トピック

フルHD、WQHD、4K。使いたいモニターの解像度で決まるゲーミングPCの選び方

~人気ゲーム10タイトルで、GPU、解像度、フレームレートの関係を検証!

スペックも見た目にもこだわるマウスコンピューターの「G-Tune FZ」シリーズ

 ゲームにおいて、1秒間に描画する枚数に当たるフレームレートは「60fps」出ていればスムーズな描画と言ってよい。一般的なモニターはリフレッシュレートが60Hz(1秒間の描き換え回数が60回)だ。しかし、ゲーミングモニターでは144Hz以上のリフレッシュレートが主流。と言うのも、特にFPS/TPSなどのジャンルでは、高リフレッシュレートによる滑らかな描画によって、敵の動きを捉えやすくなる、遅延が減るなど、多くのメリットがあるからだ。

 その一方で、高フレームレートを出すためには、高いPC性能も求められる。たとえば144fpsでは、60fpsに比べて1秒間に2.4倍ものフレームを描画する必要があるので当然だ。また、モニターの解像度もポイント。フルHD/WQHD/4Kの3種類が主流だが、解像度が高くなるほど描画負荷も大きくなる。

 とは言え、ゲームによって必要なスペックは全然変わってくる。描画負荷が軽めのゲームならば、それほどスペックの高くないPCでも4Kで144fps以上のフレームレートを達成できる。その一方で美麗なグラフィックスのゲームはフルHDで60fpsを出すだけでも、かなり高いスペックが必要なこともある。

 そのため“マイベストなゲーミングPC”とは、自分が使っている、または使いたいモニターの解像度とリフレッシュレート、プレイしたいゲームの描画負荷にマッチしたものと言える。文章で書くとあっさりしているが、実際にそれを確かめるのは難しい。

 そこで今回は、スペックが異なるマウスコンピューターのゲーミングデスクトップPC「G-Tune」を3台用意。価格はそれぞれ20万円台、30万円台、40万円台となる。人気ゲーム10タイトルで、フルHD、WQHD、4K(それぞれ画質設定は最大)でのフレームレートを測定する。それぞれのゲームで、どのPCを使えば、60fpsまたは144fpsに到達できるかに注目したい。自分の目的に合ったPCがどれなのか見極めるのに役立つはずだ。

機材紹介

 今回用意したのは、マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」の中で、フルタワーケースを採用する「G-Tune FZシリーズ」の3台だ。それぞれのスペックは以下の表にまとめている。PCケースは共通なので、代表として「G-Tune FZ-I7G80」を写真で紹介しよう。過度な照明を採用せず、落ちついているが鋭さもある外観は多くのゲーマーに刺さるのではないだろうか?

マウスコンピューターの「G-Tune FZ-I7G80」。G-Tune FZシリーズの外観は共通でフルタワーケースが採用されている
前面下部にスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブを搭載
前面にはUSB 3.0×2、USB 2.0×2、マイク、ヘッドフォン端子を用意
フルタワーケースということもあり、ハイエンド構成でも内部はスッキリしている
36cmクラスの簡易水冷クーラーを採用していた
ビデオカードはGeForce RTX 4080。3スロット厚の大型カードだ
ビデオカードはサポートステイでガッチリ固定されているので安心
裏面側。空いたスペースをうまくつかってケーブルをまとめている
電源は1000Wの大出力モデルを搭載していた
両側面と底面に吸気口があり、しっかりとしたエアフローが確保されている
底面には着脱可能な大型ダストフィルターを装備
カスタマイズしての注文にも対応。CPU、メモリ、ストレージを変更できるほか、側面を強化ガラスにしたり、LEDファンに変更が可能など見た目にもこだわれる

 今回の3台は搭載CPUも異なるが、最大の注目点はゲーミングPCの心臓部と言えるGPUにある。すべてNVIDIA最新世代のGeForce RTX 40シリーズを採用しているが、「G-Tune FZ-A5G60」はフルHDでのゲームプレイをメインターゲットにした「GeForce RTX 4060」、「G-Tune FZ-I7G70」はWQHDをターゲットにした「GeForce RTX 4070」、「G-Tune FZ-I7G80」は4Kをターゲットにした「GeForce RTX 4080」とGPUがそれぞれ違っている。スペックは下の表にまとめた。

