Hothotレビュー

iPhone 12と12 Proの使用感をチェック。Huawei/Galaxyとカメラ性能も比較してみた

Apple「iPhone 12 Pro」(左、税別10万6,800円~)、「iPhone 12」(右、税別8万5,800円~)

 AppleはiPhone 12シリーズ4機種を10月13日に発表した。6.1型の「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」は10月23日に販売開始。5.4型の「iPhone 12 mini」と6.7型の「iPhone 12 Pro Max」は11月6日に予約を開始し、11月13日に販売を開始する予定だ。

 今回は「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」の製品版を借用した。記事執筆時点(10月28日)では「iPhone 12 mini」、「iPhone 12 Pro Max」を借用できていないが、本稿では全4シリーズの違い、「iPhone 12 Pro」を中心にした実機レビューする。

 そして性能チェックではAndroid最速スマートフォン「ROG Phone 3」との比較、カメラテストではカメラ性能に定評のある「Huawei P40 Pro 5G」や「Galaxy Note 20 Ultra 5G」との比較を実施していこう。

iPhone 12シリーズで最注目スペックはカメラ

 iPhone 12シリーズ最大の特徴として挙げられるのが、業界ではじめて5nmプロセスで製造されたSoC「A14 Bionic」。「A13 Bionic」がCPUは6コア(高性能×2、高効率×4)、GPUは4コア、Neural Engineは8コア、トランジスタ数は85億個だったところ、A14 BionicがCPUは6コア(高性能×2、高効率×4)、GPUは4コア、Neural Engineは16コア、トランジスタ数は118億個となっており、Neural Engineのコア数が2倍に、トランジスタ数が40%増えている。

 製品公式サイトによれば、CPUとGPUはほかのスマートフォンよりも最大50%速い、Neural Engineが最大80%高速化、マシンラーニングアクセラレータが最大70%高速化され、電力効率も向上しているという。「ほかのスマートフォンよりも最大50%速い」というのはずいぶんざっくりした表現だが、ベンチマークの章で検証してみたい。

 メモリ(RAM)の搭載量はいつもどおり公表されていないが、「Geekbench 5」のデバイス情報で確認したところ、iPhone 12は4GB、iPhone 12 Proは6GBを搭載していた。iPhone 12 miniは4GBの可能性が高いが、iPhone 12 Pro Maxにどのぐらいの容量のメモリが搭載されているのか気になるところだ。

メモリ(RAM)搭載量はiPhone 12が4GB、iPhone 12 Proが6GB

 ディスプレイは全モデルにOLEDが搭載されているが、iPhone 12 miniとiPhone 12は最大輝度625cd/平方m(標準)のところ、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxは最大輝度800cd/平方m(標準)となっている。とは言っても625cd/平方mでも十分明るいので、この点は気にする必要はないと思う。

左がiPhone 12 Pro、右がiPhone 12。「明るさの自動調節」と、環境光に応じて発色を調整する「True Tone」を有効にしていれば、ほぼ同じ画が表示される

 ディスプレイのガラスには「Ceramic Shield」という新素材が採用されている。これは「ナノスケールセラミッククリスタル」をガラスに組み込んで作ったもので、カバーと筐体のエッジを同じ高さにしたことも相まって、耐落下性能が4倍にアップしているとのことだ。

 カメラは、iPhone 12 miniとiPhone 12が超広角、広角、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxが超広角、広角、望遠という構成だ。不可視光線で深度を計測する「LiDARスキャナ」はiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxにのみ搭載される。

 さらにiPhone 12 Pro Maxは、広角に47%大きいイメージセンサー(ピクセルサイズ1.7μm)、センサーシフトOIS(手ぶれ補正)を採用し、望遠カメラがiPhone 12 Proの52mmに対して65mmと倍率が大きくなっている。そのうえApple独自のRAWフォーマット「Apple ProRAW」が今後提供されるのもiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxだけだ。

 iPhone 12シリーズでもっとも異なるスペックがカメラであり、購入にあたっての最重要ポイントと言えよう。

iPhone 12 Pro(左)は上に広角、下に望遠、右に超広角カメラ、iPhone 12(右)は上に超広角、下に広角カメラを搭載

 通信機能は、5G(Sub-6)、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.0、NFC、FeliCaをサポート。米国モデルのみ5Gの「ミリ波」に対応する。ミリ波どころかSub-6の5Gを利用するエリアすらかぎられていることを考えると、ミリ波非対応で実用上困ることはないが、長期間利用するユーザーのことを考えると対応してほしかった。

