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静音ハイスペなゲーミングPCの作り方、一から教えます!やっぱり自作PCは最高だな

~CORSAIRパーツで見た目にもこだわった完全組み立てマニュアル

最新のCPU/GPU、CORSAIRパーツを組み合わせたゲーミングPCの組み立て手順を紹介していく

  自作PCの醍醐味は、スペックや見た目を目的や予算に合わせて柔軟に対応できることだ。 組み立ては難しそうと思うかもしれないが、最新のパーツは取り付けやケーブルの接続が昔より簡単になっている。ドライバーなどの工具を極力使わないで済む構造が増えており、しばらく自作PCに触れていない人は驚くかもしれない。

 CPU、GPUとも各社から最新世代が出揃った2025年、ゲーミングPCを自作するタイミングとしては申し分ない。ここでは、現在人気のCPUとGPUに加え、組み立てもドレスアップも簡単にしてくれるCORSAIRパーツを活用したプランを紹介していこう。

 パーツ選択のポイントから、組み立て手順やライティングの設定まで詳しく解説していくので、これからゲーミングPCの自作を考えている人も、久しぶりに自作PCにチャレンジしたい人も参考になるはずだ。

自作PCに必要なパーツと選び方のポイント

 まずは基本的な情報からおさらいしよう。ゲーミング向けの自作PCには以下のパーツが必要だ。

  • CPU
  • マザーボード
  • ビデオカード
  • CPUクーラー
  • PCケース
  • 電源ユニット
  • メモリ
  • ストレージ

 映像出力を行なうGPU機能が内蔵されているCPUならモニターに表示はできるものの、3D性能が低いため、幅広いゲームを楽しむにはやはりビデオカードが必要だ。また、最近だと上位クラスのCPUにはCPUクーラーは付属していないことがほとんど。付属していても、冷却力や静音性を求めるなら別途用意することをオススメしたい。

 このほか、冷却力や見栄えにこだわるならLEDを内蔵するケースファンを追加するのもアリだ。

【CPU】ゲームキングの「Ryzen 7 9800X3D」がオススメ

 続いて、各パーツ選びのポイントを紹介しよう。まずはCPUから。 ゲーミングPCならAMDの「Ryzen 7 9800X3D」が筆頭の選択肢だ。 大容量キャッシュの第2世代3D V-Cacheがゲームのフレームレート(なめらかな描画)を底上げしてくれる。現在の“ゲームキング”と言えるCPUだ。

【CPU】AMD「Ryzen 7 9800X3D」
ゲーミングPCならAMDの「Ryzen 7 9800X3D」がもっともオススメ。8コア16スレッドのCPUで実売価格は9万3,000円前後

 ただし、Ryzen 7 9800X3Dはゲームに対しては高性能だが、8コア/16スレッドという構成なので並列処理にはそこまで強くはない。8コアのCPUとしては価格も高めだ。ゲームをプレイしながら配信もしたい、動画や画像編集もやりたいなど、CPU負荷の高い処理も視野に入れるなら「Ryzen 9 9950X3D」(16コア/32スレッド)やIntelの「Core Ultra 9 285K」(24コア/24スレッド)などを選択肢に入れるとよいだろう。

 その一方で価格を抑えたい場合でも、4コアではなく6コアのCPUから選びたい。最近はCPUパワーを要求するゲームが増えているためだ。2万円以下という条件を付けた場合、Ryzen 5 5600やCore i5-12400Fがオススメ。どちらも6コア/12スレッド仕様で実売価格は1万8,000円前後になる。

【マザーボード】初めてや久しぶりの自作なら組み立てやすい最新モデルを

 マザーボードは基板サイズとして、以下のフォームファクタが主流となっている。

  • ATX : 305×244mm
  • microATX : 244×244mm
  • Mini-ITX : 170×170mm
【マザーボード】ASRock「X870E Taichi」
ASRockの「X870E Taichi」。X870Eチップセットを搭載するハイエンドモデルだ。実売価格は8万4,000円前後

 組み合わせたいPCケースや設置スペースの都合でサイズを選べばよいが、小さくなるほど拡張性は低く、 長く使っていくならATXを選ぶのが手堅い。また、上位のチップセットほどよりパーツの性能を引き出せる機能と拡張性が揃っていると思っておこう。今時の上位チップセットは、AMDならX870EもしくはX870、IntelならZ890だ。

 初めてや久しぶりの自作であれば、最新チップセットを搭載するミドルレンジ以上、つまりちょっと高めのモデルをオススメしたい。基板や電源回路の品質、拡張性が高いので長く安心して使えるのはもちろん、パーツの着脱が簡単に行なえる機構が充実しているからだ。

 代表的なのがストレージのM.2 SSDを工具不要で取り付けできたり、ビデオカードのロックやその解除をワンタッチで行なえたりする機構だ。使いたいCPUに対応するものの中から、組み立てやすさをウリにしているモデルから選ぶのがよいだろう。

