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30g軽荷重とラピトリのタッグが効く。「REALFORCE GX1」キーボード
2026年7月29日 06:21
“ラピッドトリガー対応にあらずんばゲーミングキーボードにあらず”――最近のゲーミングキーボードにはそんな空気感があり、各社から多様なラピッドトリガー対応製品が販売されている。今回紹介する東プレ製「REALFORCE GX1」も、ラピッドトリガー対応のゲーミングキーボードだ。
数多あるラピッドトリガー対応製品の中でも、本機は東プレ独自の静電容量無接点方式を採用したキースイッチ、特に30gの軽荷重バージョンが存在するのが大きな特徴だ。最速の入力を求めつつ、長時間のゲームプレイもこなすなら、これ以上の製品はないと筆者は考えている。
最軽量のキー荷重で最速入力を目指す
ラピッドトリガーは、特にキー入力のオフを素早く検知することで、キー操作に対する反応を高速化する機能だ。詳細については、こちらの記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧いただきたい。
ラピッドトリガー対応の製品をゲーマーが求める理由は、言うまでもなく高速な反応速度だ。操作に対する反応をミリ秒未満の単位でも速くして、対戦ゲームを有利に進めたい。またシングルプレイのゲームであっても、自分の操作を遅延なく的確に伝えられる方が快適なので、あらゆるゲームにあって損はない。
本機には、キー荷重が30gと45gの2種類がラインナップされている。筆者がおすすめしたいのは、30gの方だ。市販されているゲーミングキーボードの中では、筆者が知る限りでは最も軽いキー荷重である。より軽いキースイッチも存在するが、ラピッドトリガー対応のアナログスイッチとなると選択肢はほぼない。
キーを押し込む力が小さくていいなら、キーが動く速度も速くなる。体感で速くなると実感するのは難しいかもしれないが、理屈の上では間違いない。ラピッドトリガー対応のキーボードの中で、本機が最速の入力が可能であると宣言しても差し支えないはずだ。
タッチの軽さで長時間プレイも楽勝!
本機を実際に使ってみると、スペック以上の利点があることも分かってくる。まず入力に関しては、キーが軽くて入力がスッと下りるのが気持ちいい。指を置いただけで抵抗感なく沈んでいく感覚は、初めて触った方なら誰もが驚くはずだ。
キー荷重が軽いことのメリットは、高速な入力ができるだけではない。キー入力に力が要らないので、長時間のゲームプレイで疲労しにくい。肩こりに悩まされている筆者は、キー荷重が軽い本機を使うと肩こりが軽減されるのを実感している。
筆者は休日に子どもと一緒にゲームを遊ぶことが多く、「マインクラフト」などのプレイ中はほぼずっとキーを押したままになる。長時間プレイすると、重いキーでは指が疲れるし肩もこる。リビングで集まってノートPCで遊んでいると、夕方には肩がバキバキだ。そんな時に本機を持ち出すと、指や肩が格段に楽なのだ。30gの価値は瞬間的なタッチの軽さではなく、長時間プレイにあると知ってもらいたい。
静電容量無接点方式のスイッチにはもう1つ、高耐久性という大きなメリットがある。最近のゲーミングキーボードは、非接触式のアナログスイッチで押下耐久性が数千万回と高いものが多い。本機は1億回以上をうたっており、他社製スイッチに勝るとも劣らない。
「REALFORCE」シリーズの信頼性はスペックの値だけではない。2026年で25周年を迎える製品群は、いずれも静電容量無接点方式のスイッチを採用してきており、スイッチの実績もそれだけ長い。筆者は本機以外にも、ほぼ25年間にわたって「REALFORCE」シリーズを使ってきたが、一度もキー1つの故障すらなく、すべて今も使用できる。
ゲームプレイ中にキーが1つでも故障したら……その瞬間がクリティカルな状況であればあるほどストレスは大きくなる。そういう心配と無縁でいられる安心感を、本機の歴史がもたらしてくれる。既に2年半以上使用した本機も、故障はおろかキーの引っかかりを感じたことすらない。
ラピッドトリガーについては、本機では「Dynamic Mode」という名で呼ばれている。筆者個人の好みの設定は、全キーアクチュエーションポイント1.2mmだ。これは一般的なキーボードよりは浅めという程度。ゲーム向けに合わせるなら、もっと浅くするとさらに高速に入力できるはずだが、いろいろ試した結果、ここにに行き着いた。
というのも、あまりアクチュエーションポイントを浅くし過ぎると、指が隣のキーに触れた際に誤入力が発生しやすくなる。キー荷重が30gと軽いこと、また文字入力もすることを考えると、1~1.5mm前後にするのがバランスがいいと思う。ただしラピッドトリガーのリセットポイントは0.1mmと最短にしてあり、キーを離した時の反応は最速クラスで、十分にゲームに適した設定である。
