う感じ。ただ、いったんアプリを起動して、動画を観たりソーシャルを眺める程度であれば、まぁ使える。価格を考えてもこんな感じの使い方を想定しているのだろう。

 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ、ちょうど10時間でバッテリが切れた。

GeekBench 6(Single-core / Multi-core)。434 / 1,500
Geekbench 6。Vulkan 519
Google Octane 2.0。15,971
5時間経過で残50%。10時間ほど行けそうだ

 以上のようにBlackview「Tab 16 Pro」 は、UNISOC T61/8GB/256GB/Android 14を搭載し、パネルに11型1,920×1,200を採用したAndroidタブレットだ。

 価格が価格なので、ハイパフォーマンスは期待できないものの、Widevine L1認証対応、4G nanoSIM×2とmicroSD、GPS……など、+αの部分もあり、それなりに仕上がっている。遅えでもいいので、ちょい使い用のタブレットを探しているユーザー向けの1台と言えよう。