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Core i7/RTX 4060/120Hz 2.5K液晶で約21万円!「Inspiron 16 Plus」が高コスパすぎ
2023年6月16日 06:32
デルは、コスパ優れるInspironシリーズにクリエイティブ、ゲーム用途に適した16型ノートPC「Inspiron 16 Plus」を発売した。本製品は6月15日時点において直販価格が21万1,776円。
Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ16GB/SSD 1TB/16型WQXGA液晶(120Hz)という条件を満たすマシンの中でも最安クラスだ。今回は本製品がゲーム、クリエイティブ用途でどのぐらいの性能を発揮するのかじっくり見ていこう。
メモリは16GBと32GBを用意。ストレージは1TBのみ
Inspiron 16 PlusはOSにWindows 11 Home/Pro、CPUに第13世代のCore i7-13700H(6P+8Eコア/20スレッド、最大5.00GHz)、ディスクリートGPUにGeForce RTX 4060 Laptop GPU(GDDR6 8GB)を採用。メモリは16GBまたは32GB、ストレージは1TB(PCIe 4.0 x4接続SSD)を搭載する。
記事執筆時点で下記の3モデルがラインナップされている。なお、今回はメモリ32GBのものを試用している。
即納モデル
- Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ32GB/SSD 1TB/Microsoft Officeあり:24万5,350円
受注生産モデル
- Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ16GB/SSD 1TB/Microsoft Officeオプション:21万1,776円
- Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ32GB/SSD 1TB/Microsoft Officeオプション:23万4,653円
即納モデルはOfficeが同梱、受注生産モデルはOfficeがオプション。そしてメモリが16GBと32GBの2モデルが用意されている。ちなみに少なくとも執筆時点では、受注生産モデルでもメモリとストレージは変更できない。より大容量のメモリ、ストレージを搭載したい場合にはユーザーが自分で換装することになる。
以降のスペックは共通で、ディスプレイは16型WQXGA(2,560×1,600ドット)WVA非光沢液晶を搭載。ディスプレイ上部にはフルHD Webカメラ(プライバシーシャッター付き)とデュアルアレイマイクを内蔵している。
インターフェイスはThunderbolt 4(データ/映像/USB PD対応)、USB 3.0×2、HDMI 2.0、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E(最大2.4Gbps)、Bluetooth 5.3をサポートしている。
本体サイズは約356.78×251.9×17.11~19.95mm、重量は約2.06kg。86Whのリチウムポリマーバッテリを内蔵するが、バッテリ駆動時間は非公開。生体認証は顔認証と指紋認証をサポートする。
製品名 | Inspiron 16 Plus |
---|---|
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Core i7-13700H(6P+8Eコア/20スレッド、最大5.00GHz、45W) |
GPU | GeForce RTX 4060 Laptop GPU(GDDR6 8GB)、Iris Xe Graphics |
メモリ | 16GB/32GB(DDR5-4800、SO-DIMM×2、最大64GB) |
ストレージ | 1TB(PCIe 4.0 x4接続SSD) |
ディスプレイ | 16型WQXGA WVA非光沢液晶(2,560×1,600ドット、300cd/m平方m、sRGB比100%、コントラスト比1,000:1、120Hz、タッチ/ペン非対応) |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E(最大2.4Gbps)、Bluetooth 5.3 |
WWAN(5G) | - |
インターフェイス | Thunderbolt 4(データ転送、DisplayPort 1.4、USB PD対応)、USB 3.0×2、HDMI 2.0、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャック |
入力デバイス | 84キー日本語キーボード(バックライト内蔵) |
カメラ | フルHD(1080p)Webカメラ |
サウンド | ステレオスピーカー(Dolby Atmos対応、クワッドスピーカー、2W×4)、デュアルアレイマイク |
バッテリ容量 | 86Wh(リチウムポリマー) |
バッテリ駆動時間 | 非公表 |
バッテリ充電時間 | 0~15℃時:4時間、16~50℃時:3時間 |
本体サイズ | 約356.78×251.9×17.11~19.95mm |
重量 | 約2.06kgから |
セキュリティ | 指紋認証対応、セキュリティロックスロット非搭載 |
オフィスアプリ | モデルによりオプション |
同梱品 | ACアダプタ、電源ケーブル、マニュアル類 |
カラー | プラチナシルバー |
価格 | 21万1,776円から |
アルミニウムボディの質感は良好、キーボード、タッチパッドの感触も◎
Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ16GB/SSD 1TB/16型WQXGA液晶(120Hz)というスペックで、直販価格21万1,776円という低価格を実現しているInspiron 16 Plusだが、アルミニウムボディの品質、作りはデルらしくしっかりとしたものだ。
キーボードのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.4mm前後。実際に打鍵してみるとやや浅く感じるが、打鍵感自体は悪くない。また打鍵音も比較的低めだ。16型なので手軽に持ち運ぶノートPCではないが、静かな環境で使っても過剰に気を遣う必要はなさそうだ。
タッチパッドのサイズは115×80mm(幅×奥行き)と広く、ストロークは浅めで明確なクリック感が与えられている。軽い力でクリックできるので、指がずれて誤操作することもなかった。個人的にはマウスなしで快適に操作できるノートPCに仕上がっていると思う。
本製品のディスプレイの解像度は2,560×1,600ドットと高く、Dolby Visionに対応している。NetflixなどのHDRコンテンツを再生可能だ。ただし、輝度は300cd/平方m、コントラスト比は1,000:1なので、鮮やかさではやや物足りなさを感じた。
とは言え16:10の画面比率は前後の見通しがよく、非光沢の表面処理は照明などの映り込みを低減してくれる。なにより最大120Hzのリフレッシュレートはゲーム用途にももってこいだ。厳密な色調整には外部ディスプレイを用意したほうがいいが、ゲーム用途であれば実用上十分な画質だ。
スピーカーの音質については、キーボード奥に2つのツイーター、本体底面に2つのウーファーが内蔵されており、なかなか広がりのある音を再生してくれる。しかし、最大ボリュームだとボディ内での共鳴が気になった。また低域がやや物足りないというのが正直なところだ。ノートPC全体では平均点を超えているが、スピーカーの音質を特に売りにしているノートPCに比べると明確な差があると感じた。
WebカメラについてはフルHD Webカメラが搭載されている。RGB & IRのハイブリッドカメラではないため、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。ノイズも少ない。配信ならともかく、Web会議用途であれば実用上十分なクオリティだ。
クリエイティブ/ゲーム性能は十分。チューニングは安定寄り
最後にパフォーマンスをチェックする。今回の比較対象機種としては、第12世代のCore i7-12700Hを搭載する「Zenbook Pro Duo 14 OLED」(2022年8月発売モデル)を採用した。これは下位モデルのディスクリートGPU非搭載モデルなので、「GeForce RTX 4060 Laptop GPU」による3Dグラフィックス性能の向上にも注目していただきたい。
まずCPU性能だが、Inspiron 16 Plus(以下Inspiron)はZenbook Pro Duo 14 OLED(以下Zenbook)に対して、Cinebench R23のCPU(Multi Core)で111%相当のスコアを記録している。しかし続けてCinebench R23を10分間連続で実行したところ、スコアが逆転して87%相当の値に留まってしまった。
CPU温度とクロック周波数の推移を見てみると、Inspironの1周目は平均3,471.63MHzで動作しているが、2周目の1分7秒後に大きく落ち込み、その後は平均2,757.55MHzで推移していた。CPU温度が74.93℃前後まで下がっているのに、クロック周波数は上がっていかない。「MyDell」で超高パフォーマンスに設定していても、安定寄りで動作するチューニングとなっているようだ。
一方3Dグラフィックス性能については、InspironはZenbookに対して、「3DMark」では208~450%相当(平均387%)、「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」では398~445%相当(平均421%)のスコアを記録している。ディスクリートGPU搭載機と非搭載機の比較なので当然の結果だが、クリエイティブやゲーム用途のノートPCではディスクリートGPUはもはや必須装備と言える。
ストレージ速度については、Inspironはシーケンシャルリード(1M Q8T1)で3,659.307MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で3,035.601MB/sに留まっている。今回のマシンにはストレージに「PM9B1 NVMe Samsung 1024GB」が搭載されており、スペックシート通りのスピードが出ている。しかし、より高速、より大容量のストレージもカスタマイズ購入時に選択できるようにしてほしい。
総合ベンチマーク「PCMark 10」では、InspironはZenbookに対して、総合スコアで130%相当、Essentialsで104%相当、Productivityで148%相当、Digital Content Creationで142%相当のスコアを記録している。総合スコアがこれだけ違えば、実作業でも性能差を十分体感できるはずだ。
実アプリでのベンチマークでは、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像する所要時間はほぼ横並び。しかし、「Adobe Premiere Pro 2023」ではInspironはZenbookに対して約43%の所要時間で処理を終えた。GeForce RTX 4060 Laptop GPUによる支援が大きなアドバンテージとなっている。
最後にバッテリ駆動時間を計測するために、ディスプレイ輝度50%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、7時間36分という好成績を記録した。サイズ、重量さえ許容できるのなら、モバイルノートPC的な使い方も可能なわけだ。
メモリやストレージ交換も比較的容易、末永く高い性能を発揮するマシンだ
「Inspiron 16 Plus」最大の魅力はやはりコスパ。Core i7-13700H/RTX 4060/メモリ16GB/SSD 1TB/16型WQXGA液晶(120Hz)というスペックで直販21万1,776円というのは、為替レートを間違えているのではと思えてしまうほどの価格だ。
また、ディスクリートGPUを搭載した16型ノートPCで約2.06kgという重量は、個人的には問題なくモバイルできる。メーカー保証はともかく、メモリ、ストレージの交換や増設はマニュアルもあり比較的容易なので、末永く高いパフォーマンスを発揮してくれるマシンと言えよう。