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エプソン、A3対応モデル投入などカラリオシリーズを刷新

~小型エンジンを全方位展開、本体色はホワイト中心に

EP-976A3
9月19日 発売

価格:オープンプライス

 エプソンは3日、カラリオシリーズの新ラインナップを発表。A3対応のフラッグシップモデルの投入や2012年モデルに採用した小型エンジン搭載モデルの拡充などを行なう。発売は9月19日。価格はオープンプライス。

 2013年モデルは、2012年モデルの「EP-805A」に採用された小型エンジンを全モデルへ展開し小型/スタイリッシュを訴求。一例として、“今までサイズのA3プリンタ”をコンセプトに開発された新フラッグシップ「EP-976A3」は自動両面印刷とA3印刷に対応しながら、2011年モデルのA4対応機「EP-804A」と比較して設置面積を83.7%、体積を82.6%に抑えた。

 また、ブラック/ホワイト/レッドの3色展開を行なった2012年モデルのEP-805Aでの販売実績を元に、2013年の新モデルはフラッグシップ機を含めて全製品にホワイトを採用。EP-805A後継の「EP-806A」シリーズはブラック/ホワイト/レッドの3色展開を継続する。

 印刷機能面では、6色インクモデルの一部で、見る角度によって絵柄が変化するレンチキュラーレンズを用いて左右の目に入る絵を変化させることで立体視を実現する「3Dフレーム Print」をサポート。この機能に合わせて、専用の「フォトカード<3Dフレーム>」も発売する。この機能では、423μmのレンズごとに、35μm単位で印刷位置を設定。印刷開始位置は17μm単位で制御しているという。ただし、3D立体視はテンプレートに用意されたフレーム部分のみとなり、任意にはめ込み可能な写真は立体にならない。

 このほか、従来製品に搭載されていた「ノート罫線印刷」機能に新レイアウトを追加し、五線譜、月間/週間スケジュール、イラスト付きのメッセージカード、折り紙式のカラフルな封筒を印刷できるようになった。

 スマートフォン/タブレットとの連携も強化。無線LANを全機種に搭載するほか、Wi-Fi Direct対応機種を拡充。スマートフォンアプリのバージョンアップにより、Wi-Fi Direct接続設定時にセキュリティキーの入力を不必要にするなど、設定作業を簡略化している。

 スマートフォンアプリは、「Epson iPrint」にプリンタ搭載のメモリーカードへのアクセス機能やリモートでのコピー操作機能、SkyDriveへのアクセス機能などを新たに搭載。またiPrintがポータルとなり、各種機能へアクセスできるメニュー構成となった。Facebookにアップロードされている写真やディスクレーベル印刷などが可能な「Epson Creative Print」、スマートフォン内の画像を用いて3Dフレーム印刷を行なう「3DフレームPrint」といったアプリも新たに提供される。

 また、外出先などから自宅のプリンタへ印刷を行なうためのリモートプリントドライバのMac OS用を10月中旬にリリース。2011年モデル以降で利用できる。対応OSはMac OS X 10.6.以降。

 ハード/ソフト以外では、製品の開梱から利用可能になるまでの時間を短くするために、CDからのソフトウェアインストール中にインクを取り付けるなどの並行作業を行なえるようにしたほか、無線LAN設定など可能な部分は自動化するなどの工夫を盛り込んだ。これにより、2012年では約41.5分かかっていた初期セットアップが、2013年モデルは40%短縮され約24.5分で終えられるようになっているという。

A3対応のフラッグシップ機「EP-976A3」

 フラッグシップ機として投入される「EP-976A3」は、A3印刷に対応しつつ小型化を図ったモデル。2011年モデルのEP-804Aよりフットプリントと容積を抑制したほか、A3プリンタの「EP-4004」と比べても容積比で約40%、幅は約13cm小型化している。A3印刷の速度は1枚162秒で3分を切る。

 スキャンもA3対応を謳う。ただし、ハードウェアとしては本体サイズの小型化を優先したためにA4対応となり、バンドルされるアークソフト製の結合ソフト「Scan-n-Stitch Deluxe」を用いることで、3回に分けてスキャンしたA3用紙をソフトウェア上で合成できる。

 このほか、写真愛好家に向けて、プリンタのみで“作品”を仕上げるための機能を提供。Exif情報とともに一覧印刷する機能、明るさやコントラスト、カラーバランスを変更した結果を一覧印刷する機能、余黒/余白を付ける機能を、プリンタ上から実行できる。これまでセピアとモノクロのみだったフィルター機能にも、新たにハイキー、ポップ、クロスプロセス、レトロ、トイフォト、デイドリームの6種類が追加される。

 プリンタ部の主な仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが6色染料、インクサイズが1.5pl、対応用紙がA3~A6、はがき、封筒、L判など。自動両面印刷、背面手差しにも対応(A3は背面手差しのみ)。トレイは上下2段で、A4最大100枚、はがき最大60枚をセットできる。

 スキャナはCIS方式で、解像度は4,800dpi。原稿を固定しやすいよう、中央部に関節を設けた“二つ折れドキュメントカバー”を備える。

 操作部の液晶ディスプレイはタッチ対応の3.5型。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、赤外線、USB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)、カードリーダ。

 本体サイズは479×356×148mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約8.8kg。店頭予想価格は3万円台中盤の見込み。

