西川和久の不定期コラム
15.6型で約990gの超軽量ノート「日本エイサー Swift 5」
2019年4月5日 11:00
Whiskey Lake世代のIntel Core i5搭載15.6型フルHDで何と約990g!
同社の「Swift 5」はかなり前から販売していたものの、国内は14型のみとなっていた。満を期して投入されたのが、今回ご紹介するSwift 5(SF515-51T-H58Y/B)だ。
Whiskey Lake世代のCore i5、メモリ8GB、NVMe SSD、15.6型狭額縁フルHDでタッチ対応、そして重量約990g。当然薄型と聞けば「おー!」っとなる読者の方も多いのではないだろうか(笑)。これだけのサイズ/スペックで1kgを切れば、それだけでも興味の対象となりえる。おもな仕様は以下のとおり。
「Swift 5(SF515-51T-H58Y/B)」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Core i5-8265U(4コア8スレッド/1.6GHz~3.9GHz/キャッシュ 6MB/TDP 15W) |
メモリ | 8GB/DDR4-2666MHz SDRAM(デュアルチャネル対応/空き0) |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 15.6型IPS式フルHD(1,920x1,080ドット)、光沢、10点タッチ対応 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620/HDMI、Type-C |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス | USB 3.0×3(内1つType-C)、HD対応Webカメラ、音声入出力、指紋センサー、キーボードバックライト |
バッテリ/駆動時間 | 4,670mAh(3セルリチウムイオン)/約10時間 |
サイズ/重量 | 358×230×15.9mm(幅×奥行き×高さ)/約990g |
税別店頭予想価格 | 15万円前後 |
プロセッサはWhiskey Lake世代のCore i5-8265U。4コア8スレッド、クロックは1.6GHzから最大3.9GHz。キャッシュは6MBで、TDPは15W。上位にCore i7-8565Uがあるものの、i5でも4C/8Tで強力なSKUだ。
メモリはDDR4-2666MHz SDRAMの8GB。同社のサイトおよび、PCMark10 System informationでもデュアルチャネル対応を確認した。ストレージはNVMe SSD 512GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用として、HDMIに加えType-Cからも可能だ。ディスプレイは、光沢ありの15.6型IPS式フルHD(1,920×1,080ドット)。10点タッチにも対応する。
ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。有線LANはなく、USB/Gigabit Ethernetなどの変換アダプタも付属しない。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×3(内1つType-C)、HD対応Webカメラ、音声入出力、指紋センサー。キーボードはバックライト対応だ。Type-Cは、USB 3.1 Gen 2/最大10Gbps/PD対応/映像出力機能付きとなる。
サイズは358×230×15.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約990g。なんと15.6型ながら1kgを切っている。4,670mAh(3セルリチウムイオン)を内蔵し、バッテリ駆動は約10時間。カラーバリエーションはチャコールブルーのみ。税別店頭予想価格は15万円前後。
なお、Office Home & Business 2019をインストールしたモデル(SF515-51T-H58Y/BF)は、税別店頭予想価格17万円前後となっている。
マグネシウム合金の筐体はとにかく軽く、届いた時に空箱かと思ったほど。15.6型で実測977gは驚くほどの軽量だ。色はチャコールブルー。光の状態にもよるが、濃いメタリックブルー的発色となる。フットプリントは手持ちのThinkPad T440sと比較してみたところ、奥行きはほぼ同じ、幅はSwift 5のほうが約3cmはみ出る……と、「14型級の筐体に」という表現もあながち嘘ではない。
天板は中央にゴールドのロゴ。フロントはパネル中央上にHD対応Webカメラ。狭額縁なのがわかる。左側面は電源入力、HDMI、USB 3.0×2、Type-C。右側面はロックポート、ステータスLED、音声入出力を配置。裏は四隅にゴム足。手前の左右にスピーカー。キーボード面が手前に傾くような仕掛けはない。(micro)SDカードスロットがないのは使い勝手の上で残念だ。付属のACアダプタはサイズ約52×52×28mm(同)、重量133g、出力19V/2.37A。本機はPD(Type-C)にも対応するが、付属するのは専用となる。
横から見るとかなり薄く、強度などが心配になるが、先に書いたとおり筐体はマグネシウム合金を採用しているため、軽量でありながら堅牢性も兼ね備えている。
15.6型IPS式のフルHDディスプレイは、明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。発色も鮮やかだ。明るさ彩度を最適化する「Acer Color Intelligence」、ブルーライトカットの「Acer BluelightShield」も搭載している。そしてこれだけの薄型軽量モデルにもかかわらず10点タッチ対応だ。最近タッチ対応モデルは一時期より減っているものの、実際操作するとやはり使いやすいケースもある。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。オン/オフ可能な(段階なし)バックライトも搭載する。一般的に15.6型だとテンキーありが多いものの、ない分、広い面積を十分活用でき、ほぼすべてのキーピッチが約19mmとなっている。打鍵感はクリック感があり、ストロークもちょうどいい。
ただ[Enter]キーのさらに右側にHome/PgUp/PgDn/Endが並ぶのを好ましく思わない人もいるだろうか。筆者個人的には筐体とロゴなどに合わせてキートップもチャコールブルー(筐体より少し濃い目)で刻印もゴールドと言うのがちょっど残念な部分だ。ここは普通に黒/白でいいように思う。
タッチパッドは1枚プレートタイプ。右端に指紋センサーがある。パームレストも含め、十分面積が確保され使いやすい。
振動やノイズは試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとキーボード上の部分がそれなりに(暖かいと言うより熱い)熱を持つ。一番熱を持った時はキーボードの脇真ん中程度まで降りてきていた。とは言え、パームレストまでは熱が降りてこないので、使用中に気になることはないだろう。
サウンドは裏にスピーカーがあるため、机など反射するものにもよるが、幅があるのでステレオ感はあるものの、明らかにパワー不足。「Dolby Audio Premium」をオフにすると、加えて線が細くなるので、オンのまま使った方が無難だ。
いずれにしても、15.6型フルHDタッチ対応でこれだけ薄くそして軽いのが本機最大の特徴と言えよう。
4C/8T、NVMe SSDのハイパフォーマンスに加えBBenchで軽く12時間越え!
OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。2つあるAcerグループがプリインストールとなる。デスクトップは左側にAgodaのショートカット(単にURLなのだがそんなに重要なのだろうか)追加と壁紙の変更となる。4C/8T、メモリ8GB、NVMe SSDなので、ブート/シャットダウン、アプリの起動……なにもしても快適だ。
NVMe SSD 512GBは「Sk hynix BC501 NVMe 512GB」。C:ドライブのみの1パーティションで約475.82GBが割り当てられ空き447GB。Wi-Fi(Wireless-AC 9560)とBluetoothはIntel製だ。
おもなプリインストールのソフトウェアは、Acerフォルダに「Acer Jumpstart」、「Acer Legal Information」、「Acerドキュメント」。Acer JumpstartとAcer Legal InformationはURL、AcerドキュメントはPDF。
そのほか、「Acer Care Center」、「Acer Collection 5」、「Acer Product Registration」、「Agoda」、「App Explorer」、「ノートンセキュリティUltra」、「PhotoDirector for acer」、「PowerDirector for acer」……などを備えている。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおり。
PCMark 10 v1.1.1761 | |
---|---|
PCMark 10 Score | 3,733 |
Essentials | 8,215 |
App Start-up Score | 12,109 |
Video Conferencing Score | 6,912 |
Web Browsing Score | 6,625 |
Productivity | 6,386 |
Spreadsheets Score | 7,689 |
Writing Score | 5,304 |
Digital Content Creation | 2,692 |
Photo Editing Score | 3,609 |
Rendering and Visualization Score | 1,605 |
Video Editting Score | 3,368 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,458 |
Creative Accelarated 3.0 | 3,553 |
Work Accelarated 2.0 | 4,911 |
Storage | 5,057 |
3DMark v2.8.6546 | |
Time Spy | 422 |
Fire Strike Ultra | 274 |
Fire Strike Extreme | 500 |
Fire Strike | 1,037 |
Sky Diver | 3,965 |
Cloud Gate | 7,449 |
Ice Storm Extreme | 32,143 |
Ice Storm | 45,052 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 48.15 fps |
CPU | 475 cb |
CPU(Single Core) | 161 cb |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 1642.787 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 867.564 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 829.031 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 767.031 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 340.761 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 228.332 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 40.110 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 99.981 MB/s |
BBench(キーボードバックライトオフ、ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |
バッテリ残量5%まで | 14時間55分06秒 |
ここのところWhiskey Lake搭載機の試用が続いて、すでにその性能は十分わかっているが、各スコアはさすがにCore i5でも4C/8T、8GB、NVMe SSDだけあってかなり高い。重いゲーム以外の通常用途であれば何をしても快適だろう。
バッテリ駆動時間は、キーボードバックライトオフ、ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能で残5%まで14時間55分06秒。明るさ0%でも暗めの室内であれば十分見えるため、14時間はほぼリアルに動きそうだ。15.6型約990gでこれだけ持てば、かなり強力なそして心強いモバイルPCと言える。
以上のようにAcer「Swift 5(SF515-51T-H58Y/B)」は、タッチ対応15.6型フルHD、Whiskey Lake世代のCore i5、デュアルチャネル対応の8GB、そしてNVMe SSD 512GBを搭載し、14型級の筐体で重量約990gの“ハイパフォーマンス”と“軽量”を兼ね備えたモバイルノートPCだ。(micro)SDカードスロットがなく、サウンド出力が若干低いものの、取り立てての弱点はない。
仕様的に気になる部分もなく、とにかく15.6型で軽くて薄くてハイパフォーマンスなモバイルノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい逸品だ。