トピック
テロップ入れなど面倒だったPremiereの編集作業がAI新機能でここまで簡単に!
- 提供:
- 株式会社マウスコンピューター
2024年5月29日 06:30
さまざまな分野でAIの活用に注目が集まっている。どちらかと言うと多くの人が使ったことがあるのは、ChatGPTに代表されるテキスト系生成AIだろう。しかし、テキストだけでなく写真や音楽、動画などの分野でもAIの活用が進んでいる。実際アドビの動画編集ソフト「Premiere Pro」にもAI機能が多数実装されている。本稿では、それらの機能をどのように活用できるのかを、アドビ公認のコミュニティエバンジェリストを務める筆者が紹介していく。なお、作業にはマウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」を用いた。
なお、一口にAIと言っても、写真編集ソフトの「Photoshop」では「生成AI」によって、何もないキャンバスに写真やイラストなどを生成できるのに対し、Premiere ProのAIは生成系ではない。既存の動画などをAI処理を使ってより簡単にあるいは高度に処理するものとなる。Premiere Proでの生成AIは今後実装される予定だ。
ロケ番組風の映像制作というシチュエーションで各機能を解説
シチュエーションを固定した方が分かりやすいと思うので、今回はロケ番組風の短い動画を作っていく。撮影した素材にナレーションやBGMを追加していく中で各種AI機能を使う。
自動カラー補正で見やすい色合いに
まずは「自動カラー補正」。撮影した動画はなんだかコントラストが低くボヤっとした映像になってしまいがちだ。もちろん従来のカラー補正で細かく調整してもいいのだが、「Lumetriカラー」にAIが自動でカラーを補正してくれる機能がある。カラー補正に慣れていない人は、まずはこの自動補正をして、そこからさらに手動で調整すると補正しやすい。
使い方はLumetriカラーの中の基本補正の「自動」をクリックするだけ。今回のサンプルクリップでは、クリックしただけでコントラストが強くはっきりした映像になった。
カラーマッチで異なる動画の色味を合わせる
次は「カラーマッチ」というAI機能を使ってみよう。「カラーマッチ」は2つの動画の色味を簡単に合わせることができる機能。撮影環境や機材が違う動画の雰囲気を合わせたいときに役に立つ機能だ。今回は石像を撮影した動画と海の動画の色を合わせていく。
まずはプレビュー画面を右クリックし、表示モードを比較表示にする。左右それぞれのクリップで、合わせる色の基本となる部分を表示する。そして、Lumetriカラーのカラーホイールとカラーマッチから「一致を適応」をクリックすれば色を合わせられる。
自動文字起こしでテロップ作成
次は自動文字起こしを使って、テロップを追加する。自動文字起こしはPremiere ProのAI機能の中でも特に話題になった機能。使い方はシンプルだ。まず、文字起こしをしたい音声クリップを選択。次に、メニューバーのウィンドウからテキストを選択し、テキストのパネルを表示する。テキストの文字起こしタブの右上の「…」から「静的な文字起こしを生成」を選び、言語を「日本語」にして「文字起こしを開始」をクリックすると文字起こしが始まる。
非常に高い精度で文字起こしが可能だが、部分的に修正が必要な場合は「アクティブなテキストを編集」を選択し、直接文字を打ち換えて編集できる。編集が完了したらキャプションタブに移動し、「文字起こしからキャプションを生成」をクリックすると、テロップが完成する。
リミックスツールでBGMの長さを調整
次は音を調整していく。BGMを追加したものの音楽が長く、調整が必要と言うことは多いだろう。ここではリミックスツールを使ってBGMの長さを調整する。リップルツール部分を長押しすることで、リミックスツールを選択できる。そのままBGMのトラックの端をドラッグすれば処理が始まりBGMの長さが調整される。
自動ダッキングでBGMとナレーションのバランスを調整
最後に紹介するのは自動ダッキング。自動ダッキングはBGMとナレーションの長さのバランスを自動で調整するAI機能だ。まず、ナレーションのクリップをすべて選択し、エッセンシャルサウンドから会話を選択する。次にBGMクリップを選択し、エッセンシャルサウンドの「ダッキング」にチェックを入れ、ダッキングターゲットを会話にする。
最後に「キーフレームを生成」を押すと、自動でナレーションとBGMの長さバランスが調整される。と言っても、このままで使うことは難しいので、これをベースにキーフレームを調整し全体のバランスを取る。
これでロケ番組風映像は完成となる。
そのほかにもあるAI機能
ここまでストーリー仕立てで説明したが、Premiere Proにはほかにも便利なAI機能があるので試してみた。
シーンの切り替わりを自動検出する「シーン編集の検出」
「シーン編集の検出」は、1本の長い動画の中でカットが変わる部分を切り離し、独立させる機能。例を見てみると分かりやすいだろう。今回はバーチャルシンガーのMVを使って検証した。この動画の中はさまざまなカットが組み込まれた1本のMVになっている。
この動画のクリップを右クリックし「シーン編集の検出」を選択。そして、表示されたダイアログの中から、「検出された各カットポイントにカットを適用する」を選択し、「分析」をクリック。これで動画内のカットが変わる部分にきれいにカットが入る。
横向きをいい具合に縦向きにする「オートリフレーム」
動画は16:9のアスペクト比で作られることが多いが、最近ではスマホ向けに縦動画の9:16の需要も増している。オートリフレームは、16:9の動画を9:16に再編集するときなどに非常に便利な機能だ。
まず9:16の縦長のシーケンスを作り、そこに16:9の動画をドラッグ&ドロップして追加。この時「クリップの不一致に関する警告」が表示されたら「現在の設定を維持」を選択する。
そして、エフェクトから「オートリフレーム」を動画クリップにドラッグ&ドロップして適用させる。動画を再生すると、単に縦横比を変えたのではなく、被写体が動画の中心に来ているのが分かる。これがオートリフレーム機能だ。
Premiere Proが快適に動くオススメマシンは?
今回の検証にあたっては、インテルCore i7-12650Hプロセッサー、メモリ16GB、NVMe SSD 500GB、GeForce RTX 3050 Laptop GPUという構成のDAIVブランドのノートPCを利用した。このマシンであっても、大変快適に今回のAI機能を活用できた。つまり、このスペックと同等かそれ以上の製品なら問題なく利用できるということになる。
そういう観点から、マウスコンピューターのクリエイター向けPCであるDAIVブランドからオススメのPCを1機種あげるなら、インテルCore i7-13700Hプロセッサー搭載の「DAIV Z6-I7G60SR-A」が挙げられる。この製品は、Core i7-13700H、メモリ32GB、NVMe SSD 1TB、GeForce RTX 4060 Laptop GPU、2,560×1,600ドット表示対応16型液晶を搭載する。
このかなり欲張ったスペックで、価格は27万9,800円と30万円を切っている。最新機能を活用して作業時間を短縮したいと考えているクリエイターにぜひオススメしたい。
また、マウスコンピューターは6月19日10時59分までの期間限定で、「夏先取りセール第2弾」を開催中。先に紹介したモデルの上位となるインテルCore i9-13900Hプロセッサー搭載の「DAIV Z6-I9G70SR-A」は通常より3万円安価になっているほか、デスクトップ製品もセール対象となっているので気になる人はぜひチェックしよう。