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低価格通話/データ通信を可能にする約200カ国対応の低価格SIM

海外向けの低価格SIM「TAKT」のロゴ

 Planetwayは13日、世界約200カ国で利用可能とするSIMカード「TAKT」(タクト)を発表した。11月20日より予約を受け付け、12月初旬に発売予定。販売は株式会社ワイヤレスゲートが行ない、ヨドバシカメラの実店舗またはヨドバシカメラのオンラインストアで購入できる。

 TAKTは海外渡航するビジネスマン向けのプリペイド式SIMカードで、音声およびデータ通信対応のものを4,980円で提供。通話/データ通信を超過した場合はクレジットカードを使ってWebからチャージできる。海外での通話料金の安さをウリとしており、海外SIM利用時に起きがちな高額請求を防ぐことができるという。

 例えばアメリカでの利用時は、発信で1分あたり51円、着信は無料。データ通信は1MBあたり49円、SMSは受信が無料で送信は1通あたり48円となり、使用する国によって料金体系は異なるが、ほかのSIM販売が会社と比較して、概ね低価格を実現する。

アメリカで利用した場合の他社のと比較例
各国の料金プラン。これらも含めて約200カ国で利用可能。それぞれの国での料金はTAKTのWebサイトで確認できる

 ただし、一部地域では高額のところもある。このあたりの各国の料金体系はTAKTのWebサイトから確認できる。購入時には30分間の無料通話か50MBの無料データ通信が付くが、渡航先によっては変動する可能性があるようだ。

 通信方式は3Gのみだが、今後LTEなどを拡張する予定という。SIMカードは標準、Micro、Nanoの全てに対応できるものを提供し、Nanoサイズに切り取った後でも簡単にほかのサイズに変換して使える仕組みを導入している。本SIMカードは主にSIMロックフリーのスマートフォンを対象とするが、SIMロックが解除されている端末ならいわゆるガラケーでも使用可能。SIMカードの継続して利用するには1年間に一度チャージする必要があり、利用がない場合は使えなくなる。

Planetwayの代表取締役CEO/ファウンダーと株式会社ワイヤレスゲートで新事業イノベーション室 室長を務める平尾憲映氏

 TAKTの発表に伴い、記者発表会が開催され、Planetwayの代表取締役CEO/ファウンダーの平尾憲映氏がサービスに関する説明を行なった。

 Planetwayは、2015年7月1日に創業し、米国に本社を置く生まれて間もない会社であり、主な事業内容はIoTのプラットフォーム事業の展開としている。TACTはエストニアにある国際的な通信会社であるTopconnectのシステムを利用するもので、購入するSIMはエストニアの国際番号(+372)が付与される。そのため、電話の際には国際番号を足して掛ける必要がある。ちなみにエストニアはSkypeを生むなど、ヨーロッパではIT先進国とされる。

 面白いのは訪問した国で最も安く最適と考える通信業者に接続し、高額通信のリスクを限りなく減らしてくれるところ。通話した場合もチャージなどに必要な独自アプリが残高をポップアップ表示するといった仕組みが取り入れられている。

Planetwayの会社概要
TAKTの特徴
大手の通信社とのTAKTを比較した表。最大で約80%得としている
TAKTの強みとする4つの特徴

 平尾氏は今後SIMロックフリーの端末が急速に普及することを前提として、海外利用可能な低価格SIMを必要とするビジネスユーザーを取り込んでいく考えで、海外渡航者が1,700万人いるとされる日本(2014年時点)で年間数百万枚、世界市場での販売で年間数千から数億枚の販売目標を掲げる自信を見せる。

 今回の発表には間に合わなかったとのことだが、今後はTAKTを載せたデュアルSIMロックフリースマートフォンや、海外での行動を支援するようなポータルアプリの提供を行なっていくとのこと。また、B2C(B to C)だけでなく、B2BやM2Mでの展開も視野に入れており、TAKTを利用することであらゆる国で通信可能なIoT機器のソリューションを提供するなど、事業の拡大を図っていく構えだ。

SIMロックフリー端末の増加予測
日本で年間数百万枚の販売を目標に掲げる
今後はデュアルSIMスマートフォンやポータルアプリの提供
TAKTのB2BおよびM2M市場への展開も図る

(中村 真司)