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Mac上でiPhoneを操作できる!macOS Sequoiaの目玉機能「iPhoneミラーリング」を活用しよう

 macOS Sequoiaの目玉機能の1つが、「iPhoneミラーリング」です。この機能を使えば、Macのデスクトップ上にiPhoneの画面を表示して操作できるため、MacとiPhoneの間の作業をこれまで以上に簡単に行なえます。本記事では、iPhoneミラーリングの設定方法に加え、アプリ操作や通知管理、オーディオ再生などの便利な活用方法を紹介します。

iPhoneミラーリングを使えば、MacのデスクトップにiPhoneの画面を表示し、直接iPhoneを操作できます

iPhoneミラーリングの初期設定はとても簡単

 iPhoneミラーリングを初めて利用する際は、初期セットアップが必要です。

macOS Sequoiaにアップグレードすると「iPhoneミラーリング」アプリのアイコンがDockに追加されているのでクリックしてみましょう。

 すると、セットアップアシスタントが自動的に起動するので、あとは画面上に表示される指示に従っていけば、ものの数分でMacのデスクトップ上にiPhoneの画面が現れるはずです。

 もしもうまくいかない場合は、自分のデバイスが利用条件を満たしているかを確認してみましょう。

 iPhoneミラーリングを利用するには、macOS Sequoia以降が搭載されたAppleシリコン、またはApple T2セキュリティチップを搭載したMacと、iOS 18以降を搭載したiPhoneが必要です。

 また、両方のデバイスで同じApple IDにサインインしていること、iPhoneがロックされていてMacの近くにあること、iPhoneでモバイル通信接続を共有していないこと、iPhoneとMacでBluetoothとWi-Fiがオンになっていること、Macでインターネット接続を共有しておらずAirPlayもSidecarも使用していないことなどを確認しましょう。

Dockの「iPhoneミラーリング」アプリのアイコンをクリックして起動します。または[アプリケーション]フォルダ内にある「iPhoneミラーリング」のアプリを開きます
初回起動時は、セットアップアシスタントが表示されます。[今はしない]をクリックして、あとから設定することも可能です
[続ける]をクリックすると、iPhoneのロックを解除するように促すメッセージが表示されます。iPhoneの画面でパスコードを入力してロックを解除します
iPhoneからの通知をMacで許可するか/許可しないかを選択します。この設定は「システム設定」を起動して、[通知]→[iPhoneからの通知]→[iPhoneからの通知を許可]であとから変更できます
「iPhoneミラーリングが使用可能になりました」のメッセージが表示されたら、[開始]をクリックします
MacのデスクトップにiPhoneミラーリングのウィンドウが表示されます。この際、MacのTouch ID、またはログインパスワードでロックの解除が必要な場合があります
iPhoneミラーリング利用中は、iPhoneの画面がロックされていなければなりません。再度ロックをかけるまで、Macには「iPhoneは使用中です」と表示されます
iPhoneにアクセスする際にMacのログインを要求するかどうかを確認するダイアログが表示されたら、[自動的に認証]または[毎回確認]を選択します
[毎回確認]を選択した場合は、Macのログインパスワードを入力して[OK]をクリックします。この設定は、「iPhoneミラーリング」の[設定]メニューから変更できます
iPhoneのホーム画面がMacに表示され、操作できるようになります。次回以降は「iPhoneミラーリング」アプリのアイコンをダブルクリックすれば自動的にiPhoneの画面が表示されます

ミラーリングウィンドウの操作方法を覚えよう

 Macのデスクトップに表示されたiPhoneミラーリングのウィンドウ(以下、ミラーリングウィンドウ)は、マウスやトラックパッド、キーボードで操作・入力できます。

 たとえば、ポインタをミラーリングウィンドウの上部に合わせるとツールバーが表示され、好きな位置にドラッグして移動できます。

 また、ミラーリングウィンドウのサイズは[表示]メニューからの選択、またはショートカットキーを使って変更できます。「大きく」「実際のサイズ」「小さく」の3段階で調整できるので、ディスプレイの大きさや利用シーンに合わせて見やすく変更してみましょう。

 macOS Sequoiaの新機能「ウインドウをタイル表示」と組み合わせて使えば、ミラーリングウィンドウを任意の場所に配置することも可能です。

 なお、ツールバーの左上には[閉じる]ボタンとDockへ収納する[最小化]ボタンがありますが、表示の最大化や配置を変更する緑色のボタンは利用できません。

ミラーリングウィンドウ上部にポインタを合わせるとツールバーが表示されます。ツールバーをドラッグすると、ミラーリングウィンドウの位置を変更できます
[表示]メニューで[大きく]/[小さく]を選択するか、[command]+[+]/[-]キーでウィンドウサイズを変更できます。元に戻すには、メニューから[実際のサイズ]または[command]+[0]キーを選択します
使用するアプリによっては、縦向き表示と横向き表示が自動的に切り替わります。現状は、iPhoneミラーリングのメニューから手動で切り替えることはできません

