Hothotレビュー
富士通「LIFEBOOK WU1/L」
~3,200×1,800ドット14型IGZO液晶搭載Ultrabook
(2013/7/5 00:00)
富士通は、14型液晶を採用するUltrabook「LIFEBOOK UH90/L」を発売した。3,200×1,800ドットと超高解像度表示に対応する14型のIGZO液晶を採用する点が最大の特徴で、これまでにない映像表示能力を持つUltrabookとして注目を集めている。今回、LIFEBOOK UH90/Lをベースとした、直販サイト「富士通WEB MART」専売のカスタムメイドモデル「LIFEBOOK WU1/L」を試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介しよう。
3,200×1,800ドット表示対応の超高解像度液晶を採用
「LIFEBOOK WU1/L」(以下、WU1/L)の最大の特徴は、なんといっても液晶パネルだ。これまで、14型以下の液晶を搭載する富士通製のノートPCは、ほとんどの製品で表示解像度が1,366×768ドットにとどまっていた。富士通初のUltrabookとして登場した、「LIFEBOOK UH75/H」も同様で、14型と他のUltrabookよりひとまわりサイズの大きい液晶を採用しつつ、表示解像度が1,366×768ドットとなっていた。すでに他社から13.3型以下でフルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の液晶を採用するUltrabookが登場していたことを考えると、見劣りしていたのも事実だ。
しかし、WU1/Lでは、液晶サイズは従来と同じ14型ながら、表示解像度が3,200×1,800ドットと、フルHDを大きく凌駕する超高解像度表示に対応。表示解像度は、フルHDと比べて約2.78倍、従来モデルの1,366×768ドットと比べると実に約5.49倍にも達している。また、ドットピッチも262ppiと、10.1型フルHDの218ppiよりも高精細。フルHDを超え、いきなりここまでの高解像度液晶を採用するというのは、かなり思い切った判断だという印象を受ける。
また、この液晶パネルは、シャープのIGZO技術を採用したパネルとなっている。東芝のdynabook KIRA V832も超高解像度液晶パネルを搭載しているが、搭載液晶の種類は非公開。国内でIGZO液晶の採用をはっきり明言するUltrabookは、このWU1/Lが初だ。
この液晶は、薄型、軽量、高輝度、広視野角、高色純度、超高解像度パネル”フルフラットファインパネル”とされているが、実際の表示品質もかなり優れる。視野角は十分に広く、VA方式やIPS方式の液晶パネルとほぼ同じ視野角が確保されているという印象。圧倒的な高解像度表示のため、肉眼では画素が全くと言っていいほど認識できず、デジカメ写真などを表示する場合でも、本来のクオリティをほとんど損なうことなく表示可能。下に、WU1/Lと、13.1型フルHD液晶を搭載する「VAIO Z SVZ1311AJ」で同じ画像を全画面表示し、その一部を撮影した画像を掲載しているが、フルHDで確認できる画素が、WU1/Lではさらに大きく拡大しなければ確認できないことがわかる。
加えて、発色も非常に鮮やかだ。比較のVAIO Zは広色域液晶を採用しており、非常に鮮やかな発色が特徴だが、WU1/Lの液晶の発色も、ほとんど遜色ないレベル。光沢パネルのため、外光の映り込みが気になる場面はあるものの、それ以外で液晶の表示品質に不満を感じる場面はほぼ皆無と言っていいだろう。
液晶表面には、10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルを標準搭載。パネル表面は「スーパーグライドコーティング」と呼ばれる特殊表面処理が施されており、指が引っかかることなくスムーズなタッチ操作が可能となっている。
文字サイズは標準で150%に設定
WU1/Lの液晶は、圧倒的な高解像度表示に対応することで、デスクトップ領域も非常に広大となっている。表示文字サイズを100%に設定している状態では、一般的なWebページであれば横に3ページを並べて表示できる。実際に、PC Watch、AKIBA PC Hotline!、AV Watchの3誌を横に並べて表示してみたが、まだ若干の余白ができるほど。これだけの表示領域があれば、複数のアプリを同時利用も非常に快適と言える。
ただし、あまりにも表示解像度が高いため、表示文字サイズが100%では非常に小さくなってしまう。アイコンの文字は1mmに満たない小ささで、視認性が大きく低下してしまう。個人的な印象では、文字サイズを100%に設定した状態では、快適な利用は難しいと感じた。