 今回はRyzen 7 9800X3Dに対応するマザーボードから、ASRockの「X870E Taichi」をチョイスした。堅牢な電源回路、4基のM.2スロット、2基のUSB4ポート、5Gbpsの有線LAN、Wi-Fi 7など設計面も拡張性も充実しているためだ。M.2 SSDを工具不要で取り付け可能、ビデオカードを簡単に着脱できる機構も備えている。

【ビデオカード】2025年春の注目はAMDの「Radeon RX 9070」シリーズ

  ビデオカードは最新世代から予算や目的に合わせて選ぶのがセオリーと言える。最新世代ほど基本性能が高いのはもちろん、フレーム生成やアップスケールといった機能面も充実しているからだ。

【ビデオカード】ASRock「Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」
ASRockの「Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」。RX 9070 XTと採用するオーバークロックモデル。実売価格は15万3,000円前後

 そこでここでは、Radeon RX 9070シリーズから上位のRX 9070 XTを搭載するASRock「Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」を選択。人気ゲームの「モンスターハンターワイルズ」を最高画質& 4K解像度でも余裕で快適に遊べるパワーを持つ。

 この製品はゲームクロックを定格の2,400MHzから2,570MHzまで向上させたオーバークロック仕様だ。Radeonの弱点であったAIやレイトレーシング性能を大幅に強化、アップスケールやフレーム生成でフレームレートを向上させる「FSR 4」などにも対応している。

【CPUクーラー】静音性と冷却力を両立するなら大型簡易水冷クーラーを

  Ryzen 7 9800X3Dのような最近の上位CPUでは、ほとんどCPUクーラーが付属しておらず、別途用意が必要となる。空冷か水冷からタイプを選ぶことになるが、冷却力、静音性、ドレスアップといった要素を満たしたい場合は大型の簡易水冷クーラーがオススメだ。

【CPUクーラー】CORSAIR「iCUE LINK TITAN 360 RX LCD」
CORSAIRの簡易水冷クーラー「iCUE LINK TITAN 360 RX LCD」。実売価格は3万円前後

 チョイスしたのは、360mmラジエータクラスからCORSAIRの「iCUE LINK TITAN 360 RX LCD」だ。詳しい解説は後述するが、独自のiCUE LINKシステムをサポートし、対応デバイスをiCUEアプリで一括管理できるのが便利なところ。ファンは3基で、水冷ヘッドには制御可能なRGB LEDや、CPU温度をはじめさまざまな情報を表示できるディスプレイを備えている。

 また、FlowDrive冷却エンジンとiCUEアプリの制御によって、高い冷却性と静音性を両立しているのも大きな特徴だ。iCUE LINK対応デバイスを制御するためのiCUE LINKシステムハブもセットになっている。

空冷のCPUクーラーを標準で付属しているCPUも存在しているが、ほとんどはトップフローの小型タイプ。動作音は大きめであることが多い

 なお、CPUクーラー付きのCPUを選べば予算を減らすことが可能だ。ただし、大型の空冷、水冷クーラーに比べて静音性や冷却力はやや劣ることになる。

【PCケース】見た目と組みやすさなら大型ケースを選びたい

 PCケースは毎日見るものなので、まずは見た目の好みで絞るのがよいだろう。ただ、 使うパーツが問題なく組み込めるかは必ずチェックしておこう。PCケースのスペックには、対応するビデオカードの長さやCPUクーラーの高さのほか、簡易水冷クーラーのサイズやファンの取り付け個数なども記載されている。

【PCケース】CORSAIR「FRAME 4000D RS ARGB Black」
CORSAIRのミドルタワーPCケース「FRAME 4000D RS ARGB Black」。実売価格は1万7,000円前後

 見た目にこだわるなら、前面、側面とも強化ガラスとなるピラーレスPCケースがオススメだ。使い勝手を重視するなら前面部分に搭載されている端子の種類や数も確認しておきたい。

 今回選択したのはCORSAIRのミドルタワーケース「FRAME 4000D RS ARGB Black」だ。239×490×486mmとやや大きめのケースではあるが、ビデオカードは長さ430mm、CPUクーラーは全高170mm、電源ユニットは奥行き220mmまで対応。簡易水冷クーラーも前面、側面、天面とも360mmラジエータクラスまで取り付け可能と制約が少ないのが強み。

 さらに、両側面、前面、天面とも簡単にパネルを取り外し可能で、フレームも最小限な構造なので、パーツを非常に組み込みやすい。ケーブルの取り回しもラクなので、自作PC初心者にもオススメだ。

【電源ユニット】最新のATX 3.1規格対応モデルがオススメだ

 電源ユニットは長く使えるパーツの1つ。それだけに、 最新規格であるATX 3.1およびPCIe 5.1対応のモデルから選びたい。 12V-2x6コネクタを備えており、最新のビデオカードを安心して使えるためだ。電力を無駄なく使うための電源効率については、80PLUSとCybenetics ETAという認証が存在するので、購入時に確認するとよいだろう。

