トピック

このスペックで約899g!「dynabook RJ74/MY」は最上位モバイルノートを求めるユーザー向けだ

~インテルCore Ultraプロセッサー搭載でIntel vProプラットフォームにも準拠

Dynabook「dynabook RJ74/MY」

 Dynabookが販売する「dynabook RJ74」シリーズは、性能に妥協することなく軽さを追求した本格ビジネスモバイルPCとして人気の製品だ。その最新モデル「dynabook RJ74/MY」は、AI処理に特化したNPU「インテル AI Boost」を内蔵するインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーを搭載することで、AI新時代のビジネスモバイルPCへと進化している。

 インテルCore Ultra 7 165HプロセッサーはIntel vProプラットフォームにも対応。BIOSレベルでのマルウェア感染リスクの低減や復旧といったセキュリティ機能の搭載に加え、遠隔地からのPCの電源投入やBIOS設定の変更、セキュリティソフトウェアやOSのアップデートを行なうといった遠隔管理も容易に実現でき、PCの安全性を高めるとともに、システム管理者の負担も軽減できる。

 その中でも注目したいのはインテルTDTの機能拡張。インテルCore UltraプロセッサーのNPUは、もちろん生成AIでも活躍するが、インテルTDTと組み合わせると、マルウェアの検出をCPUからNPUへとオフロードできるのだ。

 既存のインテルTDTでも、CPUではなくGPUにマルウェアの検出をさせることで、CPU負荷を軽減できたのだが、NPUはGPUよりも消費電力が低い。つまり、マルウェア検出のようにバックグラウンドで常時動作する機能については、NPUに処理させた方がノートPCのバッテリ駆動時間が延びるのだ。CPU負荷も軽減されるので、PCが重くなることも防げる。NPUの活用法としてうまいアイディアだ。

 CPU自体に関しても、性能と電力効率を改善。これは、高性能CPUコア「P-Core」、高効率CPUコア「E-Core」、超省電CPU力コア「低電力E-Core」を、作業状態に応じて使い分けるというインテルCore Ultraプロセッサーの特徴が大きく寄与している。

 マルウェア検出以外のAI処理についても、NPUは同じ処理をCPUで行なう場合と比べて、より高い能力が発揮できるだけでなく、電力効率も優れている。NPUの利用によってCPUのパフォーマンスを他の処理に活用でき、システム全体のパフォーマンスも高められる。

 さらに、NPUによってAI処理をクラウドにデータを転送することなく、PC内で高速に処理できるため、情報漏洩などのリスクを低減した上でAI処理することで、業務効率を高められる。

 加えて、dynabook RJ74/MYは、「インテルEvoエディション」に準拠したモデルも選択可能。インテルEvoエディションには、優れた性能や応答性、優れた電力効率による長時間駆動、急速充電、高品質カメラ、動画エフェクト機能の拡張といった点について高い基準が定められており、それに準拠するということはビジネスPCとしてトップレベルの性能や機能を備えている証である。

14型ディスプレイ搭載ながら約899gの軽さを実現

 dynabook RJ74/MYは、最新dynabook RJ74シリーズの最上位モデル。その最大の魅力が、モバイル性の高さだ。まず重量だが、14型ディスプレイ搭載のモバイルPCとしてはトップクラスに軽い約899gを実現している。

14型ディスプレイ搭載で、軽快に持ち歩ける薄型軽量ボディを実現

 そして、本体の素材には軽さと堅牢性を両立できるマグネシウム合金を採用。米国国防総省調達基準「MIL-STD 810H」に準拠する10項目の堅牢性テストをクリアしている。実際に本体をひねってみてもほぼビクともせず、堅牢性の高さを実感できる。これも、PCを持ち歩くビジネスマンにとって大きな魅力となるはずだ。

 デザインは、フラットな天板と直線的な側面、カーブした背面と、平面、直線、カーブを組み合わせた印象的なボディとなっている。深みのあるカラーのダークテックブルーと合わせて、オフィスはもちろん、外出先のカフェなどでもフィットする印象だ。

 サイズは約312.4×224×15.9mm。14型ディスプレイ搭載のモバイルPCとしてはかなりコンパクトで、16mmを切る薄さと合わせてカバンへの収納性も優れる。

