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17.3型でCore i9/RTX 3080搭載のモンスターゲーミングノートPC「OMEN by HP 17-ck0000」レビュー

OMEN by HP 17-ck0000

 近年はCPU/GPUの世代更新やワットパフォーマンスの向上により、デスクトップPCに劣らない高い性能を発揮できるゲーミングノートPCが増加傾向にある。日本HPが3月に発売を予定している「OMEN by HP 17-ck0000」は、CPUに「Core i9-11900H」、GPUに「GeForce RTX 3080 Laptop」を搭載可能な17.3型ゲーミングノートPCだ。

 ノートPCとしてはやや大型だが、重量は3kgを下回るなど一定の可搬性を確保しており、小回りのきくハイスペックPCが欲しい、というユーザーにとってはおおいに注目すべきプロダクトだろう。

 この記事では「OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデル」の製品サンプルをもとに、特徴や使い勝手などのインプレッション、およびベンチマークによる性能チェックを実施していく。

CPUはCore i9、リフレッシュレート165HzのWQHD液晶を採用

OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデル。価格は42万9,000円となる見込み
【表1】OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルの主なスペック
CPUCore i9-11900H(8コア/16スレッド、2.5GHz/TB時最大4.9GHz、24MBスマートキャッシュ)
GPUGeForce RTX 3080 Laptop(GDDR6 16GB)
メモリ32GB(DDR4、16GB×2/デュアルチャネル)
ストレージ1TB(M.2 NVMe PCIe 4.0 SSD)
ディスプレー17.3型WQHD(2,560×1,440ドット)ノングレア、IPSパネル
OSWindows 10 Pro
ネットワークGigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)397.1×262×29.5mm
重量約2.78kg

 最初にOMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルの基本的なハードウェア性能を確認しよう。本製品はCPUに8コア/16スレッドのCore i9-11900H、GPUにNVIDIAのGeForce RTX 3080 Laptopを搭載する。いずれも特殊なゲーミングノートPCを除けば最上位クラスの性能を発揮可能な組み合わせであり、単純なゲーミング性能に関してはノートPC最高峰と言っていい。

 なお、OMEN by HP 17-ck0000には下位モデルとなる「パフォーマンスモデル」が用意されており、そちらはCPUにCore i7-11800H、GPUにGeForce RTX 3070 Laptopを採用している。

CPUは8コア/16スレッドのCore i9-11900H。型番末尾に「H」が付くTDP45Wの高性能モバイル向けSKUで、ブースト時の最大動作クロックは4.9GHz
GPUにはGeForce RTX 3080 Laptopを採用。ブーストクロックは1,545MHzに設定されていた

 GeForce RTX 3080 Laptopのブーストクロックは1,245~1,710MHzと採用するPCによっていくらかの幅があるが、本製品のブーストクロックは1,545MHz。また、ビデオメモリにも8GB/16GBのバリエーションが存在するものの、フルスペック版となる16GBのGDDR6メモリを搭載している。

 実際の性能は後半のベンチマークセッションで紐解いていくが、本製品の最大ディスプレイ解像度がWQHD(2,560×1,440ドット)、かつリフレッシュレートが最大165Hz対応であることを考えれば、高負荷タイトルでも高いフレームレートを発揮し、快適なゲーム体験が望める盤石のスペックと言っていいだろう。

 メインメモリはDDR4 SO-DIMMで容量32GB、動作クロックはDDR4-3200をサポート。ストレージはPCI Express 4.0 x4対応の1TB NVMe SSDを採用しており、一般的なNVMe SSDと比べても高速さが目立つ。

 昨今は1本で100GBを超えてくるような大作も増えているため、容量的にも多くのゲームタイトルをインストールしておけるだけの余裕があるのがうれしいポイントだ。

 ネットワークは本体側面に用意されているGigabit Ethernetに加え、Wi-Fi 6にも対応する。自宅など据え置きで使う場合は有線を利用し、外出先ではWi-Fiに接続するなど、シーンにあわせて柔軟にネットワークを選択できるのはこうしたノートPCの魅力のひとつだ。

ノートPCとしては大ぶりな17.3型筐体ながら、重量は3kg切り

天面にあるOMENのロゴ以外は目立った装飾がないシンプルなデザイン

 続いて、本体の外観やインターフェイス類などをチェックしよう。本体カラーはシャドウブラックの1色展開で、ノートPCとしてはやや厚みを感じさせる重厚な外観が印象的だ。

 デザイン自体はシンプルで、装飾らしい装飾は天板のOMENロゴ程度。存在感はそれなりにあるが、いかにもなゲーミングPCらしい主張はないため、比較的シチュエーションを選ばず使っていけるように思う。