【電源ユニット】CORSAIR「RM1000e ATX3.1」
CORSAIRのATX 3.1対応電源ユニット「RM1000e ATX3.1」。出力は1,000Wでフルプラグイン形式だ。実売価格は2万5,000円前後

 このほか、 組み立てやすさを考えるならすべてのケーブルが着脱できるフルプラグイン形式のモデルがオススメだ。動作に必要なケーブルだけに絞れるので、PCケース内部の配線をまとめやすくなる。

 電源容量については消費電力の大きいビデオカードを基準に考えるのがよいだろう。たとえば今回使用するRadeon RX 9070 XT Taichi 16GB OCの推奨電源は850W以上だ。GeForce RTX 5090など超ハイエンドクラスのビデオカードを搭載する場合は1,000W以上がオススメする。

 ここでは、CORSAIRのATX 3.1対応電源ユニット「RM1000e ATX3.1」を選択した。奥行き140mmとコンパクトながら1,000Wの出力があり、Cybenetics Gold取得と電源効率も優秀だ。フルプラグインなのでケーブル接続も最小限にできる。7年と保証期間も長期だ。

【メモリ】ゲームプレイなら32GB搭載すれば十分だ

 メモリの種類は利用するマザーボードに合わせて選択する。現在はDDR5メモリが主流だ。動作クロックについては、CPUが対応する定格クロックに合わせるのがセオリーと言えるが、それより低くても高くても動作自体に問題はない。

【メモリ】CORSAIR「DOMINATOR TITANIUM RGB」
CORSAIRのDOMINATOR TITANIUM RGB。DDR5-6000で16GB×2枚セットのモデル(CMP32GX5M2B6000Z30)は実売価格3万1,000円前後だ

  ゲーム目的ならば、16GB×2枚のセットが定番だ。32GBの容量があれば、ゲームプレイはほぼ問題ない。 高解像度での動画編集なども考えているなら、32GB×2枚セットでもよいだろう。

 メモリは製品の種類が多い。見た目で選ぶなら、上部にRGB LEDを搭載したものもよいだろう。ここでは、CORSAIRの「DOMINATOR TITANIUM RGB」からDDR5-6000で16GB×2枚セットのモデルをチョイスした。大型のヒートシンクとRGB LEDを組み合わせた重厚なデザインが特徴的だ。iCUEアプリでほかのCORSAIRデバイスと一括でLEDの色や発光パターンを制御できるのが便利だ。

【ストレージ】PCIe 4.0/5.0対応のNVMe SSDから1TB以上のモデルを選ぼう

  OSやゲームのインストール先となるストレージは、PCIe 4.0または5.0対応のNVMe SSDがオススメ。 Windows 11と組み合わせることで、ゲームのロード時間を劇的に短縮できるDirectStorageが使えるためだ。モンスターハンターワイルズもこの機能に対応している。なお、 最近のゲームはインストールに100GB以上必要になることもあるため、容量は1TB以上を選びたい。

【ストレージ】CORSAIR「MP600 ELITE」
CORSAIRのNVMe SSD「MP600 ELITE」。PCIe 4.0 x4接続に対応する。1TBモデルで実売価格は1万7,000円前後

 今回はPCIe 4.0 x4接続に対応したCORSAIRの「MP600 ELITE」からヒートシンクなしの1TBモデルを選択した。3D TLC NANDを採用し、1TBモデルでリード最大7,000MB/sと高速。耐久性の目安となるTBWも600TBと高い。

CORSAIRの「iCUE LINK」を使えば組み立てはもっとラクになる

 今回のゲーミングPC自作プランでは、CORSAIR独自の「iCUE LINK」対応のCPUクーラーなどを採用した。 iCUE LINKは、対応デバイスをデイジーチェーン(数珠つなぎ)で接続でき、それを「iCUE LINKシステムハブ」で一括管理できるのが最大の強みだ。

 通常、PCケースにLED付きのファンを複数搭載すれば、その数の分だけLEDと電源のケーブルが出てしまい、PCケース内部の配線を難しくする。 その点、iCUE LINKならファン同士を連結したり、iCUE LINKケーブルでデイジーチェーン接続したりすることができる。iCUE LINKではファンの電源とLEDを1つのコネクタにまとめているので、ケーブルの数も最小限に抑えられる。

CORSAIRのiCUE LINKを使えば組み立てがもっと簡単に
iCUE LINKはデイジーチェーン対応なので、離れた場所にあるファン同士もiCUE LINKケーブルで直接接続できる
iCUE LINKでは電源とLEDが1つのコネクタにまとめられているので接続がシンプルになる。ファン同士は専用のコネクタで直接連結でき、ケーブルが要らないのも便利

 そこで今回は、PCケース「FRAME 4000D RS ARGB Black」に標準で前面に3基取り付けられているケースファンを、iCUE LINKに対応する「iCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kit」に交換する。3基のファン、iCUE LINKシステムハブ、iCUE LINKケーブルがセットになった増設に便利なキットだ。

