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Claude Coworkが動かない!? 動かすために必要な仕様とBIOS設定とは

 「Claude Coworkを入れたのに動かない」——その多くは、性能不足ではなく設定の問題だ。Claude CoworkはあなたのPCの中で仮想マシンを動かすため、Windowsでは仮想化(Hyper-V)が有効でないと起動せず、しばしばBIOS/UEFIのVT-x設定やWindowsのエディションが壁になる。本記事は、使い方とDispatchを一通り押さえたうえで、“実際に動かすために必要な設定と仕様”を、つまずきポイントまで含めて具体的にまとめる。

Claude Coworkとは?使い方は?

 Claude Coworkは、AIチャット機能、そしてコーディング向けのClaude Codeと並ぶClaudeの代表的な機能の1つ。どういうものなのか、という点を改めて簡単に説明すると、まずAIチャットと比較したときには「単発の相談に乗ってもらうか、まとまった作業を自律的にやってもらうか」というのが大まかな違いとなる。

Claude Coworkの画面

 AIチャットは、調べものをするときなどに尋ねて素早く返答をもらう、といったように気軽な相談相手としては優秀だ。だが、複数の作業を連続的に行なったり、PC上にあるデータを直接操作したり、というような作業は苦手あるいはできない。

 しかし、Coworkを使えば、PC上でファイルを操作したり、Webブラウザを直接制御して情報収集や手続きをしたりと、複雑な判断や手順が求められる作業も自律的に行なってくれる。

 たとえば多数のPDFファイルの中身を把握して、それを元に一定のルールで一括リネームしてもらうという作業は自分でやるのは面倒だ。それに、チャットではファイル内容は把握できても、リネームして所定のフォルダに保存するところまではやってくれない。

チャットではファイル内容は分析できるが、元のファイルはリネームされない。リンクをクリックして保存されるのは新しいファイルのコピーとなってしまう

 だがClaude Coworkなら、ファイルのある作業フォルダを指定して「ファイルの中身を見て一括リネームして」のように指示するだけで作業を完遂してくれる。適切に作業計画を立て、連携済みの「スキル」や「コネクター」を状況に応じて自ら使いこなしつつ、安全なサンドボックス環境で即興のプログラムを作成・実行し、効率よく処理してくれるのだ。

経費精算で領収書データを一括リネームするのもCoworkに任せられる

 PC用アプリの機能として、「Dispatch」を使えばスマホと連携し、遠隔からPC上での動作状況確認や指示出しをすることも可能になる。Coworkに作業を依頼してから外に出かけてしまっても、作業途中の様子をスマホでチェックして指示を与えたり、成果物を確認したりできるわけだ。

スマホにClaudeアプリをインストールすれば、Dispatch機能でPC上での処理状況を確認、指示出しできる

なぜ動かない?Claude Coworkは仮想化機能が使えることが大前提

 そんな風にPCでもスマホからでも便利に使えるCoworkだが、どんなPCでも利用できるわけではない。動作には一定の要件が定められているので、それに沿ったPCであることと、設定を正しく行なうことが不可欠だ。

 そうした要件のうち最も気付きにくいポイントの1つが、PCやOSの「仮想化機能の有無」。仮想化とは簡単にいうと、PC内にもう1つ別の実行環境を構築し、外部から切り離されたその領域内で処理を行なえるようにする仕組みだ。

 Windowsでは仮想化の仕組みとして「Hyper-V」と「Windows Hypervisor Platform」が用意されている。macOSでは「Apple Virtualization Framework」が相当する。前者はWindowsネイティブの仮想化技術であり、後者はサードパーティアプリケーション(今回でいえばClaude Cowork)が仮想化の機能を使えるようにする基盤だ。

 Coworkを使うときにはこれらを確実に使えるようにしておかなければならず、そのために事前にいくつか確認もしくは設定しておくべきところがある。確認・設定の手順は後ほど紹介する。

必要なWindowsのエディションは?