今回利用したPCの主なスペック
型番G-Tune FZ-A5G60G-Tune FZ-I7G70G-Tune FZ-I7G80
CPUAMD Ryzen 5 7600(6コア12スレッド)Intel Core i7-13700KF(16コア24スレッド)Intel Core i7-14700KF(20コア28スレッド)
ビデオカードGeForce RTX 4060(GDDR6 8GB)GeForce RTX 4070(GDDR6X 12GB)GeForce RTX 4080(GDDR6X 16GB)
メモリDDR5-4800 16GB(8GB×2)DDR5-4800 32GB(16GB×2)DDR5-4800 32GB(16GB×2)
ストレージ1TB (NVMe Gen 4 x4)1TB (NVMe Gen 4 x4)1TB (NVMe Gen 4 x4)
価格229,900円~359,800円~479,800円~
各GPUのスペック詳細
GPU名GeForce RTX 4060GeForce RTX 4070GeForce RTX 4080
CUDAコア数3,0725,8889,728
ベースクロック1,830MHz1,920MHz2,210MHz
ブーストクロック2,460MHz2,475MHz2,510MHz
メモリサイズGDDR6 8GBGDDR6X 12GBGDDR6X 16GB
メモリバス幅128bit192bit256bit
RTコア第3世代
Tensorコア第4世代
アーキテクチャAda Lovelace
DLSS3
NVENC第8世代第8世代第8世代×2
カード電力115W200W320W
システム電力要件550W650W750W
電源コネクタ8ピン×1または12VHPWR×18ピン×1または12VHPWR×18ピン×3または12VHPWR×1

 3製品とも、GeForce RTX 40シリーズの特徴である、従来のアップスケーラーに加えてAIによるフレーム生成によってよりフレームレートを高めることが可能になった描画負荷軽減技術「DLSS 3」への対応、高圧縮&高画質のAV1へのハードウェアエンコードに対応した「第8世代NVENC」などは共通だ。RTX 4080のみNVENCを2基搭載しており、これを利用して高速な動画変換を可能にするデュアルエンコードに対応している。ゲームプレイだけではく、動画の編集も考えているならチェックしておきたいポイントだ。

基本性能の違いをチェック

 まずは、3台の基本性能を見ておこう。CGレンダリングでシンプルにCPUパワーを測定する「CINEBENCH R23」と一般的処理のパフォーマンスを測定する「PCMark 10」を実行する。

CINEBENCH R23の結果
PCMark 10の結果

 CPUについては、G-Tune FZ-A5G60が6コア12スレッドのRyzen 5 7600、G-Tune FZ-I7G70が16コア24スレッドのCore i7-13700KF、G-Tune FZ-I7G80が20コア28スレッドのCore i7-14700KFを採用。CINEBENCH R23は、それぞれのCPU性能がよく分かる結果だ。ゲーム以外にCG作成や動画、画像編集などCPUパワーが必要な作業を考えているなら、上位モデルを選ぶほうがよいだろう。

 PCMark 10では、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動のEssentials、表計算/文書作成のProductivityでは、スコア差はあまりない。ゲーム以外でこれらがメインの用途ならば、G-Tune FZ-A5G60で十分と言える。一方で、写真や映像編集のDigital Content Creationでは、G-Tune FZ-A5G60よりもG-Tune FZ-I7G70は約1.3倍、G-Tune FZ-I7G80は約1.4倍のスコアとなった。クリエイティブ用途ならば、上位モデルが強い。

60fps/144fpsに到達できるか!? 人気10タイトルで性能比較

 ここからは、実際のゲームで性能を見ていこう。リフレッシュレートは60Hzまたは144Hzのモニターを利用することを想定し、各解像度で平均60fpsまたは144fpsに到達できているかをチェックしていく。画質は基本的に最大とし、描画負荷の高いゲームについてはDLSSやFSRといったアップスケーラも利用する。

 最初は描画負荷が軽めのFPSとして「VALORANT」と「Counter-Strike 2」を試そう。VALORANTは、プラクティスモードの屋外射撃場を選び、一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で計測。Counter-Strike 2は、Dust IIでBotマッチを実行した際のフレームレートを「FrameView」で計測した。