 おもに充電に利用するアクセサリの規格として「MagSafe」が採用されたのもトピック。iPhone 12の全シリーズ、そして「MagSafe充電器」(4,500円)などの対応アクセサリには磁石が内蔵されており、磁力によって正確に位置合わせできる。

 また、従来のiPhoneのQiワイヤレス充電は7.5Wが上限だが、MagSafe充電では15Wに引き上げられている。一般的なワイヤレス充電器のように、ずれて置いてしまって充電されていなかったというミスから解放されるわけだ。

iPhone 12シリーズにはMagSafeのための磁石が内蔵されている
「MagSafe充電器」(4,500円)。「20W USB-C電源アダプタ」などと組み合わせれば、最大15WでiPhone 12シリーズをワイヤレス充電できる
iPhone 12シリーズのMagSafe用磁石の強さはわからないが、10gの分銅を持ち上げることができた

 なお、サポートサイトに「クレジットカード、セキュリティバッジ、パスポート、キーフォブをiPhoneとMagSafe充電器の間に挟まないようにしてください」、「iPhoneをレザーケースに入れたままMagSafe充電器で充電した場合、ケースに丸い接触跡が残ることがあります」などの関連情報が記載されている。利用にあたっては注意が必要だ。

【表1】iPhone 12シリーズのスペック一覧
iPhone 12 miniiPhone 12iPhone 12 ProiPhone 12 Pro Max
OSiOS 14
SoCA14 Bionicチップ
RAM不明4GB6GB不明
ROM64GB/128GB/256GB128GB/256GB/512GB
ディスプレイ5.4型OLED(2,340×1,080ドット、476ppi、コントラスト比200万:1、色域P3、最大輝度625cd/平方m(標準)、最大輝度1,200cd/平方m(HDR)6.1型OLED(2,352×1,170ドット、460ppi、コントラスト比200万:1、色域P3、最大輝度625cd/平方m(標準)、最大輝度1,200cd/平方m(HDR)6.1型OLED(2,352×1,170ドット、460ppi、コントラスト比200万:1、色域P3、最大輝度800cd/平方m(標準)、最大輝度1,200cd/平方m(HDR)6.7型OLED(2,778×1,284ドット、458ppi、コントラスト比200万:1、色域P3、最大輝度800cd/平方m(標準)、最大輝度1,200cd/平方m(HDR)
リアカメラ超広角(1,200万画素、F2.4、14mm)
広角(1,200万画素、F1.6、52mm、OIS)
超広角(1,200万画素、F2.4、14mm)
広角(1,200万画素、F1.6、26mm、OIS)
望遠(1,200万画素、F2.0、52mm、OIS)
超広角(1,200万画素、F2.4、14mm)
広角(1,200万画素、F1.6、26mm、ピクセルサイズ1.7μm、センサーシフトOIS)
望遠(1,200万画素、F2.2、65mm、OIS)
フロントカメラ1,200万画素、F2.2、23mm
ビデオ撮影機能4Kビデオ(24/30/60fps)
1080p HDビデオ(30/60fps)
1080pスローモーションビデオ(120/240fps)
Dolby Vision対応HDRビデオ(最大30fps)
4Kビデオ(24/30/60fps)
1080p HDビデオ(30/60fps)
1080pスローモーションビデオ(120/240fps)
Dolby Vision対応HDRビデオ(最大60fps)
生体認証Face ID
通信機能5G(Sub-6)、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.0、NFC、FeliCa
センサー3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、気圧計LiDARスキャナ、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、気圧計
端子Lightning
バッテリ駆動時間最大15時間のビデオ再生最大17時間のビデオ再生最大20時間のビデオ再生
充電機能MagSafe充電、Qiワイヤレス充電
SIMカードデュアルSIM(nanoSIM、eSIM)
サイズ(幅×奥行き×高さ)131.5×64.2×7.4mm146.7×71.5×7.4mm160.8×78.1×7.4mm
重量133g162g187g226g
本体材質アルミニウム、Ceramic Shieldステンレススチール、Ceramic Shield
防水・防塵性能IP68(最大水深6mで最大30分間)
カラーブルー、グリーン、(PRODUCT)RED、ホワイト、ブラックパシフィックブルー、ゴールド、グラファイト、シルバー
税別価格64GB:7万4,800円
128GB:7万9,800円
256GB:9万800円
64GB:8万5,800円
128GB:9万800円
256GB:10万1,800円
128GB:10万6,800円
256GB:11万7,800円
512GB:13万9,800円
128GB:11万7,800円
256GB:12万8,800円
512GB:15万800円

iPhone 12とiPhone 12 Proのサイズはまったく同じ

 iPhone 12シリーズのサイズ、重量、画面サイズは下記のとおり。

  • 【iPhone 12 mini】131.5×64.2×7.4mm、133g、5.4型
  • 【iPhone 12】146.7×71.5×7.4mm、162g、6.1型
  • 【iPhone 12 Pro】146.7×71.5×7.4mm、187g、6.1型
  • 【iPhone 12 Pro Max】160.8×78.1×7.4mm、226g、6.7型

