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macOS Sequoiaで大幅進化!計算にも対応した「メモ」の新機能を活用しよう

 macOS Sequoiaでは、標準アプリの「メモ」にさまざまな新機能が搭載されました。数式を入力すると自動で計算を行なう「計算メモ」や、音声メモの録音機能、セクションの折りたたみ表示、テキストの強調表示などが追加されたほか、PDF内のキーワード検索も進化しています。本記事では、そんな新しい「メモ」の新機能をまるっと解説します。

実用的な新機能が多数搭載されたことで、macOS Sequoiaの「メモ」はより幅広い用途に活用できるようになりました

数式を入力すると計算結果を表示

 macOS Sequoiaの「メモ」の新機能の中でもっとも注目すべきは、メモ内に数式を入力すると自動的に計算し、答えを表示してくれる「計算メモ」です。

 四則演算や括弧を使った数式、累乗(2乗や3乗など)、科学計算などに対応しており、数字や演算記号を入力したあとに「=」を入力すると解が表示されます。

 また、「計算メモ」は変数にも対応。たとえば、「x=2」「y=3」と入力したあとに「x+y=」と入力すると、その解である「5」が表示され、xの値を入力し直せば解が即座に再計算されます。

 メモ内で計算が行なえるようになったことで、これからは表計算アプリや計算機アプリを起動する機会も減るに違いありません。

数式に続けて「=」を入力すると解が表示されます。そのまま[return]キーを押すと確定されます
四則演算や括弧を使った数式を利用できます。数字や演算記号はすべて半角入力、「×」は「*」、「÷」は「/」が使用できます
パーセンテージの計算や平方根(√)、円周率(π)、三角関数の計算など、高度な計算にも対応します
変数の利用も可能です。変数は数式よりも上に書きましょう
「price=100」「length=150」などアルファベットが複数並んだ変数も利用できますが、日本語(全角文字)は使えません
変数や数式の数字の上にマウスポインタを重ねると、このようなマークが表示されます
クリックするとスライダに切り替わり、2本指スワイプなどのジェスチャーで数値を変更できます。変数の数値を変えると、数式の解も即座に変わります

メモ内で音声メモを録音・再生

 これまでMacで音声メモを録音するには、標準アプリの「ボイスメモ」を利用するのが一般的でした。

 しかし、macOS Sequoiaでは、新たに「メモ」で音声メモの録音が可能です。シンプルなインターフェイスで録音の開始や停止をコントロールできるうえ、録音しながら文字入力できるのでとても便利。

 たとえば、会議中に会話を録音しながら議事録を入力するといった使い方ができます。

 なお、英語では録音した音声のリアルタイムの文字起こしが可能ですが、残念ながら現時点では日本語には対応していません。

音声メモを録音するには、ツールバーにある[オーディオを録音します]ボタンをクリックします
ウィンドウの右側に録音用のパネルが表示されます。下側の赤い丸ボタンを押すと録音が始まります
録音中でも文字を入力することが可能です
録音を終了するとメモ内にグレーの表示が追加されます。再生ボタンを押せば聞き返すことができます
グレーの部分をダブルクリックすると、再びウィンドウ右側にパネルが表示されます。右上の[…]ボタンから、音声メモの名称変更や共有などが行なえます
リアルタイム文字起こしは、英語のみ対応しています(Appleシリコンを搭載したMacが必要)
日本語環境でMacを使っているユーザーでも、「メモ」を英語モードで起動させれば文字起こし(英語のみ)を利用できます。「システム設定」で[一般]→[言語と地域]項目を開き、一番下にある[アプリケーション]から「メモ」アプリの言語設定をカスタマイズします

セクションごとに文章を折りたためる

 macOS Sequoiaの「メモ」には、メモ内の文章をセクションごとに折りたためる機能も追加されています。

 具体的には、段落に「見出し」または「小見出し」の段落フォーマットを設定すると、先頭に[∨]記号が表示され、クリックすることで折りたたみが可能です。

 折りたたみ/展開はクリックするだけで簡単に切り替えられるので、状況に応じてメモをスッキリと見やすく表示できます。

 この機能は、日頃から段落フォーマットを積極的に活用している場合に効果があります。併せてこの機会に、段落フォーマットを指定するキーボードショートカットを覚えておくとさらに使い勝手が増すでしょう。

ツールバーにある[あぁ]と書かれたボタンを押すと、段落フォーマットを選ぶことができます。あるいは[フォーマット]メニューからも変更できます
「見出し」や「小見出し」のフォーマットを適用した段落は先頭に[∨]記号がつきます
記号をクリックすると次の見出しまでのセクションが折りたたまれて、このようなスッキリとした表示になります

選択した文字列を素早く強調表示

 「テキストの強調表示」が行なえるようになったのも、macOS Sequoiaの「メモ」では見逃せません。

 メモ内に強調したい文字列がある場合、これまではカラーパネルを使って文字色を変更するのが一般的でしたが、新たな「テキストの強調表示」を使えばメニューやツールバー上のボタンから適用が可能。

 5種類のカラーから選ぶことで選択した文字列の文字色を簡単に変えられるほか、文字の背景にもうっすらと色がつくので、選択した部分を目立たることができます。

文字列を選択したら、ツールバーにある[あぁ]と書かれたボタンを押し、[選択したテキストを強調表示]ボタンをクリックしましょう
選択した文字列にこのような強調処理が施されます
強調表示の色を変えるには、[選択したテキストを強調表示]ボタンの横にあるカラーボタンを押します。全部で5色のバリエーションが用意されています
強調表示は、[フォーマット]メニュー→[フォント]→[強調表示]でも指定できます。[command]キー+[shift]キー+[E]キーのキーボードショートカットを覚えると、より効率的に指定できるようになるでしょう

検索した文字列をPDF内でハイライト表示

 macOS Sequoiaの「メモ」ではPDFの検索機能も強化され、検索したキーワードがPDF内でハイライト表示されるようになりました。

 従来の「メモ」でもPDF内の文字列を検索することは可能でしたが、その文字列がPDFのどこにあるかを表示することはできませんでした。

 一方、macOS Sequoiaの「メモ」では検索したキーワードがハイライト表示されるようになり、文字列のある場所が分かりやすくなっています。

 ページ数の多いPDFをメモに挿入していたケースでも、探している箇所を素早く見つけられるようになり、必要な情報に辿り着くまでの時間を短縮できるでしょう。

これまでも、検索窓にキーワードを入力して、そのキーワードを含むPDFを探し出すことは可能でした
macOS Sequoiaのメモでは、[編集]→[検索]でメモ内の文字列を検索するとき、PDF内の文字列がハイライト表示されるようになりました

実用的な機能強化が満載

 Macの「メモ」は2012年から存在する歴史ある標準アプリですが、OSのバージョンアップのたびに新機能が追加され、使い勝手が向上し続けています。

 今回追加された計算メモやセクションの折りたたみ機能などは、特にユーザーの視点に立った実用的な新機能です。

 音声メモの文字起こし機能が日本語に対応していないのは少々残念ですが、今後に期待しながら今ある機能を積極的に活用していきましょう。