キーボード側には、複数のプロファイルを保存してワンタッチで切り替える機能もある。チャットを使わないゲームではより浅いアクチュエーションポイントのプロファイルに切り替えることも可能だ。筆者の場合は、1つでどちらにも対応できるいい塩梅を探した結果の設定となっている。
これを実際のゲームで試してみると、やはり初期設定より明らかにキビキビと動く。ストッピングが重要とされる「VALORANT」では、入力オフ時の反応が明らかに速いと体感できる。アクション性のあるゲームで使い比べれば、あらゆる場面で指の入力を正確に伝えてくれているのが分かる。もっともこれは、ラピッドトリガー対応の製品ならどれもそうなので、本機が特別に高速なことを体感できるとまでは言えない。
キーキャップ素材だけが惜しい
本機を長く使って、性能面における不満はまったくないが、耐久性については1点だけ惜しいところがある。キーキャップの素材がABSである点だ。
ABS素材はキーボードでは一般的な素材なのだが、摩擦による消耗が起こりやすい。ほかの「REALFORCE」シリーズでもABS素材を採用する製品はあるが、上位機種ではより耐久性の高いPBT素材を採用している。
実際に筆者が使用しているものは、半年ほどで一部のキートップが摩耗して、表面がツルツルとしてきた。2年半使用した現在は、ホームポジションやスペースキーなど、常に指が当たるキーはほぼツルツルになっており、購入当初のサラサラした手触りではなくなってしまった。直ちに違和感となるほどではないものの、高級キーボードとしては残念なところだ。
30gのキー荷重は軽すぎるという声もある。実際、筆者が初めて30gの製品を使い始めた頃は、指をホームポジションに置くだけで知らず知らずのうちにキーを押しており、いきなり「A」が連打されるということが時々あった。これは数週間ほど使えば慣れて、そういうことはなくなった。最高速を求めるために体を慣らす必要があるというのは、人それぞれ判断が分かれるところだろう。
弱点を払拭した新型がおすすめ。高性能を長く使えてコスパ良し!
今回紹介した「REALFORCE GX1」だが、現在は後継機種となる「REALFORCE GX1 Plus」も登場している。8,000Hzのポーリングレートに対応してより速い反応速度を追求したほか、キーキャップがPBT素材になり、耐久性が上がっている。
またカラーバリエーションとしてホワイトモデルも登場し、先行するダークグレーとの2色展開になったのもうれしい。最近はゲーミングPC環境で白系が人気なので、これなら欲しいという方も多いだろう。
価格は「REALFORCE GX1」が3万3,000円、「REALFORCE GX1 Plus」は3万5,200円。今から購入するなら、弱点を克服した「REALFORCE GX1 Plus」がおすすめだ。日本語配列だけでなく、英語配列も用意されている。
本機は特に、長時間プレイが多い方におすすめしたい。筆者ほど肩こりの辛さがなくても、疲労感が減るのは体感できるはずだ。それでいて性能面の妥協もなく、プロのeスポーツプレイヤーも不満のないレベルの性能だと思うし、打鍵感の良さや高い耐久性はカジュアルゲーマーにも満足感がある。
逆に、30gの軽荷重がどうしても苦手だ、ロープロファイルがいい、もっと静かな方がいい、デザインが好みではないといったゲーマーには不向きといえるだろうか。ちなみに、静音キースイッチではあるが、フローティングデザインなので、音は比較的漏れやすい。
キーボードとしては高価格帯の製品だが、1台買えば10年、20年と使えて、安価な製品より機能もキータッチも優れているとなれば、コストパフォーマンスが悪いとはまったく思わない。確かな性能と高い耐久性を信じて、ぜひ思い切って本機をお試しいただきたい。
| 製品名 | REALFORCE GX1 |
|---|---|
| キースイッチ | 東プレスイッチ(静電容量無接点方式) |
| キー荷重 | 30g |
| キーストローク | 4.0mm |
| 接続方式 | USB |
| サイズ | 365×143.1×38.2mm |
| 重量 | 1.3kg |
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜で連載『石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』』(AKIBA PC Hotline!に移動)、『使ってわかるCopilot+ PC』などを執筆。
・著者Webサイト: https://ougi.net/



