VALORANTの結果
Counter-Strike 2の結果

 VALORANTは描画負荷の軽いゲームとして知られているだけあり、3製品とも4K/144fps以上を達成できている。このゲームに関しては、RTX 4060搭載のG-Tune FZ-A5G60で十分過ぎるほど快適にプレイが可能だ。

 Counter-Strike 2は、平均60fps達成で見れば、3台とも到達。平均144fpsで見た場合は、RTX 4060のG-Tune FZ-A5G60がフルHDまで、RTX 4070のG-Tune FZ-I7G70がWQHDまで、RTX 4080のG-Tune FZ-I7G80なら4Kでも到達可能と、PCの性能差が分かりやすく出ている。

 続いて、同じく定番FPSから「Apex Legends」と「オーバーウォッチ2」を実行しよう。Apex Legendsは、トレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で計測。オーバーウォッチ2はBotマッチを実行した際のフレームレートを「FrameView」で計測している。

Apex Legendsの結果
オーバーウォッチ2の結果

 Apex Legendsは、フレームレート制限を解除するコマンドを使用しても最大300fpsのゲームで、G-Tune FZ-I7G80のフルHDとWQHDがほぼ同じなのは、フレームレートの上限に到達しているからだ。平均60fpsで見れば、どのPCでも4Kまでクリア。平均144fpsで見ると、G-Tune FZ-A5G60の4Kだけが到達できていない。

 オーバーウォッチ2は描画負荷が高くなる。平均60fpsで見れば、G-Tune FZ-A5G60の4K解像度以外は到達できているが、平均144fpsではG-Tune FZ-A5G60だとどの解像度でも未到達、G-Tune FZ-I7G70ではWQHDまで到達、G-Tune FZ-I7G80ではフルHD/WQHDは余裕で達成、4Kで平均141.3fpsとギリギリ届かないという結果だ。

 FPS以外のゲームも試そう。アクションRPGの「ディアブロIV」と格闘ゲームの「ストリートファイター6」を用意した。ディアブロIVはキヨヴァシャド周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定。ストリートファイター6はCPU同士の対戦を実行した際のフレームレートを「FrameView」で測定している

ディアブロIVの結果
ストリートファイター6の結果

 ディアブロIVはDLSS 3対応なので、DLSSをバランスに設定、フレーム生成も有効にしてテストしている。DLSS 3の効果もあり、平均60fpsには3台ともすべての解像度で達成。平均144fpsでは、G-Tune FZ-A5G60とG-Tune FZ-I7G70はフルHD/WQHDで達成、G-Tune FZ-I7G80はすべての解像度で到達できている。それぞれのPCの力関係が分かりやすく出たと言ってよいだろう。

 ストリートファイター6は最大120fpsまで設定できるが、対戦時は最大60fpsまで。そのため、平均60fpsに近ければ「快適」と判断することに。このゲームだけはほかと評価基準が異なる点は注意してほしい。結果からG-Tune FZ-A5G60とG-Tune FZ-I7G70はフルHD/WQHDまで快適、G-Tune FZ-I7G80ならすべての解像度で快適にプレイ可能と言える。

 続いてシミュレーターとして、フライトシミュレータの「Microsoft Flight Simulator」とリアル系レースゲームの「Forza Motorsport」を試そう。Microsoft Flight Simulatorは、アクティビティの着陸チャレンジから「シドニー」を選び、60秒フライトしたときのフレームレート「FrameView」で測定。Forza Motorsportは、ゲーム内のベンチマーク機能を利用している。どちらのゲームもDLSS 3に対応しているため、DLSSをバランス設定、フレーム生成を有効にして実行した。

Microsoft Flight Simulatorの結果
Forza Motorsportの結果

 Microsoft Flight Simulatorは、CPU、GPU負荷とも高いゲームではあるが、DLSS 3に対応していることもあって、平均60fpsならばG-Tune FZ-A5G60の4K以外はすべて達成。フライトがメインのゲームなので、平均60fpsあれば十分過ぎるほど快適にプレイできる。平均144fpsで見ると、G-Tune FZ-A5G60はどの解像度でも達成できず、G-Tune FZ-I7G70でフルHDのみ、G-Tune FZ-I7G80でフルHD/WQHDまでと描画負荷の高さを感じさせる結果だ。

