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Macの新機能「ボーカルショートカット」が便利! 独自の音声コマンドでショートカットを実行しよう

macOS Sequoiaではアクセシビリティの新機能として「ボーカルショートカット」が搭載されました。この機能を使えば、Siriのように決められた言い回しではなく、自分で決めた言葉(音声コマンド)でショートカットを実行できます。天気予報のチェックなどMacで毎日頻繁に行なう操作があれば、このボーカルショートカットを使って音声で呼び出してみては? これまでのように、「Hey Siri!」と呼びかけてSiriにお願いする必要はありません。

ユーザが登録した言葉をMacに向かって発声するだけでショートカットを実行できます。Siriではできなかった操作も、ショートカットを作成しておけば音声で実行できます

ボーカルショートカットとは?

 macOS Sequoiaに新たに搭載された「ボーカルショートカット」を利用するには、まずはMacに標準搭載されている「ショートカット」アプリでショートカットを作成する必要があります。

 「ショートカット」アプリとは、Macで行なうさまざまな処理を自動化するためのもの。

 あらかじめ用意されているさまざまな「アクション」を組み合わせて自動化のワークフローを作成し、ショートカットとして保存しておけば、通常は複数の操作が必要な処理も1回クリックしたり、Siriに頼んだりすることで素早く実行できます。

 macOS Sequoiaのボーカルショートカットは、このショートカットを実行するために自分で設定した独自の言葉(音声コマンド)を利用できる機能と考えると理解しやすいでしょう。

 ここでは「『天気』アプリから得た現在地の気象情報から体感温度を音声で読み上げる」というショートカットを作り、それを「今の気温は」という音声コマンドで実行する方法を解説していきます。

ショートカットを作成する

 まずはショートカットの作成です。

 「ショートカット」アプリを起動したら新規ショートカット画面を開き、検索窓から見つけたアクションをダブルクリックして上から順にアクションをつなげていく、というのが基本的な作成の流れです。

 ここでは「ショートカット」アプリの使い方は解説しませんが、今回紹介する例はシンプルなので、下の図を見れば初めての人でも作成できるはず。

 もし使い方に悩んだら、Apple公式の「ショートカットユーザガイド」を参考にしてください。

「ショートカット」アプリを起動して新規ショートカットの作成画面で、図のようにアクションをつなげてショートカットを作成します。「天気」アプリを開き、現在地の天気から体感温度を取得し、“現在の体感温度はXX度です”と読み上げるという内容です
「ショートカット」アプリの作業中は自動保存され、作成したショートカットは「ショートカット」アプリの一覧画面に表示されます。この画面上でショートカットをクリックすれば実行されますし、別途Dockやウィジェットとしてデスクトップに登録することも可能です

ボーカルショートカットを設定する

 ショートカットが準備できたら、次はボーカルショートカットの設定です。

 「システム設定」を開いてサイドバーから[アクセシビリティ]を選んだら[ボーカルショートカット]をクリックして[設定]を選択しましょう。

 するとボーカルショットの設定画面が開くので、目的のショートカットを選択して、それを実行するための独自の言葉(音声コマンド)を入力しましょう。

「システム設定」を開いてサイドバーの[アクセシビリティ]をクリックしたら、[スピーチ]欄にある[ボーカルショートカット]をクリックします
「ボーカルショートカット」の画面に切り替わるので[設定]をクリックします
「ボーカルショートカット」の説明画面が表示されるので[続ける]をクリックします
「ボーカルショートカット」の設定画面が開きますので、「ショートカット」欄から目的のショートカットを選択します(ここでは[体感温度を読み上げる]を選択)。そして[続ける]をクリックします
「カスタム語句」の画面に切り替わるので、独自の言葉(音声コマンド)を入力します(ここでは“今の気温は”としました)。入力し終えたら[続ける]をクリックします
設定した独自の言葉をMacに向かって話します。正しく認識されるように3回繰り返す必要があります
「アクションの準備完了」と表示されるので[続ける]をクリックします
続いて「アシスティブボイス機能の改善」でも[続ける]をクリックします
ボーカルショートカットの[アクション]欄に登録されたら完了です

ボーカルショートカットを実行する

 最後にボーカルショートカットを実行してみましょう。

 ボーカルショートカットを設定するとメニューバーにマイクのアイコンが表示されます。

 常にボーカルショットが認識される状態になっているので、Macに向かって設定した独自の言葉を言えば、いつでもショートカットが実行されます。

 なお、Macのモデルによってはメニューバーのマイクアイコンをクリックしたときに[マイクモード]が選べます。周囲が騒がしい環境でMacを利用する場合は、[声を分離]を選んでおくとボーカルショートカットの識別率が上がります。

ボーカルショートカットを設定すると、メニューバーにマイクアイコンが表示されます。クリックして[声を分離]をオンにできます
ボーカルショートカットが認識されると、画面上に設定した独自の言葉が表示され、現在地の体感温度を読み上げてくれます
今回作成したショートカットではその後「天気」アプリが自動的に起動します
ボーカルショートカットが有効のままでも他の操作はできますが、必要なければ「システム設定」の[ボーカルショートカット]の画面でスイッチをオフにしましょう。無効にしても作成したアクションが消えることはありません

いろいろなショートカットを作ってみよう

 ここでは1つの作例しか紹介しませんでしたが、ボーカルショートカットはいくつでも登録できます。

 たとえば「ブラウザを起動」といってSafariを起動させたり、「議事録を作成」といってショートカットとして作成したタスクを実行したりなど、さまざまな活用方法が考えられます。

 ボーカルショートカット自体の設定は非常に簡単であるため、ぜひ「ショートカット」アプリの使い方に詳しくなって、Macを音声で自由自在に操ってみてください。