マグネシウム合金のボディは軽さとMIL-STD 810H準拠の優れた堅牢性を両立しており、安心して持ち運べる。フットプリントは312.4×224mmと、14型モバイルPCとして申し分ないコンパクトさだ
フラットな天板に、直線と曲線をうまく組み合わせたスタイリッシュなデザインが魅力。背面はなだらかなカーブで、持ちやすさが高められている
ディスプレイはほぼ180度開く。ディスプレイはほぼフラットまで開けるので、対面プレゼンなどにも便利だ
厚みは15.9mmと薄く、カバンへの収納性も優れる
本体右側面
本体左側面

WUXGA表示対応の14型液晶を搭載

 ディスプレイは、1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応の14型液晶を搭載している。パネルの種類は非公開だが、視野角は十分に広く、視点を大きく移動させても発色や色合いの変化はほとんど感じられない。

 発色の鮮やかさも優れている。この液晶は、高輝度・高色純度・広視野角液晶とされており、発色性能もsRGBカバー率100%の広色域パネルとなっている。実際に写真や動画を表示しても、とても鮮やかな発色が確認できる。ビジネスシーンでもプレゼン資料などで写真や動画を扱う場面が多いと思うが、そういった場面でも本来の色をしっかり確認しながら作業が行なえる点はありがたい。

 それでいてパネル表面は非光沢処理となっている。外光の映り込みはほとんど感じられず、オフィス利用時でも天井の照明が写り込んで文字が見づらくなるといった心配もない。

1,920×1,200ドット、sRGBカバー率100%の広色域対応の14型液晶は、写真も鮮やかに表示できる

操作性に優れる日本語キーボード

 キーボードは、アイソレーションタイプの日本語キーボードを搭載。Windows 11のAIコンパニオン「Copilot」を起動するCopilotキーも搭載している。また、「インテルEVOエディション」モデルはキーボードバックライトを搭載しているので、暗い場所でのタイピングも安心だ。

 主要キーのキーピッチは19mmフルピッチを確保。Enterキー付近の一部キーではややピッチが狭くなっているものの、タイピング時にほぼ気になることはなく、タッチタイプも問題なく行なえた。カーソルキーは上下のピッチが狭いキーとなっているが、右Shiftキーよりも下に配置していることもあって、こちらも十分扱いやすい。

 ストロークは1.5mmと、薄型のモバイルPCとして標準的。適度な硬さとクリック感を感じられる打鍵感で、軽快なタイピングが可能だ。

アイソレーションタイプの日本語キーボードは主要キーが19mmフルピッチで配列も自然で、快適な入力作業が行なえる
バックライトも装備

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型の大型タッチパッドを搭載。パッド自体の面積がかなり広く、パッド表面がなめらかなこともあって、かなり快適にカーソル操作やジェスチャー操作が行なえる。パッドがキーボードのホームポジションを中心に搭載している点も、扱いやすさを高めていると感じる。

クリックボタン一体型のタッチパッドは面積が大きく、キーボードのホームポジションに合わせて搭載していることと合わせて非常に扱いやすい

顔認証カメラと指紋センサーを同時搭載

 先にも紹介しているようにCPUはインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーを採用。メモリは標準でLPDDR5X-6400を16GB(カスタムメイドで32GBも選択可能)、内蔵ストレージはPCIe 4.0準拠の256GB SSD(カスタムメイドで512GB、1TBも選択可能)で、これらもビジネスモバイルPCとしてハイエンド寄りの仕様となっている。

 生体認証機能は、ディスプレイ上部にWindows Hello対応顔認証カメラと、電源ボタン一体型の指紋センサーを同時に選択可能。これにより、通常は顔認証、マスク装着時には指紋認証を使い分けることで、常に高いセキュリティ性と利便性を両立できる。また、電源断から起動する場合などは、電源ボタンを押した瞬間に指紋が読み取られ、再度指紋や顔を読み取ることなくログインできるため、その点でも利便性を高められる。無線機能は、Wi-Fi 6E準拠の無線LANと、Bluetooth 5.3を標準搭載している。

 拡張ポートは、左側面にHDMI、USB 3.2 Gen1 Type-A、Thunderbolt 4×2を、右側面にマイク入力/ヘッドフォン出力端子、USB 3.2 Gen1 Type-A、Gigabit Ethernet、microSDカードスロットを配置している。薄型のモバイルPCながら、かなり豊富なポートを用意していることで、ポートリプリケーターや変換アダプタ不要で活用できる点はうれしい。

