実録! 重役飯

地デジPCでは冒険。将来は森に住みたい。~富士通クライアントコンピューティング齋藤邦彰社長編

いつもご愛顧をありがとうございます。PC Watchは2016年をもって20周年を迎えました。20周年を記念し、PC・IT業界を代表する企業のトップの方にインタビューを行ないました。特別企画ということで、通常であれば企業の戦略や製品について伺うところ、今回はインタビューに対応いただく方の行きつけやお勧めの料理店にて会食を行ないながら、その方の趣味や考え方など人となりに焦点を当てた質問を行ないました。この企画を通じて、企業の経営を担う人の個性や考え方などを知っていただければ幸いです。基本的に全ての方に同じ質問をしていますので、みなさんの違いも面白いのではと思います。聞き手はPC Watch編集長の若杉です。

 第3回目のインタビューのお相手は、先頃富士通株式会社から分社化し、PCの開発、製造を担う富士通クライアントコンピューティング株式会社代表取締役社長の齋藤邦彰氏です。会食の場として選んでいただいたのは、葉山の日影茶屋です。

日影茶屋

--:本日はよろしくお願いいたします。まず、こちらのお店を選ばれた理由を教えてください。

齋藤:私の祖父の代から横須賀に住んでおりまして、子どもの頃、海水浴というとこの葉山のあたりによく来ていたんです。また、20代の頃、この向かいにある茶店によくドライブで来ていましたし、子どもができた頃は、御用邸そばの岩場でカニやヤドカリを取りに来ていました。それから、実はこのお店は、私が結納をした場所なんです(笑)。

富士通クライアントコンピューティング株式会社代表取締役社長の齋藤邦彰氏

--:では、かなり思い入れの深い場所なんですね。

齋藤:私の母も、お茶をやっていて、よくこちらに伺っていました。最近ですと、海外からのお客様を連れてくると、大変喜ばれますね。この建物は文化財にも指定されていますし。

--:お庭もよくできていますしね。

日影茶屋の庭

20年前から富士通のPC担当。趣味はオーディオビジュアルという齋藤氏の過去

--:20年前は何をしていましたか?

齋藤:20年前から富士通でPCに従事してました。1996年というと、Made in USAの富士通製ノートPCを日本で販売する企画に携わっていました(関連記事)。オレゴンに工場があり、そこへエンジニアを派遣し、プリント基板レベルから開発、製造をしてたんです。当時PCはアメリカがメッカだったので、そこで開発するのがベストだろうという考えです。残念ながら1機種のみで1年ほどしか続きませんでしたが。

--:それはどうしてだったんでしょうか。

齋藤:インフラが技術的に不十分でした。地元の車の車体を作ってるメーカーにケースを作っていただいていたんですが、プリント基板を作るにあたって、半導体の微細化について行けなかったんです。

--:齋藤さんは当時からPC事業を統括する立場におられたのでしょうか。

齋藤:その頃は課長で、Made in USA機を統括してました。今考えると信じられないことをやっていたと思います(笑)。ちなみに、開発コードネームは「プレスコット」でした。

ずわい蟹と焼茄子の琥珀寄せ

--:次の質問です。その頃の趣味を教えてください。

齋藤:昔から汗をかくのが好きで、週末は山を走ってました。

--:登山ではなく、山を走るんですか。

齋藤:ここの裏に山があって、そこは横須賀の裏山まで一応繋がってるんです。

--:つまり、その距離を走られると。

齋藤:ずっと走るわけではなく、歩きもします。いずれにせよ、汗をかくためにやってました。それから、昔からオーディオビジュアルが好きです。僕らの世代で理系に進んだ人間は、オーディオがきっかけという人が多かったんですよ。アンプやスピーカーを自作してました。プロジェクターもかなり早い時期に無理をして買いました。

