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第11世代Core+RTX 3050の16型ノートをタブレット変形可能にしてペンを付けたら“できること”が激変!動画もゲームも仕事もイケるMSI Summit E16 Flip

~“自分用PCは1台だけ”ならこんなノート

 テレワークや巣ごもり需要の高まりによってPCを使う時間が増えたことで高性能なノートPCに注目が集まっている。仕事の効率をもっと高めたいというニーズがあるのはもちろんだが、最新ゲームをプレイしたり、写真や動画の編集にチャレンジしたいというニーズも増えているためだ。今や、会社員が副業としてゲーム実況配信やVlogger活動をすることも珍しくはないご時世である。

 そんな高性能ノートPCを求める人にピッタリなのがMSIの「Summit E16 Flip」だ。最新CPUの「Core i7-1195G7」とGPUの「GeForce RTX 3050 Laptop GPU」に加え、高速なストレージ、高解像度のディスプレイを搭載。さらにタブレットスタイルにも変形が可能、アクティブスタイラス「MSI Pen」を付属して4,096レベルの筆圧感度に対応とまさに万能タイプ。仕事もゲームも動画編集もイラスト制作にも対応できる。

 同等のCPUを搭載した13型クラスでペンを利用できてタブレットスタイルに変形できるノートPCは多数存在しているが、Summit E16 Flipは16型という大画面、かつ独立したGPUを採用する基本仕様ながら、ペン利用やタブレットスタイルでの運用が可能という点が大きく異なる。

 実際のところ15型クラスの大型ノートPCを自宅やオフィスで半固定的に使ってる人は多い。こういったノートを更新する際、あるいは古いデスクトップPCを最新ノートPCに置き換える際に、CPUやGPUの性能を大幅にアップするだけでなく、ペンやタブレットへの変形と言った新しい要素を追加してやれば、ユーザーができることは大きく増えるはずだ。

 ここではそのSummit E16 Flipを試用したレポートをお届けしたい。筆者による各部チェックとベンチマークによる性能テストだけでなく、プロの映像ディレクターにも使ってもらって動画編集における実用性をテストした。

MSIのSummit E16 Flip。今回試用したのはSummit-E16Flip-A11UCT-809JPと呼ばれるモデルで実売価格は25万円前後。Windows11搭載モデルも発売予定があるという。
天板部はシンプルなデザインで上質感のある仕上げ

高性能な第11世代のCore i7に外部GPUのGeForce RTX 3050を組み合わせることで死角のない速さに

 まずは基本スペックをチェックしておこう。CPUにはIntelの第11世代「Core i7-1195G7」を採用。4コア8スレッドでTurbo Boost時で最大5GHzと高い動作クロックを誇り、クリエイティブな作業にもゲームにも強い。GPUはNVIDIAの最新世代RTX 3000シリーズのエントリークラスとなる「GeForce RTX 3050 Laptop GPU」を搭載する。CUDAコアは2,048基、ビデオメモリはGDDR6の4GB。ブーストクロックはノートPCの設計によって異なり、Summit E16 Flipでは1,057MHzで電力は40Wとおとなしめの設定だった。クリエイター向けなので、クロックを高めるよりも安定性を重視した設計と見られる。

 実際標準のビデオカード用ドライバとしてクリエイター向けの「NVIDIA Studio Driver」がインストールされている。ゲームも当然楽しめるが、クリエイティブ系アプリの安定動作を重視していることが分かる部分だ。

 メモリはLPDDR4X 32GBとノートPCとしては大容量。(最終出力がフルHDでも)4Kソースを使うことが増えている動画編集の実情を考えると現実的な仕様だ。ストレージはPCI Express 4.0 x4対応のNVMe SSDで容量は1TBと一般的な用途であれば十分な容量が確保されている。ただし、編集が終わった動画のソースは外付けドライブに待避させるなどするのがよいだろう。

CPUは4コア8スレッドのCore i7-1195Gを搭載
GPUはGeForce RTX 3050 Laptop GPU。Resizable BARは最初から有効になっていた
標準ではクリエイター向けのNVIDIA Studio Driverがインストールされている
ストレージは1TBのPCI Express 4.0 x4対応NVMe SSDを採用
底面後部のかなりの部分は吸気のためメッシュ構造になっている

