パナソニック、Let'snoteの組立教室に50人が参加
~23種類の部品、30本のネジを使用して約2時間で完成

手作りLet'snote工房 2011の参加者

8月27日 開催



 パナソニック株式会社は27日、兵庫県神戸市の神戸工場において、ノートPCの組み立てを行なう「手作りレッツノート工房 2011」を開催した。

 毎年夏休みに行なわれている小学4年生~高校3年生を対象にしたイベントで、今回で11回目となる。全国から約750件の応募があり、関西地域のほか、仙台や福岡、東京から訪れた50人の子供たちが参加した。応募では北は宮城県、南は宮崎県から申し込みがあり、男子が約6割、女子が約4割を占めたという。参加者の内訳は男子が31人、女子が19人。

 今年の工房で組み立てたのは「Let'snote S10」。マイレッツ倶楽部モデルをベースとしており、Core i5-2540M vProプロセッサ(2.60GHz)、メモリ4GB、750GB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、1,280×800ドット表示対応12.1型ワイドTFTカラー液晶ディスプレイ、Windows 7 Professional(64bit)版を搭載している。重量は約1,340gで、約16.5時間の連続駆動を可能にしている。

 参加費は12万円で、組み立て当日にPCを持ち帰ることが可能。「日本のどんな場所から参加してもらっても、家に着くまでずっとPCを利用してもらえる」(パナソニック)という。

 天板は、プレミアムカラーのブルーサファイア、ブラックグラナイトの2色を含めた8色からの選択が可能で、参加者のオリジナルネームプレートが用意され、自分だけの世界に1台のPCを参加者全員が完成させた。

 天板カラーで最も人気が高かったのは、ブルーサファイアで16人が選択。続いて、ブルーグレイシャーの11人、レッドクォーツの10人、ジェットブラックの7人、ピンクフローズンの4人、ブラックグラナイトの3人となった。

 午前9時30分から行なわれた開校式で、パナソニックAVCネットワークス社ビジネスソリューション事業グループITプロダクツビジネスユニットの原田秀昭ビジネスユニット長は、「今日はモノ作りのプロが教えくれる。組み立てを通じて、モノ作りに対しての発見、気づきをぜひ感じてほしい。また、モノ作りの感動を味わって欲しい」と挨拶。続いて、Let'snote工房では定番となったブースケとレッツ博士によるコントを交えたLet'snote講座を開催。これから組み立てるLet'snote S10の特徴などを紹介した。

 場所を工場内の組立ラインの一角に設置した組立教室会場に移動して、午前9時55分から、いよいよ組み立て作業を開始した。

 用意された部品は23種類。30本のネジを使用し、2人の参加者に対して、1人のスタッフがサポートに付いて、組み立てを行なった。

 実際の商品では、1,934点の部品が使われており、そのうちマザーボードだけで1,662点の部品が使われているという。また、製造ラインでは約30分で組み立てるものを、今回の組み立て教室では約2時間で組み立てた。

 では、組み立ての様子を写真で追ってみよう。

組み立てるLet'snote S10の部品ベースユニット。HDDやメモリは組み込んであるトップケース
液晶ディスプレイ部天板は、プレミアムカラーの2色からも選択できた。ブルーサファイアは一番人気キーボード
ディスクカバーとバッテリ右からドライブ、USB基板、ホルダー各種ネジ。袋に小分けされている
使用するドライバーやアースバンドなど組み立てのための説明書の表紙は、男子用、女子用をそれぞれに用意まずはベースユニットに液晶ディスプレイを取り付ける作業から
続いてアンテナケーブルの処理。いきなり細かい作業に子供たちは苦戦USB基板の取り付け作業。基板のコネクタをロックし、ドライバを使ってネジで固定アンテナケーブルの接続。慣れないコネクタに苦戦
ホルダーをベースユニットに取り付ける。ここをLCDケーブルが通るホルダーを通したLCDケーブルを、コネクタに接続続いてドライブの取り付け。レンズ部に触れないように注意
これでベースユニット部への組み込みは完了トップケースを取り付ける。フレキの接続が難しいトップケースをネジで固定する
トップケースを取り付けるとPCらしく見えてくる続いてキーボードの取り付け。フレキを接続してロックする裏返してキーボードをはめ込む
ディスクカバーの取り付け。ちょっとしたコツがいる横方向からのネジ締めでドライブを固定する裏返して底面のネジ締めを行なう
最後にバッテリを装着するこれでLet'snote S10の組み立てが完了した前面部にある電源スイッチを参加者全員で入れる
全員のPCが無事に起動した起動してブースケと一緒に喜ぶ参加者完成したLet'snote S10は、最後に梱包作業に
まずはオリジナルネームプレートを付けて、自分だけのPCに箱に入れて梱包も完了全員が梱包箱に入れて持ち帰った
参加者には完成証明書が渡された