--:スピーカーの自作ですか。結構なマニアですね。

齋藤:やってることは本格的でしたが、音は大したことなかったですね(笑)。

--:では、音楽や映像系もお好きと言うことですね。

齋藤:そうですね。音楽はジャンルを問わず好きです。映像系は映画やスポーツ系ですね。

--:これまでの職歴を簡単に教えてください。

齋藤:20年間ずっとPCですね。デスクトップもノートもワークステーションも手がけました。2012年か2013年頃からはスマートフォンも見ています。PCもスマートフォンも当時のユビキタスグループの扱いだったので、それぞれを統括していました。

--:PCとスマートフォンを同時に担当されていて、どちらの方が興味深かったですか。「これからはスマホだ!」と思ったのか、それとも「今後もPCだ!」と思ったのか。

齋藤:それぞれ面白かったですが、当時はスマートフォンの方が独自性が出せたというのはあります。今ではコモディティ化してしまいましたが。

鰤の焼目寿司、烏賊の雲丹焼、白瓜雷干し

--:これまでで特に思い入れの深い製品はありますか。

齋藤:富士通は地デジ対応PCを始めて製品化したんですね。その著作権保護技術(DRM)問題を解決するために、専用LSIを新規開発し、一般社団法人電波産業会(アライブ)に出向いて、これなら大丈夫だと訴えたんですね。これはかなり苦労しました。コンテンツホルダーからは、PCのようにすぐにデータをコピーできるプラットフォームに地デジは流せないと言われてましたから(笑)。

--:でも、そこにユーザーニーズがあると判断して、LSIをフルスクラッチで起こしてまで製品化したんですね。

齋藤:その通りです。おかげさまでそのLSIの暗号化方式は2009年、文部科学省から文部科学表彰をいただきました。ちなみに今ではコピーも許可されていますが、当時は禁止されていました。ただ、1回だけコピーできる方法を見つけたんです(笑)。どういうことかと言うと、HDDに保存しながら、同時に光学メディアに書き込んだんです。つまり、HDDからのコピーは行なっていなくて、同時に保存しただけだと。業界からの反応がどうなるか不安でしたが、それをダビング機能と称して訴求しました(笑)。

--:一般ユーザーから、富士通は若干固い企業というイメージももしかしたらあるかもしれませんが、PCについては、結構冒険されていますよね。

齋藤:それは、ものすごくしていますよ。5.6型の「LOOX U」(関連記事製品情報)シリーズもそうですし、世界最小のWindows 7ケータイ「F-07C」(関連記事製品情報)もそうです。32型の大画面PC「FMV DESKPOWER TX」シリーズ(関連記事製品情報)を始めたのも富士通が最初です。これができる背景には自社による開発・設計・製造をやっているというのがあります。やはり海外のODMに任せていると、ここまではできません。

--:今でもPC部隊にLSIを設計できるような開発者も抱えているのでしょうか。

齋藤:いますよ。Windowsのアプリではなく、ファームを書ける人間もいます。自社開発されているメーカーさんはほかにもいらっしゃいますが、我々は製品ラインナップの広さが違います。

--:齋藤さんは昔は開発を担当されていたのでしょうか。

齋藤:はい。なんでもやってましたから、コードも書けますし、ハードの設計もできます。

--:これまでの人生で絶体絶命だと思ったことはありますか。

齋藤:そう感じた体験はないんですよね。

--:仕事でもプライベートでもですか。

齋藤:そうですね。楽天家なので。地デジのダビングの件は冷や冷やはしていましたが、言ってしまえば、たかだか仕事で命がかかっているわけじゃないですからね(笑)。プライベートでは、家族に恵まれたおかげもあって、特に災難はなかったです。

座右の銘は「人は幸せでないと、力が出ない」

--:2016年に社長になられて、仕事上一番変わった点はどんなところでしょう。

齋藤:実はあまりないんですよね。以前から、立場上、全体を見てましたし。

--:では、特に取引先や応対する相手が変わったりせず、仕事内容も概ね同じなんでしょうか。

齋藤:そうですね。富士通クライアントコンピューティングの社長をしながらも、まだ富士通コネクテッドテクノロジーズのスマートフォンも見ていますし。

--:と言うことは、富士通クライアントコンピューティングのPCの知見と富士通コネクテッドテクノロジーズのスマートフォンの知見は、それぞれ共有され、互いに活かされているわけですね。