【ケースファン】CORSAIR「iCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kit」
iCUE LINKに対応する120mm角ファンを3基セットにした「iCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kit」。iCUE LINKシステムハブ、iCUE LINKケーブルも付属し、実売価格は1万7,000円前後
より安価な下位モデルも
iCUE LINK対応品でもう少し予算を抑えたい場合は、下位モデルの「iCUE LINK RX120 RGB Starter Kit」も選択肢の1つとなる

 最後に今回のプランを表にまとめておこう。

【表】今回製作した自作PCの構成
カテゴリメーカー名・製品名実売価格
CPUAMD Ryzen 7 9800X3D
(8コア/16スレッド)
9万3,000円前後
マザーボードASRock X870E Taichi
(AMD X870E、ATX)
8万4,000円前後
メモリ CORSAIR DOMINATOR TITANIUM RGB
(DDR5-6000 16GB×2)
3万1,000円前後
ビデオカードASRock Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC
(AMD Radeon RX 9070 XT)
15万3,000円前後
ストレージ CORSAIR MP600 ELITE
(M.2、PCIe 4.0 x4、1TB)
1万7,000円前後
CPUクーラー CORSAIR iCUE LINK TITAN 360 RX LCD
(360mmラジエータ、簡易水冷)
3万円前後
PCケース CORSAIR FRAME 4000D RS ARGB Black(ATX)1万7,000円前後
電源ユニット CORSAIR RM1000e ATX3.1
(1,000W、Cybenetics GOLD)
2万5,000円前後
ケースファン CORSAIR iCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kit1万7,000円前後
OSWindows 11 Pro2万3,000円前後
合計49万円前後

組み立て手順を一挙紹介!必要な工具はプラスドライバー1本だけ

 ここからは、ここまで紹介してきたパーツを使って実際に組み立て手順を解説していく。組み立てに必要な工具は「No.2」や「2番」という規格のプラスドライバー1本だ。先端が磁石になっているタイプのほうが、ネジがくっつくので組み立てやすい。

 また、最近のパーツは紙のマニュアルが同梱されておらず、Webサイトで確認するパターンが多いので、組み立て時はスマホやノートPCを用意しておいたほうが作業がスムーズだ。

 それでは実際に組み立てる様子を交えつつ、以下のステップに分けてその手順を解説していこう。

  • 1.マザーボードにCPUを取り付ける
  • 2.マザーボードにメモリを取り付ける
  • 3.マザーボードにSSDを取り付ける
  • 4.PCケースに電源ユニットを取り付ける
  • 5.ケースファンをiCUE LINK対応品に変更する
  • 6.PCケースにマザーボードを取り付ける
  • 7.PCケースにCPUクーラーを取り付ける
  • 8.各ケーブルをマザーボードに接続する
  • 9.ビデオカードを取り付ける
  • 10.各種ケーブルを接続/整理する
  • 11.電源を入れてUEFIからパーツの接続確認や設定を行なう
  • 12.Windows 11と各種ドライバをインストールする

【ステップ1】マザーボードにCPUを取り付ける

 まずはCPUを取り付ける。ソケットにあるレバーのロックを解除し、カバーを開いてCPUを設置する。このとき、CPUとCPUソケット左上にある▲マークや切り欠きの位置が合っているか確認しよう。カバーを閉じて、レバーを戻すと完了だ。

マザーボードにCPUを取り付ける
CPUソケットにあるレバーを右に押してロックを解除し、引き上げる
ソケットカバーの両脇をつまみ持ち上げる。これでCPUソケットの接点が見える
CPUの両脇をつまんで持ち上げ、左上にある▲マークとCPUソケットの左上にある▲マークを合わせる
CPUをCPUソケットにそっと設置する。上下のへこみがCPUソケットの突起部分にしっかりはまっているか確認しよう
カバーを閉じてレバーを戻す。これで自動的にソケットを保護するプラスチックのカバープレートが取れる。このカバープレートはマザーボードの保証を受ける際に必要な場合があるので保管しておこう
【CPUの取り付け方を動画で紹介】

【ステップ2】マザーボードにメモリを取り付ける

 メモリは、スロット両端のフックを開き、メモリ端子のへこみ部分がスロットの仕切りの位置と合うことを確認してから、フックが戻るまで垂直にしっかり差し込む。メモリスロットには優先順位があるため、注意しよう。

マザーボードにメモリを取り付ける
今回のマザーボードには4本のメモリスロットがあるが、最初に取り付ける位置はシルク印字で確認可能だ。多くの場合は、CPUソケットから見て2番目と4番目のスロットから使用する
メモリスロットの両側にあるフックを開く
メモリの端子部分にあるへこみとメモリスロットの仕切りの位置を合わせる
メモリを垂直に挿し込む。両側のフックが自動的に戻ってメモリが固定されるまでしっかりと押し込もう
同じ手順でもう1枚も取り付ける

