イベントレポート
Samsung、曲面ディスプレイ採用の「Galaxy Note Edge」を発表
~2,560×1,440ドット表示の5.6型。5.7型液晶搭載の「Galaxy Note 4」も
(2014/9/4 12:14)
韓国Samsung Electroniicsは、ドイツ・ベルリンで開催されるIFA 2014を前に、モバイル部門プライベートイベント「Samsung Unpacked 2014 Episode 2」を開催した。Episode 2の名称のとおり、スペイン・バルセロナのMobile World Congressに合わせて開催されたUnpackedに続いて、2014年では2度目のUnpackedとなる。
Samsung Electronicsは、やはり2011年のIFAで「Galaxy Note」を発表して以来、Galaxy Noteシリーズの後継モデルを毎年のIFAで発表し続けてきた。2014年もメディアイベントの案内状や、市内のティザー広告、イベント会場外観などから、Noteシリーズの新製品が発表されることは確実視されていた。
発表されたのは、Galaxy Noteシリーズのナンバリングモデルである「Galaxy Note 4」。シリーズの正統進化と言うべき位置付け。専用スタイラスの「S-Pen」を利用したユーザーインターフェイスをブラッシュアップしている。
搭載するディスプレイは、WQHD(2,560×1,440ドット)のSuper AMOLEDでサイズは5.7型。本体サイズは前モデルよりやや大きくなり78.6×153.5×8.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は176gと発表されている。背面カバーは樹脂素材だが、革のノートの質感を感じさせるソフトテクスチャを採用している。搭載されるOSは、Android 4.4(Kitkat)。プロセッサは2.7GHzクアッドコア。本体メモリは3GBで、32GBのストレージを備える。バッテリ容量は3,220mAh。
カメラ機能は、背面が1,600万画素、前面が370万画素。前面はセルフィー(自分撮り)に適した広角仕様で、約120度の画角を備えている。本体には指紋センサー、心拍センサー、UVセンサーなど、2月に発表された「Galaxy S5」と同等以上の機能を搭載する。無線機能はLTE Cat.6、IEEE 802.11a/b/g/n/ac(MIMO-PCIe)、NFC、Bluetooth 4.1 LE、ANT+など。
上記仕様や機能はいずれもグローバルモデルのもので、これまで同様に市場ごとに適したカスタマイズが施されて出荷される見通し。日本市場向けは、これまでの例から想像すると、おサイフケータイなどが搭載されるものと推測される。グローバルモデルの出荷時期は10月と発表された。
4代目となったことで、製品として当初ほどの目新しさはないものの、その分使い勝手などがモデルチェンジのたびに洗練されてきている。最大の特徴であるS-Penを使ったユーザーインターフェイスも、Note 4でさらに手を加えられて、新しいマルチウィンドウデザインなどが採用されている。マルチタスキングでは、ウィンドウを分割する機能のほか、ポップアップウインドウや、アイコン化して複数のタスクを同時に画面表示する。筆圧感知もNote 3では1,024段階だったものが、2,048段階へ向上。新たに、スクリーンのクリッピングを容易にする操作も加わった。
ほかにも、バッテリの50%までの充電を約30分で行なえる急速充電機能、音声レコーダ機能ではマイク位置を仮想化して、会議の録音などでは発言者の位置を把握できるようにもなっている。
定番モデルになったことで、ブランドとのコラボレーションも充実。背面カバーはスワロフスキーとコラボレーションしたアクセサリを用意するほか、MONTBLANC(モンブラン)ともコラボレーションして、MONTBLAC仕様のS-Pen、および革製のフリップケースなどがラインナップされる。
ほかにも、周辺機器は従来のフリップカバー、S-Viewカバーなど多彩に揃う。最近のトレンドなのか、LEDカバーも発表された。背面の交換カバーにはワイヤレス充電の、Qi対応カバーも存在する。