iPhoneのホーム画面やアプリを操作しよう

 ミラーリングウィンドウは、マウスやトラックパッドの2本指スワイプやスクロールなどの操作にも対応しています。

 これにより、iPhoneのホーム画面の移動や「今日の表示」からのウィジェット操作、Spotlight検索などの機能が利用できます。

 ただし、通常は画面の上端から下方向にスワイプして表示する「コントロールセンター」や「通知センター」は今のところ利用できません。

 また、ツールバーの右上にはホーム画面に戻るボタンと、アプリスイッチャーのボタンが配置されていますが、利用頻度が高い場合は、それぞれ[Command]キー+[1]キーと、[Command]キー+[2]キーのショートカットを覚えておくとよいでしょう。

 さらに、iPhoneミラーリングで便利なのは、ミラーリングウィンドウ内にあるアプリもMac上でほぼそのまま利用できる点です。

 2本指ジェスチャーによる写真の拡大/縮小、SNSの画面スクロール、タップしたままのドラッグなども利用でき、テキスト入力についてもわずかな遅延を感じますが問題なく利用できます。

 ただし、オーディオはMac本体側から再生されるなど通常のアプリとは挙動が異なること、「FaceTime」などiPhone内蔵カメラを利用するアプリは利用できないことには注意が必要です(「電話」アプリの発信/着信についてはMacから操作可)。

ミラーリングウィンドウにポインタを合わせ、マウスまたはトラックパッドでクリックや2本指スワイプをするとタップやスワイプ操作ができます
ツールバーの右上にあるホーム画面ボタンをクリック、または[Command]キー+[1]キーを押すとホーム画面に戻ります
ツールバーの右上にあるアプリスイッチャーボタンをクリック、または[Command]キー+[2]キーを押すとアプリスイッチャー画面が開きます
ホーム画面を2本指で下方向にスワイプ、または[Command]キー+[3]キーを押すと、Spotlight検索画面が開きます
アプリでオーディオやビデオを再生すると、音声はMac側から再生されます。音量のコントロールもMac側から操作できます
iPhoneミラーリングではiPhoneカメラの起動、「FaceTime」は利用できません。また、iPadへのSidecar表示などの機能も利用できません

iPhoneミラーリングでは通知も届く

 iPhoneミラーリングが有効な状態では、iPhoneに届いた通知は自動的にMacのデスクトップにも表示されます。

 このMacへの通知設定は、iPhoneの「設定」アプリでも、Macの「システム設定」の[通知]からでもアプリごとに個別に指定できます。Macで受け取る必要のない通知についてはオフにしておくとよいでしょう。

 また、原稿執筆時点では利用できませんが、iPhoneミラーリングにはデバイス間で写真やファイルをドラッグ&ドロップ操作で素早く移動できる機能が今後のアップデートにより搭載される予定です。

 現状ではAirDropやiCloud Driveによる同期など従来からある連係機能を利用するしかありませんが、この機能が利用できるようになればiPhoneミラーリングの実用度はさらに高まるでしょう。

iPhoneの通知がMacに表示され、タップすると関連するアプリが起動します。多くのアプリはMacのデスクトップからでも利用できます
通知の設定はアプリごとに変更できます。「設定」アプリの[通知]からアプリを選択し、通知スタイルから[Macに表示]の項目をオン/オフします
動作が若干不安定なこともありますが、テキスト入力やマウスまたはトラックパッドによる手描き入力も可能です
デバイス間でファイルを転送するには、iPhoneまたはMacのAirDropを利用します。また、保存したファイルの同期には「ファイル」アプリでiCloud Driveにアクセスします。ドラッグ&ドロップ操作によるファイル移動は今後1年以内に提供予定です
iPhoneの動画をMacにフルスクリーン表示するのであれば、MacへのAirPlay機能が利用できます。「システム設定」の[一般]→[AirDropとHandoff]で[AirPlayレシーバー]から機能を有効にできます
iPhoneミラーリングは一度に1台のMacと1台のiPhoneでのみ利用できます。iPhoneの「設定」アプリの[一般]→[AirPlayと連係]→[iPhoneミラーリング]から[編集]をタップすると連携するMacを解除できます