作業しやすい16:10比率の16型高解像度液晶。リフレッシュレート120Hzでゲームにも強い

 ディスプレイは16型で表面は映り込みのあるグレア仕様。パネルに関して詳しいスペックは公表されていないが視野角に広さからIPSパネルと推測される。解像度はWQXGA(2,560×1,600ドット)で画面比率は16:10。昨今流行の画面比率で、一般的なノートPCの16:9よりも縦方向に長い。縦型のビジネス文書やWebサイトを見やすいため、作業効率を高められるのが魅力だ。また、リフレッシュレートが120Hzと高いため、eスポーツ系のゲームでも敵の動きが把握しやすいメリットがある。

ディスプレイは16型で2,560×1,600ドットと高解像度。色域もDCI-P3相当と色の表現力も高い
リフレッシュレートは最大120HzとFPS/TPSで勝ちにこだわれる仕様

 また、タッチ仕様なので指で手軽に操作できるほか、MSI Penも付属。4,096レベルの筆圧感度があるので、本格的なイラストにも挑戦可能だ。ペンでPDF資料にメモを書き込んだり、打ち合わせで手書きメモをサッと取ったりといった使い方ができるのも強み。クリエイティブな作業にも仕事にも活かせる。

2in1なのでタブレットモードにして付属のMSI Penを使いお絵かきや手書きメモを手軽に行なえるのも魅力だ
テントモードにすればキーボードが目に入らなくなるので、動画再生時にコンテンツに没入できる
付属のMSI Penは側面に装着しておける

薄型ながらインターフェイスも充実。Thunderboltポートを2基用意

 本体サイズは358.2×258.5×16.9mm(幅×奥行き×高さ)で重量は2.1kgだ。16型液晶を搭載していることを考えると十分な薄型を実現しながら、左側面にはHDMI出力、Thunderbolt Type-C×2基、Webカメラのスイッチ、右側面にはUSB 3.1×2、microSDカードスロット、ヘッドセット端子とインターフェイス類は充実している。

 バッテリ駆動時間は公称で最大11時間(JEITA 2.0)と十分長く、打ち合わせやプレゼンの利用でバッテリの心配は不要と言えるだろう。90W出力のACアダプタが付属しており、充電はThunderboltコネクタ経由で行なう。約15分の充電で最大2.5時間駆動可能になり、約60分で70%の充電が完了できるというからなかなか優秀だ。なお、有線LANは非搭載で、ワイヤレスはWi-Fi 6とBluetooth 5.2をサポートしている。

左側面にはHDMI出力、Thunderbolt Type-C×2、Webカメラのスイッチを用意
右側面にはUSB 3.1×2、microSDカードスロット、ヘッドセット端子を備える
microSDカードスロットにリード170MB/s、ライト90MB/sのmicroSDカードを装着してCrystalDiskMark 8.0.4を実行した結果。90MB/s前後の速度は出るようだ

テレワークに便利な機能も充実。冷却や堅牢性を重視した設計にも注目

 ディスプレイの上部には低ノイズでクリアな映像を相手に届けられる92万画素のWebカメラを搭載。マイクを4カ所設定して集音性を高めてる一方で、自分の声をクリアにするマイクノイズ除去機能も搭載。相手の声が聞きやすくなるスピーカーノイズ除去もあり、Web会議が非常にやりやすい。

自分の声がクリアになるマイクノイズ除去機能と相手の声が聞きやすくなるスピーカーノイズ除去を用意
キーボードはクセのない日本語配列で、テンキーもあるので仕事でも使いやすい。バックライトも備えているが発色は白のみ。右下には指紋センサーを備える

 指紋認証でのWindowsログオンに対応、Webカメラを物理的にON/OFFが可能、セキュリティ機能を強化したビジネスモデル向けのBIOSを搭載、ハードウェアTPM 2.0を備えBitLockerによってデータの暗号化が可能とセキュリティ面も充実しており、仕事でも安心して使える。さらに、ボディはアメリカのミリタリー規格「MIL STD 810G」に適合するタフネスな設計と物理的な部分での安心感も強い。

