イベントレポート
TVを再定義するためのプラットフォーム「Android TV」
(2014/7/2 06:00)
米サンフランシスコで開催されたGoogle I/O 2014における発表案件の1つ「Android TV」 は、Android OSを多面展開するためにGoogleが用意したプラットフォームの1つだ。Googleは、Google I/Oの関連セッションの出席者に対して、Android TVの開発キット「ADT-1」を配布した。今回は、このデバイスを見ながらAndroid TVの背景について考えてみる。
開発用デバイス「ADT-1」
ADT-1は、CDケースサイズより一回り小さいデバイスで、HDMI、Ethernet、電源入力、USBの各端子を装備している。電源端子は平型のコネクタで、今どきMicro USBではないのかと驚いたが、電源アダプタの定格を確認すると5V/3Aとかなり大きな容量のものになっていたため、スマートフォンの充電ケーブル流用を抑制するための配慮かもしれない。
本体に電源スイッチはなく、電源の供給でオンになって起動する。パッケージには電源アダプタのほかに、ゲームコントローラが同梱されている。最初の設定は、このコントローラを使って行なうことになる。
HDMIケーブルでTVとデバイスを接続し、電源を入れると、OSとしてのAndroid TV が起動し、初期設定に入る。最初に言語の選択を行なうが、初回に限ってはこの時点でコントローラとデバイスがBluetoothでオートペアリングされるのを待つ必要がある。そのあと、ペアリングされたコントローラを使って任意のGoogleアカウントを設定、接続するWi-Fiアクセスポイントを選択し、そのパスワードを設定する。Ethernet端子にケーブルが装着されてインターネットに接続できる場合は、Wi-Fiの設定は不要だ。
初回の電源投入では、Googleに接続し、アップデートモジュールがダウンロードされて再起動した。想定としては、一般のTV放送の画像の上にオーバーラップしてOSのGUIが表示されるようになっているが、開発用キットなので背景は無地となっている。実際にTVに実装された場合は、TVで受信中の番組情報をなんらかの形で受け取り、ユーザーが情報を得られるようになると思われる。ADT-1は、あくまでも開発用デバイスであり、本来はTV内部に実装されるプラットフォームである点に留意したい。エンドユーザーが使う場合の体験としては、TVの梱包を解けば、もうこれらのセッティングは終わっている状態で出荷されるはずだ。
Android TVはGUIシェルが付加されたChromecastのようなもの
Android TVは比較的大きな画面を持つTV用のOSとして使われることが想定され、さらに「Chromecast」の機能を包含する。ChromecastはHDMI端子一体型の簡易型Chrome端末だ。TVに装着するだけで、スマートフォン、タブレットのアプリやPC上のChromeから指示を受け、YouTube動画を再生したり、あるいは、Chromeブラウザの特定のタブ内容を表示させたりすることができる。Chromecastについては、日本で発売が開始された際に紹介した通りだ。
ただ、Chromecastを包含するというよりは、Android TVがChromecastにGUIを持たせたものと考えた方が分かりやすいかもしれない。そのGUIによって、音声やキーワード文字列によるコンテンツ検索、YouTubeやNetflix、Google+の写真、Google PlayムービーなどをTVの大画面で楽しめるようになる。
このプラットフォームで稼働するアプリは一般のスマートフォンやタブレットのものと互換性があることになっている。開発時に簡単な宣言をするだけで、アプリにTVデバイス専用のアクティビティを持たせることができるようだ。
ただ、現時点の開発デバイスを見る限り、Android TVのPlayストアアプリでは、アプリカテゴリへのアクセスができないので、一般ユーザーがTVに実装されたAndroid TVに好きなアプリをインストールするといった使い方は想定されていないように見える。また、タッチ操作にも非対応だ。あくまでも10フィートUIを追求する。ここが以前のGoogle TVと異なる点だ。しかも、リモコンではなく、ゲームコントローラが付いていることから分かるように、専用ゲームを、Playストアからダウンロードして楽しむことが視野に入っている。
ゲームコントローラは前述の通りBluetooth接続だ。ほかのHIDデバイスをBluetooth接続することもできる。また、USB端子が用意されているので、ここにデバイスを接続することもできるが。開発用にはこのUSB端子を使ってPCと接続することになる。
