トピック
Snapdragon搭載Surfaceの強みはバッテリ駆動時も性能が落ちないこと
~Windows 11 24H2で、ソフトや周辺機器の互換性問題も過去のものに
- 提供:
- クアルコム シーディーエムエー テクノロジーズ
2025年9月24日 11:00
CPUにQualcomm製SoC「Snapdragon X」シリーズを搭載するWindowsノートPC/タブレットが増加中だ。MicrosoftのSurfaceシリーズでは、個人向けモデルはすべてSnapdragonシリーズが採用されている。ただ、「Microsoftの製品だから」という理由でSurfaceシリーズを選んでいて、SoCはそこまで気にかけていない人もいるかもしれない。しかし、そういう感覚の人に伝えたいことがある。
それは、Snapdragon Xは、競合製SoCと比べて、バッテリ駆動時も性能の低下が少ないという点だ。モバイルノートやタブレットは、外に持ち出してバッテリで動かすことも多い。そこで性能低下が大きいと、家や会社では快適なのに、学校やカフェではもたつくといったことが起きる可能性がある。逆に言うと、Snapdragon X搭載機なら、そういったことを心配しなくていいということだ。
一方、Snapdragon Xについてある程度知っている人には、「Snapdragon X搭載機が採用するArm版Windowsは、x86版Windowsと比べて互換性が低い」ということを懸念している人もいるかもしれない。
しかしその懸念もおおむね過去のものとなりつつある。Windowsが持つ、膨大なソフトウェアはもちろんのこと、各種周辺機器について、主立ったものは対応が完了しつつある。また、ゲームについてもArm版Windowsへの対応が大きく進みつつある。
本稿ではこれら、「Snapdragon Xはバッテリ駆動時も性能低下が低い」、そして「各種ソフトや周辺機器がしっかり動作する」という点を改めて検証してみた。
Snapdragon搭載モデルではWindowsはArm版に
まずは、Snapdragonについて簡単に解説しておこう。Snapdragonは前述の通りQualcommが手がけるCPUで、どちらかと言うとスマホでの採用例が多い。近年はWindows PCへの採用も増えている。IntelとAMD製SoCがx86/x64アーキテクチャなのに対して、SnapdragonはArmアーキテクチャなのが最大の違いだ。そのためWindowsはx86/x64版とArm版に分かれている。
Arm版Windowsは登場当初こそx86/x64版との互換性が低く、高性能かつ低消費電力という特徴を生かした長時間のバッテリ駆動を重視する人が、そのあたりの事情も“分かった上で使う”という玄人向けの存在であった。しかし、Windows 11はバージョン24H2になり、x86/x64アプリのエミュレーター「Prism」の更新によって高い互換性とパフォーマンスを実現した。
さらに、Microsoft OfficeやAdobe Creative Cloud、Zoomに代表されるWeb会議系、Slackといったコミュニケーションツールなどの幅広いアプリでArmにネイティブ対応しているバージョンが登場しており、一般的なビジネスや家庭での利用シーンでは、互換性を意識する必要はほとんどなくなったというのが現状だ。
ゲームに関しても、大きな動きがあった。数多くの人気タイトルで採用されているチート防止用のEasy Anti-CheatツールがArm版のWindowsに対応したのだ。
これまでEasy Anti-Cheatツールは86/x64版のWindowsのみ対応だったので、Snapdragonの環境ではプレイできる人気タイトルはストリートファイター6など一部に限られていた。しかし、最近になりFortniteがArm版Windowsに近日対応することを表明した。Easy Anti-Cheatツールを採用するほかのタイトルでも追随が進むだろう。
7種類のデバイスで動作チェック!
