ベンチで検証! CPUのキキどころ
3世代9種類のCPUでカメラエフェクトソフト「Snap Camera」を検証
2020年9月25日 06:50
今回テストするのは、カメラの映像をリアルタイムで加工できる「Snap Camera」。ビデオ会議ツールのバーチャル背景機能の代用としても注目されるこのツールで、CPUの違いがどの程度影響するのかをチェックする。
テストするCPUとそのほかの機材は以下のとおり。
プロセッサー・ナンバー | Core i9-10900K | Core i5-10600 | Core i3-10100 | Core i7-6700K | Core i5-6600K | Core i3-6100 | Core i7-2600K | Core i5-2500K | Core i3-2105 |
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世代 | 第10世代 | 第6世代 | 第2世代 | ||||||
CPUアーキテクチャ | Comet Lake | Skylake | Sandy Bridge | ||||||
製造プロセス | 14nm | 14nm | 32nm | ||||||
コア数 | 10 | 6 | 4 | 4 | 4 | 2 | 4 | 4 | 2 |
スレッド数 | 20 | 12 | 8 | 8 | 4 | 4 | 8 | 4 | 4 |
ベースクロック | 3.7GHz | 3.3GHz | 3.6GHz | 4.0GHz | 3.5GHz | 3.7GHz | 3.4GHz | 3.3GHz | 3.1GHz |
最大ブーストクロック | 5.3GHz | 4.8GHz | 4.3GHz | 4.2GHz | 3.9GHz | ─ | 3.8GHz | 3.7GHz | ─ |
L3キャッシュ | 20MB | 12MB | 6MB | 8MB | 6MB | 3MB | 8MB | 6MB | 3MB |
対応メモリ | DDR4-2933 (2ch) | DDR4-2666 (2ch) | DDR4-2133/DDR3L-1600 (2ch) | DDR3-1333 (2ch) | |||||
PCI Express | PCIe 3.0 x16 | PCIe 3.0 x16 | PCIe 2.0 x16 | ||||||
TDP | 125W | 65W | 65W | 91W | 91W | 51W | 95W | 95W | 65W |
対応ソケット | LGA1200 | LGA1151 | LGA1155 |
CPU | Core i9-10900K | Core i5-10600 | Core i3-10100 | Core i7-6700K | Core i5-6600K | Core i3-6100 | Core i7-2600K | Core i5-2500K | Core i3-2105 |
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コア数/スレッド数 | 10/20 | 6/12 | 4/8 | 4/8 | 4/4 | 2/4 | 4/8 | 4/4 | 2/4 |
パワーリミット (PL1) | 125W | 65W | 65W | 95W | 95W | 51W | 95W | 95W | 65W |
パワーリミット (PL2) | 250W | 134W | 90W | 118.75W | 118.75W | 63.75W | 118.75W | 118.75W | 81.25W |
パワーリミット (Tau) | 56秒 | 28秒 | 28秒 | 8秒 | 8秒 | 8秒 | 1秒 | 1秒 | 1秒 |
マザーボード | ASUS TUF GAMING Z490-PLUS (WI-FI) [UEFI:1001] | ASUS Z170-A [UEFI:3802] | ASUS P8Z68-V PRO [UEFI:3603] | ||||||
メモリ | DDR4-2933 8GB×2 (2ch、21-21-21-47、1.20V) | DDR4-2133 8GB×2 (2ch、15-15-15-36、1.20V) | DDR3-1333 8GB×2 (2ch、9-9-9-24、1.50V) | ||||||
ビデオカード | ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 | ||||||||
システム用SSD | Crucial MX500 500GB (SSD/6Gbps SATA) | ||||||||
アプリケーション用SSD | SanDisk Ultra 3D SSD 1TB (SSD/6Gbps SATA) | ||||||||
電源 | CORSAIR RM850 CP-9020196-JP (850W/80PLUS Gold) | ||||||||
グラフィックスドライバ | GeForce Game Ready Driver 451.48 DCH (27.21.14.5148) | ||||||||
OS | Windows 10 Pro 64bit (Ver 2004 / build 19041.329) | ||||||||
電源プラン | 高パフォーマンス | ||||||||
室温 | 約25℃ |
グリーンバックを合成して、Zoomのバーチャル背景機能を利用
Webカメラの映像をリアルタイムで加工できるSnap Cameraでは、人物の背景をグリーンバックに差し替える「レンズ」も提供されている。
今回はそのようなレンズを利用して、Webカメラの映像(1,920×1,080、30fps)にグリーンバックを合成。Snap Camera単体で合成映像をプレビューしたさいと、グリーンバック映像にビデオ会議ツールの「Zoom」のバーチャル背景機能で更に背景合成をした上で、2人でのビデオ会議を実行したさいのCPU使用率を測定した。
テストに利用したSnap Cameraのバージョンは1.9.0でZoomクライアントアプリはバージョン5.2.3。CPU使用率は「HWiNFO v6.30」を用いて測定した。
測定の結果が以下のグラフだ。Zoom利用中のCPU使用率がもっとも低かったのは7.9%を記録したCore i9-10900Kで、以下14.9%のCore i5-10600、24.9%のCore i3-10100と続いた。
Core i9-10900KからCore i5-2500Kまでは同程度の映像品質でZoomを利用できているが、Core i3-2105は送信する映像のフレームレートが約15fpsに低下しており、CPU使用率とは別に「質」の違いが発生している。
Snap Cameraによって、以前のテストでZoomのバーチャル背景機能を利用できなかったCPUでも背景を合成することが可能になったが、その代償としてCPU使用率はかなり高いものとなっている。
このCPU使用率の高さは、Snap CameraとZoomで2重に背景を合成しているという事情もあるが、Core i3-2105はSnap Camera単体でのプレビューでもCPU使用率は5割近くに達しており、背景合成自体が「重たい」処理であることがわかる。
Snap Cameraを用いれば、ビデオ会議ツール標準のバーチャル背景が利用できないCPUでの背景合成を可能にできるが、「ながら作業」に使えるCPUパワーは大きく減ることになる。ビデオ会議中にほかの作業をしないなら有効だが、そうでないのであれば、新しいCPUを使うことが快適な作業環境への近道となるだろう。
[制作協力: インテル]