【ステップ3】マザーボードにSSDを取り付ける

 続いてSSDを取り付けよう。基本的にCPUソケットに近いM.2スロットから使用すればよい。SSDをスロットに差し込み、フックで固定する。ヒートシンクやM.2スロットに熱伝導シートが貼られている場合、保護シールをはがし忘れないよう気を付けよう。

マザーボードにSSDを取り付ける
今回のマザーボードは全部で4基のM.2スロットを搭載する。基本はCPUソケットに一番近いM.2スロットから利用するのがセオリーだ。M.2スロットに備わっているヒートシンクを上のロックをスライドさせて解除して取り外す
ヒートシンク側とM.2スロット側の両方に貼られている熱伝導シートの保護シールをはがす
M.2 SSDを斜め方向にして、M.2スロットの端子に挿し込む。凹凸が付いているので逆に挿す心配はない
M.2 SSDを倒し、スロットの反対側にある回転式のフックを回してSSDを固定する
M.2スロットのヒートシンクを元に戻す。しっかりロックされているか確認を忘れずに

【ステップ4】PCケースに電源ユニットを取り付ける

 ここからはPCケースにパーツを組み込んでいくが、事前準備としてケースの側面や天面パネルを取り外そう。

ケースのパネルを取り外す
PCケースに電源ユニットを組み込んでいく前に、まずPCケース両側面の後ろ側にあるネジを回してゆるめ、背面側から片方ずつ持ち上げる。これで取り外しが可能だ
天面も外す。天面に簡易水冷クーラーの取り付けるためだ。同じく後ろのネジをゆるめて、後方に引っ張れば取り外せる

 ケース内部にはまず電源ユニットを組み込んでいく。今回フルプラグインのものを採用したため、あらかじめ必要なケーブルを接続しておこう。

PCケースに電源ユニットを取り付ける
電源ユニットはフルプラグインなので、先に必要なケーブルを装着する。今回の場合、EPS12V電源ケーブルを2本、ATX24ピンメイン電源ケーブル、12V-2x6電源ケーブル、PCIeケーブルをそれぞれ1本接続する
電源ユニットのファンを下側にして、右側面からPCケース内部に入れていく。ケーブルの数が多いので手でまとめながら入れていこう
今回のPCケースはあらかじめ電源ユニット固定用のネジが用意されているので、それをプラスドライバーで回してしっかりと固定する。ちなみにユニット背面のスイッチを「I」側に切り替えないと、各種パーツに電力が供給されず、PCの電源が入らない

【ステップ5】ケースファンをiCUE LINK対応品に変更する

 PCケースによっては標準でケースファンが搭載されているものもあるが、より高性能/高機能なものに交換することもできる。今回のプランではiCUE LINK対応のファンを別途用意しているので取り替えよう。

ケースファンをiCUE LINK対応品に変更する
今回使うPCケースには前面にLED内蔵の120mm角ケースファンが3基搭載されている。これをiCUE LINK対応ファンに変更していく。前面パネルは引っ張れば簡単に外すことが可能だ
3基のファンは前面側からネジで固定されている。それぞれプラスドライバーで外し、ケースから取り出そう
続いて交換用のiCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kitにある3基のファンに連結用のコネクタを取り付け、3基を接続する
3基接続したファンの一番下側には、600mmの長いiCUE LINKケーブルを先に取り付けておく。PCケースに組み込んでから取り付けるのが難しいためだ
ファンの向きを確認しておく。今回はPCケースの前面から吸気する形で装着する。風の向きはファンの側面に矢印で書いてある
iCUE LINK RX120 MAX RGB Starter Kitに付属するネジでPCケースの前面に固定していく。最後に前面カバーを元に戻す

【ステップ6】PCケースにマザーボードを取り付ける

 PCケースにマザーボードを取り付けていく。今回は水冷CPUクーラーを使用し、ラジエータを天面に装着するので、その周辺に配線するケーブルは先に接続しておくとよい。

PCケースにマザーボードを取り付ける
マザーボードのCPUソケット上下に取り付けられているプラスチックのブラケットを取り外す。4カ所のネジを外せば、取り除くことが可能だ。取り除いたあとのネジ穴をCPUクーラーの水冷ヘッド固定に利用する
マザーボードを入れる前にPCケースのマザーボード設置スペースにあるスペーサー(マザーボードを固定するためのネジ穴)の位置を確認しよう。今回のマザーボードはそのままの位置で問題ないが、ネジ穴が合わない場合は付け直す
PCケースとマザーボードのバックパネル位置を合わせて組み込んでいく
PCケースの中央スペーサーは凸形状になっているので、マザーボード中心の固定穴がそこに合うように置く
PCケース付属のインチネジをスペーサーに取り付けて、マザーボードを固定する
付属のインチネジ
電源ユニットに接続した8ピンのEPS12V電源ケーブル2本をマザーボードのEPS12V電源コネクタに取り付ける。簡易水冷クーラーのラジエータを天面に固定してからだと取り付けが難しくなるので、この段階で接続することが重要だ