x86/x64版とArm版でソフトウェアの互換性対応は大きく進んでいるが、ハードウェアはどうだろうか。自分が利用しているBluetoothデバイスやプリンタ、モバイルモニター、マイクなどがSnapdragonと搭載するPCでも問題なく使えるか、導入を考えている人は非常に気になるところだろう。
そこで、筆者が普段使っている7種類のデバイス類をSnapdragon X Plusを搭載するSurface Laptop 13インチで、制御や管理アプリも含めて問題なく動作するかチェックした。
まず1つ目はワイヤレス接続のヘッドセットとなるCorsairの「HS65 WIRELESS」だ。専用のUSBレシーバを使った2.4GHz接続とBluetooth接続が可能になっている。
Bluetooth接続はWindowsの設定にある「Bluetoothとデバイス」からペアリングでき、問題なく使用できた。そして、USBレシーバを使う2.4GHz接続でも利用が可能だった。
さらに、Corsair製品を総合的に管理できるiCUEアプリとの連携も問題なし。ボリュームやイコライザーの操作を行なえた。Arm版でも86/x64版と変わりなく使える。
2つ目は低価格でノイズキャンセリング機能を持つことから人気のBluetoothイヤフォン、Xiaomiの「Redmi buds 6 Lite」だ。Bluetoothのオーディオデバイスとしてペアリングでき、音楽を楽しんだり、マイクの使用もまったく問題なく行なえた。Arm版でも変わりなく使える。
3つ目はBluetooth接続のマウスであるエレコムの「Bluetooth Slint M-TM10BBBU/EC」だ。薄型で持ち運びしやすく、クリック音が小さい静音タイプなので場所を問わず使いやすいのが特徴となっている。これもBluetoothデバイスとして問題なくペアリングでき、使用できた。
4つ目はストリーマーにも人気のマイク、HyperX「QuadCast S」だ。USB接続のコンデンサーマイクで、防振、耐衝撃のショックマウントと内蔵ポップフィルタを搭載、ゲイン調整や指向性の変更、内蔵LEDのライティング制御も可能という多機能製品だ。
USBケーブルで接続するだけでマイクとして認識され、専用アプリであるHyperX NGENUITYも問題なく動作して、ライティングの変更や音量の調整を行なえた。これもArm版だと意識する必要はない。
5つ目はモバイルモニターのEVICIV「4K モバイルモニター 13.3インチ」だ。コンパクトな4Kモニターとして検証機材の表示用として便利に使用している。映像入力はUSB Type-CとMini HDMIを用意。USB Type-C接続なら別途電源の接続は不要だ。
Surface Laptop 13インチの右側面にあるType-Cは映像出力にも対応しているため、Type-Cケーブルでモバイルモニターと接続。問題なく映像を表示できた。表示画面の複製や拡張も行なえ、Arm版でも変わらずモバイルモニターを活用しての作業が可能だった。
6つ目は複合機インクジェットプリンタのブラザー「MFC-J739DN」だ。プリンタ、電話、ファックス、コピー、スキャンに対応する多機能タイプ。仕事の便利な相棒だ。PCとの接続はUSBケーブルのほか、Wi-Fi経由でも行なえる。普段はWi-Fi接続を使っているので、Surface Laptop 13インチとの接続もWi-Fiで試すことにした。
プリンタに関してはArm版はちょっと事情が異なる。各メーカーが用意したドライバには、まだArm版Windowsに未対応のものもあり、Windows標準のプリンタドライバの利用が推奨されている。
実際にMFC-J739DNのサポートページでは、Windows設定の「プリンターとスキャナー」からデバイスを追加を選び、検出したプリンタ、スキャナを追加する手順が掲載されている。MFC-J739DNがPCと同一のネットワーク内にあれば、問題なく追加が可能だった。印刷もスキャンもWindowsの標準機能で実行できる。
7つ目はHORIのゲームパッド「ファイティングコマンダー OCTA for Windows PC」だ。Arm版Windowsではストリートファイター6が動作するので、試すことにした。天面に6ボタンが配置された格闘ゲーム向けのパッドだ。USB接続で使用するが、ストリートファイター6でまったく問題なくプレイできた。
