ゲーミングPC Lab.
コンパクトな高性能ゲーミングPC「ASUS ROG GR8」
(2016/1/25 06:00)
ASUSの「ROG GR8」は、家庭用ゲーム機並みの筐体サイズにミドルレンジクラスのGPUを搭載したゲーミングPC。2014年12月、ASUSのゲーミングブランドR.O.G.(Republic of Gamers)シリーズのデスクトップPCとして発売された後、2015年11月には、OSをWindows 10に刷新した2015年秋モデルが発売された。
今回お届けするのは、Windows 10を採用したROG GR8の2015年秋モデル「GR8-R109Z」の試用レポートである。
家庭用ゲーム機並みの筐体サイズが特徴のゲーミングPC
ROG GR8(GR8-R109Z)は、ASUSのゲーミングブランドR.O.G.のデスクトップPCで、本体サイズは60×245×238mm(幅×奥行き×高さ)という、家庭用ゲーム機並みのコンパクトな筐体を特徴とするゲーミングPC。直販サイトでの販売価格は164,800円(税別)。
CPU | Core i7-4510U |
---|---|
メモリ | 16GB DDR3L-1600 (8GB×2) |
GPU | GeForce GTX 750 Ti 2GB |
HDD | 1.0TB |
SSD | 128GB |
光学ドライブ | なし |
OS | Windows 10 Home |
販売価格(税別) | 164,800円 |
CPUは、第4世代Coreプロセッサ(Haswell)の超低消費電力モデル「Core i7-4510U」。定格2GHz、Turbo Boost時最大3.1GHzで動作する、TDP 15Wの2コア4スレッドCPUだ。
メインメモリは16GB(DDR3L-1600、8GB×2枚)、ストレージはSATA接続の1.0TB HDDと128GB SSDという構成で、試用したPCではHDDにOSがインストールされていた。
ゲーミングPCの最重要パーツと言っても過言ではないGPUには、NVIDIAのGeForce GTX 750 Tiを搭載。動作クロックは1,020MHz(ブーストクロック1,020MHz)、専用VRAMとして5GHz相当で動作する2GBのGDDR5メモリを備える。
GR8が備えるGeForce GTX 750 Tiは、ノートブック向けGPUであるGeForce GTX 860Mを独自にカスタマイズしたもので、CUDAコア数など、GPUの規模としてはGeFroce GTX 750 Tiと同等だが、ブーストクロックとメモリクロックが若干低くなっている。
電源は専用のACアダプタを使用。その他、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN、Miracastレシーバを備える。
ROG GR8には本体以外に、マウスとキーボードが付属する。キーボードの「M801」は全キー同時押し対応の日本語92キー(テンキーレス)キーボード、マウスの「ROG Gladius」は6,400dpi対応の光学式マウス。いずれも有線式USB接続となっている。
ベンチマーク結果
ROG GR8で各種ベンチマークテストを実行した結果を確認していく。実行したベンチマークテストは「3DMark v1.5.915」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0」、「CINEBENCH R15」、「CrystalDiskMark 5.1.0」。
ベンチマークテストの結果をみてみると、ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークでは、1,920×1,080ドットの最高描画設定(DirectX 11)で「快適」の評価を獲得するなど、フルHD解像度でゲームを動かせるだけのパフォーマンスを持っていることが確認できる。
CPUのCore i7-4510Uがモバイル向けの2コア4スレッドCPUのため、CPUのマルチスレッド性能についてはそれほど高いわけではないものの、CINEBENCH R15のシングルコアテストでは100cbを超えるスコアを記録しており、Turbo Boostによりクロックが上昇する条件では、高いコア性能が期待できる。
【表2】ベンチマークスコア | |
---|---|
3DMark v1.5.915 - Fire Strike | |
Score | 3,793 |
Graphics score | 4,411 |
Physics score | 4,128 |
Combined score | 1,746 |
3DMark v1.5.915 - Sky Diver | |
Score | 10,258 |
Graphics score | 14,077 |
Physics score | 4,408 |
Combined score | 9,831 |
3DMark v1.5.915 - Cloud Gate | |
Score | 9,424 |
Graphics score | 27,353 |
Physics score | 2,861 |
3DMark v1.5.915 - Ice Storm Extreme | |
Score | 42,067 |
Graphics score | 45,596 |
Physics score | 33,103 |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク(DirectX 11) | |
1,920×1,080ドット/最高品質 | 4,324(快適) |
ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0 | |
1,920×1,080ドット/簡易設定5 | 8,684 |
CINEBENCH R15 | |
OpenGL | 76.12 fps |
CPU | 248 cb |
CPU(Single Core) | 104 cb |
実際のゲームでのパフォーマンスをチェック
ベンチマークテストではなく、実際のゲームを動かしてみた時の性能もチェックしてみた。試したゲームは「League of Legends」、「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」、「ウィッチャー3 ワイルドハント」の3本。
今回は、NVIDIA GeForce Experienceを使い、各ゲームタイトル毎に描画設定の最適化を実行し、性能をチェックしてみた。
MOBA(Mutiplayer Online Battle Arena)の代表的なタイトルであるLeague of Legendsは、GeForce Experienceによって、1,920×1,080ドットの画面解像度で最高クオリティが適用された。
この描画設定でもフレームレートは100fpsを大きく超えており、ROG GR8はMOBAを高い描画品質かつ高フレームレートで快適にプレイできる実力を備えていると言える。
METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAINでは、1,920×1,080ドットの画面解像度で、ややクオリティよりの設定が適用された。この設定でのフレームレートはおおよそ40fps台となっており、垂直同期をとれば30fpsで固定できる。
今回試したゲームタイトルの中で最も描画負荷の高いウィッチャー3 ワイルドハントでは、GeFroce Experienceが画面解像度を1,366×768ドットに落とす設定を推奨してきた。この設定でのフレームレートは50fps前後となる。
画面解像度を手動で1,920×1,080ドットに設定した場合、GeForce Experienceの推奨描画設定はパフォーマンス最重視の設定が適用される。この場合のフレームレートも40fps前後となる。
最新のゲームタイトルを60fps以上のフレームレートで動かせるという訳ではないが、30Hzで垂直同期をとることで、多くのPCゲームを1,920×1,080ドットの画面解像度で楽しむことのできる性能は持っている。
ゲームを楽しめる性能を備えたPC本体に、ゲームに使えるキーボードとマウスが付属するROG GR8は、これからPCでゲームを始めようとするユーザーにとって、必要なものが一通り揃ったPCだ。PCゲームのスタートアップに好適な1台と言えるだろう。