齋藤:はい、そうです。

--:だとすると、それらを融合させた製品も計画されているんでしょうか。

齋藤:2つの会社の社名には「コンピューティング」と「コネクテッド」が入っています。この2つのキーワードで、今後、暴れまくりますよ(笑)。

--:期待しています(笑)。次の質問です。仕事上のモットーや座右の銘を教えてください。

齋藤:真っ先に頭に思い浮かぶ言葉は「人は幸せでないと、力が出ない」です。

--:その力を出すために、幸せになろうと努力することが重要だと。

齋藤:そうですね。それからもう1つ心がけているのが人との会話です。何事も一人でやっていると、どんなに素晴らしいことでも、60%くらいしか実現できないと思うんです。そうでなくて、そのアイディアを誰かと共有し、会話しながらブラッシュアップすることで、80%、90%の完成度を目指せるのかなと。プロセスとして会話をしていくことは大事だと思います。

 あとは、完成形とか将来の明確なビジョンを持つことです。そうでないと、近道をしているつもりが、逆戻りしてしまうことすらあります。

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--:そうすると今の立場でも、齋藤さん自ら、こういう製品を作ろうと発案したりするのでしょうか。

齋藤:むしろ、「こういう風にならないといけません」と言う感じです。ただ、近々の製品に対しては極力口出ししないようにしています。と言うのも、「社長がそう言ったから」というのが優先されて、お客様を向いてない製品になる可能性がありますからね。

--:将来的なビジョンは描くけど、具体的な製品計画は担当者に任せると。

齋藤:そうですね。将来的なビジョンについて言うと、「今お客様がこういう状況で困っているから、これをなんとかしよう」、という感じです。

 ストレスを感じていると、具体的な製品案についても言いたくなることもありますが、そうならないよう、週末は汗をかいてストレスを発散してたりします(笑)。

--:尊敬する人物を教えてください。

齋藤:もう他界したんですが、父です。父は死に際にものすごくいいものを見せてくれたんです。その頃、体のどこも悪くないのに、呼吸だけができなくて、ベッドから動けない状態でした。そんな状況でも父は、会う時いつもニコニコしていたんです。あれは自分には真似できないと思いました。本を読んで過去の偉人に対して、すごいと思うこともありますが、自分がこの目で見た尊敬できる人物を挙げるとすると父ですね。

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--:ご自身のセールスポイントを教えてください。

齋藤:いい加減で鈍感力があるところですね(笑)。鈍感力のおかげで、結構な逆境にも強いです。それから、理系の人間って真実に対して公平だと思うんです。人間関係と真実を大事にする。そういう所も自分の長所かなと思います。

--:客観的にものを判断して、事実に照らし合わせて正しいと思ったことを貫くということでしょうか。

齋藤:格好良く言うとそうですね(笑)。

--:富士通のPC事業の中で逆境を感じたことはありましたか。

齋藤:しょっちゅうですね(笑)。事業が始まった頃からそうでした。最初にDOS/VでFMVを出す時、一方でFMRという独自アーキテクチャもあり、富士通がDOS/Vをやるべきかどうかも大きな議論がありました。

--:そういった逆境や、最近ではPC事業の分社化などの転換点もあった中、なぜ富士通はPCを続けようとするのでしょう。

齋藤:理由はいくつかありますが、1つには、富士通のハードウェアとして理化学研究所様と共同開発しているスパコンの「京」があり、下の方にはスマートフォンがあり、全ての階層においてお客様に対して富士通が責任を取れるというのがあります。1つでも抜けると、お客様がやりたいことに対してボトルネックになるわけです。

 もう1つには、こういうボリュームがあるものを作ると言うことは、ものづくりにとってすごくノウハウになるんです。自前の開発部隊と工場を持っている点も踏まえて、例えば新たなことをやろうとした時に、転用が効くんです。