そういったこともあって、WU1/Lでは標準で表示文字サイズが150%に設定されている。その状態でも、表示される文字サイズは13.3型フルHD液晶での100%表示時の文字サイズより小さいが、アイコンの文字はかなり大きくなり、まずまず快適な利用が可能という印象だ。
ただ、利用者によっては、これでもまだ文字サイズが小さいと感じる可能性もあるだろう。その場合には、カスタム設定でさらに文字サイズを大きくすればいいが、カスタム設定での変更は少々面倒。そこで活用したいのが、「かんたんサイズ設定」アプリ。これを利用すれば、簡単に文字サイズを150%よりも大きくして利用できる。このアプリには、「情報量優先」、「バランス優先」、「見やすさ優先」と3種類の文字サイズ設定が用意され、情報量優先では144%、バランス優先では165%、見やすさ優先では211%にそれぞれ設定される。設定変更時にはサインアウトが必要となるが、ワンタッチで文字サイズを変更できるため、便利に活用できるだろう。
横幅は13.3型液晶搭載ノートクラス、薄さも際立つ
WU1/Lの特徴は液晶だけではない。本体のサイズや形状にも特徴がある。
本体サイズは、329.9×229.9×9.2~15.5mm(幅×奥行き×高さ)となっている。特に、高さは9.2~15.5mmと、タッチパネルを搭載していることを考えるとかなり薄いと言っていいだろう。ちなみに、試用機では内蔵ストレージがSSDだったが、HDDも搭載可能となっている。そして、HDDを搭載するUltrabookとして世界最薄となっている。
フットプリントも、14型液晶搭載ノートとしてはかなりコンパクトだ。特に、横幅の狭さは特筆すべき部分。WU1/Lは、液晶左右のベゼル幅が実測で10mmを切る狭さとなっており、これによって本体の横幅を13型液晶搭載ノートクラスに納めているというわけだ。ちなみに、筆者が利用している13.1型液晶搭載のVAIO Z SVZ1311AJは、横幅が約330mmと、WU1/Lとほぼ同じだ。
ただし、本体の奥行きは229.9mmと、やや大きい。液晶の上下のベゼル部は、左右に比べてかなり広く取られているため、もう少し縮めることも可能なように感じるが、薄型化と横幅を狭くしたことで、液晶上下に配置するパーツが多くなり、それだけ幅を広く取る必要があったものと思われる。とはいえ、極端に大きいわけではなく、携帯性は失われていない。
本体重量は、公称で約1.39kgとなっており、実測では1,360gであった。13.3型液晶搭載のUltrabookでは、タッチパネルを搭載しつつ約1,060gの軽さを実現する「VAIO Pro 13」など、より軽い製品も存在するが、実測1,360gを超える重量の製品も数多く存在する。それらより大型で高解像度のタッチパネル液晶を搭載しつつ、1.4kgを切る軽さを実現している点は、十分に魅力がある。実際、手にしても、重いと感じることはない。
そして、これだけの薄型軽量ボディを実現しつつ、優れた堅牢性を兼ね備えている。天板と底面にはマグネシウム合金を採用するとともに、底面は内蔵部品の凹凸に合わせて厚みを変えることにより、強度を高めている。また、底面とキーボード面双方を箱状にし、2個の箱を側面の継ぎ目なく重ね合わせることで、ねじれやたわみへの耐性を高める「超圧縮ソリッドコア」構造を実現。こういった技術によって、薄型軽量ながら、約200kgの天板全面加圧試験をクリアする優れた堅牢性を実現している。
本体デザインは、かなりシンプルだ。底面は側面付近が斜めに切り取られ、本体の薄さを強調。また、液晶を閉じた状態では本体と液晶部がぴったり重なるとともに、側面はほぼ垂直に切り取られた、ほぼ1枚板のような形状となる。“刀”をコンセプトに、極力無駄をそぎ落としたデザインということだが、シンプルな中にもシャープな印象を受けるデザインと感じる。また、カラーは今回試用した鮮やかな赤を基調とした「サテンレッド」に加え、天板と底面がブラック、キーボード面がシルバーの落ち着いた印象の「スパークリングブラック」の2色が用意されるが、個人的にはサテンレッドの色合いにかなり魅力を感じた。
ただ、ここまで無駄をそぎ落としたシンプルなデザインにこだわるなら、天板のロゴももう少し目立たないようにしてもらいたかったように思う。特に今回の試用機のサテンレッドでは、シルバーのメーカーロゴがかなり目立ち、せっかくのデザイン性がやや損なわれているように感じた。おそらく、カラーがスパークリングブラックならここまで目立たないように思うが、サテンレッドでは、もう少し目立たないカラーにするだけでも大きく印象が変わるはずなので、この点は今後の考慮を期待したい。
