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映像のプロに試してもらったら買い取りを希望してきた!その理由とは?BenQの32型クリエイター向け4Kモニター「PD3220U」
- 提供:
- ベンキュージャパン株式会社
2023年4月25日 06:30
写真や映像、イラストなどを扱うクリエイターにとって、素材を正確かつ表現力豊かに表示してくれるモニターは必須の機材。細部まで作り込むためにも、実際に目にする視聴者の環境で最適な表示になるよう調整するためにも、一般的なモニターより高い表示性能と機能性が求められる。
そうは言っても、プロのお眼鏡にかなうモニターとなるとそこまで種類が多いわけではない。一般的なビジネスモニターとは桁が違う価格帯になることもあり、選択肢は限られる。相応の投資対効果が得られるかどうか慎重に見極めたくなるのは当然だ。
そんななか、高い性能とコストパフォーマンスを両立した製品として人気なのがBenQの4Kモニター「PD3220U」だ。デザイナー向けをうたうモデルということで、キャリブレーション済み、および各種認証を取得した正確な色表現を特徴としているほか、Thunderbolt 3(USB Type-C)接続やKVM機能など、機能面も充実している。
この製品を、企業のプロモーション動画や自身の作品としての旅行記動画など、多数の映像作品づくりに携わっているワックスグラフィックスの大下幸治氏に普段の仕事で使用してもらい、感触を尋ねてみた。期限付きの貸出のはずだったが、インタビュー直前に「このまま使い続けたいので買い取れないか」という打診が来るほど気に入ってしまった様子の同氏。一体何がそこまでプロの気持ちを惹きつけたのだろうか。
認証取得済みの正確な色表現に、豊富な入出力インターフェイス
始めに、「PD3220U」というモニターの機能と性能を簡単に紹介しておきたい。
「PD3220U」は、4K(3,840×2,160ドット)解像度の31.5型PCモニター。反射の少ないノングレアタイプのIPS液晶パネルを採用し、高さ、向き、角度のフレキシブルな調整に対応する多機能スタンドを装備する。付属のダイヤル型コントローラ「ホットキーパック G2」を使うことで、モニターの設定操作や映像入力切替などを簡単に手元で行なうことも可能だ。
クリエイターとして最も気になる色表現については、HDR10に対応する高いモニター輝度(300cd/平方m)を持つほか、Display P3(DCI-P3)の色空間を95%、sRGBとRec.709は100%カバーする。コンテンツ制作時に求められる広い色空間と、一般的なユーザーの環境における色空間の両方をしっかり再現できるわけだ。
しかも、それをただスペックとして備えているだけでなく、色調や色温度の正確性を担保するテスト、計測器を用いたキャリブレーション、ガンマカーブの補正といった、モニターの映りに関わるBenQ独自の「AQCOLOR」と呼ばれる技術工程を経て出荷される。
さらに、印刷向けのPantoneカラー認証、および映像向けのCalMAN認証という2種類の認証によるお墨付きも得ており、特別な設定や調整の必要なく、製品が届いて設置すれば、すぐに正しい色合いで使い始めることができるのもポイントだ。
機能面では、豊富な入出力インターフェイスを装備しているのが特徴。まず映像入力については、DisplayPort 1.4×1と、HDMI 2.0×2があり、さらにアップストリーム用のThunderbolt 3(USB Type-C)ポートでDisplayPort Alternate Modeによる映像入力が可能。このThunderbolt 3ポートを利用する場合、MacBookシリーズなどのノートPCからケーブル1本接続するだけで映像の外部出力ができ、同時にノートPC側へUSB PDによる最大85Wの給電も行なえる。
内蔵のUSBハブ機能にも注目したい。アップストリーム用のUSB Type-Bポート、ダウンストリーム用のThunderbolt 3ポート×1、USB Type-Cポート×1、USB Type-Aポート×3があり、ダウンストリームポートにマウス、キーボードなどの周辺機器を接続しておくと、アップストリームポートに接続したPCから使えるというものだ。このうちUSB Type-CとUSB Type-A×1は向かって右側面に設けられ、アクセスが容易になっている。USBメモリなどの外部ストレージでデータの受け渡しをするときにも素早くこなせるだろう。
そしてもう1つ、これらのUSBハブは、2台のPCからUSB機器などを共有できる「KVM」機能にも対応している。これは、2台のPCをそれぞれアップストリームポートに接続しておくと、映像入力切替に応じてUSBポートに接続した周辺機器の接続も切り替わるというものだ。
たとえばThunderbolt 3ポートにMacBookを、アップストリームのUSB Type-BポートにデスクトップPCを接続しているとき、映像入力を切り替えるだけで、PD3220UにUSB接続しているキーボードとマウスの操作対象も切り替わる。1セットのキーボード&マウスで2台のPCを個別に操作できるので、デスクスペースを有効活用できるのだ。
5KのiMacと組み合わせて試用。使い始めも、色の階調表現も、「とにかく違和感がない」
色空間のカバー率は十分、機能も多彩すぎる、と言いたくなるほどの「PD3220U」。5Kモニター一体型のiMacと組み合わせ、Thunderbolt 3で接続して動画編集に利用したという大下氏は、どこが一番魅力に感じたのだろうか。
