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オフィス内のノートPCの6割は“持ち運ばれない”ノートPC?

~デル、法人向けクライアント製品発表会

 デル株式会社は26日、法人向けのクライアント製品発表会を開催した。

 発表されたのは、「OptiPlex」ブランドの一体型PCや液晶ディスプレイ製品で、本稿では発表会の模様をお伝えする。製品の仕様については既報を参照されたい(デル、第8世代Core搭載のビジネス向け一体型デスクトップなどデル、小型台座と薄型筐体でデスクを広々使える21.5/23/23.8/27型液晶)。

 発表会には、デル株式会社 執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部長の田中源太郎氏、同統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーの飯塚祐一氏らが登壇。製品説明などを行なった。

デル株式会社 執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部長 田中源太郎氏
同統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャー 飯塚祐一氏

 田中氏は、Dellの法人向けビジネス向け事業では、2017年のディスプレイ出荷台数、ワークステーション出荷台数、シンクライアント出荷台数で、全世界で首位を獲得し、PC出荷台数では21四半期連続でシェアを伸ばしたとアピール。

 国内の法人ビジネスでも、PCやワークステーション、ディスプレイすべてで出荷台数を対前年で約10%伸ばし、シェアも1%弱の伸びを記録して好調であるとした。

 同社の法人向けPCブランド「OptiPlex」は、2018年で25周年を迎える。1993年の誕生から、累計販売台数は2億3,500万台に達し、企業に長く愛されてきたブランドであると説明。

 OptiPlexでは、業界初のツールレス筐体採用や、100%リサイクル可能製品など、業界初の取り組みを多数行なってきたと語り、筐体バリエーションも多く取り揃えているとした。

 国内の販売実績としては、2017年で13,600社へ計39万台弱を販売。そのうちの57%がパートナー経由の販売であると述べ、今後もパートナーとの協力関係を強めていくとした。

ビジネス向け製品の概況
国内の法人ビジネス概況
OptiPlexの歴史
国内販売実績

 飯塚氏は、OptiPlexは「デルの真髄」といえるブランドと語り、新技術を取り入れるという姿勢に従って、新製品では第8世代CoreプロセッサやIntel Optaneメモリへの対応、NVIDIA製GPUの搭載オプションなどを実現したとアピール。

 信頼性とデザインの面では、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810G」テストをクリアし、法人向け製品でも、一体型PCはデザイン重視というトレンドを受け、スリムベゼルの採用などが行なわれている。

 一体型では27型モデルが新たに追加され、FIDO準拠の指紋認証センサーを搭載したマウス、薄型化にともない本体から省かれた光学ドライブを、スタンドに内蔵させるといったエコシステムの拡張も図られているとした。

ラインナップ
おもな変更点
新機能
アーティキュレーティングスタンド

 同氏は、2018年12月にデルが行なった調査の結果を紹介し、勤務先のPCの比率を見ると、依然としてデスクトップPCが多数利用されていると述べたほか、オフィス内のノートPCのうち、63%が“持ち運ばれない”ノートPCであるとの回答があったと言及。

 「動かさないPCがノートPCで良いのか?(ノートPCである必要があるのか?)」という点も含めて、エンドユーザーに合わせた提案を行なっていきたいとした。

オフィス内の6割のノートPCは持ち運ばれていない
OptiPlex導入事例

 ディスプレイ製品については、米Dell プロダクトマーケティングコンサルタントのビネイ・ジャヤクマール氏が登壇し、紹介を行なった。

 ジャヤクマール氏は、同社のディスプレイ製品はエンドユーザーの生産性を改善し、快適な業務を実現するとともに、各国の環境基準を満たした設計になっているとアピール。

 その結果として、5年連続で出荷台数世界一を記録し、企業に受け入れられているとした。

 現在、世界的にもワークプレースの変化が起こっているが、それと同時に従業員の期待値も変化していると述べ、独自の調査では、ミレニアル世代が社会人になり、最新テクノロジが使えないことが転職を検討する要因になっているとした。

 そういった背景から、企業側がポリシーの変更を求められているが、調査を行なった結果、IT技術に関連するハードウェアのなかでも、とくに従業員の生産性に影響するのがディスプレイであるという。

 しかし、オフィスデザインの変化によって、従業員個人あたりのスペースは縮小傾向で、共有スペースが拡大していることから、従業員の50%以上がデスク上の乱雑さとスペース不足に悩んでいると説明。

 今回発売される新Pシリーズのディスプレイでは、生産性を最大化するための改善が施されており、スタンドを最大23%省スペース化し、ディスプレイ本体の厚みも抑えられているほか、3辺超薄型ベゼルの採用で、狭いスペースでもより大きな画面サイズを設置できるように配慮。

 38個テンプレートからアプリをタイル配置できる「Easy Arrange」機能も対応し、USB Type-C搭載モデルでは65Wの給電をサポートすることで、大半のノートPCの給電もケーブル1本で行なえるとアピールした。

米Dell プロダクトマーケティングコンサルタント ビネイ・ジャヤクマール氏(Vinay Jayakumar)
好調なディスプレイ製品
ワークプレイスの変化で従業員の期待も変化
ディスプレイが生産性向上に影響
スペース不足が従業員の抱える悩み
ディスプレイ製品
スタンドのフットプリントを削減
厚みを削減
3辺ボーダーレス
従来製品からの変更点
OptiPlex5260 AIO
アーティキュレーティングスタンドで水平まで傾けられる
ポップアップ式Webカメラ
OptiPlex7460 AIO
OptiPlex7450 AIO
OptiPlex3060 MT/SFF
P2419HC
65Wまで給電可能なType-Cポート
デュアルディスプレイスタンド「MDS19」
P2719H
左からP2319H(新機種)とP2317H(旧機種)。ベゼル幅が狭くなりスタンドのフットプリントも小さくなっている