キーボードの使い勝手はまずまずだが、タッチパッドはやや難あり
キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプのキーボードを採用。キーピッチは、横が約19mm、縦が約18mmと、わずかに縦が短くなっているものの、実際に使ってみても縦の狭さや、違和感を感じることはなかった。それに対し、ストロークの短さとキータッチは若干気になった。ストロークは約1mmしかなく、Ultrabook搭載キーボードの中でも最も短い部類に入る。また、タッチは適度な堅さがあるものの、クリック感が少ない。本体の薄さを考えると、ストロークの短さはしかたがないが、もう少しクリック感があると良かったように思う。それでも、全体的な使い勝手はまずまずで、タッチタイプも問題なく行なえる。
それに対し、タッチパッドは少々難ありと感じた。タッチパッドは、クリックボタン一体型で、面積も大きく、ハード的には一般的なUltrabook搭載タッチパッドと大きく変わるところはない。ただ、実際に使ってみると、操作時にカーソルが不意に大きく飛んだりすることが多く、操作に戸惑う場面があった。これについては、ハード的な問題というより、ドライバなどソフト的な問題と思われるが、早急な改善を期待したい。
特殊形状の有線LANコネクタを用意
カスタムメイドモデルのWU1/Lは、購入時にCPUやメモリ容量、内蔵ストレージの種類や容量などを自由にカスタマイズ可能となっている。CPUはCore i5-4200UまたはCore i7-4500U、メモリ容量は4GBまたは8GB、内蔵ストレージは500GB HDD+NANDフラッシュまたは128GB SSD、256GB SSDから自由に選択できる。ちなみに、今回の試用機では、CPUはCore i7-4500U、メモリ容量は8GB、内蔵ストレージは256GB SSDとなっていた。
無線機能はIEEE 802.11a/b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0+HSを標準搭載。側面ポートは、左側面に電源コネクタ、USB 3.0×1ポート、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、右側面にSDカードスロット、USB 3.0×1ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernetの各ポートを備える。これらのポートは、Gigabit Ethernetポート以外は全て標準サイズのポートとなっており、周辺機器を直接接続して利用できる点は嬉しい。また、Gigabit Ethernetポートは、本体が薄いために独自形状のコネクタを採用しているが、ポートを引き出して上に引きあげるという、特殊な構造を採用することで、通常のLANコネクタを直接接続し利用できる。最近では、本体の薄型化のため有線LANポートの搭載が見送られたUltrabookも増えているが、独自コネクタの採用により、薄型ながら有線LANポートを搭載している点はWU1/Lの大きな魅力と言える。
もう1つ大きな特徴となるのが、指紋認証センサーを標準搭載する点だ。2012年、Appleが指紋認証技術を開発するAuthenTecを買収した影響で、多くのWindows PCメーカーが指紋認証センサーの搭載を見送っているが、WU1/Lでは富士通独自の指紋認証技術を採用することで、搭載を実現。指紋認証によるWindowsやWebサイトのログイン認証は便利なのはもちろん、手軽にセキュリティ性を高めるという点でも有用な機能で、指紋認証センサーの標準搭載は他の機種にはない大きな特徴だ。
パフォーマンスはやや伸び悩む
では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark Vantage Build 1.2.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」の7種類。比較用として、パナソニックの「Let'snote AX3」、東芝の「dynabook KIRA V832」の結果も加えてある。
LIFEBOOK UH90/L WU1/L | Let'snote AX3 | dynabook KIRA V832 | |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-4500U(1.80/3.00GHz) | Core i7-4500U(1.80/3.00GHz) | Core i5-3337U(1.80/2.70GHz) |