120Hz液晶を活かせるゲーミング性能。クリエイティブでも強さを発揮する

 ここからはベンチマークソフトで性能を測定していこう。比較用としてCore i7-8750H(6コア12スレッド)とGeForce GTX 1050 Tiを搭載するノートPCを用意した。CPUはコア数は本機を上回っているが3世代前、GPUは2世代前と性能を比較するにはちょうどよいと判断した。世代が変わるとクリエイティブ系、ゲーム系の性能がどれだけ向上するのか注目してほしい。なお、Summit E16 Flipは動作モードとして「ハイパフォーマンス」、「バランス」、「サイレント」、「Super Battery」が用意されているが、今回はすべて「ハイパフォーマンス」でテストを実行している。

動作モードは付属アプリの「MSI Cener PRO」のUser Scenarioで設定できる

 ベンチマークはPCの総合的な性能を測定する「PCMark 10」、3D性能を測定する「3DMark」、画像編集性能を測る「UL Procyon Photo Editing Benchmark」、ビデオ編集性能を測る「UL Procyon Video Editing Benchmark」を用意した。

 PCMarkは負荷が軽めの処理が多いので性能差が付きにくいベンチマークだが、それでもビジネス系アプリを実行するProductivityでは旧世代に比べて約31%のスコア向上が見られ、クリエイティブ系アプリを実行するDigital Content Creationでは約24%向上と明確な差が出ている。

 3DMarkだとより顕著だ。DirectX 11系のFire Strikeでは約45%、DirectX 12系のTime Spyでは約95%もスコアが上だ。レイトレーシングの性能を測るPort RoyalのスコアがSummit E16 Flipは低いが、RTX 3050はレイトレーシングの処理を担当するRT Coreが16基と少なく、ブーストクロックも低めの設定なので仕方のないところだろう。比較用のGTX 1050 Tiでは、そもそもPort Royalを実行できない。

PCMarkの結果
3DMarkの結果

 UL Procyon Photo Editing Benchmarkは、Adobeの写真管理・調整アプリのLightroom ClassicとフォトレタッチのPhotoshopで実際にさまざまな処理を行ない、画像編集性能を測るという本格的なベンチマークだ。Lightroom ClassicとPhotoshopの両方を使用するImage Retouchingでは、旧世代のノートPCに比べて約33%のスコア上昇、Lightroom Classicのみで処理を行なうBatch Processingでは約52%もアップとSummit E16 FlipのCPUは4コア8スレッドのCore i7-1195Gだが、6コア12スレッドのCore i7-8750Hよりも高い処理性能を見せており、最新世代のCPUがいかに優秀かが分かる。

 UL Procyon Video Editing BenchmarkはAdobeのPremiere Proを使って動画編集を実行するベンチマーク。こちらでもCPUのコア数の多さが効きやすいエンコード処理を多く含むテストながら、Summit E16 Flipのほうが約39%もスコアが上だ。

UL Procyon Photo Editing Benchmarkの結果
UL Procyon Video Editing Benchmarkの結果

 実ゲームのフレームレートも見ておきたい。軽めのFPS「レインボーシックス シージ」と最新の重量級FPS「ファークライ6」を実行した。どちらもゲーム内のベンチマーク機能を利用してフレームレートを測定している。実ゲームのテストに関しては、GPUのドライバを「GeForce Game Ready Driver」に変更している。

レインボーシックス シージのフレームレート
ファークライ6のフレームレート

 レインボーシックス シージは最高画質設定でも平均158fpsとリフレッシュレート120Hzの液晶を活かし切れるフレームレートを出せる。eスポーツ系のゲームも存分に楽しめる性能があると言ってよいだろう。ファークライ6は重量級ゲームだけあってプレイには高い性能が求められるが、それでも中画質設定で平均59fpsと十分楽しめるフレームレートを出した。ちなみにファークライ6はレイトレーシングに対応しているが、Port Royalのスコアからも分かるようにさすがに有効にしてプレイするのは厳しい。