--:そういう意味では、富士通がコンピューティングに携わる限り、スマートフォン、PCそしてスパコンまで取り揃えた体制で今後も続いていくと。

齋藤:PCというのは、ユーザーのインターフェイスとなるビルディングブロックとして絶対になくなることはないです。だから、富士通がそこをやらなくなることはないです。

--:出社から退社までの1日の大体の仕事内容を教えてください。

齋藤:会議と出張と会食の繰り返しですね(笑)。川崎にある 富士通クライアントコンピューティングと、汐留にある富士通本社に同じ時間ずつくらい通っています。出社時間は8時半くらいです。夜は会食も仕事の内なので、それを入れると遅いですね。

--:スケジュール管理はどのようにしていますか。

齋藤:自分では管理しきれないので、刻々と変わるスケジュールを優秀な秘書に任せています。

--:海外出張も多いですか。

齋藤:多いですね。弊社はワールドワイドで事業をしていて、設計部隊と工場があるドイツ、アジアのPC拠点である香港とシンガポールなどによく行きますし、年に1回くらいですがオーストラリアにも行きます。取引先としては、IntelさんやMicrosoftさんのいる米国、ODMさんのいる中国や台湾に行くことが多いです。

--:携帯電話は何を使っていますか。

齋藤:虹彩認証に対応したarrows NX F-02Hです。災害時なんかに備えて通話用にフィーチャーフォンも1つ持ち歩いてます。

--:スマートフォンは新しいフラグシップを投入したら、ご自分でも使って試されるんでしょうか。

齋藤:そうですね。PCでもそうです。結構、時間を取られます(笑)。会社のセキュリティも年々厳しくなってきてますし。

arrows NX F-02H

PCはプロジェクターに繋いでBDやYouTubeを鑑賞

--:プライベートではどのようにPCを使っていますか。

齋藤:BDやYouTubeなどで映像を鑑賞するのがほとんどです。今は100型のプロジェクターと7.1chスピーカーを設置してますが、PCもAVアンプ経由でプロジェクターに繋いでいます。

--:僕も映画を見るのが好きで、55型の4K TVと5.1chのスピーカーセットを揃えていますが、齋藤さんのはさらに本格的ですね。プロジェクターは設置も難しかったりしますし、スピーカーも増えるほど配線が大変ですし。

齋藤:最初のプロジェクターは天吊りしてましたが、最近のは台やテーブルに設置できるので楽ですよ。ただ、AVマニアは、天井裏に入ってナンボというのもあります(笑)。うちは10mくらいのHDMIケーブルを天井裏に這わせてます。プロジェクターの良さは、大きいので人間が等身大で写るんですよね。大画面で見てると、別世界にワープしたような感覚になりますよ。

尼鯛の若狭焼

--:普段PCを使っていて、ここがもう少しこう変わるともっと便利、あるいは使いやすくなるのにと考える点はありますか。

齋藤:話し言葉で会話形式で使えるようになるといいですね。

--:ナチュラルUIということですね。

齋藤:そうです。キーボードもないと困りますが、それに加えて、言葉で使えるといいですよね。Windows 10でも実装され始めていますが。

--:富士通さんもそういう取り組みは検討されているんでしょうか。

齋藤:考えてはいます。でも、本当の人間のように応対できるようなものは、まだ時間がかかるでしょうね。AIについては、そのアルゴリズムとかよりも、どういうデータを与えて、どういうエキスパートに育てるのかが大事だと思います。それによって今までできなかったことを実現して、お客様に役立てたいと考えます。

--:今の趣味は何ですか。

齋藤:これまでに挙げた以外では寝ることです(笑)。

--:普段の睡眠時間は何時間くらいですか。

齋藤:会食など入った時は6時間くらいですが、なるべく8時間寝るようにしています。

--:それは健康を考えてということですか。

齋藤:単純に寝たいんです(笑)。映画については、スター・ウォーズ世代なので、そういうSFものが好きで、去年、今年は当たり年だったと思います。ただ、スター・ウォーズEP7を観たのは飛行機の中ですが(笑)。

--:最近BDで出たSFというとオデッセイとか。

齋藤:観ましたね。あとは、時空を超える映画で、本棚が出てきて……。

--:インターステラーですね。

齋藤:それです(笑)。良かったです。

--:クリストファー・ノーラン監督の作品はどれも素晴らしいですね。

玉蜀茶の冷し茶碗蒸し

--:何か特技はお持ちですか。

齋藤:これも寝ることです(笑)。

--:ずっと寝てていいと言われたら、ずっと寝ていますか(笑)?

