イベントレポート

NVIDIA、SHIELDを自社ブランドで第2四半期に北米で発売

~Tegra 4のさらなる詳細は2月のMWCに

NVIDIAブースに展示してあったポータブルゲーム機「SHIELD」
会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian/Pallazo

 International CES開幕前に行なった記者会見で、まさにサプライズ的にポータブルゲーム機「SHIELD」と「Tegra 4」を発表したNVIDIAだが、International CESの会場にはブースを設置して製品の展示を行なっているほか、報道関係者に対して説明会を開催した。

 説明会では、SHIELDをNVIDIA自社ブランドで、北米地域では第2四半期からNVIDIA自身の流通網も利用して販売することを公表した。具体的な時期は明確ではないが、ワールドワイドに販売する計画を持っているとのことで、将来的には日本で販売される可能性もある。

 また、Tegra 4はTSMCの28nmプロセスルールで製造され、クアッドコアのCortex-A15、28基のバーテックスシェーダーと48基ピクセルシェーダーで、合計72基のシェーダーコアを備えたGPUを内蔵することも明らかとなった。より詳しい情報は2月にスペインで行なわれるMWC(Mobile World Congress)で発表される見通しだ。

28nmプロセスルールに微細化されたTegra 4。Tegra 3と同じ省電力コアを搭載

 NVIDIAでテクノロジーマーケティングを担当するNVIDIA テクノロジーマーケティング部長 ニック・スタム氏は「Tegra 4の詳細は現時点では限られた内容でしかお話しすることができない。今後より詳細を示したホワイトペーパーなどを配布する予定だが、おそらくMWCのタイミングになるだろう」とした。

NVIDIA テクノロジーマーケティング部長 ニック・スタム氏
Tegra 4の概要を説明するスライド、スライドそのものは記者会見で使われたものと同じ

 それでもスタム氏はいくつかのヒントは与えてくれた。スタム氏によれば、現時点でNVIDIAが明らかにしているTegra 4のスペックは以下のようになっているという。

・製造プロセスルール:TSMC 28nm
・Cortex-A15(クアッドコア:周波数は同期のみ)+低消費電力コア
・デュアルチャネルメモリコントローラ(サポートするメモリは非公表)
・72シェーダーコアを持つGPU(28バーテックスシェーダー/48ピクセルシェーダー)
・無線機能(Wi-FiやワイヤレスWAN、Bluetoothなど)はオフチップ

 製造プロセスルールに関しては台湾のファウンドリであるTSMCの28nmプロセスルールを利用する。なお、TSMCが複数用意する28nmプロセスデザインのうち、どれを利用しているのかに関しては現時点では非公表。しかしTegra 3から採用されている5つ目の低消費電力「忍者コア(4-PLUS-1)」は、Tegra 4でも引き続き利用されているので、ハイパフォーマンス向けと低消費電力向けが混在するデザインを継続する可能性が高い。

 プロセッサコアには、ARM Cortex-A15のIPデザインを利用したクアッドコアになっている。クロック周波数は未公表だが、少なくとも全コアが同期して動作する仕様だという。QualcommがSnapdragon S4で各コアが非同期で動作することにより低消費電力であるということを謳っているが、「デザインがシンプルになり、効率もよく、キャッシュアクセスの効率も良い」(スタム氏)とのことで、このような仕様に決定した。

 Tegra 4でも引き続き4-PLUS-1を備えるが、Tegra 4はARMが用意した「big.LITTLE」の発表よりも前に開発が進んでいたため、big.LITTLEの実装は使っていない。現在big.LITTLEの評価をしている段階であるとした。メモリに関してはデュアルチャネルになるが、利用されるメモリに関しては現時点では非公表。

Tegra 4のGPU構成は24バーテックス/48ピクセルの72シェーダーコア

 Tegra 3で12コアだったシェーダーコアが、Tegra 4では72コアと実に6倍に増やされている。内訳も4バーテックス/8ピクセルから24バーテックス/48ピクセルという構成になるという。APIのサポートについては、「ゲームではどのAPIをサポートしているかが重要だ。我々は正しい選択をしていると思う」と述べるに留まった。またCUDAに関しては現時点では「ノーコメント」ということだ。

 性能については「Tegra 4はCPU/GPUを含めた総合的な性能で、Tegra 3の3~4倍を実現している」とした。現時点では公開されているのは、記者会見で示されたTI OMAP 4470との比較で、Webサイトの表示で3.5倍というデータだけだが、Tegra 3と比較しても大きな性能向上を実現しているとアピールした。

 気になる消費電力だが、28nmプロセスルールに微細化していることもあり、一般的な利用形態でTegra 3に比べて40%の削減が実現されているという。ただし、これはピーク時や熱設計時のデータではなく、あくまでもバッテリで一般的な利用をしている場合での消費電力の値(いわゆる平均消費電力)になる。熱設計時に参照するTDPなどのデータは従来の世代でそうだったように非公表とのことだった。

 また、Tegra 4では、Tegra 3と同じように、無線機能(Wi-Fi、ワイヤレスWAN、Bluetoothなど)は搭載されていない。このため、Tegra 4に無線を追加する場合には、Tegra 3世代と同じように別途無線チップを搭載する必要がある。なお、NVIDIAは無線の機能をSoCに統合したGrey(グレイ、開発コードネーム)を2013年中に投入する計画を持っている。

Tegra 4を搭載したタブレット(リファレンスデザイン)から4Kのコンテンツを4Kのテレビに再生するデモ
Tegra 4を搭載したタブレット(リファレンスデザイン)でAndroidの3Dゲームをプレイしているところ

ストリームでゲームをプレイにするにはGeForce GTX 6xx以上のGPUが必要

 SHIELDについて、スタム氏はもう少し詳細を明らかにした。

 まず販売計画については「NVIDIAのリテール、通信販売のチャネルを利用して、NVIDIAブランドで販売する。第2四半期に米国とカナダで販売を開始し、その後ワールドワイドに展開していく計画を持っている」とした。

 とはいえ、NVIDIAがAppleやMicrosoftのようにリアル店舗でのストアを持っているわけでもなく、今後展開することも容易ではないことを考えると、既存の小売店などの販売網と自社のWebストアを組み合わせてという形になる可能性が高い。また、当初は米国とカナダのみでの提供になるが、将来的にはワールドワイドに展開していく可能性が高いとした。つまり日本でも販売される可能性があるということだ。

 仕様面では、SHIELDはLEDバックライトを採用した液晶パネルで、Wi-Fiは5GHzのIEEE 802.11n、さらにAndroidのバージョンは4.2を搭載することを明らかにした。またSHIELDでは、PCに接続してPCのオンラインゲームをストリーミングプレイすることが可能になっているが、「利用できるのはデスクトップならGeForce GTX 650以上、モバイルならGeForce GTX 660M以上となる。つまりKepler世代でGTX以上となる」と、PC側にもそれなりのスペックが必要だということだった。

SHIELDの特徴は2つのオープンプラットフォーム(Android、PC)のゲームを1つのプラットフォームで楽しむことができること
NVIDIAブースに展示されていたSHIELD。スタム氏によれば現在のサンプルは最終形状ではなく、今後も変わる可能性があるという
背面のポート。microSDカード、HDMI、MicroUSB、オーディオジャックなどが見て取れる
下からのビュー
右側面からのビュー
左側面からのビュー

(笠原 一輝)