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32GB大容量メモリと17.3型大型液晶で快適にゲームプレイ「G-Tune P7」

マウスコンピューター「G-Tune P7」

 マウスコンピューターの「G-Tune P7」は大型17.3型、解像度フルHDの液晶ディスプレイを搭載するゲーミングノートPCだ。CPUは第12世代Core i5-12500Hを搭載し、メモリはDDR4-3200 32GB、GPUにはミドルローのGeForce RTX 3050 Ti Laptopを備え、VRAMは4GB。ストレージには容量512GBのNVMe M.2 SSDを内蔵する。OSはWindows 11 Homeで、価格は22万9,900円。

 カスタマイズ可能な項目もあり、Windows 10 Proにする場合は8,800円増、メモリ容量を16GBに減らすことで5,500円減となるほか、内蔵SSDの容量を増やしたり、SSDとは別の内蔵HDDを追加することも可能となっている。さらに、外付けHDDやキーボード、マウスなどの周辺機器、映像編集ツールやOfficeなどのソフトウェアについても、追加することが可能だ。

 今回はカスタマイズなしの評価機をお借りしたのでこちらをレビューしていく。

17.3型の大型ディスプレイを採用

 「G-Tune P7」に実際に触れてみると、17.3型の大型ディスプレイがかなり見やすいのに気付かされる。この手のノートPCでは15.6型ディスプレイを搭載する製品が多いこともあり、このサイズを見ることはあまりないが、実際に使ってみると、かなりのド迫力で映像が楽しめる。大きいことはいいことだ。

 解像度がフルHD(1,920×1,080ドット)なので、4K(3,840×2,160ドット)などの高解像度表示を求める層には不向きだ。その一方で、本機でゲームをする場合、GPUがミドルレンジのGeForce RTX 3050 Ti Laptopであることから、フルHD解像度なら快適に遊べるパフォーマンスが発揮できるため、その辺りのバランスを調整した結果と思われる。

 ゲーム性能はフルHD解像度がちょうどいい本機だが、メモリ容量がデフォルトで32GB搭載されており、単なるゲーミングノートPCだけでなく、ゲームにまつわる映像や画像の編集などゲーム以外の用途についても、より重要視した構成になっていると感じられた。

フルHD解像度ながら17.3型の大型ディスプレイを搭載。5.5型サイズの「Nintendo Switch Lite」と比較するとそのサイズは歴然
リフレッシュレートは144Hz

 17.3型の液晶パネルは非光沢タイプで、リフレッシュレートは144Hzのため、高フレームレートでゲームをプレイする場合も追従性は高そうだ。念のため「UFO Test」でリフレッシュレートを確認してみたが、問題はなさそうだ。

 ディスプレイ出力端子としては、背面にMini DisplayPortとHDMIを1系統ずつ備えるので、より高解像度のディスプレイを使いたい場合は、こちらを使うのもいいだろう。ちなみにこれらは同時利用が可能で、本体を含めた最大3画面の同時出力が可能となっている。

本体背面には電源用のDC入力、Mini DisplayPortとHDMIを1系統ずつ、映像出力に対応しないUSB 3.1 Type-Cを装備するほか、両端には巨大な排気口を備える
本体前面には電源やバッテリ、ストレージアクセスLEDを備える
左側面にはUSB 3.0、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット入出力端子を装備。背面だけでなく、本体奥側にも排気口を備えており、冷却にかなり気を配っている
右側面にはmicroSDカードスロット、USB 3.1 Type-C、開閉機構ギミックのGigabit Ethernet。こちらも奥側は排気口となっている

 そのほかのインターフェイスとして、UHS-I対応のmicroSDカードスロット、マイク入力と4極対応のヘッドセット入出力端子、端子部が開閉するギミックのGigabit Ethernet、100万画素Webカメラ、USB 2.0、USB 3.0、USB 3.1 Type-C×2を備える。なお、USB 3.1 Type-Cはディスプレイ出力に対応していないため、注意が必要だ。

 キーボードはキーピッチ約18.2mmで、キーストローク約1.8mm。テンキーを搭載するので、数値入力や、2/4/6/8キーを使うようなゲームにも向く。内部には1ゾーン設定対応のRGB LEDを内蔵しており、カスタマイズして好みのカラーやパターンでキーボードを点灯させることも可能だ。カーソルキーはサイズこそやや小さめだが、周囲とは独立したレイアウトになっており、キーボード操作時にカーソルを使用するような場合でも、比較的扱いやすい。

 本体サイズは396.9×264.5×26mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.58㎏、内蔵バッテリはリチウムポリマーで、最大使用時間は約4.5時間。

キーボードレイアウト。右側にはテンキーを備えるほか、下部のタッチパッドはかなりの大型だ
キーピッチは約18.2mm
ゲーミングらしくキーボードにLEDが内蔵され自由に点灯可能
付属のACアダプタの重量は電源ケーブル込みで実測約466g

 本体を手に持つと、相応の重さは体感できるものの、同時に26mmの薄さも実感できる。設置面積は全体的に大きめながら、スリムなデザインに仕上がっているので、常時設置せずに、使いたい時だけ引っ張り出す使い方をするユーザーにはうれしい作りだ。

 なお、G-Tune P7には「Control Center 3.0」と呼ばれる制御ソフトがプリインストールされており、キーボードLEDの設定をしたり、電源設定を切り替えることが可能だ。