プロの映像ディレクターが試用。メインの編集用としても使えるほど

 今回、映像ディレクターとして企業VP、商品PR、研修映像などを中心に番組制作、DVD制作、TVゲーム用映像制作なども手掛ける有限会社ビジュアル・オデッセイの吉野正隆氏にSummit E16 Flipが、プロの映像編集にも使えるのか試してもらった。

吉野正隆氏の編集業務はメインはデスクトップのWindows機だが、出先の編集用としてMacBook Proも使用している

 吉野正隆氏はメインの動画編集環境としてデスクトップのWindows機(Core i7-8700K/64GBメモリ/GeForce GTX 1080 Ti)を使用。映像編集ソフトとしては、グラスバレーの「EDIUS」やBlackmagic Designの「DaVinci Resolve」を使っているという。スタジオなど撮影場所で編集作業をすることもあるため、サブ機としてMacBook Proも用意しているとのこと。

Summit E16 Flipで実際に映像の編集を試してもらった

--映像ディレクターとはどのような仕事なのでしょうか。

[吉野氏]1998年からTVの映像制作会社で働いていてディレクターを目指していましたが、その職場ではADを最低5年はやらないとディレクターになれないことを知りました。それが待ちきれないというのと、ADとして2年目のときにソニーのDSR-PD100(業務用デジタルカムコーダー)を買って、Windows環境で使えるノンリニア編集ボードであるカノープス(現グラスバレー)のDVRaptorや編集ソフトのPremiereを導入したら、まわりのディレクターとかにこんなに安くできるのかと驚かれたので、これを仕事にできるのではと考えて独立しました。

 TVの番組ディレクターではなく映像ディレクターをやっているのは、TVの仕事はどうしても拘束時間が長いので、もう少し自分のペースで仕事をしたいというのがあります。映像ディレクターの仕事は幅が広く、監督として脚本書いて、音声やカメラマンなどを指揮することもあれば、それらを全部一人でやるビデオグラファーのように動くこともあります。

現在は一人で撮影も編集もこなすビデオグラファーのような仕事のスタイルがメインになっているという

--仕事ではPCをどのように使っているのでしょうか。

[吉野氏]映像の編集は主にデスクトップPCを使っています。ノートPCを積極的に使うのはローカルCMの制作ですね。CMは15秒と時間が決まっていますので、ロケまでに動画編集アプリのプロジェクトをあらかじめ作っておきます。“ここでテロップ何秒”とか先に決めておくわけです。あとはそれに合わせて現場で映像をはめ込んでいきます。そうした作業をロケ先で行なうにはノートPCが必要になります。また、地方の仕事だと終わるまで事務所に帰ることはできないという点でも必須と言えますね。

吉野氏の作業場。シンプルにまとめられている。VR機器は趣味とのこと

 ほかにもMA(音の最終調整をする作業)がクライアントに見せる場になることが多く、その場で修正指示が出ることもあるので、そのときもノートPCを使います。また、スタジオに行くときは事前にデータをオンラインでアップロードするのですが、読み込めないなどのトラブルが起きたときのためにノートPCに映像の変換ソフトを入れて持っていくようにしています。

 現在ノートPCはMacBook Proの2019年モデルを使っています。大きな理由は普段使っているWindows環境をBootCampで入れられること(最新のM1チップのMacはBootCamp非対応)。WindowsのノートPCをこれまで使わなかったのは、MacBook Proのデザインが好みだから。それに一部でありますが、クリエイティブな作業はMacのほうがいいんだろうと思っている人たちがいるという現実もあり、それも含めて見た目が大事だったりします。OSとしてはずっとWindows派です。

--Summit E16 Flipを使った印象を教えてください。

[吉野氏]箱から取り出したときの第一印象は思ったよりずっとスタイリッシュだなと。Windowsノートというとプラスチックの素材感とか、所々がボコッと膨らんでいるような造形がちょっと好みに合わないイメージがあったのですが、Summit E16 Flipなら持ってもいいかなと思いましたね。

