NECパーソナルコンピュータ「LaVie Z LZ750/HS」
〜13.3型液晶搭載で875gの超軽量Ultrabook



NECパーソナルコンピュータ
「LaVie Z LZ750/HS」

8月中旬 発売

価格:オープンプライス



 NECは、13.3型液晶搭載の超軽量Ultrabook「LaVie Z」シリーズを正式に発表した。すでに一部仕様が公開されているが、今回の正式発表では重量が約875gと、これまで公表されていた数値よりもさらに100g以上軽くなっている。もちろん13.3型液晶搭載のノートPCとして世界最軽量。今回、LaVie Zシリーズの上位モデルとなる「LaVie Z LZ750/HS」をいち早く試用する機会を得たため、本体を中心に細かくチェックしていこう。なお、今回試用したものは開発中の試作機で、さまざまな部分で製品版と異なる部分がある。今後、製品版同等の試用機を入手できれば、その段階で改めてレビューを行なう予定なので、今回は速報版として見てもらいたい。

●約875gと圧倒的な軽量ボディを実現

 ついに正式発表となった、NECの超軽量Ultrabook「LaVie Z」シリーズ。上位モデルの「LaVie Z LZ750/HS」と、下位モデルの「LaVie Z LZ550/HS」の2モデルがラインナップされている。この2モデルの違いはCPUとストレージ容量で、LZ750/HSはCPUがCore i7-3517U(1.90GHz)、ストレージが256GB SSD、LZ550/HSはCore i5-3317U(1.70GHz)、128GB SSDとなる。それ以外の仕様はほぼ同等だ。価格は、LZ750/HSが165,000円前後、LZ550/HSが135,000円前後で、発売時期は8月中旬頃を予定している。

 LaVie Zシリーズの最大の特徴となるのは、なんといっても圧倒的に軽く、薄いボディを実現している点にある。重量は公称で約875gと、900gを切っている。Ultrabookでは、1kg前後の軽量ボディを実現する製品がいくつか登場しており、先日取り上げたマウスコンピューターの「LuvBook X LB-X200S」は985gと1kgを切る軽さだが、液晶サイズが11.6型と小さく、それだけ軽さも突き詰めやすい。それに対しLaVie Zは、13.3型ワイド液晶と、より大きな液晶パネルを搭載した上で、900gを切る軽さを実現しているわけで、これがいかにすごいことか容易に想像できるだろう。もちろん、13.3型ワイド液晶を搭載するノートPCとして世界最軽量となる。

 実際にLaVie Z本体を手にしてみると、その軽さに驚いてしまう。LuvBook X LB-X200Sも、初めて手にした時にはモックかと思うほどの軽さと感じたが、LaVie Zは本体サイズがLuvBookよりも大きいために、さらに軽く感じ、本当にこれが正常に機能するノートPCなのかと疑ってしまうほどだ。ちなみに、試用機の実測の重量は863.5gであったが、今回試用した試用機では、パーツ類の一部が未搭載であるなど、製品版から大きく仕様の異なる状態だったこともあり、製品版では875gに近い重量になるものと思われる。

 また、本体の高さは最厚部で14.9mmと、13型クラスのノートPCとして国内最薄を実現。フットプリントも、313×209mm(幅×奥行き)と、13.3型液晶搭載ノートとしてはかなりコンパクト。このボディなら、カバンに入れてもかさばることはないだろう。

 これほどまでの軽く薄いボディは、ボディ素材をはじめ、さまざまな部分で軽量化を突き詰める工夫によって実現されている。まずボディ素材だが、天板およびキーボード面は、薄型ノートで広く利用されているマグネシウム合金を採用しているが、底面部分にはLaVie Zのために新規開発された「マグネシウム・リチウム合金」という素材を採用。マグネシウム・リチウム合金は、マグネシウム合金と比較して比重が約75%と軽く、同じ強度を実現する場合でも重量を軽くできる。