 Coworkの動作に前述のHyper-VおよびWindows Hypervisor Platformという仮想化機能が必須となる都合上、WindowsのOSエディションについては必然的にPro/Enterprise/Educationといった仮想化機能を備えたOSであることが求められる。

 そのため、下記手順に沿って設定アプリでOSのエディションを確認し、もしHomeエディションならProにアップグレードすることを検討したい。また、念のためClaudeの契約プランもチェックしておこう。

OSエディションの確認
「設定」アプリを起動し、「システム」→「バージョン情報」へ
「Windows の情報」で「Windows 11 Pro」になっていればOK

 CoworkはClaudeの有料会員向けの機能で、個人ユーザーは「Pro」プラン以上の契約が必要になる。もしくは組織向けプラン(TeamまたはEnterprise)でも利用可能だ。

Claudeの契約プランの確認
デスクトップアプリでログイン後、左下のプロフィールアイコンから「設定」へ
「請求」画面に表示されているプランが「Pro」や「Max」であることを確認

 ちなみに、Windowsのログオンユーザー名や、Claudeアプリのインストールパスに日本語が含まれていると、アプリが起動しないことがあるという報告も上がっている。もしアプリが起動しない、正しく動かないというときは、そのあたりも確認しておこう。

 Windows PCで仮想化機能を有効にするには、BIOS/UEFI上での設定と、Windows上での設定の両方が必要になる。Windows 11 Pro以上が動作しているなら、BIOS/UEFIではすでに必要な設定がなされていることが多いはずだ。

仮想化が利用できない状況だとClaudeアプリ上でこのように表示される

 ただ、Windows 10時代に購入したPCで、その後Windows 11にアップグレードした、というようなケースではBIOS/UEFIのバージョンが古いままで仮想化機能が有効化されていない(できない)場合がある。BIOS/UEFIを最新にしたうえで、下記の手順で仮想化を有効にできるか確かめてほしい。

仮想化機能の有効化
PCの電源を入れた後、キーボードの「F2」キーや「Delete」キーでBIOS/UEFI画面へ
「Advanced」タブの「System Devices Configuration」へ
「VT-d」と「VMX」の項目が「Enabled」になっていることを確認(これはIntelのシステムの場合。AMDのシステムでは「SVM Mode」などをEnabledにする)
Windowsを立ち上げ、Claudeアプリを起動して「Cowork」タブで「有効にする」をクリック
再起動が促されることがあるので指示通りに
「仮想化は利用できません」の表示が消えれば準備OK

※上記の手順や画面イメージは参考です。機種によって起動方法やメニュー項目名、操作の仕方は異なります。マニュアルを参照のうえ設定してください

 これ以外にPCに求められるスペックについて公式には明示されていないが、ビジネスアプリケーションがストレスなく動作するCPU、メモリ、ストレージ容量があれば問題ないだろう。ただし、Claude Coworkの実行時にはたいてい多くのタスクが同時並行で動くことになるため、ある程度余裕のあるCPU性能を備え、メモリは16GB以上搭載していると安心だ。

 なお、Claude Coworkが動作する条件をPCが満たしているかどうかは公式ページの「私のコンピュータはClaude Coworkに対応していますか?」にあるチェック用プログラムでも一部確認できる。ダウンロードしてどう判定されるかあらかじめ確かめておくのもおすすめだ。

公式のツールでCoworkの動作要件を満たしているかどうかを簡単に確認できる

Claude Coworkに任せていいこと・いけないこと、安全に使うための注意点とは?