6色インクモデル

EP-906F

 6色インクモデルは、5シリーズ7モデルを新規に投入。

 「EP-906F」はADF/FAX機能を搭載する上位モデル。店頭予想価格は4万円台中盤の見込み。プリンタ部は解像度が5,760×1,200dpi、インクが染料6色、インクサイズが1.5pl、対応用紙がA4~A6、はがき、封筒、L判など。自動両面印刷、背面手差しに対応。スキャナ解像度は4,800dpi。

 操作部の液晶ディスプレイはタッチ対応3.5型。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、赤外線、USB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)、カードリーダ。本体サイズは390×339×191mm(同)。重量は約8.3kg。

 「EP-806AW」は、EP-906FからADF/FAX機能を省いた主力モデルの位置付け。ブラック/ホワイト/レッドの3色展開を行なう。店頭予想価格は3万円台前半の見込み。

 プリンタ部、インターフェイスの仕様はEP-906Fに準じる。スキャン解像度は2,400dpi。本体サイズは390×341×141mm(同)。重量は約6.8kg。

 「EP-776A」は自動両面印刷ユニットや背面給紙機能、有線LAN、タッチパネルなどを省いたモデル。店頭予想価格は2万円台中盤の見込み。

 自動両面/背面手差し以外のプリンタ部の仕様はEP-806Aに準じる。スキャン解像度は1,200dpi。インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、USB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)、カードリーダ。操作部の液晶ディスプレイは2.5型で、タッチパッド式の操作パネルを搭載。本体サイズは390×341×138mm(同)。重量は約6.5kg。

 「EP-706A」は、EP-776AからUSB接続による直接印刷も省略。店頭予想価格は1万円台中盤の見込み。

 プリンタ部、スキャナ部の仕様はEP-776Aに準じる。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、USB 2.0(PC接続用)、カードリーダ。操作部の液晶ディスプレイは1.44型。本体サイズは390×338×163mm(同)。重量は約5.9kg。

 「EP-306」はスキャナを搭載しないプリンタ製品で、自動両面印刷や背面給紙、有線LAN/無線LAN、USBからの印刷に対応する。液晶ディスプレイは搭載しないほか、Wi-Fi Directにも非対応。店頭予想価格は1万円台中盤の見込み。

 プリンタ部の仕様は上記製品に準じる。インターフェイスはIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Ethernet、USB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)。本体サイズは390×338×141mm(同)。重量は約5kg。

EP-806AB(ブラック)
EP-806AW(ホワイト)
EP-806AR(レッド)
EP-776A
EP-706A
EP-306A

4色インクモデル

 4色インクモデルは「PX-436A」、「PX-046A」の2モデル。店頭予想価格はそれぞれ1万円台中盤、1万円前後。

 プリンタ部の主な仕様は共通で、解像度が5,760×1,440dpi、インクが4色顔料、インクサイズが3pl、対応用紙がA4~A6、はがき、封筒、L判など。給紙は背面側のシートフィーダとなり、PX-436AがA4用紙100枚、PX-046Aが同50枚を給紙可能。

 いずれもIEEE 802.11b/g/n対応無線LANを搭載するが、Wi-Fi DirectはPX-436Aのみ対応。PX-436Aは1.44型の液晶やメモリーカードリーダも搭載する。PC接続用のUSB 2.0は共通で装備。

 本体サイズも両製品同じで390×300×145mm(同)。重量はPX-436Aが約4.2kg、PX-046Aが約3.9kg。

PX-436A
PX-046A

カラリオ ミー

 PCレスで印刷が可能な「カラリオ ミー」シリーズは、2シリーズ3製品をラインナップ。

 2012年モデルは「E-830」でBluetoothによるスマートフォン連携に対応したが、2013年モデルではBluetoothを省略し、USBケーブルを用いてスマートフォンと接続。Bluetoothのペアリング設定を不要にすることで、より広範囲のユーザーに利用しやすくした。

 また、2012年モデルではAndroidのみの対応であったものが、AndroidとiOSに対応。写真や住所録を転送できる専用アプリ「Epson カラリオ me 転送ツール」が提供される。

 7型液晶とキーボードを搭載する上位モデル「E-840」は、単体での年賀状作成機能「カンタン年賀状」機能や、住所録管理機能などを搭載。住所録は過去機種からの取り込みのほか、カシオ計算機の「プリン写ル」からの取り込みも可能。ディズニーキャラクター年賀状が20種類増量され、年賀状デザインは1,346種類が収録される。

 プリンタ部の仕様は、解像度が5,760×1,440dpi、インクが4色染料、インクサイズが2pl、対応用紙がはがき、L判、フォトシールなど。インターフェイスはUSB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)、赤外線、カードリーダ。

 本体サイズは235×192×158mm(同)。重量は約2.6kg。キーボードのサイズは262×147×24mm(同)。本体色はホワイト。店頭予想価格は5万円台中盤の見込み。
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 下位モデルの「E-370」シリーズは、ホワイトとピンクの2色展開。店頭予想価格は1万円台後半の見込み。

 プリンタ部の仕様はE-840に準じる。インターフェイスはインターフェイスはUSB 2.0(PC接続用)、USB 2.0(外部機器接続用)、カードリーダ。本体サイズは231×172×156mm(同)。重量は約2.3kg。

E-840
E-370W(ホワイト)
E-370P(ピンク)

(多和田 新也)