 ちなみにiPhone 11 Proは144×71.4×8.1mm、188g、5.8型。iPhone 12 Proは前面投影面積がわずかに広くなったものの、画面サイズは5.8型から6.1型へ大きくなったことになる。なお、iPhone 12とiPhone 12 Proのサイズはまったく同じだ。

 前述のとおり、全モデルのディスプレイガラスにはCeramic Shieldが採用されているが、フレームはiPhone 12 miniとiPhone 12にアルミニウム、iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxにステンレススチールが採用されている。iPhone 12とiPhone 12 Proに25gの重量差があるのは、おもにフレームの材質によるものだろう。

 Ceramic Shieldの採用などにより耐落下性能が4倍に向上しているのは前述のとおり。「IEC規格60529にもとづくIP68等級」というスペックは同じだが、耐水性能が「水深4mで最大30分間」から「水深6mで最大30分間」に向上している。

 端子はLightningのみ。個人的には、音楽は「AirPods Pro」で聴いており、撮影した写真や動画はオンラインストレージにアップロードし、充電もワイヤレスなので端子を使うことはほとんどない。

 しかし、Android用に購入した周辺機器のいくつかはiPhoneで使えなかったり、使えたとしてもアダプタが必要だ。このような不便を解消するために、LightningではなくUSB Type-Cを搭載してほしいと思っている。

 同梱品から、「EarPods with Lightning Connector」、「18W USB-C電源アダプタ」が削られたのも大きな変化だ。個人的にはスマートフォン本体に同梱されているイヤフォン、ACアダプタはいっさい使っていないので、少しでも安くなるのなら大歓迎だ。

iPhone 12はiPhone 11と画面サイズは同じで筐体が小さくなっている。iPhone 12 ProはiPhone 11 Proに対して前面投影面積は114×71.4mm→146.7×71.5mmと約2%大きくなっているが、画面サイズは5.8型→6.1型と0.3型拡大している。なお、以降4点の写真はiPhone 12 Proだ
本体背面。カラーはパシフィックブルー、ゴールド、グラファイト、シルバーの4色が用意されている
カメラ部には、「True Toneフラッシュ」、「LiDARスキャナ」、「マイク」が内蔵
本体上面(上)と本体下面(下)。端子はLightingのみで、3.5mmイヤフォンジャックは用意されていない
本体右側面(上)にはサイドボタン、本体左側面(下)にはサウンドオン/オフスイッチ、ボリュームボタン、SIMカードトレイを配置
サイズ比較用にDeffの「TESiV Clean Case」を用意した。左からiPhone 12 mini用、iPhone 12/iPhone 12 Pro用×2、iPhone 12 Pro Max用だ。こうやって並べてみると、iPhone 12 miniの小ささが際立つ
左がiPhone 12 Pro、右がiPhone 12。iPhone 12はブルー、グリーン、(PRODUCT)RED、ホワイト、ブラックの5色が用意されている
iPhone 12も質感が高いが、側面を見比べるとiPhone 12 Proのほうが高級感は上だ
iPhone 12 Proの実測重量は185.5g、iPhone 12の実測重量は162g
iPhone 12 Proのパッケージには、本体、USB-C - Lightningケーブル、マニュアル類が同梱
iPhone 11 Pro Maxのパッケージには、本体、18W USB-C電源アダプタ、USB-C - Lightningケーブル、EarPods with Lightning Connector、マニュアル類が同梱されていた
上がiPhone 12 Pro、下がiPhone 11 Pro Maxのパッケージ。厚みで約2倍の差があることがわかる

A14 Bionicのおもな進化点はNeural Engineとマシンラーニングアクセラレータ

 性能チェックは、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」、CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」の3本で実施した。計測はそれぞれ3回行ない、そのなかでもっとも高いスコアを採用している。計測した端末はiPhone 12 ProとiPhone 12、前モデルのiPhone 11 Pro Max、そしてAndroidスマートフォン最速端末「ROG Phone 3」だ。