以上の通り、今回検証した7種類のデバイスは、CPUにSnapdragon X Plusを搭載し、Arm版WindowsとなるSurface Laptop 13インチですべて利用できた。まだArm版のドライバが提供されていないハードウェアは一部存在するものの、多くのユーザーが日常的に使うデバイスは動く環境が整っているといっていいだろう。
Surface Laptop 13インチのパフォーマンスをチェック
最後に今回動作チェックに使用したSurface Laptop 13インチのパフォーマンスを確認しておこう。Surface Laptop 13インチには、8コア8スレッドのSnapdragon X Plusが搭載されている。内蔵NPUの性能は45TOPSだ。比較対象として同じ8コア8スレッドのCore Ultra 5 226Vを搭載したノートPCを用意した。こちらの内蔵NPU性能は40TOPSになる。
今回は電源接続時とバッテリ駆動時の両方でテストを行なった。電源モードについてはSurface Laptop 13インチは「最適な電力効率」、比較対象のノートPCは「バランス」とした。
CGレンダリングでCPUパワーをシンプルに測定する「Cinebench 2024」では、すべてのコアを使用するMulti Core、1つのコアだけ使うSingle Coreのテストを行なった。
コア数は同じ8コアでも、Snapdragon X Plusの方がMulti Coreは高いスコアになった。Single Coreは電源接続時はCore Ultra 5 226Vが上回るが、バッテリ駆動時は逆転する。Snapdragon X Plusは、バッテリ駆動でもSingle Coreがほとんど下がらないためだ。Multi Coreは多少下がっているが、それでもCore Ultra 5 226Vを上回っている。
続いて、Microsoft OfficeのWord、Excel、PowerPointに加えWebブラウザのEdgeを実際に動作させてさまざまな作業を実行する「PCMark 10 Applications」を実行し、オフィスワークでの性能を確かめた。
総合スコアのApplicationsを見ると、電源接続時はCore Ultra 5 226Vがわずかに上だが、バッテリ駆動時はやはりSnapdragon X Plusが上回る。バッテリ駆動時はCore Ultra 5 226Vがスコアを1,812落としたのに対し、Snapdragon X Plusでの下落はわずか333。スマホ向けとして進化してきたSnapdragonはバッテリ駆動時でも高いアプリ処理性能を維持できるのが大きな強みだ。
最後はさまざまな推論エンジンを実行して総合的なスコアを出す「AI Computer Vision Benchmark」を実行した。Snapdragon XシリーズはQualcomm SNPE(Integer)、Core UltraシリーズはIntel OpenVINO(Integer)に設定。処理はNPUで実行している。
Snapdragon X Plusの方がNPU性能が高いので順当な結果だ。ここでもバッテリ駆動時のスコア減少は、Snapdragon X PlusがCore Ultra 5 226Vの半分以下で済んでいる。
Snapdragon X搭載機は性能が高く、互換性も実用上十分な状況に
以上の通り、SnapdragonとArm版Windowsの組み合わせは、投入初期に比べて互換性は格段に向上している。すべてのアプリやハードウェアがx86/x64版Windowsと同様に動くわけではないが、今回の検証を見て分かる通り、現在の主要なものはほとんど問題なく利用できる。Surfaceシリーズの個人向けモデルがすべてSnapdragonになったのは、バッテリ駆動時間が優秀と言うのもあるが、互換性への不安が小さくなった証拠だ。
性能面もIntel、AMDの同クラスCPUと比べて遜色なく、バッテリ駆動時では上回るシーンも多い。そしてSurface Laptopのバッテリ駆動時間は最大23時間と、1日の作業をフルカバーできる。ちなみに、今回比較用に検証したCore Ultra 5 226V搭載機では20時間とSurface Laptopより短い。バッテリ駆動での快適度を求めるなら、Surfaceを始めとしたSnapdragon搭載PCは非常に魅力的な選択肢となることを覚えておこう。




































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