チップセット | ― | ― | Inte HM76 Express |
ビデオチップ | Inte HD Graphics 4400 | Inte HD Graphics 4400 | Intel HD Graphics 4000 |
メモリ | PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB | PC3-12800 DDR3L SDRAM 4GB | PC3-12800 DDR3L SDRAM 8GB |
ストレージ | 256GB SSD | 128GB SSD | 128GB SSD |
OS | Windows 8 | Windows 8 | Windows 8 |
PCMark 7 v1.4.0 | |||
PCMark score | 4689 | 5211 | 4629 |
Lightweight score | 3421 | 3507 | 3145 |
Productivity score | 2546 | 2650 | 2271 |
Creativity score | 3181 | 3811 | 3252 |
Entertainment score | 9186 | 9640 | 9238 |
Computation score | 13953 | 16968 | 14687 |
System storage score | 5493 | 5181 | 5375 |
Raw system storage score | 4689 | ― | ― |
PCMark Vantage x64 Build 1.2.0 | PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a | ||
PCMark Suite | 9386 | N/A | N/A |
Memories Suite | 7015 | 8621 | 7828 |
TV and Movies Suite | N/A | N/A | N/A |
Gaming Suite | 7333 | 10799 | 9993 |
Music Suite | 15568 | 18314 | 15402 |
Communications Suite | 12249 | N/A | N/A |
Productivity Suite | 10713 | N/A | N/A |
HDD Test Suite | 54640 | 47023 | 40856 |
PCMark05 Build 1.2.0 | |||
PCMark Score | N/A | N/A | N/A |
CPU Score | 8933 | 9513 | 8117 |
Memory Score | 7370 | 8812 | 7167 |
Graphics Score | 2827 | 3039 | 2774 |
HDD Score | 67711 | 44164 | 44552 |
3DMark Professional Edition v1.1.0 | 3DMark Professional Edition v1.0 | ||
Ice Storm | 14806 | 38512 | 29350 |
Graphics Score | 14068 | 41118 | 29880 |
Physics Score | 18140 | 31522 | 27636 |
Cloud Gate | 3213 | 4739 | 3679 |
Graphics Score | 3624 | 5897 | 4339 |
Physics Score | 2302 | 2809 | 2402 |
Fire Strike | 508 | 680 | 535 |
Graphics Score | 560 | 738 | 581 |
Physics Score | 3147 | 3682 | 3388 |
3DMark06 Build 1.1.0 0906a | |||
3DMark Score | 4311 | 6196 | 5186 |
SM2.0 Score | 1371 | 2108 | 1694 |
HDR/SM3.0 Score | 1842 | 2580 | 2215 |
CPU Score | 3132 | 3676 | 3180 |
Windows エクスペリエンスインデックス | |||
プロセッサ | 7.1 | 7.1 | 6.9 |
メモリ | 7.1 | 5.9 | 7.4 |
グラフィックス | 4.5 | 5.8 | 5.6 |
ゲーム用グラフィックス | 6.3 | 6.5 | 6.4 |
