鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第161回:4月2日~4月6日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


4月2日

■■ NTT東日本、フレッツ・ADSL接続ツールの不具合対策を発表
--メルコ、アイ・オーなど対応アップデータを公開中
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010402/flets.htm

ブルースクリーン(blue screen)

(1) Windows環境で、システムのエラーやメッセージを表示する、青いフルスクリーン の画面。

 Windowsのカーネル(※1)やCPUレベルで検出された障害や関連情報、対処方法などを伝えるためのもので、システムを停止し、VGAモードのディスプレーに直接メッセージを表示。青い背景を使用していることから、「ブルースクリーン」、「ブルースクリーンエラー」と呼ばれている。ブルースクリーンで報告される障害には、復旧可能なものもあるが、そのままシステムが停止してしまうものが多く、「Blue Screen Of Death(BSOD)」と揶揄されている。

(2) クロマキー(chroma-key)合成のために用いる青い背景。

 テレビや映画、写真などの合成では、一方の画面からキーとなる特定の色相(chroma)を抜き出し、そこに別の画面をはめ込む手法がよく用いられる。これをクロマキーといい、一般には、ブルー系の色を背景に使うことが多い。

(※1) メモリ管理やプロセス管理、I/O制御などを行なっている、システムの中核(kernel)部分。


■■ プラネックス、1000Base-T対応4ポートスイッチングHub
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010402/planex.htm

ストア&フォワード方式(store and forward)
 メッセージやデータなどをいったん蓄積してから再送する方式。PCの周辺機器では、LANの接続に用いるスイッチングHubの転送方式のひとつ。

 スイッチングHubは、各ポートにつながれているデバイスのMAC(Media Access Control)アドレスを記憶し、特定の宛先に向けたパケットを、そのデバイスが接続されているポートにだけ出力する機能を持ったHubである。このようなインテリジェントな中継を行なうためには、Hubは受信したパケット(フレーム)の一部、あるいは全てをいったんバッファに取り込み、宛て先を解析する必要がある。この時、パケット全体(あるいはエラーチェック用のコードまで)を取り込んでエラーチェックを行ない、エラーのないパケットだけを宛て先のポートに送り出す方式をストア&フォワード方式という。エラーパケットを破棄することにより、トラフィックの低減と信頼性の高い通信が行なえるが、その分若干の遅延が生ずる。なお、速度変換(例えば10Mbpsと100Mbps)を行なう場合には、パケット全体をバッファリングしなければならないので、必然的にこのストア&フォワード方式になる。

 ストア&フォワードとは反対に、転送に必要な宛て先アドレス(パケットの先頭6バイト)を確認したら、即座に転送を開始する方式もある。これをカットスルー(cut through)方式という。転送時の遅延は最小限に押さえられるが、エラーパケットも転送してしまい効率が悪い(※1)。そこで、通常はカットスルー方式で動作し、エラーパケットが増えるとストア&フォワードに切り替わるように作られた製品もある。

(※1) 最終的には受信側でエラーチェックが行なわれるので、エラーパケットをスイッチが通すのか破棄するのかは、通信そのものの本質的な部分には影響はない。

【参考】
□スイッチングHub
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000203/key106.htm#switching_hub
□MACアドレス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000706/key126.htm#MAC


■■ AKIBA PC Hotline!ヘッドライン 3月31日(土)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/

●PCI-X
ピーシーアイエックス

 PCI SIGが'99年にリリースした、現行のPCIバスを使い、最大133MHzの高速転送を実現する拡張規格。

 PCI(Peripheral Component Interconnect)は、Intelが'91年に提唱しPCI SIGによって標準化された汎用バス規格で、'92年に最初の規格を発表。'93年に2.0、'94年に2.1がリリースされ、現在販売されている全てのPCが、この2.1もしくは、'98年にリリースされた2.2に準拠したPCIの拡張バスをサポート。最近では、システムコントローラとペリフェラルコントローラ間を専用のバスで接続するシステムが増えてきたが、このチップ間のインターフェイスにも、PCIそのものが長い間使われてきた。

 PCI-Xは、Compaq Computer、IBM、Hewlett-Packardの3社が'98年に発表した拡張規格で、当初は、Intel抜きでの共同開発ということでも話題となった(最終的にはIntelも含めたPCI SIGでの標準化)。

 一般に使われているPCIは、32bit/33MHz仕様のものだが、規格には64bitバスと66MHzの転送モードも規定されている。PCI-Xはこの64bit/66MHzバスの延長で、さらに高速な100MHzと133MHzの転送モードをサポート。64bit/133MHzで最大1,066MB/sec(※1)の帯域を提供する。PCI-Xはまた、PCI 2.2も含めた下位互換を提供しており、バス、アダプタともに下位のモードでも動作するように作られている。すなわち、PCI-X対応アダプタは、現行のPCIスロットでも利用でき、現行のアダプタをPCI-X対応バスに挿して使うことも可能だ。もっとも、PCI-Xの高速モードでは電気的な制約が厳しくなっているため、スロット数の目安が、100MHzで2本、133MHzで1本になっている(※2)。したがって、ここに新旧カードを混在させるというのは、あまり現実的ではない。

 制限以上にスロットを設ける場合には、これまで通り、間に中継を行なうブリッジを設けて階層化する。新旧カードの混在も、このような形で階層化し、異なるブリッジの下に取り付けるのが現実的だろう。PCI-Xでは、このような環境下でもバスを効率良く利用できるようにする、スプリットトランザクションという機能が新たに用意されている。例えば、33MHzのアダプタは、133MHzのPCI-Xバスにとっては、4倍の時間バスを占有することになる。133MHzで動作しているブリッジ間で、下位の処理を短い複数のトランザクションに分散すれば、長時間の占有を避けて、バスを有効に利用できるというわけだ。

