エプソン、カラリオ新製品発表会に忽那汐里さんが登場

忽那汐里さん

9月20日 発売
価格:オープンプライス



 エプソンは29日、個人向けカラーインクジェット複合機シリーズ「カラリオ」シリーズを発表。これにあわせて都内で記者会見を開き、新製品の説明および販売戦略などについて説明を行なった。

 製品の機能や特徴詳細については別記事を参照されたいが、機能面ではプリンタにメールアドレスを付与することによって実現するクラウドやスマートフォンとの連携機能「Epson Connect」をはじめ、ハードウェア面では本体の小型化、使い勝手の面では自動開閉するフロントパネルや排紙トレイなどが主な強化ポイントとなる。

奥村資紀氏

 セイコーエプソン株式会社 業務執行役員 プリンター事業部長の奥村資紀氏は、「新製品も従来のカラリオの開発コンセプトを踏襲した。それは“わたし”を中心とし、“快適”、“簡単”、“キレイ”、“スタイリッシュ”、“環境”、“未来”の6つの点を実現することだ」と話す。

 “未来”では、カラリオからカラリオへ印刷物をインターネット経由でコピーできる「メールdeリモート印刷」、メールアドレスを指定するだけでインターネット経由でもローカルプリンタと同様ドライバ上から印刷できる「リモートプリントドライバー」を搭載することで実現した。

 “スタイリッシュ”さでは、従来から体積で38.7%も削減した小型サイズを実現したモデルを投入するとともに、メインストリームモデルの3色カラバリの投入、メタリックデザインのパネルの採用などによって達成した。

 “簡単”さでは、自動両面印刷に加えて自動両面スキャン対応モデルを追加することで、両面印刷の利便性を訴求。また、スマートフォンのようにフリックで操作できるUIや3wayの給紙機構なども使い勝手の向上につながっている。

 “快適”の面では、フロントパネルや排紙トレイが自動でオープンすることで、印刷の失敗を防ぐとともに、外出先での印刷時も印刷物が床に落ちてしまうことを防げる。スマートフォンと直接接続して印刷できるWi-Fi Directも特徴に挙げた。

 “キレイ”さでは、高画質の6色インクを踏襲するとともに、新しい上質紙「Velvet Fine Art Paper」をサポートすることで対応した。

 最後に“環境”面では、本体が小さくなったことにより輸送効率が大幅に高められるとともに、新エンジンの採用で省電力化を実現し、環境に配慮した製品であると謳った。

新製品のラインナップカラリオのコンセプト新製品のコンセプト実現
本体サイズに対する不満の改善従来機種と比較して体積で38.7%削減従来機種との比較
2007年モデルと比較すると4割の大きさコンパクトさがウリのモデル3色カラバリの用意
デザインへのこだわりメタリック調のフロントパネル自動両面スキャン対応のADF
フリック操作が可能なUI3way給紙機構自動開閉するフロントパネルや排紙トレイ
Wi-Fi Direct機能の対応PictBridge無線LAN(DPS over IP)もデジカメ対応製品にあわせてアップデート6色インク採用による高画質
コンパクト化による輸送効率の向上輸送にかかるCO2も1台あたり30%削減できる新エンジンによる省電力化
平野精一氏

 製品の販売戦略について、エプソン販売株式会社 代表取締役社長の平野精一氏が説明。「プリンタ市場は1990年代初頭~半ばまではPCの周辺機器として第1ステージ、1990年代後半から2000年代にかけてはデジタルカメラの需要に押され第2ステージに乗って伸びてきた。そして2011年はPCやデジタルカメラを上回る勢いでスマートフォン市場が盛んとなり、クラウドサービスの利用も圧倒的に増えた。プリンタはこの新しい第3ステージに乗って行く必要があり、新製品の機能はこのニーズにマッチできる。PCやデジカメユーザーのみならず、スマートフォンやタブレットを利用しているユーザーに訴求して行き、プリンタ非利用者層を開拓していきたい」と説明した。

プリンタの位置づけの推移PCとデジカメを超えるスマートフォン市場スマートフォンやクラウドに対応する第3のステージ
スマートフォン普及の予測新規ユーザーの開拓スマートフォンで年賀状を作成できる“スマホでカラリオ年賀”

 2011年、エプソンは年末商戦で64%のシェアを獲得できたが、2012年度も3%増の市場で50%以上のシェアを目指す。また、Webチャネルでの販売が好調としながらも、Webで購入する前に実際に店頭で見て確認するユーザーが多いとし、引き続き店頭での展示に注力していく。

市場シェアの推移インクジェット市場の見通し
年末の販売目標店頭での展示訴求の継続

 コミュニケーションワードは「うちカラ そとカラ 新!カラリオ」。プロモーションキャラクターには引き続き忽那汐里さんを起用し、広告展開やリアルでの体験イベント、Webを通した認知と理解獲得をしていく。店頭ではコンパクト設計やカラーバリエーションなどのスタイリッシュさも前面に推し出していく。

新コミュニケーションワード広告や体験イベントなどの展開ユーザー調査でカラバリを重視することも判明
コンパクトさの比較やカラバリ展開の訴求1,000円を切るインクも重要課題の1つ
値ごろ感にあわせた2種類のインクプロモーションには忽那汐里さんを起用

 またEpson Connectについて、エプソン販売株式会社 取締役 販売推進本部長 中野修義氏が詳しく解説し、「スキャンtoクラウド」では読みたい雑誌をスキャンして通勤時にスマートフォンなどで閲覧できること、「メールdeリモート印刷」では高画質カラーFAXのように利用できること、「Epson iPrint」ではスマートフォンの写真やコンテンツを紙に出力して見やすくできること、「リモートプリントドライバー」ではチェーン店などでPOP/メニュー配信に活用できることなど、具体的な事例を提案した。

中野修義氏Epson Connectのコンセプトスキャンtoクラウド機能の詳細
メールdeリモート印刷の利用イメージメールdeリモート印刷の利用提案Epson iPrintの機能
Epson iPrintの利用提案リモートプリントドライバーの機能
リモートプリントドライバーの利用例リモートプリントドライバーの活用提案

 発表会終了後、新CMを上映した。CMでは主人公の忽那汐里さんが祭りで見つけたさまざまな動物をスマートフォンで写真に撮って、そのまま家のカラリオに出力するというデモを兼ねた内容となっているが、猿、豚、カッパが出演するなど、中国の「西遊記」の要素も交えられている。

 その後、忽那汐里さんが実際にステージに登壇し、新製品のコンパクトさをアピールしながら、フォトセッションに応じた。

忽那汐里さんが主人公を演じるCM出先では豚やカッパなどと出会う
フォトセッションにて。旧カラリオの外枠を持ち上げると、そこに新カラリオが収まっており、コンパクトさをアピールセイコーエプソン株式会社 常務取締役 羽片忠明氏(右)と平野精一氏(左)を交えたフォトセッション発表会で展示された新製品
新モデルと旧モデルの大きさ比較EP-905FEP-905A
主力のEP-805AEP-805AREP-805AW
EP-775AEP-775AWEP-705A
PX-453PX-405PX-045

(2012年 8月 29日)

[Reported by 劉 尭]