また、本体の操作は、同じLAN内にあるスマートフォンやタブレットに、「Android TV Remote Control」アプリをインストールして行なうこともできる。このアプリを使うことで、音声を入力したり、ゲームパッドモード、タッチパッドモードを切り替えて、各種の操作ができるようになっている。 家族がそれぞれ自分のデバイスをリモコン代わりに持ち、好きなように使えるのだ。これは、TVがスマートフォンのセカンドディスプレイになるというイメージにも繋がる。
Android TVで何ができるか
さて、この環境で何ができるかというと、基調講演のデモンストレーションでは、まず自然語音声によるワンポイント検索が披露された。例えば、「Oscar nominated movies from 2005」と喋れば、該当するお勧めのコンテンツが各コンテンツプロバイダを串刺し検索されてリストアップされる。また、アーティストや俳優の名前を検索して、そのプロフィールを確認し、その人に関連したコンテンツを一覧することもできる。フィルモグラフィ、ディスコグラフィから見たいものをすぐに選択できるわけだ。音声認識は日本語にも対応していて、設定で言語を日本語に切り替えると、日本語の音声を認識させ、的確な検索結果を得ることができた。ゲームは友達のAndroid端末上で遊んでいるものとの間でマルチプレイを楽しむことができる。
つまり、Android TVは、TVデバイスに検索機能を融合させ、リアルタイムでオンエアされているTV番組やほかのコンテンツプロバイダの区別を意識することなく、串刺しして見たい番組を探せるようにした上で、さらに、ゲームプラットフォームとしても機能させようというものだ。具体的にはコントローラのホームボタンを押すことで、Android TVのGUIが表示中のTV画像にオーバーレイされる。ただし、ADT-1は開発環境なのでTV画像へのオーバーレイは行なわれない。
もちろん、コンテンツの再生を始めれば、オーバーレイではなく、実映像としての表示に切り替わる。さらに、基本的にChromecastでできることは全部できるので、Androidスマートフォンやタブレットの小さな画面では物足りなさを感じるコンテンツをキャストして、TVの大画面で楽しめるようにもする。ChromecastにGUIを付加したものという意味が、なんとなくお分かりいただけただろうか。
こうしてGoogleは、「Android Wear」、「Android Auto」、「Android TV」によって、スマートフォンやタブレットに加えて、腕時計から車、リビングのTVに至るまでのあらゆる機器を、Androidという共通環境で統治しようとしている。さらに将来的には「Chromebook」でもAndroidエミュレータが動くようになるとアナウンスされてもいる。そうなれば、あらゆる環境で共通のアプリが使えるようになる。
だが、中心にあるのはいつもスマートフォンであり、タブレットだ。アプリ開発者にとっては、アプリを1つ書けば、ほとんどの部分を共用した上で、さまざまなプラットフォームで動かせるアプリができあがる。これによって、ビジネスチャンスが大きく拡がることになるだろう。
似たような環境として、以前のGoogle TVでは、スマートフォン用のアプリをそのままのアクティビティでTVの画面上で動かそうとしていた。今のタブレットも似たような面はある。ところが、今回は、アプリに大画面TV用のGUIを持たせることが求められる。こうしてTVは電子書籍リーダならぬ、放送も見られる電子コンテンツプレーヤーに、TVを変身させる。
ユーザーは見たい番組はなんとなく分かっているものの、その番組をどのコンテンツプロバイダが配信しているかを調べるのが億劫で、見ず仕舞いになってしまっているケースは多い。だが、Android TVなら、コンテンツプロバイダをその場で串刺しで検索することができ、シームレスに視聴に入れる。スマートフォンでいちいち個々のコンテンツプロバイダ専用アプリを開いて番組を物色するよりも、見たい番組を探しやすいに違いない。しかも、最初から大画面でプレビューできる。その結果、次から次へとコンテンツをレンタルするようになるかもしれない。もっともスマートフォンにも同様の検索機能が提供され、キャストすればよくなるのも時間の問題だろう。各プラットフォームでの体験が相似形になることが重要なのだ。
まるで、TVにレンタルショップが内蔵されたようなものだ。Android TVの利用にはGoogleアカウントが必要になるが、家族の誰もが自由に使える環境に、自分のアカウントをセットしたとしても、メールなどにアクセスする術をもたないため、プライバシー的にも安心だ。純粋にコンテンツの購入やレンタルのためだけにそのアカウントが使われると考えてよさそうだ。
ちょうど、ソニーは、2015年度から「BRAVIA」のOSとしてAndroid TVを採用することを表明したばかりだが、TVを再定義するためのプラットフォームとして、セットトップボックスからの外部入力ではかなえられないさまざまな体験を提供してくれるかもしれない。
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