 また、内部構造にもさまざまな工夫がある。まず、液晶パネルとキーボードは本体筐体との一体構造を採用。これにより、液晶パネルのフレームやキーボード底面の板金などを省くことができ、薄型化と軽量化を追求。また、基板も既存製品では1〜1.2mmほどの厚さのものを採用しているのに対し、LaVie Zでは約0.8mmと薄いものを採用。もちろんボディ自体も薄型で、液晶面は約0.6mm、キーボード面と底面は約0.5mmの薄さとなっている。こういったさまざまな工夫の積み重ねによって、本体の薄型・軽量化を突き詰めているわけだ。

 ちなみに、これだけ軽く薄いボディだと、堅牢性に不安を感じるかもしれない。LaVie Zでは、国内のモバイルノートで示されることの多い、液晶面の耐圧性能は明確に示されていない。実際に、試用機を触ってみた感触では、液晶面や本体部をひねってみても、本体のたわみは思ったほど大きくはなかったが、堅牢性に優れるノートPCと比較すると、若干弱さを感じたのも事実。ただし、試作機は製品版よりもボディの剛性が若干弱くなっているそうなので、製品版ではそれほど不安は感じないかもしれない。このあたりは、今後製品版相当をレビューする際に改めて検証したい。

本体正面。高さは最厚部で14.9mmと非常に薄い 左側面。前方から後方まで、ほぼフラットなボディとなっている。また、側面部や後方は丸みを帯びたデザインを採用 背面。バッテリは本体内蔵で着脱不可能。後方にはポートもない
右側面。本体部や液晶部の薄さは側面から見るとよくわかる マウスコンピューターのLuvBook X LB-X200Sとの比較。くさび形デザインのLB-X200Sは前方がかなり薄いが、後方で比較するとLaVie Zの方が薄い 天板部分。天板には約0.6mm厚のマグネシウム合金を採用。フラットなデザインで非常にシンプルだ
フットプリントは、313×209mm(幅×奥行き)。DOS/V POWER REPORT誌と比較すると、幅がやや広いが、奥行きはほぼ同じだ LuvBook X LB-X200Sとの比較。13.3型液晶を搭載していることを考えると、LaVie Zはかなりコンパクトと言える 底面部には、新開発のマグネシウム-リチウム合金を採用。マグネシウム合金より軽い素材で、同じ強度を実現する場合でもより軽くできる。底面部は0.5mm厚と薄い
液晶パネルは筐体と一体構造となっており、薄さと軽さを追求。液晶パネル部の厚さは4.5mmしかなく、横から見ても非常に薄いことがわかる キーボードも筐体と一体構造となっている。底面の板金などを省けるため、薄く軽くできる 試用機の重量は、実測で863.5gだった。試用機では一部パーツが搭載されていないこともあり、製品版では875gに近い数値になるはずだ

●1,600×900ドット表示対応の13.3型液晶を搭載

 液晶パネルは、既に紹介しているように、13.3型のワイド液晶を採用している。ただ、国内のUltrabookでは、多くが1,366×768ドット表示のパネルを採用しているのに対し、LaVie Zでは1,600×900ドットと高解像度表示に対応するパネルを採用している。これによって、表示領域が他のUltrabookよりも広く、快適な作業環境が実現されている。もちろん、13.3型クラスでフルHD表示対応の液晶パネルを採用するノートPCも存在しているが、13.3型クラスのサイズでは、フルHDでは文字がかなり小さくなり見にくくなってしまう。かといって、1,366×768ドット表示では物足りない。そういった意味で、1,600×900ドット表示対応の13.3型液晶を採用しているという点は、魅力が大きいのはもちろん、競合製品に対する優位点となる。

 パネルは、NEC製のノートPCで広く採用されている、スーパーシャインビューLED液晶だ。パネル表面が光沢処理となっており、発色はなかなか鮮やかだ。外光の映り込みや、上下の視野角がやや狭い点は少々気になるものの、Ultrabookに搭載される液晶パネルとしては十分に満足できる表示品質を備えている。グラフィックス機能は、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4000が利用される。

1,600×900ドットと高解像度表示に対応する13.3型液晶を搭載。表面は光沢処理が施され発色は鮮やかだが、外光の映り込みと上下の視野角の狭さがやや気になる 液晶パネル上部には、約92万画素のWebカメラとステレオマイクを搭載する