【ステップ7】PCケースにCPUクーラーを取り付ける

 続く作業はCPUクーラーの装着だ。ラジエータや水冷ヘッドの取り付けとともに、ケースファンなどとiCUE LINKで接続する作業もあわせて進めていく。引き続き一部のケーブルはラジエータ固定後だと配線が難しくなるため、手順には注意が必要だ。

CPUクーラーを取り付けるための準備をする
簡易水冷クーラーと付属品。iCUE LINKのシステムを構築するためのケーブルが多いので、あらかじめマニュアルを見てそれぞれの役割を確認しておこう。今回のクーラーはラジエータにあらかじめ3基のファンが装着されている
CPUクーラーに付属するタコケーブルをマザーボードのCPU_FAN1コネクタに接続する。これはマザーボードに対してCPUファンが取り付けられていることを認識させるためのケーブルだ
同じくCPUクーラーに付属する600mm iCUE LINKケーブル(片方のコネクタがL時ではなくストレート形状のタイプ)を右側面の上部からPCケース内部へと垂らしておく。これもラジエータ固定後に入れるのが難しいため、先にやっておこう
CPUクーラーには標準だとIntel LGA 1851/1700用のブラケットが取り付けられているので、AMD Socket AM5/AM4用のブラケットに変更する。スライドさせるだけでブラケットは着脱が可能だ
付属する250mm iCUE LINKケーブルをCPUクーラーのファンに取り付ける。これもケース内部に装着してからは接続が難しいためだ
PCケース天面にはレールをスライドさせることで複数サイズのファンや簡易水冷クーラーに対応できる「InfiniRailシステム」を搭載。今回は120mm角ファンが3基の360mmクラスなので「120」の位置にレールを動かして固定する
ラジエータを天面に入れるタイミングで、前面に取り付けたiCUE LINK対応ファンの上部に、CPUクーラーに接続した250mm iCUE LINKケーブルを取り付ける。これでCPUクーラーとケースファンがデイジーチェーン接続されるわけだ

 準備ができたらCPUクーラーを取り付けていこう。今回はケース天面側にラジエータを設置する。

ラジエータや水冷ヘッドを装着する
ラジエータをPCケースの内側から天面側に入れていく。今回はラジエータの水冷ホースが前面側になる向きで設置した
CPUクーラーに付属するファン固定用のネジとワッシャーを使ってラジエータを固定する
水冷ヘッドのマウンタをCPUソケットのネジ穴に合わせてCPUの上に乗せる
今回のCPUクーラーはあらかじめグリスが塗られている
マウンタにある4本のネジを固定していく。1つのネジを一気に締めず、均等に締めておこう
PCケース内部に垂らしておいた600mm iCUE LINKケーブルを水冷ヘッドのiCUE LINKコネクタに接続する

 CPUクーラーが装着できたら付属のiCUE LINKシステムハブを取り付ける。今回はケースも同じくCORSAIR製なので、裏配線側にハブを固定するためのくぼみがあらかじめ用意されている。マグネットでピタッとくっつくため工具も必要ない。

iCUE LINKシステムハブを取り付ける
CPUクーラーに付属するiCUE LINKシステムハブの動作に必要なケーブルを取り付ける。PCIe電源ケーブル、Micro USB 2.0ケーブル、そしてすでにマザーボードに接続したタコケーブルの3種類だ
水冷ヘッドと前面ケースファンの下部に取り付けたiCUE LINKケーブルをiCUE LINKシステムハブに接続する。ケースにはハブ固定用のエリアも用意されている

【ステップ8】各ケーブルをマザーボードに接続する

 電源やUSB、音声など、マザーボード関連の残ったケーブルを接続していく。電源/リセット/LED用といったケーブルは、各ケーブルがバラバラで極性に注意する必要があるなど、以前は面倒な作業の1つだったが、最近ではひとまとめになっているものが多く、手間がかからなくなっている。

各ケーブルをマザーボードに接続する
マザーボードの全体写真だ。電源コネクタやUSBのピンヘッダなどは外周部に備わっている。それぞれ電源ユニットのケーブルやPCケース前面のUSBピンヘッダケーブルなどを接続していく
電源ユニットのATX24ピンメイン電源ケーブルを接続する。フックがしっかりかかるまで挿し込もう
PCケースの電源スイッチ、リセットスイッチ、各種LED用ケーブル。今回のPCケースは「F_PANEL」ケーブルとしてまとまっており、マザーボードのPANEL1コネクタにピンの切り欠きを確認して挿し込むだけだ
PCケースのUSB 3.0ピンヘッダと前面USB Type-C端子用ケーブルをそれぞれマザーボードに接続する
PCケースの前面サウンド端子用ピンヘッダケーブルをマザーボードの「HD_AUDIO1」コネクタに取り付ける
iCUE LINKシステムハブのUSB 2.0ピンヘッダケーブルをマザーボードのUSB 2.0ピンヘッダコネクタに接続する