 午前11時40分には全員の組み立てが完了。合図にあわせて電源スイッチを入れると、全員のPCが起動し、会場から拍手が沸き上がった。

 その後、昼食を食べながら、お楽しみイベントを開催。「神戸工場検定」では、「Let'snoteはどのぐらいの高さから落下試験を行なっているのでしょうか」などといった質問が出されていた。

 また、パナソニックの薄型テレビ「VIERA」による3D体験イベントや、パナソニックのリサイクル工場において、ブラウン管パネルのガラスをリサイクルして開発した、土を使わない観葉植物水耕栽培の「ハイドロカルチャー」の体験コーナーを用意したほか、工場見学では、Let'snoteの堅牢性を実現する恒温試験、防水試験、落下試験などの神戸工場ならではの設備を見学。はんだ付け体験や電動ドライバーによるビス締め体験なども行なった。

 午後3時から行なわれた閉校式では、パナソニックITプロダクツビジネスユニットプロダクトセンター白土清所長が挨拶。「最初はできるかなと思った人も、今回、PCを組み立てたことで自信がついたはず。私たちスタッフもみなさんから元気をもらった。今回はある程度完成した段階のものを組み立ててもらったが、ここには2,000点近い部品が使われており、部品段階からを含めると1台のPCを完成させるのに1,000人以上の人が関わっている。簡単なものではなく、日本が誇れるモノ作りによるもの。今回の経験によってモノ作りに興味を持っていただき、将来、私たちの仲間になってくれたら嬉しい」などと語った。

 一方、パナソニックの原田ビジネスユニット長は、組み立て教室終了後、本誌の取材に対して、「参加した子供たちだけでなく、家族の方々にも喜んでいただけたと考えている。環境変化によって、生産拠点の海外移転といった動きもあるが、神戸でモノ作りの楽しさを体験していただく一方、日本のモノ作りを伝導していくという意味でも、今後も継続的に神戸工場の社員とともに開催していきたい」と語った。

午前9時30分から行なわれた開校式の様子開校式で挨拶するパナソニックの原田秀昭ビジネスユニット長ブースケとレッツ博士によるLet'snote講座が行なわれた
参加者はブースケとハイタッチして組み立て教室の会場に向かった組み立て教室の様子。作業台はスタッフによる手作りのものだ組み立て教室会場ではブースケ以外にも着ぐるみキャラクターが続々
子供たちの作業の様子を見守る神戸工場の白土清センター長ブラウン管のパネルガラスを植え込み資材にリサイクルしたニューエコバミスを使った観葉植物作り「ハイドロカルチャー」の体験コーナー
3Dテレビ体験コーナーも開設行列ができるかもしれないパソコンなんでも相談所も開設東北にAVC社関連のパナソニックの工場は3つ。工房参加者からメッセージが送られた
昼食会場ではお楽しみイベントも行なわれた神戸工場検定の問題。Let'snoteに関する出題が目白押し工場見学では電動ドライバーでのビス締めにも挑戦。
水鉄砲でTOUGHBOOKに水をかけて、その前に置かれたぬいぐるみを落とすゲームも用意工場スタッフが「匠」として組み立てに挑戦。参加者が約2時間かかった作業を9分15秒で完成させてみせた閉校式で挨拶するプロダクトセンター・白土清所長
組み立て教室終了後、参加者を見送るスタッフ手作りLet'snote工房 2011を支えた神戸工場のスタッフ。土曜日にも関わらずこれだけ多くのスタッフが参加した

(2011年 8月 29日)

[Reported by 大河原 克行]