やじうまミニレビュー
海外旅行のお供に最適、2,600円台からのワールドタイム対応チプカシ
2016年6月9日 06:00
筆者は先週、台湾でCOMPUTEX TAIPEIを取材していたのだが、現地時間と日本時間は1時間の時差がある。たかが1時間か、暗算すれば良いのでは言われるかも知れないが、体が現地時間に慣れてくると、現地ではまだ仕事をする時間だと思ってギリギリのタイミングで記事を書いていても、日本では既に編集部の退社時間だった、ということはよくある。
そんなわけで、世界を駆け回るビジネスマン(まあ、筆者はそれほど頻繁ではないが)にとって、ワールドタイム対応の腕時計は何かと便利である。
“ワールドタイム対応の腕時計”は、言わば自国のほかに、世界の主要都市の時刻を第2の時間帯として設定し、表示できる腕時計のことである。もっとざっくり言ってしまえば、2つの時間を同時に表示する機能を備えた腕時計のことだ。
ワールドタイムの表示方法は時計によってさまざまで、アナログ時計の場合、24時間の時針を用意してそちらで第2の時間帯を表示するものもあれば、2つの独立したムーブメントで表示させるものもある。そのためアナログのワールドタイムモデルは通常モデルより高くなりがちだ。一方、デジタルであれば液晶を加えてプログラムをちょっと追加するだけで表示可能になるので、安価に実現できる。
カシオの「AE-1200WH」シリーズは、そんなデジタル表示のメリットを活かすことで、リーズナブルな価格を実現したワールドタイム対応腕時計である。Amazon.co.jpでの価格は、最も安い樹脂バンドを採用した「AE-1200WH-1A」が2,625円から、ステンレスバンドを採用した「AE-1200WHD-1A」でも3,500円、そして今回購入したNATOストラップ風のナイロン製ベルトを採用の「AE-1200WHB-3B」で3,650円となっており、いわゆる“チプカシ(チープカシオ)”の仲間だ。いずれも国内向けには投入されていない、逆輸入モデルだ。
デザイン上での最大の特徴は、やはり約42.1×45mm(幅×奥行き)の“ビッグフェイス”だ。男性用腕時計の中でも、かなり大型の種類に入り、腕に付けているだけでかなりの迫力がある。4つのパーティションに分けられた液晶があり、デジタル時間/日付/曜日、世界地図、ミュート/アラーム/時報の状態、そしてアナログ時計風表示盤があるので、それもそのはずだ。
ユニークなのは、やはりアナログ時計風表示の液晶盤だろう。実際のアナログ時計の針と同じく60分割され、2セグメントに長短を分けることで、時/分/秒針を表現。このアナログ時計盤は、常に自国の時間を表示するようになっている。
目玉のワールドタイム機能は、時計表示から「MODE」ボタンを1回押すだけでアクセスできる。SEARCHボタンを押せば、48都市+UTC協定世界時など、31のタイムゾーンを順次切り替えられる。あまり実用性はないのだが、デジタル時計盤の上の世界地図で現在設定しているタイムゾーンが黒くハイライトされるので、おおよその位置が分かるのが面白い。
なお、自国時間表示時にSEARCHを押すことで、3つのタイムゾーンを順繰りに表示させることも可能。この3つのタイムゾーンはそのゾーンを選択している時にADJUSTボタンを押すことで任意に設定できる。ただしこの機能を使用すると、本来日付が表示されるべき場所にT-x(xは設定したタイムゾーンの番号)が表示されるので、日付が分からなくなってしまう。短期滞在ならこれで問題ないだろうが、長期滞在時や本格的にワールドタイムを使うのならばモード切り替えを行なうべきだろう。
ワールドタイム以外には、1/100秒ストップウォッチやカウントダウンタイマー、5つまで設定できるアラーム機能などを搭載している。これらは説明不要だろう。このほか、10気圧対応防水や10年の電池寿命など、カシオならではのタフさも兼ね備えている。安価なワールドタイム対応腕時計が欲しいユーザーは検討してみると良いだろう。