齋藤:寝てますね(笑)。でも、周りの人は、起きたがりですね。「なんでそんなに寝るんだ? 時間の無駄だ」と言われることもありますよ(笑)。

--:そうすると次の質問の「休日はどのように過ごしていますか」は、やはり寝ていると(笑)?

齋藤:まず朝寝します(笑)。そして十分寝たら、山に行きます。これは欠かしません。あとは、ゴルフも多いですね。あまり好きではないんですが。

--:天気が悪くても山に行くんですか。

齋藤:そうです。山の中だと木の葉のおかげで、多少の雨は下まで降ってこないんですよね。ので、入り口までは傘を差していき、あとは傘を持たず走ってます。最近、自分が獣化してきてるように感じるんですよね(笑)。

--:個人的なもの(家などを除く)で、今までで一番高い買い物はなんですか。

齋藤:ありがちですが、車です。

--:AV機器に費やした金額より車の方が高いですか。

齋藤:最近のAV機器は安いですから。1991年頃80型のプロジェクターを買いに秋葉原まで車で出かけたことがありますが、そのときは90万円弱していました。僕は新製品を早めに買うんですが、それでも今のやつは32万円くらいでした。AV関連は機器の数は多いですが、そこまでお金はかけてないですね。

--:例えば4Kのように新技術のものが出たら、まず買うタイプですか。

齋藤:まず迷います(笑)。その迷ってる時間が楽しいんですよね。買うと冷静になるので(笑)。

--:最終的に欲しい、と思ったら買ってしまうわけですか。

齋藤:買っちゃう(笑)。

--:それでご家族に怒られたりはしませんか。

齋藤:AVでは怒られませんが、車の時は怒られました(笑)。

鰊茄子

--:そんな中、今一番欲しいものはなんですか。

齋藤:森です(笑)。あるいは自分の島。

--:それは結構本気で検討されているんでしょうか(笑)?

齋藤:本気です(笑)。例えば八ヶ岳の麓当たりだと、坪1万円くらいらしいですよ。ただ、譲ってもらうには地元の人と仲良くならないといけないとか、お金以外の条件もあるようですが。

--:その森は、走る用ですか。

齋藤:はい。

--:走るだけなら買わなくてもいいような気もしますが(笑)。

齋藤:そうなんですが、例えば走り終わったあとに、周りを見渡しても自分しかいない、そういう状況にあこがれるんです。

--:島というのは将来の隠居用ですか。

齋藤:そうです。工場のある出雲に行く時、飛行機から日本海側を見ると境港あたりにいい入り江がたくさんあるんですよ(笑)。その中に所々小さな島があって、見る度に、「いいなぁ」と思います。

--:島って個人で普通に買えるんでしょうか。

齋藤:以前、とある歌手が買ったという話を聞いたことがあります。ただ、実際に実行したら、電気や水道など大変でしょうね。

炊き込みごはん 赤出し 香の物

--:好きなブランドを教えてください。

齋藤:AVだと、以前富士通PCとパナソニックさんのDIGAとオンキヨーさんのAVアンプが連携できるということでエンジニアの方と協業して以来、その2つのブランドがお気に入りです。

--:スポーツウェアはこだわりはないんですか。

齋藤:スポーツウェアの類いは妻が買ってきてくれる物をそのまま着ています(笑)。

--:ゴルフは趣味ではないんですか。

齋藤:そうですね。始めたのも50歳を過ぎてからです。マウスコンピューターの小松社長とは何度もコースを回っていますが、レッスンを受けたりはしてないですし。

--:個人的にこの人・ものには絶対勝てない……、というのはありますか。

齋藤:基本的に負けず嫌いなんで、絶対勝てないとは思わないようにしています。仕事でも、結構無謀な戦いを仕掛けることもしばしばです。ただ、プライベートだと、うちの妻は、何から何まで僕と真逆な人間で、この人には勝てないなとは思います(笑)。細かいことを気にしないという点でも、僕の遙か上を行きますし(笑)。