 なお、ROG Phone 3で計測するさいには、同梱の冷却ユニット「AeroActive Cooler 3」を装着したうえで、Xモードを有効にして、管理ユーティリティ「Game Genie」で温度制御、CPU、GPUを「高」に設定している。下記がその結果だ。

【表2】ベンチマーク結果
iPhone 12 ProiPhone 12iPhone 11 Pro MaxROG Phone 3
SoCA14 BionicA13 BionicSnapdragon 865 Plus
RAM6GB4GB12GB
AnTuTu Benchmark
総合スコア586,190591,522558,476657,912
CPU132,863144,911140,223187,698
GPU242,083243,312245,335248,057
MEM118,306111,45788,896114,570
UX92,93891,84284,020107,587
Geekbench 5
Single-Core Score1,6031,5491,341986
Multi-Core Score4,1314,1403,5393,421
Compute9,3549,4337,4693,613
3DMark
Sling Shot Extreme5,7175,6745,0277,821

 まず、iPhone 12 ProとiPhone 12については大きな性能差はないようだ。メモリ(RAM)容量が異なっていても、ベンチマークアプリ単独で影響は少ない。iPhoneで大容量メモリが効いてくるのは、大容量データを処理するときと、複数のアプリを切り替えつつ利用するときだ。

 一方、前モデルのiPhone 11 Pro Maxに対しては、iPhone 12 Pro/iPhone 12はAnTuTu Benchmarkの総合スコアで約1.05~1.06倍、Geekbench 5のMulti-Core Scoreで約1.17倍、Computeで約1.25~1.26倍、3DMarkのSling Shot Extremeで約1.13~1.14倍となっている。A14 Bionicが威力を発揮するのは、最大80%高速化されたNeural Engine、最大70%高速化されたマシンラーニングアクセラレータが受け持つ処理というわけだ。

 ROG Phone 3に対しては、iPhone 12 Pro/iPhone 12はAnTuTu Benchmarkの総合スコアで約89~90%、Geekbench 5のMulti-CoreScoreで約1.21倍、Computeで約2.59~2.61倍、3DMarkのSling Shot Extremeで約73%となった。Geekbench 5のComputeで大差をつけた点は注目に値するが、ベンチマークソフトによっては逆転する結果となっている。

 OSが異なり、アプリの最適化度合いが異なる時点で、両者を比較することにあまり意味はない。ただ、両者がそれぞれのプラットフォームで「最速のスマートフォン」であることは間違いない。

AnTuTu Benchmark実行中の本体の表面温度をサーモグラフィーカメラで計測してみた(室温23.3℃で測定)。結果は、iPhone 12 Pro(左)が最大42.6℃、iPhone 12(右)が最大41.4℃。本体の材質によって熱の伝わり方が異なったのが原因と思われる

 今回は5Gの通信速度も計測してみた。使用した端末はauの5G契約SIMを挿したiPhone 12 Proだ。さいたま新都心の「さいたまスーパーアリーナ」前で5Gの電波をつかみ、下り745.67Mbps、上り74.36Mbpsという通信速度を記録した。

 設定で4Gに切り替えると下り148.15Mbps、上り21.31Mbpsだったので、5Gは下りで約5.03倍、上りで約3.49倍の通信速度を記録したことになる。自宅の光回線より速いので満足感は高い。

 しかし、筆者の住むさいたま市では5Gのエリアを探すことが困難だった。「auサービスエリアマップ」を参照して、さいたま新都心の5Gエリアで最初に計測を実施したが、なぜかその場所では5Gの電波をつかめなかった。

 さいたまスーパーアリーナ前で5Gの電波をつかめたが、記事執筆時点(10月28日)でauサービスエリアマップに掲載されていない。5G対応のiPhone 12シリーズが発売されたことで、5Gへの期待は高まっている。あまり先までスケジュールを公表するのは難しいのかもしれないが、せめてどの駅でいつから使えるのかぐらいは全国的に案内してほしい。

テスト前に、「モバイル通信→通信のオプション→音声通話とデータ」で「5Gオン」を選択し、5Gを優先的につかむように設定している
左が4G接続時で下り148.15Mbps、上り21.31Mbps、右が5G接続時で下り745.67Mbps、上り74.36Mbpsを記録した
筆者の生活圏で5Gの電波をつかめる場所は限定的だ