同氏によると、「PD3220U」というモニターの良さは「とにかく違和感がないことに尽きる」という。その1つ目のポイントは、製品を使い始めるとき、何も設定することがなく、ケーブルを接続するだけで違和感なくすぐに使えたことだ。
たいていのモニター製品では、大多数の一般ユーザーが安心して使い始められる「無難」な初期設定になっている。コンテンツを見るだけであれば全く問題ないかもしれないが、映像クリエイターにとっては違う。わずかな色味の違いが映像の完成度に影響するため、最初にモニターの画質調整から始まることも少なくない。特に大下氏の場合、既存の5KモニターのiMacと併用することから、その5Kモニターとの色合わせをいかに行なうかも重要だ。
ところが、「PD3220U」の導入時は画質調整をすることなしに、すぐに動画編集を開始できたのだという。まさに「ポン付け」の状態で自然な正しい色合いになっており、モニター設定は全く意識せず「何も気にならなかったことに驚いた。ある意味、そこに違和感はあったかも」と笑う。これは、色空間カバー率の高さだけでなく、macOSの標準の色空間を忠実に再現する「PD3220U」の「M-Book」というカラーモードのおかげもあるだろう。
2つ目は「明るさの階調表現に違和感がない」こと。映像製作において大下氏がとりわけ注意を払っている点の1つが「黒」の表現であり、「明るさの階調、中でもシャドウ(暗い)側はきちんとしたモニターでなければ表現できない」と考えている。特に「真っ黒から90%の黒の間」はモニター性能が最も表れやすい重要な部分で、「PD3220U」はその点でも満足いく性能をもっているという。
なぜ「黒」が重要なのか。大下氏によると「完全にベタな真っ黒というのは自然界には存在しないはずで、どんな映像を編集するときも、だいたいは真っ黒の部分を3~5%ほど持ち上げる」のだとか。しかし、黒の表現力の弱いモニターでは(データ上は真っ黒でも)最初から持ち上がったグレーに見えていたり、反対にグレーが黒く見えていたりすることがある。
その場合、「黒やグレー部分を適切に調整したつもりでも、実際には明るくなりすぎていたり、もしくは余計に暗くしすぎていたりする」という問題が発生しかねないわけだ。「PD3220U」であればそんな微妙な「黒」も正しく表現してくれるため、自信をもって色味を調整できる。誤った調整に後で気付いて手戻りが発生することもない、というのも仕事上は大きなメリットだろう。
狭額縁デザインは生産性アップに貢献、USBポートの意外な活用も
「PD3220U」は4K解像度ということで、既存の5Kモニターに比べると文字の解像感の点での違いを感じることもあるとのこと。しかし大下氏は、大きめの31.5型モニターでありながら、四隅まで明るくクリアに見える広い視野角があり、作業性は格段に高いと言い切る。ベゼルにロゴなどもない狭額縁で、余計な自己主張をしていないのも好印象だとし、作業時の集中力の維持にもつながっているとも付け加える。
付属の「ホットキーパック G2」は、モニター設定の変更時に活躍している。映像編集時のDisplay P3と、多くのユーザーが見ることになるsRGBの色空間切替や、画面を左右分割して異なるカラーモードで同時表示する「DualView」は、手元のダイヤルなどで素早く操作できるため、映像確認時に重宝しているのだそうだ。
モニター側のUSBハブ機能も、意外な形で活用している。大下氏は映像コンテンツ用の楽曲素材を自ら手がけることもあり、オーディオインターフェイスを介してiMacと楽器を接続している。
ただ、オーディオインターフェイス用のThunderboltケーブルが短く、iMac本体と接続する形だとどうしても操作しにくい場所にしか置けない。そこで、モニター側にあるダウンストリーム用のThunderbolt 3ポートにオーディオインターフェイスを接続し、操作しやすい場所に設置。しかも、これによって周辺機器のケーブル接続がシンプルになり、かつ、電源回りなどのノイズの影響が低減したためか、スピーカーなどから出力されるサウンドのノイズも減少したという副次的な効果も得られているとのこと。
さらに、大下氏はモニタースタンドの使い勝手の良さにも惹かれていた。「PD3220U」は高さ調整、上下左右の向き変え(チルト/スイベル)、画面回転(ピボット)に対応した多機能スタンドを装備しており、姿勢やモニターまでの距離に合った好みのポジションに変えられる。軽い力で、確実に狙った位置に調整できる精度の高さが、同氏には特に刺さった様子。
また、台座部分が薄く、キーボードなどを一時的に寄せてデスクを広く使える。音楽制作時に小型の鍵盤を引っ張り出してリアルタイム入力するようなことも頻繁にあるため、デスク上の整理のしやすさも「PD3220U」のメリットと感じているそうだ。
単に高性能なだけでなく、バランスの取れた機能のせいで「手放せない」
クリエイター向けモニターとしては、色空間のカバー率の高さはもちろん重要だ。しかし大下氏にとっては、それに加えて仕事で常用しているiMac(macOS)との相性の良さや、明るさの階調表現の正しさからくる「違和感のなさ」、シンプルな接続方法にUSBハブ機能の高い利便性、モニタースタンドの良好な使い勝手なども大切だった。幅広い面でバランスの取れた機能・性能をもっていることが、「PD3220U」を「このまま使い続けたい」と感じる理由になっているようだ。
実売価格は20万円前後と、本格的なプロ向けモニターのなかでは手を出しやすい価格帯に抑えられているのも「PD3220U」の魅力的な点。映像や写真、イラストなどを仕事にしている人なら、作品のクオリティを高めるために、あるいは作業効率を高めるために、導入を検討してみる価値はあるのではないだろうか。