 Claude Coworkも他のクラウド型AIサービスと同様、処理の一部はクラウド側で行なわれる。つまり、ローカルにあるデータがインターネットを通じてサーバーに送られることがある点は頭に入れておく必要があるだろう。

 組織向けのプランではユーザーのコンテンツがモデルトレーニングに使用されないことが保証されている。一方、個人向けプラン(Pro/Max)ではデフォルトでトレーニングに利用される可能性があるため、設定画面からオプトアウトしておくことを推奨する。

 社外秘となるファイル・データを扱わせないこと、Webブラウザを使った操作で社内イントラネットにアクセスさせないこと、ID・パスワードでのログインが必要なWebサービスを操作させないこと、といったあたりは最低限のルールとして守っておくべきだ。

 また、Claude Coworkがアクセス可能なファイル・フォルダはあらかじめ指定した範囲に制限される。とはいえ、指示の仕方やAIの挙動によってはその中身に破壊的な結果をもたらす可能性もゼロではない。

最初に指定した作業フォルダ以外にはアクセスしないが、配下にあるファイルが壊されない保証はないので注意

 Claude Coworkでは安全性への配慮からファイル操作に一定の制限が設けられているが、それでも万一に備えてバックアップを取りつつ作業したい。会社のほかのチームメンバーもアクセスしている共有フォルダは処理対象にしないというのも基本的な作法として覚えておきたいところだ。

 それともう1つ、スマホからPC上の作業状況を確認できるDispatch機能は、PCが電源オフになっていたりスリープ状態になっていたりすると利用できない。常にPCは起動したままで、Claudeアプリも立ち上げたままにしておく必要がある。

 つまり、PCをつけっぱなしで離席することになるため、その間はPCが無防備になりかねない。離席時には必ず画面をロックするなど、情報漏洩防止の対策も忘れないようにしよう。

要件を満たすミドルクラスのビジネスノート「Dell Pro」

「Dell Pro 5シリーズ 14ノートパソコン」

 Coworkを活用した効率的なデスクワークを実現するにあたっては、クラウド処理になる部分も少なくないため、必ずしもハイエンドなPCは求められない。ミドルクラスのノートPCでも大いに戦力になるだろう。

 その意味では、デルのビジネスノート「Dell Pro」シリーズはいい選択だ。Hyper-Vの動作に必要なWindows 11 Proを標準でプリインストール。最新のCore Ultraシリーズ3搭載モデルもラインアップ。メモリは最大48GBを選択可能で、Claude Coworkを快適に動かすのに必要十分な性能を確保している。

 フォームファクタとしては、14型、16型のクラムシェルに加え、13型/14型の2-in-1もあり、利用形態に適したものを選べる。価格はメモリ16GB搭載モデルで20万円台からと、リーズナブルなのもうれしい。

 インテルvProプラットフォーム対応モデルも選択でき、仮想化環境においてハードウェアレベルのセキュリティを実現し、高い安全性・信頼性と企業における管理・運用の効率化を両立できる。Claude Coworkの動作要件を満たしたうえで、数年後まで見据えたスペックを備えるノートPCといえるだろう。

【表】Dell Proシリーズの構成例
製品New Dell Pro 5シリーズ 14ノートパソコン
CPUCore Ultra 5 335 vPro
メモリ16GB
SSD512GB
ディスプレイ14型1,920×1,200ドット表示対応/タッチ非対応
OSWindows 11 Pro
キーボード日本語
バッテリ容量45Wh
無線Wi-Fi 6+Bluetooth 5.4
価格27万2,443円(※7月上旬時点)

チャットとプログラミングの「いいとこ取り」?

 AIチャットでは複雑で負荷の高いルーチンワークを任せるのが難しい。かといってClaude Codeを使って日常作業をやらせるプログラムを作成するのはハードルが高い。Claude Coworkはそのちょうど間を取ったような機能ということもでき、気軽に指示できて、コーディング不要で、自律的に動いて柔軟に作業してくれるツールだ。

 すなわちCoworkはビジネスパーソンにとって仕事に一番役立てやすいツールでもある。Coworkを日常業務に活かしたい、本来業務ではない事務作業の負担を軽減したい、というモチベーションがあるなら、Dell ProシリーズのようなちょうどいいミドルクラスのノートPCとともに活用してみてはいかがだろうか。