【ステップ9】ビデオカードを取り付ける

 ビデオカードを装着する。マザーボードのPCIeスロットの位置にあわせてブラケットを外し、カードをマザーボードに差し込もう。今回はビデオカードを支えるサポートステイがケースに付いているので、そちらもあわせて調整する。

ビデオカードを取り付ける
拡張スロットを保護しているPCケースの拡張ブラケットを取り外す。今回のマザーボードとビデオカードの組み合わせでは、上から3番目から5番目の3本分を外せばOKだ
ビデオカードをマザーボードのPCIe 5.0 x16スロットに取り付ける。垂直に入れてゆっくりと挿し込んでいこう。完全に挿さるとカチッとフックがかかる音がする
拡張ブラケットを固定していたネジを使ってビデオカードをネジ止めする
PCケース内部にあるビデオカードを支えるためのサポートステイの高さを調整する。ネジを回せばゆるみ、高さを変えられる。高さが決まったら再びネジを締める
ビデオカードに電源ユニットの12V-2x6ケーブルを取り付ける。大電力が流れるケーブルだけにフックがかかるまでしっかり挿し込むことが大切だ

【ステップ10】残りのケーブルを接続/整理する

 残った各種ケーブルを接続し、配線を整える。今回はiCUE LINKによってケーブルの数が減っていることに加え、ケース内部に余裕があり、面ファスナーも装備されている。うまく活用してケーブルをキレイに整理しよう。ケーブル整理のコツとしては、太いケーブルを上側に持ってくると見栄えよくまとめやすい。

各種ケーブルを接続/整理する
最後にiCUE LINKシステムハブのPCIe電源ケーブルを電源ユニットのPCIe用電源ケーブルから接続
ケーブルもキレイに整理しておこう
ケーブル接続を済ませたPCケースの内部。余裕のあるケース内部やケーブルの少なさによってすっきりとまとめやすい。美しい内部を実現するのにも今回の構成は有効だ
天面、両側面のパネルを戻してハードウェア面は完成だ

【ステップ11】電源を入れてUEFIからパーツの接続確認や設定を行なう

 組み立てが完了したら、電源ケーブル、モニター、マウス、キーボード、LANケーブルなどを接続して電源を入れよう。PCを起動したらキーボードの「Delete」キーを何度か押し、UEFIを表示して、パーツが正しく装着できているか確認しつつ、設定に移ろう。

UEFIでパーツの接続確認や設定を行なう
電源スイッチを押してPCを起動したら、キーボードの「Delete」キーを何度か押してUEFIメニューを表示させる。日付が正しいか、メモリやストレージは認識されているかを確認しておこう
今回はDDR5-6000のメモリを採用しているが、標準では4,800Hzのクロックで動いている
6,000MHzの動かすためにはStorage Configurationにある「Auto」をクリックして「EXPO」に切り換えて、「F10」キーを押して設定を保存する
再起動後、再びUEFIメニューを表示させてメモリの欄に「6000MHz」と表示されていればOKだ

【ステップ12】Windows 11と各種ドライバなどをインストールする

 パーツが正常に認識され、UEFIの設定も完了したら、OSやドライバなどのインストールに進もう。PCに搭載したストレージが空なら、インストール用USBをPCに接続して電源を入れるとOSのインストール画面が表示されるはずだ。表示されない場合は、UEFIから起動時に読み込むドライブとしてインストール用USBを選ぶ必要がある。なお、各種インストール画面はソフトウェアのバージョンによって一部異なる場合がある。

Windows 11をインストールする
今回はパッケージ版のWindows 11 Proを使用している。パッケージ版にはインストール用のUSBメモリが入っているのでそれをPCのUSBポートに接続して電源を入れる。ストレージが空の状態ならば、そのままOSのインストール画面が表示されるはずだ
Windows 11のセットアップウィザードが表示されたら画面の指示に従って作業を進めていく
プロダクトキーの入力画面では、パッケージ内のカードに記載されているプロダクトキーを入力
セットアップの途中ではMicrosoftアカウントを入力する。あらかじめ作っておくと作業がスムーズだ。パスワード入力や二段階認証などもここで行なわれる
各種ドライバとOSのアップデートをインストールする
今回のマザーボードではWindows 11のインストール後、ネットワークに接続されれば自動的に「Auto Driver Installer」が起動するので「はい」をクリック
必要なドライバ類を自動的にインストールしてくれる。ASRock製マザーボードの標準機能で、インストール後は自動的に消去される便利なアプリだ
ビデオカードのドライバはAMDのサポートページからWindows用の最新ドライバをダウンロードしてこよう
ダウンロードしたファイルを実行して、最新のドライバをインストールする
Windows Updateを実行して最新の状態に更新しておこう
「iCUE」アプリなどユーティリティをインストールする
次にCPUクーラーやケースファンなどiCUE LINK対応デバイスを制御するための「iCUE」アプリをCORSAIRのWebサイトからダウンロードする
ダウンロードしたファイルを実行してiCUEをインストールする
マザーボードとビデオカードのLEDを制御するための「ASRock Polychrome RGB」をASRockのWebサイトからダウンロードしてインストールを行なう
自作ゲーミングPCが完成!
これで組み立てたゲーミングPCを使うための準備は完了だ(画像はライティングの変化が分かりやすいよう早送りしたもの)