Androidスマホを含めてテスト撮影をしてみた

 今回カメラテストは、iPhone 12 Pro、iPhone 12、iPhone 11 Pro Maxに加えて、Galaxy Note 20 Ultra 5G、Huawei P40 Pro 5Gの5台で実施した。カメラの設定はすべてデフォルトで、基本的にオートモードで撮影している。フォーカスもカメラアプリまかせだ。ただし夜景のみ、自動で切り替わらない場合は、手動でナイトモードに切り替えている。

 まず1枚目から。生花を撮影してみたが、実際に近い色で撮影できたのはHuawei P40 Pro 5Gだ。逆に色を誇張しすぎているのがGalaxy Note 20 Ultra 5G。iPhoneはその中間ぐらいの発色だ。

iPhone 12 Proの広角で撮影
iPhone 12の広角で撮影
iPhone 11 Pro Maxの広角で撮影
Galaxy Note 20 Ultra 5Gの広角で撮影
Huawei P40 Pro 5Gの広角で撮影

 2枚目は紅葉の写真。この写真でもGalaxy Note 20 Ultra 5Gは色が強すぎた。逆にHuawei P40 Pro 5Gはちょっとあっさりしているので、iPhoneの色が一番好ましく思えた。

iPhone 12 Proの広角で撮影
iPhone 12の広角で撮影
iPhone 11 Pro Maxの広角で撮影
Galaxy Note 20 Ultra 5Gの広角で撮影
Huawei P40 Pro 5Gの広角で撮影

 3枚目の料理の写真も1、2枚目と同じ傾向だが、Galaxy Note 20 Ultra 5Gがもっとも美味しそうに見える。ここまで各iPhoneの写真を見比べたかぎりでは、十分な光量があれば発色に大きな違いはないように思う。オートで撮影したさいの絵作りに変更はないようだ。

iPhone 12 Proの広角で撮影
iPhone 12の広角で撮影
iPhone 11 Pro Maxの広角で撮影
Galaxy Note 20 Ultra 5Gの広角で撮影
Huawei P40 Pro 5Gの広角で撮影

 新旧iPhoneで明らかな差が現れたのが夜景の撮影。iPhone 12 ProとiPhone 12はiPhone 11 Pro Maxよりも暗所のディテールがしっかりと記録されている。F1.8からF1.6へとレンズが明るくなったことが功を奏しているのだろう。

 ただし、iPhoneのナイトモードの欠点として、白飛びが激しいことが挙げられる。Galaxy Note 20 Ultra 5GやHuawei P40 Pro 5Gのように、外灯や、看板の白飛びをしっかりと抑え込めるように改善してほしい。

iPhone 12 Proの広角(ナイトモード)で撮影
iPhone 12の広角(ナイトモード)で撮影
iPhone 11 Pro Maxの広角(ナイトモード)で撮影
Galaxy Note 20 Ultra 5Gの広角(ナイトモード)で撮影
Huawei P40 Pro 5Gの広角(夜景モード)で撮影

 最後は広角端から望遠端まで撮影してみたが、ペリスコープの光学5倍望遠カメラを搭載したGalaxy Note 20 Ultra 5GとHuawei P40 Pro 5Gがやはり強い。どちらも最大の50倍デジタルズームはさすがに塗り絵っぽいが、10倍デジタルズームであれば27型ディスプレイで全画面表示しても鑑賞に堪えると思う。

iPhone 12 Pro
超広角で撮影
広角で撮影
望遠で撮影
望遠(10倍デジタルズーム)で撮影
iPhone 12
超広角で撮影
広角で撮影
広角(5倍デジタルズーム)で撮影
iPhone 11 Pro Max
超広角で撮影
広角で撮影
望遠で撮影
望遠(10倍デジタルズーム)で撮影
Galaxy Note 20 Ultra 5G
超広角で撮影
広角で撮影
望遠で撮影
望遠(10倍デジタルズーム)で撮影
望遠(50倍デジタルズーム)で撮影
Huawei P40 Pro 5G
超広角で撮影
広角で撮影
望遠で撮影
望遠(10倍デジタルズーム)で撮影
望遠(50倍デジタルズーム)で撮影

価格的なエントリーを購入してもハイエンドと変わらない満足感を得られる

 今回、iPhone 12 ProとiPhone 12を試用してみて感じたのは、それぞれの機種を使っていて基本的な体験、品質に違いがないこと。ケースを装着していたら、もうどっちの機種を使っているのかわからないし、広角カメラで撮影すればどちらの写真か判別できないのだ。

 もちろん利用できる機能に違いはあるが、それ以外の使い勝手はまったくと言っていいほど変わらない。iPhone 12というシリーズのなかで通常モデルを購入しても、ハイエンドと変わらない満足感を得られる稀有な製品だと思う。