 本体サイズはおよそ397.1×262×29.5mm(幅×奥行き×高さ)。17.3型ディスプレイを採用することに加えて高性能な分、冷却性にも配慮しなければならないため、特に幅と厚みがやや広く取られている。とはいえ、本体重量は約2.78kgと3kgを切っており、PC本体はそこまで極端に重くはない。

 付属する330WのACアダプタが実測で1.26kgだったため、あわせると4kg前後になってしまうものの、ある程度しっかりしたリュックサックなどがあれば持ち運びは可能だろう。

ハイパワーゲーミングノートPCならではの大型ACアダプタ。重量は実測で1.2kg程度だった
インターフェイス類はほぼ左側面にまとめられている。Thunderbolt 4ポートや映像出力端子のほか、Gigabit EthernetやSDカードスロットも用意
右側面には2基のUSB 3.0ポートのみを配置している
背面には通気口のみで、ポート類はなし
底面は冷却のため大きくスリットが開けられており、内部には吸気用のデュアルファンが確認できる

 インターフェイス類は、Thunderbolt 4、USB 3.0ポート×3(1ポートのみ電源オフ時のUSB給電に対応)、オーディオコンボジャック、Gigabit Ethernet、SDカードスロット。映像出力にはMini DisplayPort、HDMI 2.1のほか、Thunderbolt 4ポートをDisplayPort Alt Modeで利用できる。

 なお、本体に内蔵するデュアルスピーカーは著名オーディオブランドのBang&Olufsenが監修しており、このあたりは日本HP製のノートPCではおなじみの部分だろう。

WQHD解像度の17.3型ディスプレイ。リフレッシュレート165Hz駆動に対応するゲーミング向けのIPSパネルだ
キーボードはUS配列で、テンキーはなし。光学式メカニカルキースイッチを採用しており、カチカチとしたタクタイル感のある打鍵感が特徴
テンキーがないぶんレイアウトは比較的ゆったりとしており、方向キーは独立している。ゲームタイトルによっては利用頻度が高くなるための配慮だろう
左端にマクロキーを6つ配置しており、専用アプリから任意の操作をプログラムできる

 液晶ディスプレイはすでに述べている通り17.3型で、最大解像度はWQHD。リフレッシュレート165Hz、応答速度3ms、画面同期技術としてNVIDIAのG-SYNCに対応するなど、ゲーミング向けとしては順当な仕様と言える。

 そのほか、色域はsRGB 100%カバー、最大輝度は300cd/平方mで、パネルはIPS方式なので視野角も十分だ。より高い解像度でゲームをプレイしたい場合でも、CPUやGPUのスペック的には4Kゲーミングが問題なく可能なため、外部ディスプレイに接続して使うことを検討してもいい。

 キーボードはUS配列、テンキーレスの光学式メカニカルスイッチを採用する。キーストロークは1.3mm、応答速度0.2msで、押下圧は65g±10g。タッチはそれほど軽くないものの、押下時にはカチッとしたタクタイル感があり、打鍵感が心地よいタイプだ。

 Nキーロールオーバーやアンチゴーストといったゲーミング向けの仕様を備えつつ、17型クラスでは採用されがちなテンキーを廃した分、それぞれのキーを余裕をもって配置し、左端にマクロキーを追加するといった独自の工夫もみられる。日本語配列に慣れていると違和感を感じる人もいるかもしれないが、ゲームの操作に関しては大きな影響はないはずだ。

「OMEN Gaming Hub」。システムのモニタリングやLEDの調整、パフォーマンスコントロールなどに一括でアクセスできる
キーボード左端のマクロキーに設定するマクロをプログラムできる。Fnキーとの組み合わせで、最大12個のマクロを割り当て可能だ
ネットワーク帯域を監視し、アプリの通信状況を確認できる。優先度や通信ブロックなどの設定も可能
「アンダーボルト」からは、CPUの動作電圧の調整が可能。CPUが低い動作電圧に耐えられる個体だった場合、消費電力の抑制や若干のパフォーマンス底上げにつながる可能性がある

 専用アプリ「OMEN Gaming Hub」からは、システムのモニタリング、キーボード部分のRGB LEDのカラー/パターン変更、パフォーマンスモードの切り替え、本体マクロキーの設定といった機能にアクセスできる。ネットワーク帯域の監視、CPUの電圧を調整することで消費電力や発熱を抑える「アンダーボルト」など、この手のアプリではあまり見られないユニークな機能が用意されているのが特徴的だ。

 アンダーボルトに関しては性能向上に寄与する可能性もある反面、電圧調整によりシステムが不安定化する場合も考えられるため、自動で設定を調整してくれる「インテリジェント」ボタンがあるとはいえ、有効化するかどうかは慎重に検討したほうがいいかもしれない。

OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルの性能をベンチマークでチェック

 では、OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルの性能をいくつかのベンチマークで計測してみよう。今回は「3DMark」および「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」などのベンチマークアプリに加え、「ファークライ6」、「アサシンクリード ヴァルハラ」、「Cyberpunk 2077」といった実ゲームタイトルでもフレームレートを計測した。

【表2】ベンチマーク結果
3DMark v2.20.7250
Time Spy Extreme score5,788
Time Spy Extreme Graphics score5,988
Time Spy Extreme CPU score4,871
Time Spy score11,845
Time Spy Graphics score12,126
Time Spy CPU score10,472
Fire Strike Ultra score7,729
Fire Strike Ultra Graphics score7,650
Fire Strike Ultra Physics score24,159
Fire Strike Ultra Combined score3,980
Fire Strike Extreme score14,170
Fire Strike Extreme Graphics score15,083
Fire Strike Extreme Physics score24,055
Fire Strike Extreme Combined score6,845
Fire Strike score24,338
Fire Strike Graphics score30,087
Fire Strike Physics score25,056
Fire Strike Combined score9,830
Port Royal score7,512
Cinebench R23
CPU(Multi Core)12,602
CPU(Single Core)1,569
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
1,920×1,080ドット 最高品質20,563
2,560×1,440ドット 最高品質16,410
【表3】ゲームタイトルごとのフレームレート
画質設定平均(fps)最小(fps)
アサシンクリード ヴァルハラ
1,920×1,080ドット 画質:最高9032
2,560×1,440ドット 画質:最高7232
ファークライ6
1,920×1,080ドット 画質:Ultra10686
2,560×1,440ドット 画質:Ultra8669
サイバーパンク2077
1,920×1,080ドット 画質:ウルトラ77.357.5
2,560×1,440ドット 画質:ウルトラ5038.7

 3DMarkの総合スコアはいずれのテストでもノートPCとして極めて高い値で、「Time Spy」は10,000越え、本体のディスプレイ解像度を上回る4K内部解像度で描画される「Time Spy Extreme」のようなテストにおいても、ある程度の結果を出せている。

 少なくともWQHD解像度までのゲーミングにおいては、軽量な競技系タイトルから最新のAAA級タイトルまで、いずれも高い画質設定/フレームレートで動作させられるだけのポテンシャルを備えていると言えそうだ。

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークについても、フルHD(1,920×1,080ドット)とWQHD、どちらの解像度でも最高判定である「非常に快適」の基準を上回るスコアを達成できている。テスト中のフレームレートはWQHD解像度でも平均100fpsを上回っており、165Hzのハイリフレッシュレートディスプレイを活かした滑らかな画面描画が可能だろう。

 3本の実ゲームのフレームレートに関しては、いずれも高負荷なタイトルの最高設定でベンチマーク計測を実施しているが、WQHD解像度ではアサシンクリード ヴァルハラが平均72fps、ファークライ6も平均86fpsと、どちらも60fpsを上回るフレームレートを達成。唯一サイバーパンク2077のみ、WQHD解像度では平均フレームレートが50fps前後となってしまうものの、こちらは画質設定からNVIDIAのDLSSを有効化することで60fps越えを達成できる。

 どのタイトルもWQHD解像度/最高設定でしっかりとフレームレートが出せるあたりに、ノートPC向けながら極めてパワフルなGeForce RTX 3080 Laptopの高い性能が表れていると言えそうだ。

 最後に、ストレージ系のベンチマークも確認してみよう。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のスコア

 データサイズ1GiB、テスト5回の条件で計測を実施。ノートPCながらPCIe 4.0 x4接続のSSDを搭載しているため、シーケンシャルリードでは7,000MB/s、シーケンシャルライトは約5,000MB/sと、リード/ライトともに極めて高速なのが特徴だ。データコピーやゲームの読み込みといったシーンでは、従来のSSDやHDDを上回る速度のメリットが感じられるだろう。

性能はノートPCトップクラス、クリエイティブなニーズにも

 ここまで見てきた通り、OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルは、デスクトップ型に劣らない高いゲーミング性能と、ノートPCの利便性を併せ持つハイエンドゲーミングノートPCだ。言うまでもなくノートPCとしての性能は現行世代でもトップクラスであり、ゲーミングはもちろん、高いCPU/GPU性能が求められるクリエイティブなニーズにもマッチするだろう。

 予定売価は42万9,000円とかなりのお値段にはなるが、本製品が替えのききにくいプロダクトであることもまた事実。デスクトップよりもノートで、なおかつ高性能なPCが欲しいというユーザーにとって、OMEN by HP 17-ck0000 エクストリームモデルは極めて魅力的な選択肢となるはずだ。