エプソン、従来から約40%小型化したインクジェット複合機「カラリオ」

主力のEP-805A

9月20日 発売
価格:オープンプライス



 エプソンは、インクジェット複合機「カラリオ」シリーズを一新し、9月20日より発売する。価格はすべてオープンプライス。

 機能面では時代のトレンドに則り、スマートフォンやクラウドとの連携強化を図った。従来製品からプリンタにメールアドレスを付与し、そこにメールを送付するだけで添付ファイルやメール本文が印刷できる「メールプリント」機能を継承しつつ、カラリオでスキャンした原稿をPCを経由せずに相手にメール送信し、相手側のカラリオで直接印刷できる「メールdeリモート印刷」、メールプリントに登録したプリンタをあたかもローカルにあるプリンタのようにプリンタドライバから印刷できる「リモートプリントドライバ」などの機能を付加した。

 また、iOSやAndroid用の印刷/スキャンアプリ「Epson iPrint」も強化し、従来のWi-Fi環境下のみでの動作に加えて、インターネット接続環境下でもリモート印刷が可能となった。これらプリンタを結ぶサービスの総称として、「Epson Connect」というブランドを付加し、今後市場に訴求していくという。このほか、AirPrintやGoogle Cloud Printへの対応は踏襲する。

 ハードウェア面では、ユーザーの小型化に対するニーズに応え、「カラーボックス天板からはみ出さない設計」とし、一例として新製品の「EP-805A」では従来の「EP-804A」から体積比で約38.7%削減した。具体的には、奥行きは両面印刷ユニットを小型化することで120mm、幅は高密度基板の採用、輪列機構のコンパクト化、キャリッジ駆動距離短縮などにより55mm、高さはインクカートリッジやヘッド、給紙トレイなどの薄型化により12mmの削減に成功した。

 使い勝手の面では、上位モデルで自動に開閉するフロントパネルや排紙トレイを装備するほか、スマートフォンの無線LANと直結できる「Wi-Fi Direct」機能に対応。また、上位機種では秋のファームウェアアップデートでデジカメから無線LAN経由で直接印刷できる「PictBridge無線LAN(DPS over IP)」をサポートする。

 新製品は8機種、カラバリを含めて合計11モデルが用意される。

●6色インクモデル

 6色インク採用モデルは、FAX/有線LAN/無線LAN/両面ADFなど全部入り最上位の「EP-905F」を基準に、FAXを省いた「EP-905A」、FAX/両面ADFを省いた「EP-805A」、FAX/両面ADF/有線LANを省いた「EP-775A」、すべて省いた「EP-705A」の5機種が用意される。店頭予想価格は順に4万円台前半、4万円前後、3万円台前半、2万円台半ば、1万円台半ばの見込み。

 EP-805Aは本体色にブラック、レッド(型番末尾R)とホワイト(同W)の3色、EP-775Aは本体色にブラックとホワイト(同W)の2色カラバリで展開する。

 全モデルともにプリンタ部の主な仕様は、印刷解像度は5,760×1,440dpiで、インクサイズは1.5plとなっている。対応用紙はA4~A6、六切、L判、はがき、封筒など。CD/DVDなどのレーベル印刷も対応する。最下位のEP-705Aを除く4機種は印刷ノズル数はブラックが180、カラーが900で、EP-705Aはそれぞれ半分の数となる。給紙枚数は最大100枚。

 スキャナ部のセンサーはCISで、解像度はEP-905F/Aが4,800dpi、EP-805が2,400dpi、EP-775A/705Aが1,200dpi。インターフェイスは共通でUSBを備え、有線LANつきモデルはEthernet、無線LANつきモデルはIEEE 802.11b/g/nに対応。また、EP-905F/A、EP-805、EP-705AはIrDA赤外線ポートを備える。

 EP-705Aを除く4機種はいずれも幅390mmのコンパクト設計。本体サイズおよび重量は、EP-905F/Aが390×339×191mm(幅×奥行き×高さ)/約8.7kg、EP-805Aが390×341×141mm(同)/約7.3kg、EP-775Aが390×341×138mm(同)/約6.9kg、EP-705Aが451×386×195mm(同)/約8.5kg。

EP-905FEP-905A
EP-805AREP-805AW
EP-775AEP-775AWEP-705A

●4色インクモデル

 4色インク採用モデルは、無線LAN搭載を搭載した「PX-435A」、無線LAN非搭載の「PX-405A」、エントリー向けの「PX-045A」の3機種が用意される。店頭予想価格は順に1万円台半ば、1万円台前半、1万円未満の見込み。

 PX-435AとPX-405Aはプリント部が共通で、違いは無線LANの有無のみ。印刷解像度は5,760×1,440dpiで、インクサイズは3plとなっている。ノズル数はPX-435AとPX-405Aがブラックが180、カラーが177、PX-045Aがブラックが128、カラーが126。対応用紙はA4~A6、六切、L判、はがき、封筒など。給紙トレイは備えておらず背面ASFを利用する。給紙枚数はPX-435AとPX-405Aが100枚、PX-045Aが50枚。

 スキャナ部のセンサーはCISで、解像度は1,200dpi。インターフェイスはUSBを備える。本体サイズは共通で390×300×145mm(幅×奥行き×高さ)、重量はPX-435AとPX-405Aが約4.2kg、PX-045Aが約3.9kg。

PX-435APX-405APX-045A

(2012年 8月 29日)

[Reported by 劉 尭]