●キーボードはストロークが短く、クリック感も少ない

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプを採用。キーピッチは約18mmと、フルピッチよりやや狭いが、実際に使ってみるとフルピッチのキーボードと比較しても遜色なく扱える。また、先ほどキーボードは本体筐体と一体構造になっていると紹介したが、キーボード面は強度に優れるマグネシウム合金のため、キーボードのしなりもかなり少ない。ただし、本体が非常に薄いこともあり、ストロークは約1.2mmとかなり短く、クリック感もあまり強くない。どちらかというと、ペコペコとした感触で、しっかりとクリック感のあるキーボードと比べるとやや違和感がある。それでも、このようなストロークの短いキーボードとしてはタッチがやや重めで、実際に使っていても入力ミスなどは皆無だった。最初は戸惑うかもしれないが、慣れれば違和感なく使えるようになるはずだ。

 キーの配列は比較的自然で、無理のある部分はない。ただ、キーボード左右のキーがややピッチが狭くなっている点と、カーソルキーが1段下がっていない点は少々気になる。左下のFnキーとCtrlキーは、BIOS設定で入れ替えが可能となっている点は、利用者それぞれが慣れている位置で扱えるという意味でもありがたい。

 タッチパッドは、Ultrabookでおなじみの、クリックボタン一体型のものを採用。クリックはパッド面の下側半分程度で反応するタイプ。個人的には、クリックボタン一体型のタッチパッドは、クリック操作時にカーソルが動くなどして扱いづらいと感じているが、このタッチパッドも同様の感覚だった。これだけ薄くするとなると、独立したクリックボタンを配置するのは難しいと思うが、何とか実現してほしかった。パッド面自体の操作性は、複数の指を利用したジェスチャー操作にも対応しており申し分ない。

アイソレーションタイプのキーボードを採用。ストロークが約1.2mmと短く、クリック感も少ない。ペコペコとした感触で、若干違和感がある キーピッチは約18mmと、フルサイズよりわずかに短い キーボード左右の一部のキーピッチがかなり狭くなっている点と、カーソルキーの位置は少々気になるが、他は自然な配列だ
キーボード右上に電源ボタンが配置されている キーボード左下のFnキーとCtrlキーは、BIOSで入れ替えが可能 クリックボタン一体型のタッチパッドを搭載。複数の指を利用したジェスチャー操作にも対応。面積が広いためカーソル操作は軽快だが、クリック操作がやりにくい

●薄型ながら、ポートは全てフルサイズ

 今回試用した、LaVie Z上位モデル、LZ750/HSのスペックを確認しよう。CPUは、第3世代Coreプロセッサー・ファミリーとなる、Core i7-3517Uを採用。下位モデルに搭載されるCore i5-3317Uと同じ2コア4スレッドだが、動作クロックとターボブースト時の最大クロックが高く、L3キャッシュ容量も4MBと多いため、クロック差以上のパフォーマンス差がある。チップセットは、Intel UM77 Expressで、メインメモリはPC3-12800対応のDDR3 SDRAMを標準で4GBオンボード搭載(メインメモリの増設は不可能)。ストレージは、256GBのSSDを搭載。デバイスマネージャで確認したところ、Samsung製の「MZMPC256HBGJ-000」が搭載されていた。

 無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANと、Bluetooht 4.0+HSを標準搭載。ワイヤレスWANやWiMAXは未対応。また、有線LANも未搭載だ。

 側面のポートは、左側面にSDカード(SDXC対応)スロットが、右側面にヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 2.0×1(パワーオフUSB充電対応)、USB 3.0×1、HDMI出力、電源コネクタがそれぞれ用意されている。ポート類は必要最小限といった印象で、できれば左側面にもUSBポートを配置してもらいたかったところだが、全てのポートがフルサイズで搭載されている点は大いに評価できる。

