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エプソン、ステレオカメラで深度測定も可能な業務用HMD
~両眼シースルー型、バッテリのホットスワップにも対応
(2015/6/23 22:03)
エプソンは、業務用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)「MOVERIO Pro BT-2000」を9月より発売する。価格はオープンプライスで、同社直販サイトの最小構成価格は388,000円。
BT-2000は両眼シースルー型のHMDで、コンシューマ向けに2014年6月から発売している「MOVERIO BT-200」をベースに、業務用途向けに最適化されたモデル。業務用途に特化しているため、シリーズ名も「MOVERIO」から「MOVERIO Pro」に変更されている。
想定されている主な使用用途は、マニュアルの常時表示やリアルタイムの現場作業支援など。
BT-2000は、BT-200から新たに、照度センサーと加速度センサー/ジャイロセンサーを組み合わせた、エプソン独自のIMU(慣性計測ユニット)を搭載。ユーザーの姿勢や動きを検出し、高精度な行動ログを取得したり、作業の効率的なナビゲーションが可能。環境光に合わせた画面輝度の自動調整もできる。そのほかに、GPS/地磁気センサーも搭載する。
また、ステレオカメラを搭載し、3D映像の撮影や深度測定が可能となった。カメラ性能も静止画像時で500万画素、動画時でフルHD(1,920×1,080ドット)へ向上。画面の最大輝度も1.5倍に向上した。
デザインは、長時間着用時の装着性を改善するため、従来の鼻で支えるメガネ式からヘッドバンド式に変更され、頭全体で支える形となった。異なる頭のサイズに対応するため、交換可能なインナーパッド3タイプが付属する。
コントローラもグローブなどを着用していても操作がしやすいよう、凹凸ボタンを採用。ボタンごとに大きさが異なるため、直感的な操作が可能としている。
バッテリは有線コントローラ側に2つのバッテリパックが内蔵されており、動作中でも電源を切らずに交換できるホットスワップ機能に対応する。
シースルーディスプレイはフルカラーに対応し、解像度は960×540ドット。OSはAndroid 4.0.4を採用し、40個の音声コマンドに対応。ネット接続環境がなくても音声コマンドによる操作が可能。
インターフェイスは、IEEE 801.11a/b/g/n対応無線LAN(2.4GHz/5GHz両対応)、Bluetooth 3.0+4.0 LE、Micro USB、4極ミニジャック、microSDHC対応カードスロット。サイズはヘッドセットが205×136×100mm(幅×奥行き×高さ)、コントローラは70×157×35.3mm(同)。重量はヘッドセットが290g、コントローラが265g(バッテリ除く。バッテリは1個約50g)。IP54準拠の防水防塵性能を備える。
6月23日に開かれた記者発表会では、エプソン販売株式会社代表取締役社長 佐伯直幸氏らが登壇し、商品紹介などを行なった。
販売目標については、今後3年で1万台を目指しており、製品の販売戦略については、「業務用途のため、エプソン単独で提供できるサービスではない」として、ベンダーとのパートナーシップを強調。具体的には、開発者、SI(システムインテグレータ)やアプリベンダーと組んでいくとして、搭載センサー類の制御ライブラリや開発ツール、サンプルプログラムなどを含むSDKを、7月末頃にホームページで公開予定だという。
BT-2000は、6月24日~26日に東京ビックサイトで開催される「3D&バーチャル リアリティ展」に出展される予定。