パナソニック株式会社は21日、小/中/高校生向けのPC組立教室「手づくりLet'snote工房2010」を、神戸にあるITプロダクツビジネスユニット神戸工場にて開催した。
Let'snote工房は2001年より実施されている夏休みの同社恒例イベント。2009年は工場の修理と改修を理由に中止していたが、今年(2010年)は復活した。今回組み立てるモデルは「CF-S9K」で、組立教室で光学ドライブ付きモデルを採用したのは初。ドライブはクラムシェルのモジュール型であるため難易度は高いが、「人気モデルなので採用した」という。
そのほかの主な仕様は、マイレッツ倶楽部モデルをベースとし、Core i5-450M(2.53Ghz)、メモリ2GB、500GB HDD、1,280×800ドット表示対応12.1型ワイド液晶ディスプレイ、OSにWindows 7 Professional、WiMAXなどを搭載する。また、天板は6種類から選べる。参加費は12万円で、組み立て当日にPCを持ち帰られる。
今回の参加者は合計49組で、内訳は男子が28名、女子が21名。応募総数は670組で、男女の割合はほぼ6:4だったという。参加者の中には千葉や石川、博多から来た方もいるという。
「開校」は9時30分、冒頭では同社ビジネスユニット長の奥田茂雄氏が挨拶し、「このイベントを通して、神戸でのモノづくりを体験してもらい、みなさんにPCに詳しくなってもらいたい」と述べた。
手づくりLet'snote工房2010が開催された神戸工場 | 同社ビジネスユニット長の奥田茂雄氏 | スケジュール |
続いて、“レッツ博士”と“ブースケ”が登場し、コントを交えながらLet'snoteの各部位や特徴などを説明。特徴については、約1,340gの軽量性、約13.5時間の長時間駆動、100kgfの耐加圧、76cmの耐落下性能などを紹介。さらに、3年前のLet'snoteと比較して約4.8倍高速であることをアピールした。
今回のテーマは「不思技体験」。ブースケから「不思議じゃないの?」と突っ込まれるも、博士は「日本の、そして神戸のものづくりの“技”を学びながら楽しい1日を過ごしてもらいたいから、不思“技”にしたんじゃ」と答えた。
レッツ博士とブースケが登場 | Let'snoteの各部位を紹介 | |
Let'snoteの特徴 | テーマは「不思技体験」 |
10時、いよいよ組み立て作業が開始した。今回組み立てるCF-S9Kは、先述のように光学ドライブ付きのため、従来より難易度が高くなっている。CF-S9Kに使われているすべての部品数は1,733個だが、組立教室ではその大半が実装済みであり、組立工数は23となっている。とはいえ、モバイルノートのため小さいパーツがかなり多く、細かい作業を要する。特にケーブルとコネクタの結合は部品が薄いため難しい。
今回はネームプレートや6色の天板などを選択できたが、天板色の人気トップはブルーグレーで19名だった。続いてジェットブラックが11名、レッドが8名だった。以下、写真で組み立て手順を追って紹介する。
ほぼ予定通りの11時40分に全員が組み立てが完了し、司会者の合図で一斉に電源スイッチが入れられ、会場から拍手が沸き上がるとともに全員のPCが無事起動した。
組み立て作業終了後は食堂での昼食タイムとなり、選択式のクイズなどのイベントも開催した。
その後、全員が4チームに分かれて工場を見学。防滴試験や常温層、ハンダ付け体験、実際のスタッフによる組み立て実演などが行なわれた。各所にはクイズも用意され、正解するとシールラリーのシールがもらえる仕組みだ。
昼食時のクイズ | シールラリー | 防水試験のテスト |
常温層に実際子供たちをいれて体験してもらった | 各所のクイズはバーコード式で、CF-U1を使って回答された | 落下試験 |
基板のパーツ実装ロボット | パーツの実装が完了した基板 | カットする機械にかけられ、手で割るようになる |
また、参加者が組み立てたLet'snoteのセルフテストが完了した場所へ移動し、実際に自ら動作テストを行なった。テストプログラムは組立教室専用に用意されたもので、画面に従ってSDカードやDVD/CD、ケーブル類、USBメモリなどを装着しながら、実際に動くかどうかを検査した。
セルフテストが完了した参加者のPC | HDMIの出力テスト | 光学ドライブのテスト |
LEDが順次点灯していくテスト | 液晶の輝度テスト | 音声のテスト |
タッチパッドのテスト | 液晶のカラーテスト | 完了するとメッセージが出る |
工場見学ののち、食堂で参加者全員のPCにはあらかじめOSがインストールされた状態で用意され、梱包作業を実施した。クロスで本体を磨いてから、プラスチックの包装とともに箱に収めた。
梱包作業 | 本体をクロスで磨いてから、簡易説明などが書かれた紙を液晶に挟む | 封をする |
箱へ収める | プラスチックの緩衝材を入れる | 包装完了 |
時間がやや押して15時半で閉校式となった。プロダクトセンター 白土清所長が全員に「PCは簡単に完成すると思った人!」と尋ねたが、1人も手を挙げなかった。「そうですね。みなさんが見学したように、Let'snoteは非常に複雑な工程で作られており、決して簡単ではありません。みなさんはほぼ2時間かけて組み立てたが、実際工場では10秒に1台のペースで製造している。これが我々の“モノづくり”であり、本日みなさんに不思技な体験をしてもらえたと思う」と述べ、締めくくった。
白土清所長 | スタッフ全員で見送り |
(2010年 8月 23日)
[Reported by 劉 尭]