天面はG-Tuneロゴが描かれたのみのシンプルなデザイン
底面はかなり広めに吸気口のスペースを確保している
大型サイズである一方、かなりの薄型設計となっており、縦置きがしやすそう
プリインストールの「Control Center 3.0」では電源設定が切り替え可能
キーボードのLED設定もここで変更できる

ゲーム動作はいずれもバッチリ!設定の調整次第で多くのゲームが快適動作

 G-Tune P7はゲーミングノートPCということで、実際に何本かのゲームもプレイしてみた。本機にはゲーミングプラットフォーム「Steam」のクライアントがプリインストールされているので、Webサイトなどからわざわざインストール用ファイルをダウンロードすることなく、すぐに利用できるのはありがたい。

 フレームレートの測定には「CapFrameX」の1分測定機能を使用。画面表示用の「RivaTuner」をインストールして、画面上でも確認できる状態で使用した。測定結果のグラフとスクリーンショットをセットで張り付けているので、興味のある人は参考にしてみてほしい。

 まずは、最近よくゲーミングノートPCの指標として挙げられる「エルデンリング」を試した。フルスクリーン、フルHD解像度、自動描画調整をON、品質設定を高の状態で試してみたが、フレームレートは本作上限の60fps前後となかなか良好だった。

「エルデンリング」はソフト側でフレームレート上限60fpsとなっているが最低フレームでは35.4fpsを記録するなど、負荷は高めのようだ

 続いて「Apex Legends」も見てみよう。画質設定はデフォルトのまま特に変更せず、フルスクリーン、フルHD解像度、垂直同期のみオフにして試したが、大体70~100fpsくらいのフレームレートを保持していた。解像度をフルHDからHD(1,280×720ドット)に変更してみたところ、フレームレートは120~144fpsくらいを保持しており、144Hzの高リフレッシュレート液晶の性能を余すことなく発揮できる性能を改めて確認できた。

「Apex Legends」ではフルHD解像度の場合、最低フレーム77.3fps、平均100fps前後だが、解像度を1,280×720ドットに変更することで、平均141.1fpsを記録しており、リフレッシュレート144Hzのディスプレイが威力を発揮する

 もう1本、過去にゲーミングUMPCで何度か試していた「DEATH STRANDING」もプレイしたが、こちらもフルスクリーン、フルHD解像度、垂直同期オフで画質設定を標準にした状態で大体60~80fps前後のフレームレートを保持しており、ゲームプレイには申し分ない性能が確認できた。

「DEATH STLANDING」の場合、平均86.4fps、最低フレームは67.6fpsとなっており、ゲームプレイ上は問題ないレベルだった

 もちろん画質をさらに上げたり、外部出力による4K解像度でのゲームプレイは厳しいと思われるが、フルHD解像度では満足のいく動作が期待できそうだ。

ベンチマークスコアはいずれも良好

 それでは最後にベンチマークを行なっていこう。ベンチマークは恒例の「PCMark 10」、「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」、「Cinebench R23」を実施した。

【表】ベンチマーク結果
PCMark 10
PCMark 10 Score5,644
Essentials9,253
App Start-up Score12,555
Video Conferencing Score6,788
Web Browsing Score9,296
Productivity8,978
Spreadsheets Score12,289
Writing Score6,560
Digital Content Creation5,875
Photo Editing Score4,644
Rendering and Visualization Score10,485
Video Editing Score4,166
3DMark
Fire Strike12,901
Graphics score14,156
Physics score26,061
Combined Score5,327
Night Raid36,498
Graphics score62,487
CPU score10,873
Time Spy5,696
Graphics score5,277
CPU score10,369
Wild Life32,031
ファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
1,280×720 ノートPC標準品質23,704
1,280×720 最高品質19,989
1,920×1,080 ノートPC標準品質20,927
1,920×1,080 最高品質14,093
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
最高品質/1,920×1,080/フルスクリーン22,013
Cinebench R23
CPU(Multi core)8,426
CPU(Single core)1,730

 CPUパワーが反映されるCinebench R23ではマルチスレッドで8,615、シングルで1,730といずれもCore i5としては良好なスコアが得られた。PCMark 10では5,644とこちらも良好で、TDP 45Wの高い性能と32GBの大容量メモリが影響してそうだ。

 3DMarkについても、搭載するGPUがミドルローのGeForce RTX 3050 Tiらしく、ハイエンドと比べると劣るものの、Iris XeなどのCPU内蔵GPUと比べるとかなりの高スコアとなっており、ある程度安定した高フレームレートでゲームプレイできたのも納得のスコアとなっている。

 この辺りはファイナルファンタジーXIVやドラゴンクエストXのベンチマークスコアなどからも見て取れるが、少し前のゲームであれば高画質設定でも遊べるレベルの性能が発揮できている。

ゲームも日常使いも両方まかなえる1台

 G-Tune P7は、通常のゲーミングノートPCと比べても大型の17.3型ディスプレイを搭載しており、ド迫力の映像が手軽に楽しめるゲーミングノートPCとなっている。GPUがミドルローのGeForce RTX 3050 Tiではあるが、フルHD解像度であれば、多くのゲームがある程度快適にプレイでき、Steamで配信されるゲームを楽しむなら申し分のない性能に仕上がっていると感じた。

 ノートPCとしてみた場合も、CPUはCore i5ながら、ディスクリートGPUのほか、デフォルトでメモリ32GBを内蔵するなど、かなりリッチなハードウェア構成となっており、映像編集や配信など幅広い使い方に適応できる。

 自宅で使う日常使いのノートPCとゲーミングノートPCを1台にまとめたいといった用途において、G-Tune P7はなかなか適した1台だと言えそうだ。