プライマリハードディスク | 8.1 | 8.1 | 8.0 |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | |||
1,280×720ドット | 2006 | 2769 | 2479 |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編 | |||
1,280×720ドット | 2038 | ― | ― |
結果を見ると、同じCPUを搭載するLet'snote AX3と比べ、多くの結果が下回っていることがわかる。この要因として考えられるのは、メインメモリがシングルチャネル動作になっているという点だ。WU1/Lでは、メインメモリは内部のSO-DIMMスロットに取り付けられているが、SO-DIMMスロットは1スロットのみとなっており、シングルチャネル動作となっている。これにより、CPUおよび統合GPUのパフォーマンスが最大限引き出せない状況となっていることが、大きく影響しているのだろう。
ただ、3D描画関連のテストでは、より大きくスコアが落ち込んでおり、3DMarkのIce Stormの結果ではLet'snote AX3の半分以下のスコアとなっている。これは、どうやらCPUの放熱が十分ではないことが影響しているようだ。実際に、ベンチマークテスト時のCPUの動作クロックをチェックしてみたところ、PCMark 7、PCMark Vanttage、PCMark 05実行中では、たまにクロックが落ちる場面も見られたが、大半がCore i7-4500Uの2コア動作時のターボブースト上限クロックとなる2.7GHzで動作していたのに対し、ゲーム系ベンチマークテスト時には2GHzを大きく割り込む場面が大半を占めていた。
WU1/Lは、薄型ボディの影響で、薄型の空冷ファンを搭載しているが、高負荷時にも排気口からの空気の排出の勢いがやや弱い。そのため、うまくCPUの発熱が外部に放出できずに、サーマルスロットリングでCPUの動作クロックが大きく低下していると考えられる。
WU1/Lは、ゲームなどを快適に楽しむ用途のPCではないが、それでも同じCPUを搭載する他社Ultrabookに大きくパフォーマンスが劣る点はかなり残念。あと1mm本体の厚さが増えてもいいので、CPUのパフォーマンスがフルに発揮できる放熱機構を搭載してもらいたかったように思う。
ただ、ファンの動作音は比較的静かで、低負荷時にはファンの動作音がほとんど聞こえず、無音に近い静かさだ。また、高負荷時の動作音は、金属的な高音の動作音のため、若干耳障りではあるものの、うるさいと感じるほどではない。これなら、静かな場所での利用時にも気にならないだろう。
次に、バッテリ駆動時間だ。WU1/Lには容量45Whのリチウムポリマーバッテリが内蔵され、バッテリ駆動時間は、公称でCPUにCore i5-4200U搭載時で約11.1時間、Core i7-4500U搭載時で約11時間とされている。そこで、Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、約6時間47分の駆動を確認した。低消費電力のIGZO液晶を採用しているとはいえ、さすがに3,200×1,800ドットの超高解像度表示に対応しているため、液晶パネルの消費電力が大きく、比較的大容量のバッテリを内蔵しているものの、実測で7時間に満たないバッテリ駆動時間となったのだろう。とはいえ、この条件で6時間を超える駆動時間なら、それほど大きな不満はないと言える。
表示品質最優先でUltrabookを探している人におすすめ
WU1/Lの魅力は、やはり3,200×1,800ドット表示対応の14型IGZO液晶を採用している点に尽きる。圧倒的な超高解像度で、デジカメ写真などを高精細に表示したり、広大なデスクトップ作業領域を確保できるという点は、他のノートPCにはない大きな魅力となる。また、表示品質に優れる点も魅力で、デジカメ写真のレタッチ作業なども、難なくこなせるだろう。加えて、薄型軽量ボディと堅牢性を兼ね備え、高い携帯性を実現していている点も見逃せないポイントだ。直販価格は最小構成164,800円で、15%オフクーポン適用で140,080円からとなっている(7月4日時点、詳細は富士通WEB MARTにてご確認ください)。
バッテリ駆動時間は標準的で、高負荷時のパフォーマンスが優れない点や、タッチパッドの動作にやや難がある点など、気になる部分もある。それでも、液晶の表示解像度や優れた表示品質が、他の製品にはない大きな魅力となるのは事実。とにかく液晶の表示解像度や品質を最優先でUltrabookを選択したいと考えている人におすすめしたい。