ディスプレイ上部にWindows Hello対応顔認証カメラを搭載
プライバシーシャッターも装備
電源ボタンに指紋センサーを内蔵。電源断からの起動時でも電源ボタンを押した瞬間に指紋が読み取られ、そのままログインできるのは便利
左側面にはHDMI、USB 3.2 Gen1 Type-A、Thunderbolt 4×2を配置
右側面にはマイク入力/ヘッドフォン出力端子、USB 3.2 Gen1 Type-A、Gigabit Ethernet、microSDカードスロットを配置。豊富なポートの用意で利便性に優れる
【表】dynabook RJ74/MY(試用機)の主な仕様
CPUインテルCore Ultra 7 165Hプロセッサー。Pコア:6コア・12スレッド/ブースト時最大5.00GHz、Eコア:8コア/ブースト時最大3.80GHz、低消費電力Eコア:2コア/ブースト時最大2.5GHz、スレッド数:22
メモリLPDDR5X-6400 32GB
内蔵ストレージ512GB PCIe4.0 SSD
ディスプレイ14型液晶、1,920×1,200ドット、ノングレア
無線LANWi-Fi 6E
BluetoothBluetooth 5.3
キーボード日本語、キーピッチ19mm、キーストローク1.5mm、キーボードバックライト
カメラ92万画素 Webカメラ
生体認証顔認証IRカメラ、電源ボタン一体型指紋認証センサー
インターフェイスThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力端子
OSWindows 11 Pro 64bit
サイズ/重量約312.4×224×15.9mm/約899g

プロセッサーの性能を申し分なく引き出している

 では、ベンチマークテストの結果を紹介しよう。利用したベンチマークソフトは、UL LLCの「PCMark 10 v2.2.2701」、「3DMark Professional Edition v2.29.8282」、Maxonの「CINEBENCH R23.200」の3種類だ。

PCMark 10の結果
3DMarkの結果
CINEBENCHの結果

 結果を見ると、いずれのテストでもなかなかの好スコアが得られていることが分かる。このあたりは、インテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーの優れた性能もあるが、dynabook独自の「dynabookのエンパワーテクノロジー」も大きく寄与していると考えられる。

dynabookエンパワーテクノロジーは、2本のヒートパイプと2基の空冷ファンを組み合わせた高性能冷却システムで、筐体内部の排気と吸気の流れを可視化し、筐体や部品の温度を検証しながら最適化することで、優れた冷却性能を実現。これにより、プロセッサーの性能を最大限引き出すことができ、ベンチマークテストでも好スコアが得られたと考えていいだろう。

 同時に、高負荷時でも空冷ファンの動作音が比較的静かな点も見逃せない部分。2基の空冷ファンを、回転数を変えて動作させることで共振を低減し、動作音が大きくなることを防いでいるそうだが、これなら静かな場所でも安心して作業できると感じる。

 続いてバッテリ駆動時間だ。dynabook RJ74/MYの公称のバッテリ駆動時間は、動画再生時で約9時間、アイドル時で約26.5時間(いずれもJEITAバッテリ動作時間測定法 Ver3.0での数字)となっている。

 それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を50%、キーボードバックライトをオフに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、17時間40分を記録した。

 ベンチマークテストということで、通常利用時よりも長時間な結果が出る場合が多いが、それでも18時間に迫る駆動時間はかなり長い。通常利用でこの半分程度と考えも9時間近くは利用できるはずで、これなら外出時にバッテリ残量を気にする必要はほぼないと考えて良さそうだ。

PCMark 10のBatteryテストの結果

高性能かつ長時間利用できるビジネスモバイルPCを探している人にお勧め

 dynabook RJ74/MYは、毎日安心・軽快に持ち歩ける900gを切る軽さと優れた堅牢性を両立するとともに、インテルCore Ultra 7 165Hプロセッサーによる優れた性能で快適に業務をこなせられるビジネスモバイルPCに仕上がっている。しかも、非常に長時間の駆動が可能という点も、モバイルノートPCとして非常に心強い。

 また、企業目線でも、Intel Proプラットフォーム対応による優れたセキュリティ性と高度な管理機能への対応は、さまざまな脅威からPCを保護できるだけでなく、システム管理者の業務軽減にもつながる、大きな魅力と言える。

 そういう意味でdynabook RJ74/MYは、企業が安心して導入できるビジネスモバイルPCとして、お勧めしたい。