 想像よりも薄かったのに加えて、MacBook Proの2019年モデルにはないHDMI出力があったり、Type-CだけではなくType-AのUSB端子があるのが便利ですね。今までWindowsのデスクトップPCがメインだったのでThunderbolt関連の製品は使っていなかったのですが、これにはThunderbolt端子もあるので、対応の高速な外付けストレージと組み合わせて大容量の映像素材をやり取りできるのはいいですね。

 ディスプレイに関しては、最近映像の再生媒体が多角化していて、さまざまなディスプレイでチェックしています。TVの仕事をしていたので基本的にNTSCの色温度9300Kでチェックしますが、最終的には色温度6000Kのディスプレイ、MacBook Pro、iPhone、TVのBRAVIAでも確認します。Summit E16 FlipはMacBookやiPhoneに近いDCI-P3相当ということで、映像チェック用のディスプレイの1つとして使えると思います。

--Summit E16 Flipでの映像編集は快適でしょうか?

[吉野氏]最近メインのデスクトップ機で作業した4K/30p(XAVC-Iコーデック)の映像素材を使ったDaVinci ResolveのデータをそのままSummit E16 Flipで読み込んでみました。DaVinci Resolveはビデオメモリ量が快適度に影響しやすいソフトです。デスクトップ機のGeForce GTX 1080 Tiは世代が古いですが、ビデオメモリが11GBあり、Summit E16 FlipのRTX 3050は4GBなので、どうしても差は出てくるのですが、多少のコマ落ちはあるものの十分編集できる速度で再生できたので、デスクトップの代わりになり得るのではと感じました。

 エンコードの面ではNVENCに対応しているので、高速なGPUエンコードを使えるのが便利ですね。CPUエンコードの方が画質はいいですが、GPUエンコードでもビットレートを上げてしまえばほぼ画質差はなくなるので、最近では問題ありません。YouTubeで公開する仕事の場合は、YouTubeにアップする時点で画質差は分からなくなってしまいますので、だったら短時間ですむGPUエンコードのほうがラクですよね。

 意外に便利だったのがMSI Penです。タイムラインの映像をMSI Penでなぞれば、素早く送れるので目的のシーンを探すのに非常に使えます。マウスより快適ですね。MSI Penに慣れれば、現場でタブレットモードにして立ったまま編集作業もできるかもしれないと思いました。また、撮影ではホワイトボードを使って指示を書いたりしますが、その代わりにもなりそうです。

タブレットモードにしてMSI Penで手書き入力すればホワイトボード代わりになるのが便利という
180度開いた状態でも利用できるので、打ち合わせ時にMSI Penを使って素早くアイディアを共有できる
テントモードはプライベートの映像視聴に便利だったという

 私としてはプロよりもコンシューマで映像編集するほうがマシンパワー、とりわけCPUパワー、GPUパワーが必要だと思っています。一眼のカメラやスマホでも動画を撮る方が増えていますが、H.264やH.265など高い圧縮率の形式で撮影されることが多いのではないでしょうか。それを快適に編集するには高いマシンパワーが求められます。

 プロの世界ではストレージの容量が必要になっても編集しやすい(編集時に軽い)形式で撮影することが多いのですが、個人では違うと思いますので、そういった意味でもSummit E16 FlipのCPUとGPUパワーはバランスがよく有効だと思います。それにWindowsならゲームもたくさんあり、より幅広い用途で使えるのでお得感がありますね。

--ありがとうございました。


 Summit E16 Flipの性能の高さはベンチマーク結果から客観的に示されたが、動画編集に慣れた吉野氏の試用からも裏付けられた。

 16型ノートにおけるタブレットモードやテントモードでの運用、MSI Penによる入力といった機能面の新しいアプローチも実用性が高そうである。

 本機はプロクリエイターの持ち出し用の作業環境としても、一般ユーザーが“1台で何でもできる”環境としても通用する実力を持ったノートPCだ。そして、そのいずれにおいても従来のノートPCとは違う体験とメリットをもたらしてくれることだろう。

吉野正隆。有限会社ビジュアル・オデッセイ取締役社長。企業VP、商品PR動画などを中心に番組制作、DVD制作、TVゲーム用映像制作などを手掛けている