20年後PCは自分自身になっているかも

--:20年後はどのようなことをしていたいですか。

齋藤:森の中に住んでいたいです。昼は山道を走って、夜はAVルームに籠もって好きな映画を観ていたいです。で、時々友達と会う。

--:そこまで森がお好きなのは、癒やしがあるとかですか。汗を流すだけなら、ジムなんかもあるわけで。

齋藤:それはありますね。やはり空気がいいです。そして、樹木は虫除けのエキスを出しているらしく、それが心地よかったりもします。これはジムでは体験できないですね。

--:出身がこのあたりと言うことですが、周りにある海はあまり好きではないんですか。

齋藤:海は行き飽きました(笑)。

水菓子

--:PCは20年後どのようになっていると思いますか。

齋藤:先ほどもお話ししたとおり、会話を使ったインターフェイスが発展すると思いますが、そうするとPCはある意味、家では家族になり、会社では部下になり、またある時は友人になるでしょうね。ひょっとしたら自分自身になるかもしれません。

--:それはAIが発達して、人間と変わらないコミュニケーションができるようになるというイメージですか。

齋藤:そうです。

--:自分になるというのは。

齋藤:その頃には脳の中の情報や考え方なども取り出せるようになっているかもしれません。そのデータをPCに移せば、それは自分自身とも言えますね。

--:20年でそこまで行きますか。

齋藤:今の加速度なら、行く可能性はあると思いますよ。生物には根源的に生存欲求があり、ヒトのその思いがますます強くなり、その手段として身近にそれができるPCがあれば、ヒトは自分の頭の中をPCにコピーして、生き続けたいと考えるかもしれませんね。

--:かなりSF的なお考えですが、実際に科学者で、今後人間の進化の方向として、機械の融合が必然的に起きると科学的見地から論じている人もいますね。

齋藤:その先、人間と機械が区別できなくなることもあるかもしれませんね。

--:質問した相手が人間か機械かを判定するチューリングテストに合格する機械もそのうち登場しそうですね(注: その後調べたところ、2014年にロシアのスパコンが史上初めて合格したそうです)。齋藤さんから見て、この20年でPCの進化は速くなってると感じますか。

齋藤:PCだけを見ると、40歳代のランナーと同じで、遅くなってきてますよね。ただ、それはPCという汎用のビルディングブロックだけを見るとそうであって、そのコンピューティングパワーでできることは、加速的に増えてますよ。

--:つまり、1つには、PCというハコだけでは変化の度合いは小さくなってるけど、コネクテッドな世界になって、クラウドを活用することで、PCを通じてできるようになったことが増えてきたということですね。

齋藤:そうです。

--:最後に、これから社会人になる20歳の人に、どのように人生を歩むべきかメッセージをお願いします。

齋藤:今、技術は加速度的に進歩しています。今後、今までの何万倍もの速度で技術は発展し、経験することの幅が広がって行く中で、これから社会に出る人は、これはこうだと自分で決めつけることなく、環境の変化を楽しんで欲しいと思います。人間は幸せでないと力が出ないと言いましたが、楽しもうという考えを持つことで、技術も人にとって良いものになっていくと思います。

読者プレゼント

この企画では、登場いただく方に記念品を読者プレゼントとしてご提供いただいています。齋藤さんには、日影茶屋の別ブランドLA MAREE DE CHAYAのクッキー詰め合わせをご提供いただきました。ふるってご応募ください。

応募方法

応募方法:下記リンクの応募フォームに必要事項を入力して送信してください

応募締切:2016年7月23日(土) 0:00まで

応募フォーム

※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。

LA MAREE DE CHAYAのクッキー詰め合わせ