本体カラーはブラック、ホワイト、ピンク、ゴールドの4色構成。ただし、前述のとおりこれはグローバルモデルの仕様なので、日本市場向けに投入される製品のカラーバリエーションがどうなるかは、現時点で明らかになっていない。
Galaxy Noteシリーズ初めての派生モデルは、側面ディスプレイを搭載
こうして、正統進化を遂げた4代目「Galaxy Note 4」を発表する一方、意欲的な製品も同時に公開した。右側面部分に曲面ディスプレイを採用する「Galaxy Note Edge」である。
メインの液晶はNote 4同様に2,560×1,440ドットのSuper AMOLEDだが(サイズは5.6型)、その液晶と密着する形で弧を描いたサブディスプレイが右側面のほぼ全体に搭載されている。サブディスプレイの解像度は2,560×160ドット。スペック表記では、ディスプレイ全体として、2,560×(1,440+160)ドットとなっている。カラーはブラックとホワイトの2種類。
側面部分はメインディスプレイとは独立しているので、アプリケーション解像度はNote 4などほかのスマートフォンと互換性がある。これらのアプリケーションを利用する際に、独立した情報、あるいは関連した情報を表示するのが側面ディスプレイ部分だ。例えばホーム画面であればメイン部分に通常のホーム画面、側面ディスプレイにアプリケーションのランチャー機能を表示できる。あるいはカメラ機能の場合、メインディスプレイからはシャッターを始めとする操作ボタンを排除して、側面ディスプレイ部分に操作ボタンをまとめている。プレビュー画面にボタンを重ねて表示しないように配慮したデザインというわけだ。
もちろん、Galaxy Note Edgeが最初の製品となるため、前述したホーム画面やカメラ機能のように密接に2つのディスプレイが連携するアプリケーションはプリインストールアプリが中心となる。だが、SamusungはSDKを提供する意向で、サードパーティのアプリケーションでも活用できる可能性がある。いすれは、側面ディスプレイという特異性を活かしたユニークなアプリケーションが生まれるかも知れない。
今のところは、前述した各機能のサポート用途のほか、天候やツイート、スポーツの結果、着信情報など、いわゆる各種通知を任意で表示できるような機能が本体に搭載されている。これらの通知はスワイプ操作で、次々と表示を切り替えることができる。これはハンズオンで撮影した動画を見てもらうのがいいだろう。
スペックはNote 4にほぼ準じる。違いは前述したように液晶サイズが5.7から5.6型になっているほか、バッテリ容量が3,000mAhとやや少ない。本体サイズは82.4×151.3×8.3mmで、重量は174gと発表されている。製品発表はグローバルモデルだが、ある程度は選出した市場に投入するとしている。これは本国である韓国をはじめ、日本を含めて主に先進国向け製品と捉えるのが妥当だろう。
Edgeの名の通り、なかなか尖った使い勝手で、使うユーザーを選ぶ可能性はある。まず何よりNoteの派生モデルということで、本体サイズは大きい。男性の手でも片手操作で全てをまかなうのは難しいだろう。特に右側面はそのままタッチ対応の曲面ディスプレイになっているので、右手持ちで親指を伸ばして操作すると、メインディスプレイより先に側面ディスプレイ部分に触れる可能性が高い。想定されているのは、やはり左手持ちをしてNoteシリーズの最大の特徴であるS-Penを右手に持って操作するということなのだろう。左利きの人には不親切かも知れないが、そうした点でもかなりとんがった仕様だ。
純正アクセサリはNote 4ほどではないが、それなりに用意されている。特にフリップカバーは、カバーをした状態でも、側面ディスプレイ部分が露出して通知などを確認できるようになっており、やはり通知機能に重きが置かれているのが分かる。一方で、横160ドットとは言え、常時ディスプレイを点灯させているのはバッテリ負担にも繋がるので、パワーマネジメントや表示非表示の切り替えなどは、実際に運用してみて試したいところだ。
「Samsung Unpacked 2014 Episode 2」ではほかにも、リストバンド型ウェアラブルデバイスの「Samsung Gear S」、Note 4をディスプレイに利用してバーチャルリアリティのヘッドマウントゴーグルにする「Samusung Gear VR」などが公開された。それらの詳細やハンズオンの様子などは、別稿にてお伝えする。