(※1) クロックは7.5ns(133.333MHz)なので、1,000÷7.5×8(64bit)=1066.666…MB/sec。一般的な1,024ベースだと1,017MB/sec。

(※2) 従来は66MHzモードで2本が目安だったのに対し、PCI-Xモードの66MHzでは、4本までサポートすることができる。ちなみに、PCIの33MHzバスは4本が目安。PCI-Xには33MHzの転送モードはなく、33MHzはPCIとしての動作になる。

□PCI SIG
http://www.pcisig.com/
【参考】
□PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI
□64bit PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980826/key43.htm#64bitPCIbus
□LowProfile PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000511/key118.htm#LPPCI
□Mini PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000310/key111.htm#Mini_PCI


4月3日

■■ サンワサプライ、コネクタが光るUSBケーブル
   --ソニーP1やFinePix対応のミニUSBケーブルも発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010403/sanwa.htm

ミニUSBコネクタ、Mini-Bコネクタ
ミニユーエスビーコネクタ、ミニビーコネクタ

 デジタルカメラなどに使われている、小型のUSBコネクタ。  USB(Universal Serial Bus)は、Compaq、DEC、IBM、Intel、Microsoft、NEC、Northern Telecomの7社が中心となって策定した汎用シリアルインターフェイス規格で、'96年に最初の正式規格が、'98年にその改訂版の1.1がリリースされ、キーボードやマウスなどの入力デバイスから、プリンタ、スキャナ、ドライブなど、PCの周辺機器に広く採用されている。デジタルカメラもそのひとつで、旧来からのシリアルポート(RS-232C)に代わり、多くの製品がUSBに対応している。

Mini-Bコネクタを採用した
サンワサプライのU-AMB518
 USB規格では、PCやHubの接続口(ダウンストリームポート)には平たいAコネクタを、デバイス側(アップストリームポート)には四角いBコネクタを規定していたが、Bコネクタは、コネクタ部分が1cm角ほどでストローク(差し込口の深さ)が12mmもあり、小型化が進むデジタルカメラにとって実装するのが厳しくなっていた。各社は、それぞれに独自形式のコネクタを採用。デジタルカメラのUSBポートは、汎用のABケーブルではなく、専用の接続ケーブルを用いる仕様が一般的になっていた。各社各様の小型コネクタには、特にこれといった名称はないが、総じて「ミニUSBコネクタ」と呼ばれることもある。

 USBインプリメンターズフォーラムは、480Mbpsの高速転送モードをサポートするUSB規格「2.0」を2000年にリリース。10月には、小型携帯機器向けに開発していた小型のBコネクタ「Mini-Bコネクタ」を、正式な標準コネクタとして2.0規格に追加した。 このコネクタは、平たいAコネクタの縦横を約半分にシュリンクした形状で、ストロークも6.8mmに短縮。一連のミニUSBコネクタと比べても全く遜色の無いサイズになっており、既にソニーのデジタルカメラ(インターフェイスそのものは1.1仕様だが)などに採用されている。ちなみに端子は、従来の4ピン仕様から5ピン仕様になっているが、拡張された端子(規格書では「ID」という名称)には、ケーブルは配線されていない。


□USB Implementers Forum
http://www.usb.org/
【参考】
□USB 2.0
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000706/key126.htm#USB2
□USBスピーカー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980708/key37.htm#usbspeaker
□USBポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#usb


4月4日

■■ 元麻布春男の週刊PCホットライン
   Windows XP β2のハードウェアサポート状況をテスト
   --9x/2000から乗り換える意義は……
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010404/hot139.htm

EHCI(Enhanced Host Controller Interface)
イーエッチシーアイ

 USB 2.0ホストコントローラとシステム間のインターフェイス規格。

 USBやIEEE 1394、SCSIなどの一連のインターフェイス規格は、ホストとデバイス、あるいはデバイスどうしを接続してコミュニケーションを行なうための、デバイスインターフェイスである。これを、実際にPCなどに実装する場合には、コントローラを載せた拡張カードを挿す、マザーボード上にコントローラチップを載せる、I/Oチップセットにコントローラを組み込むといった方法をとるわけだが、このコントローラチップをシステム側からどのように制御するのかは、デバイスインターフェイスが関知しない部分である。

 EHCIは、このコントローラチップとシステム間のレジスタレベルのインターフェイスを規定したもので、この部分が同じ仕様であれば、チップや実装方法が異なっても、同じデバイスドライバでコントロールできるようになる。ユーザーにとって直接的には、OSが提供する汎用ドライバやBIOSでサポートされるかどうかという問題だが、特に起動ドライブやキーボードを接続するインターフェイスの場合には、これが重要なポイントである。

 USB 1.xでは、Intelが策定したUHCI(Universal Host Controller Interface)と、Compaq、Microsoft、National Semiconductorが共同で策定したOHCI(Open Host Controller Interface)という、2つのインターフェイスが使われてきた。480Mbpsのハイスピードモードと関連機能が追加されたUSB 2.0では、新機能をサポートするために、コントローラ側のインターフェイスも拡張。これを、EHCI(Enhanced Host Controller Interface)と呼んでいる。

□USB Implementers Forum
http://www.usb.org/
【参考】
□USB 2.0
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000706/key126.htm#USB2
□OHCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971125/key8.htm#ohci
□ASPI (SCSIドライバ用のインターフェイス規格)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/key85.htm#ASPI
□TWAIN (イメージデバイス用のインターフェイス規格)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971125/key8.htm#twain

[Text by 鈴木直美]


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