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NEC PC、“攻めのビジネス向けPC”に15.6型ノート「VersaPro」2機種

VersaPro タイプVX

 NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)は、法人向けノートの新製品として、NPU内蔵のCore Ultraシリーズ2搭載15.6型ノート「VersaPro タイプVX」、およびDDR5メモリ採用のエントリーモデル「VersaPro タイプVE/タイプVF」を発売した。

 VersaPro タイプVXとVersaPro タイプVE/タイプVFはともに、NEC PCがNEC法人PC事業を吸収して以来、方針を転換した“攻めの商品作り”を行なったビジネス向けPCで、スタンダードな15.6型ノートとなっている。

 この攻めの商品作りの第1弾は7月発表の「VersaPro UltraLite タイプVY」で、それに続いて8月に14型モバイルノートの「VersaPro タイプVM」、13.3型モバイルノートの「VersaPro タイプVB」、スリムタワーデスクトップ「Mate タイプME/MB/MA」を投入。今回の15.6型ノートの投入をもって、ラインナップが充実した。

NECパーソナルコンピュータ商品企画本部本部長の森部浩至氏
攻めの商品作りに転じたNEC PCのビジネスPC
VersaPro タイプVE
VersaPro タイプVE/VF
現在のビジネスPCラインナップ

 VersaPro タイプVXでは、NEC独自のAIチャットボット「AI Plus Biz」を搭載している。このソフトは、PCの設定状態、NEC PC独自のFAQデータベース、マニュアルに基づき、精度の高いサポート回答を提示できるのが特徴。利用にはインターネット接続が必要。

事前説明会においてAI Plus Bizの開発について紹介したNECパーソナルコンピュータSolution Development Groupシニアマネージャーの丸山亮氏

 このAI Plus Bizでは、CPUやメモリ、バッテリといったPCの状態でユーザーの困りごとに対するプロンプトを保管。そして多岐にわたる情報源から解決につながる情報を絞り込み、GPT-4.1 miniを介して出力している。これにより、信頼できる高品質なサポート情報、機種ごとに最適化されたデータベースに基づいた応答が可能で、汎用AIよりも優れた解決策を提示できる。

 ちなみに、AI Plus Biz開発の段階では、PCの状態でプロンプトの補完の仕方に対して研究や開発が必要だったり、サポート情報がさまざまなフォーマットで提供されているため、意図しないデータの強弱が発生して想定外に精度が出ないといった課題が発生。また、GPTのサポート終了でバージョンを切り替える際に問題が生じたり、回答の出力速度を上げる必要があるといった課題があった。

 そのため、状態情報をAIが理解しやすい形に整形する技術、困りごとのカテゴリを判別して関連する状態情報に絞り込む技術を開発。また、データの特性に合わせて強弱を調整する仕組みの開発、LLMの切り替えを想定した柔軟な設計の採用、Markdown形式への対応などを行ない、リリースにこぎつけたという。

AI Plus Bizの特徴や、開発逸話の紹介。汎用AIには真似できない、機種ごとの症状に適した回答を行なうのがAI Plus Bizの特徴だ

 このほか、両機種とも、Web会議用にヤマハのAudioEngineを用いたAIノイズキャンセリング機能を備える。

 また、NEC PCに移管しても、米沢工場で対応できるキッティングサービスの提供、最長7年の保証サービス、アクシデント・ダメージ・プロテクションの対応、遠隔データ消去サービスの対応など、法人のニーズに即した、PCのライフサイクルに合わせたソリューションおよびサービスを提供できるとしている。

NECパーソナルコンピュータサービスセールス事業本部営業本部長の星野敬正氏
米沢工場でのキッティングサービス
最長7年の保証
遠隔データ消去サービスの提供

VersaPro タイプVX

 VersaPro タイプVXは、CPUにNPUを内蔵のCore Ultraシリーズ2を搭載した15.6型据え置き型ノートPC。生成AIを活用した業務アプリや支援ツールに対応し、処理負荷軽減、生産性向上を目指す。価格は38万8,850円から。

 主な仕様は、CPUにCore Ultra 5/7(200Uシリーズ)、メモリにDDR5、ストレージにPCIe SSD、ディスプレイに1,366×768ドットまたは1,920×1,080ドット表示対応15.6型、OSにWindows 11 Proなどを搭載する。BTOでは、光学ドライブの有無を選択可能。

キーボード面。テンキーを搭載している
LEDインジケータは本体を閉じても確認できる
本体右側面。光学ドライブが搭載可能だ
本体左側面

 インターフェイスは、USB Type-C(USB PD給電、DisplayPort Alt Mode対応)、USB Type-A 4基、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、SDカードスロット、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、指紋センサー、Windows Hello対応フルHDまたはHD対応Webカメラ、音声入出力などを備える。

 バッテリ駆動時間は約6.1時間。重量は約2.1kg(光学ドライブ搭載時)。

VersaPro タイプVE/VF

VersaPro タイプVE/VF

 VersaPro タイプVE/VFは、CPUに第13世代Core i3/i5/i7を搭載したエントリー向けの15.6型据え置き型ノートPC。従来はDDR4までの対応となっていたため、メモリ速度が向上した。価格は33万6,600円から。

 主な仕様は、CPUにCore i3/i5/i7、メモリにDDR5、ストレージにPCIe SSD、ディスプレイに1,366×768ドットまたは1,920×1,080ドット表示対応15.6型、OSにWindows 11 Proなどを搭載する。BTOでは、光学ドライブの有無を選択可能。

キーボード面
本体左側面。タイプVXと比較するとインターフェイスが少ない
本体右側面

 インターフェイスは、USB Type-C、USB Type-A 2基、HDMI出力、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、指紋センサー(モデルによって異なる)、Windows Hello対応フルHDまたはHD対応Webカメラ(モデルによって異なる)、音声入出力などを備える。

 バッテリ駆動時間は約7.6時間(Lバッテリ)。重量は約2.1(Mバッテリ)~2.2kg(Lバッテリ)。