 Forza Motorsportは、レイトレーシングに対応していることもあって、DLSS 3を有効にしても画質プリセットに当たるダイナミックレンダリングクオリティを最上位のウルトラに設定すると描画負荷は強烈に高くなる(ダイナミックオプティマイゼーションは初期設定)。G-Tune FZ-A5G60では完全にパワー不足で、どの解像度でも平均60fpsに到達できない。G-Tune FZ-I7G70とG-Tune FZ-I7G80ならば、どの解像度でも平均60fpsは達成できるが、平均144fpsにはフルHDでも到達できないという結果だ。高いフレームレートを出したければ、画質設定を下げたほうがよいだろう。

 最後に描画負荷が非常に高いオープンワールド系として「サイバーパンク2077」と「Starfield」を実行する。サイバーパンク2077は、ゲーム内のベンチマーク機能を利用した。Starfieldは、ジェミソンのロッジ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定した。

サイバーパンク2077の結果
Starfieldの結果

 サイバーパンク2077はDLSS 3対応なのでDLSSをバランスに設定、フレーム生成も有効にしている。それでもレイトレーシングを使っていることもあり、描画負荷は高い。平均60fpsに届いているのはG-Tune FZ-A5G60だとフルHDだけ、G-Tune FZ-I7G70だとWQHDまで、G-Tune FZ-I7G80だと4Kまでと力関係が分かりやすく出ている。平均144fpsでは、G-Tune FZ-A5G60だと到達できず、G-Tune FZ-I7G70だとフルHDだけ、G-Tune FZ-I7G80はWQHDまでとなる。

 Starfieldは、画質プリセットを最上位のウルトラに設定するとアップスケーラーのFSR 2が有効になる。描画負荷は高く、G-Tune FZ-A5G60ではどの解像度でも平均60fpsにも届かず。G-Tune FZ-I7G70でWQHDまで、G-Tune FZ-I7G80だと4Kまで達成が可能だ。平均144fpsだと3台ともどの解像度でも到達できなかった。DLSSに正式対応すれば、よりフレームレートを伸ばすことが可能になるだろう(原稿執筆時点の2023年11月中旬ではまだ正式対応ではなかった)。

 システム全体の消費電力の違いもチェックしておこう。OS起動10分後のアイドル時、サイバーパンク2077時の消費電力を測定している。電力計は、ラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用した。

各製品の消費電力

 アイドル時の差は小さいが、CPU、GPUとも高い負荷がかかるサイバーパンク2077プレイ時では性能差が消費電力にも現れている。G-Tune FZ-I7G80では450Wを超えるが、達成できるフレームレートから考えるとワットパフォーマンスは優秀と言ってよい。

モニター解像度でPCを選ぶのが近道だ

 以上のように、今回検証した3製品は、快適にゲームを動かせる環境が見事に解像度によって分かれた形となった。使っている、または使いたいモニターの解像度(場合によってはフレームレートも)に合わせてPCを選ぶのが、快適なゲームプレイ環境構築の近道だ。各製品ごとにまとめると以下のようになる。

 コストをなるべく抑えつつ、フルHD解像度でのゲームプレイでいいのなら「G-Tune FZ-A5G60」がオススメだ。FPS系ならば、多くのタイトルで144fps以上を達成でき、描画負荷の高い重量級ゲームでも多くで60fpsに届くからだ。ただし、超重量級のゲームは平均60fpsを切ることもあるので、その点は留意しておく必要がある。

 WQHD解像度でプレイしたいなら「G-Tune FZ-I7G70」がオススメと言える。FPS系ならばWQHDでも144fps以上を出すことができ、重量級ゲームもWQHDまで60fpsに届く。対戦ゲームでそこまでストイックに上位を目指すつもりではないが、配信はするという場合、配信ソフトによってゲームの性能が1割程度下がることもある。フルHDでプレイする場合も、ある程度性能に余裕が欲しいと考えるときもこの製品がいいだろう。

 4Kならば「G-Tune FZ-I7G80」が一番だ。FPS系なら4Kで144fpsを実現でき、重量級ゲームも60fps以上に到達できている。価格は高いが、4Kの高精細での快適なプレイを味わえると考えれば、それだけの価値は十分あると言える。また、4KでなくフルHDやWQHDでも、できる限りのフレームレートを稼いで、それにより少しでも描画遅延を減らし、対戦ゲームで勝ち抜きたい上級ゲーマーならこのスペックが欲しくなる。