 ところで、電源コネクタは一般的な丸形ではなく、新形状の角形コネクタとなっている。おそらくこれは、薄型化に貢献するために採用されたものと思われる。

左側面には、SDカードスロットを配置。空冷ファンの排気口もこちらに用意。ファンは底面から吸気し、こちらから排気となる 右側面には、ヘッドフォン/マイク共用ジャック、USB 2.0×1、USB 3.0×1、HDMI出力、電源端子を配置。薄型ボディながら、ポートは全てフルサイズ。USB 2.0ポートはパワーオフUSB充電に対応 本体前面には、各種インジケータがまとめて配置されている
付属のACアダプタ。薄型となっており、本体同時携帯も容易だ ACコネクタは角形となっている。これも、本体の薄型化を突き詰めるためと思われる ACアダプタの重量は、電源ケーブル込みで実測299gだった。もう少し軽いとなお良かった

●国内メーカー製2012年夏モデルで最大の注目製品、発売が待ち遠しい

 最後に、ベンチマークテストとバッテリ駆動時間の結果を紹介しておこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.0.4」、「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】」、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」の6種類。ただし、今回の試用機は試作機で、製品版とは導入されるドライバも異なる可能性が高いこともあり、結果は参考値としてのみ掲載する。詳しい評価は、今後製品版相当の試用機でレビューする際に改めて行ないたいと思う。

  LaVie Z PC-LZ750HS
CPU Core i7-3517U (1.90/3.00GHz)
チップセット Inte UM77 Express
ビデオチップ Intel HD Graphics 4000
メモリ PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB
ストレージ 256GB SSD
OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit
PCMark 7 v1.0.4
PCMark score 4684
Lightweight score 3943
Productivity score 3303
Creativity score 9605
Entertainment score 3684
Computation score 19680
System storage score 5092
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite 11357
Memories Suite 5507
TV and Movies Suite 4955
Gaming Suite 8230
Music Suite 12312
Communications Suite 12099
Productivity Suite 13213
HDD Test Suite 37136
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A
CPU Score 9019
Memory Score 7015
Graphics Score 4625
HDD Score 52142
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score 4264
SM2.0 Score 1344
HDR/SM3.0 Score 1790
CPU Score 3423
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ 7.1
メモリ 5.9
グラフィックス 4.9
ゲーム用グラフィックス 6.3
プライマリハードディスク 7.9
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【絆】
1,280×720ドット 1987
1,920×1,080ドット
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 1763
1,920×1,080ドット

 バッテリ駆動時間は、公称値で約8.1時間。LaVie Zでは、バッテリ駆動時間よりも軽さを極めるという設計思想のため、Ultrabookとしては標準的なバッテリ駆動時間にとどまっている。Windowsの省電力設定をNECオリジナルの「ecoモード」に設定するとともに、無線LANオン、バックライト輝度を20%に設定した状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約5時間44分。JEITA測定値の約7割の結果だった。本体の軽さを考えると、十分納得できる範囲内だ。また、付属のACアダプタは若干重量は重いものの、薄型のものが付属しており、本体との同時携帯でもかさばらない点は嬉しい。

内蔵SSDの速度は、シーケンシャルリードが443MB/sec、シーケンシャルライトが265MB/sec。ランダム速度も速く、動作はキビキビしている

バッテリ駆動時間
省電力設定:NECオリジナル「ecoモード」、無線LANオン、バックライト輝度20%、BBench利用 約5時間44分

 LaVie Zは、国内メーカー製Ultrabookの中で、他を圧倒する軽さと薄型ボディを実現するだけでなく、1,600×900ドット表示対応と高解像度表示対応の液晶パネルを採用するなど、さまざまな点で魅力の大きい製品に仕上がっている。海外メーカー製のUltrabookでは、フルHD解像度の液晶パネルを搭載したり、より薄型のボディを実現しているものもあるが、13.3型液晶を搭載しながら900gを切る圧倒的な軽さを実現している点は、海外メーカー製Ultrabookも含めて、大きな優位点だ。細かな部分では、ストロークが短くややペコペコとした感触のキーボードや、接続ポートの少なさなど気になる点もあるが、軽量かつ薄型のボディを見るとそういった点も妥協できてしまう。常に持ち歩いても負担にならない軽量モバイルノートを探している人にとって、この夏最優先で候補にあげるべき製品と言える。

バックナンバー

(2012年 7月 3日)

[Text by 平澤 寿康]