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macOS Sonomaの「ゲームモード」の実力は?

 macOS Sonomaでは、新たに「ゲームモード」が搭載されました。このモードでは、CPUやGPUの動作をゲームに最適化し、ワイヤレスコントローラやワイヤレスイヤフォンの遅延を低減させます。ここでは、ゲームモードの使い方や実際の効果について解説していきましょう。

ゲームモードの存在により、ゲーム体験をこれまで以上に引き上げることができます(画像は「BIOHAZARD VILLAGE for Mac」)

ゲームモードで何が変わる?

 macOS Sonomaに搭載されたゲームモードとは、Appleシリコンを搭載したMacでゲームを快適に楽しむための仕組みです。

 具体的には、ゲームアプリに対してCPUとGPUの優先度を高め、バックグラウンドタスクのCPUとGPUの使用量を減らします。

 また、Bluetoothのサンプリングレートを2倍に引き上げ、ゲームコントローラやワイヤレスイヤフォンの遅延を軽減します。

 ゲームモードは、App Storeで公開されているゲームなどに限定されたものではありません。たとえば、サードパーティ製のゲームプラットフォームである「Steam」のゲームでも利用できます。

 もちろん、すべてのMac用ゲームアプリを試したわけではないので断言はできませんが、ほとんどのゲームアプリで利用できると考えて良いでしょう。

ゲームモードの利用方法

 続いて、ゲームモードの利用方法について解説しましょう。

 ゲームモードは、macOS Sonomaでゲームアプリをフルスクリーン表示するとオンになります。

 自動的にフルスクリーンモードで起動するゲームなら、ユーザーは特に意識することなくゲームモードの恩恵に預かることができます。

 また、フルスクリーンを解除すれば、ゲームモードを一時停止状態にできます。

 ゲームモードには、ユーザーが設定できるオプションなどは一切ありませんが、メニューバーに表示されるゲームモードアイコンから、ユーザーがオン/オフを切り替えることができます。

 フルスクリーンモードになっているとメニューバーが隠れてしまいますので、いったん別のアプリに切り替えるなどしてからメニューバーを表示させましょう。

フルスクリーンモードで起動するゲームは、このような通知が表示され自動的にオンになります
フルスクリーンモードを解除するとゲームモードは一時停止状態になります
メニューバーのゲームモードアイコンからゲームモードをオフにすることも可能です

パフォーマンスはどこまで上がる?

 ゲームモードによる実際のCPUやGPUのパフォーマンスは多くの人が気になると思いますが、まず前提として、ゲームモードが行なっているのはCPUとGPUの優先度の最適化です。

 そのため、ゲームモードを利用したからといって、今までスムーズに動かなかったゲームのパフォーマンスが「劇的に」改善することはありません。

 また、バックグラウンドプロセスが少ない状態では、ゲームモードの恩恵をあまり感じることができません。

 言い換えれば、バックグランドで起動しているアプリがほぼない場合は、ゲームモードの有無による違いをほとんど感じないでしょう。

 一方、複数のアプリを起動するなどバックグラウンドプロセスが多い状況では、一定の違いを体感できました。

 しかし、ゲームだけにほとんどのCPUとGPUのパワーを集中させるといった極端な配分を行なうわけではないようです。

 試しに、iMovieで動画の書き出し処理を行なっている最中にゲームをしてみましたが、動画の書き出し処理に対してもかなりの割合でCPUとGPUを振り分けていました。

 総じて、今回検証を行なったうえでの見解としては、ゲームモードをオンにすることで、若干ゲームの処理が優先されるといったレベルです。

App Storeで公開されているMac用ゲームのほとんどは、そもそもAppleシリコンを搭載したMacならストレスなくプレイできます(画像は「BIOHAZARD VILLAGE for Mac」)
グラフィックス品質を上げてゲームをプレイすると、徐々にMacのスペックが追いつかなくなり、処理が遅くなっていきます。ただし、ゲームモードはCPUとGPUの本来のパフォーマンスを底上げするものではないため、ゲームモードをオンにしたからといって劇的なパフォーマンスアップが望めるわけではありません
MacBook Proをマルチディスプレイ環境で使い、本体側のディスプレイでゲームを実行、外部ディスプレイ側でiMovieの書き出しを行ないました。「アクティビティモニタ」でCPUやGPUの占有率を確認したところ、ゲームモードをオンにしていても、iMovieの処理にかなりのCPUとGPUが使用されていました

Bluetoothの遅延低減がうれしい

 ゲームモードによる恩恵は、CPUとGPUのパフォーマンスよりもむしろBluetoothの遅延低減のほうが大きいと言えます。

 たとえばリズムゲームの場合、ワイヤレスイヤフォンやコントローラの遅延は、ゲーム性を揺るがすほどの大問題です。

 個人的にも、ゲームの難易度が高くなると、遅延が気になって快適にプレイできないことがありました。

 そこで、定番リズムゲームの「太鼓の達人」を試してみたのですが、ゲームモードではワイヤレスイヤフォン・コントローラの遅延が明らかに軽減するのを実感できました。

 リズムゲームのほか、シビアな操作精度を要求されるアクションゲーム、対戦ゲームなどでも効果を感じられることでしょう。

AirPodsとPlayStation 4のコントローラ(DUALSHOCK 4)をつないで「太鼓の達人」をプレイ。遅延をあまり気にせず、快適にプレイできました

これからはMacでもっとゲームを楽しもう

 Macは、Windows PCに比べて「ゲームに弱い」というイメージを持たれがちです。昔はゲームタイトルも多くなく、Macでゲームを遊ぼうと思わなかった人がいるかもしれません。

 しかし、2023年6月に開催されたAppleの世界開発者会議(WWDC 2023)では、これから数多くのゲームタイトルがローンチされることが発表されました。

 その中には、名ゲームプロデューサーの小島秀夫氏が手がける「DEATH STRANDING」といったビッグタイトルも含まれています。

 ゲームモードやいくつかのビッグタイトルをきっかけにMacゲームの裾野が広がる……というのは少々楽観的な観測かもしれませんが、ゲームファンやゲーム開発者の注目を集める一助にはなるでしょう。

 すでにMacには、やりごたえのあるゲームタイトルがたくさん存在しています。

 サブスクリプションでゲームし放題の「Apple Arcade」というサービスもありますので、この機会にMacで何かゲームを始めてみてはいかがでしょうか?

MacのApp Storeには、やりごたえのあるゲームタイトルが豊富に存在します。お気に入りの1本を見つけてみましょう