iCUEで簡易水冷クーラーもファンもメモリも一括管理

 組み上がったところで、LEDの発光色や発光パターンの制御について紹介しておこう。今回の構成では、メモリ、簡易水冷クーラーの水冷ヘッドとファン、前面の3基のファンについてはCORSAIRのiCUEアプリで制御可能だ。キャンバス機能を使えば、一括で好きなカラーに設定できるのも便利なところ。

iCUEの設定画面
iCUEのキャンバス機能を使えば、対応するデバイスのライティングを一括で制御できる。ホワイトの設定を作れば、ワンクリックでまとめてホワイトカラーに変更が可能だ

 ただ、今回の構成ではマザーボードとビデオカードはASRock製なのでiCUEでは制御ができない。別途「ASRock Polychrome RGB」アプリが必要だ。マザーボードとビデオカードは連動させてライティングを制御可能となっている。iCUEで作ったカラーに合わせて調整するのがよいだろう。

ASRock Polychrome RGBの設定画面
ASRock Polychrome RGBはマザーボードとビデオカードのライティングを合わせて制御できる

 このほか、iCUEを使えば水冷ポンプや簡易水冷クーラーのファン、前面ファンを一括で回転数を変更したり、個別に設定も行なえる。前面ファンだけ回転数を高めたい、といったことも簡単だ。今回の構成では搭載しているファンをすべてiCUEで制御できる。iCUE LINKに対応したデバイスで固めたときの強みだ。

iCUEはファンの設定もできる
iCUEで搭載しているファンや水冷ポンプの回転数をまとめて制御できる。もちろん個別設定も可能だ

重量級ゲームも4Kで遊べるパワーを驚くほど静かに使える

 ここからはゲームでのパフォーマンスをチェックしていこう。次の描画負荷の高いタイトルを実行する。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)の3種類だ。ともに最高画質設定(FSR/フレーム生成有効)でベンチマークを実施している。

  • モンスターハンターワイルズ
  • サイバーパンク2077
  • アサシン クリード シャドウズ
最高画質設定時のフレームレート
4K解像度でも平均100fps以上を達成

 どれも最高画質設定は現役のゲームとしてトップクラス描画負荷だ。それでも4K解像度でどれも平均100fps以上を出している。ほとんどのゲームが4Kまで快適に遊べるパワーがあると言ってよいだろう。

 冷却力と動作音も確認しておこう。サイバーパンク2077を10分間動作させたときのCPUとGPUの温度推移を「HWiNFO Pro」で測定している。CPUが「CPU (Tctl/Tdie)」、GPUが「GPU Temperature」の値だ。

CPUとGPUの温度推移
サイバーパンク2077を10分間動作させて計測

 動作音については正面、天面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を置いて測定した。iCUEによる水冷ポンプやファンの制御はすべて「安定」に設定している。

動作音
正面、天面、背面のそれぞれ10cmの位置で測定

 ここで作成したゲーミングPCはかなり高めのスペック構成だが、CPUは平均59.8℃、GPUは平均52.7℃と驚くほど低い温度だ。今回は背面側にファンは搭載していないが、前面にある3基のファンによる吸気、天面にある簡易水冷クーラーによる排気がうまく機能しており、長時間のゲームプレイも余裕でこなせる。

 そして、これだけの冷却力を持ちながら動作音がどこの場所で測定してもとても静か。音が漏れやすい冷却重視のPCケースながら、ほとんどファンの音が気にならないレベル。冷却力と静音性の絶妙なバランスを取るiCUEの制御は優秀だ。

ハイエンド構成でもかなり静か!
CORSAIRパーツとiCUEで冷却性と静音性を両立

最新パーツなら取り付けも制御もお手軽に!

 さて、ここまでゲーミングPCを自作するためのパーツ選択のポイントから、組み立て手順、実際のパフォーマンスまで紹介してきた。最新のマザーボードやPCケースはパーツを簡単に組み込めるデザインや機能が進化しているのが最大の特徴だ。

 そのため、 最近の自作PCは初心者でもチャレンジしやすくなっており、CORSAIRのiCUE LINK対応デバイスを活用すれば、ケーブル接続を簡素化でき、LEDやファンもiCUEアプリでまとめて制御できる。

 自分好みの性能や見た目のゲーミングPCを追求したいならCORSAIRのパーツを使ってPCを組み立ててみてはどうだろうか。自作PCなら、数年後にビデオカードをもっと高性能なものに変えたり、ストレージを増設したりなどの後々のアップグレードもしやすい。将来的に長く使える愛機となってくれることだろう。