トピック
ガチくん、ときど、2人の覇者が体験。PCではストVのプレイはこう変わる
~聞き手はCAPCOM Pro Tour公認Coストリーマーの奥村茉実さん
- 提供:
- インテル株式会社
2019年12月12日 11:00
2020年の東京オリンピックにあわせ、eスポーツトーナメントである「Intel World Open」が開催される。ゲームタイトルは「ストリートファイターV」と「Rocket League」だ。賞金総額はタイトルごとに25万ドルずつと巨額。そして、誰でも参加可能ということで、アマチュアからプロまでこの大会に注目する人は多い。
Intel World Openの1つの特徴は、プレイするプラットフォームがPCとなることだ。ストリートファイターVについては、プロシーンでは家庭用ゲーム機が採用されている。もちろん、家庭用ゲーム機であっても、PCであっても、ゲーム内容は変わらないのだが、細かいところでは差がいくつかある。具体的には追って紹介するが、PCと家庭用ゲーム機のどちらが良いとか悪いということではなく、違いがあるということを知っておこう。
今回、編集部は、CAPCOM Pro Tour公認Coストリーマーで自ら大会にも参加するタレントの奥村茉実さんとともに、ストリートファイターVの2018年ジャパンプレミア覇者であるときど氏と、CAPCOM CUP 2018覇者であるガチくんにその辺りのことを質問してみた。
本稿は前後編に分かれており、後編ではストリートファイターVにかぎらず、広くPCでゲームするメリットとして、さまざまなアプリを使ってコンテンツ作成にも活用できることを、ガチくん、ときどさん、奥村さんにそれぞれ体験いただく。
トップに君臨し続ける秘訣。優勝して変わったこと。奥村さんが、2人の世界覇者に質問
奥村:この企画ではお二人にPC版でストリートファイターVを試していただくのですが、その前に、いくつか質問をさせてください。まずはときどさんにお聞きします。ときどさんは長期間にわたってeスポーツシーンのトップに君臨されていますが、その秘訣は何でしょうか。
ときど:いろんな要素があると思うのですが、1つ挙げるならば物事を継続的に行なうことでしょうか。僕は小さい頃からそういう訓練をしてきました。具体的には、習い事や勉強などですね。
ゲームの勝負に置き換えて話すと、SFVシーン全体のレベルが上がってきて、みんなが楽しいと感じることだけやっているのでは、勝ちにくくなってきたという状況があります。そのなかで僕が取り組んでいるのは、ゲームの中身だけにこだわらず、勝負事に関するいろんな知識を身につけるということです。
一見ゲームとは関係なさそうに見えるところから、必要だと思えるさまざまな知識を拾っていけるのは、かつて、楽しいこととセットでやらなければいけなかった勉強に対しても、嫌だと思って取り組まなかった昔の経験が活きている部分だと思います。
奥村:ときどさんはCMへの出演や著書の執筆など、格ゲー以外の部分でも活躍されてますよね。今後やってみたいことはありますか?
ときど:数年前からはじめた空手がもう少し上手くなりたいというのはありますね。今の僕の取り組み方だとまだ青帯なんですけど、もっとちゃんと空手に取り組まないと、緑帯になれないと感じています。
奥村:ガチくんもときどさんと空手の稽古をやってるんですよね。組み手とかもやってるんですか?
ガチくん:はい。もう2回くらい骨を折られました(笑)。
ときど:1回だろ(笑)?
ガチくん:じっさいは折られてはいないんですけど(笑)。うれしかったのは、ときどさんが最初から全力で当たってきてくれたことですね。お陰で逆にすごくやりやすかったです。
奥村:ガチくんはカCAPCOM CUP覇者になってそろそろ1年ですが、ゲーマーとしての立場や考え方、人生観など、なにか変化を感じますか?
ガチくん:優勝するまでは、一流のプレイヤーよりは少し下に見られていたところはあったと思います。でも今年は、大会で対策される立場になったので、一気に勝ちにくくなったと感じます。だから今は、継続して勝つためにどうすればいいのかを考えるようになりました。
それと、藤村さんやときどさんのように、継続的に結果を残している人のプレイをよく見るようになりましたね。昨年のCAPCOM CUP優勝をまぐれだと思われたくはないです。
仕事という面でも、TVに出演したり、インタビューなどで話す機会が増えました。そこでは自分の考えをしっかり持って、自分の思っていることをきちんと伝えなければならないと感じます。
奥村:お二人はTOPANGA TVでほぼ毎週共演していて、大会でも顔を合わせる関係だと思うのですが、ときどさんから見て、ガチくんのどのあたりが変わったと感じますか。
ときど:本人の言うとおり、みんなのガチくんを見る目はだいぶ変わったと思いますよ。注目される立場でなかった頃は、ただ勝負に勝つことだけ考えていればよかったのですが、今はそうではないですよね。
一度チャンピオンになると、そこからはゲームに勝つだけでは足りなくて、自分なりの「考え・主張」を示すことも大事です。たとえば自分がなんでゲームをやってるのかとか。ガチくんは注目される立場になるまでそれを考えたことはなかったと思うのですが、この1年でそれを考えて、発言するようになりましたね。そこが一番大きな変化ではないでしょうか。
ただ、主張を持つことって、はじめはうまくいかないんですよ。「考え」と「行動」を繰り返して、行ったり来たりすることで、いま持っている主張は強くなっていくものです。だからガチくんは、これからも、もっともっと強い主張を持つようになっていくと思います。
ガチくん:ときどさんなんかを見ていて、こうやってみんなクセが強くなっていったんだな、と実感しています。
奥村:ちょっと気が早いかもしれませんが、ガチくんの来年の意気込みを聞かせてください。
ガチくん:ゲーム以外の部分でも僕のことを見てもらえる1年にしたいです。試合で結果を出すのはもちろんですが、それ以上に、僕が今後やることに興味を持ってもらいたいですね。いろんなところにゲームシーンを広めたいという思いがあります。たとえば先月の南アフリカ訪問もその一環です。見知らぬ世界でのプレイヤー開拓や、ゲームの振興にも一役買えたらと思っています。
PCでは、ときどさんのヒット確認がとんでもない精度に
奥村:公式トーナメントツアーであるCAPCOM Pro Tourでは、家庭用ゲーム機が採用されていますが、中国大会ではPCが採用されていましたよね。その辺りで、なにか違いを感じたりしましたか?
ときど:僕はPCでプレイすることはこれまでほとんどなかったんですね。で、中国の大会では、普段なら相手が反応できないはずの状況で、全部反応されたということがあったんですよ。それはPCには環境が構築できるという特性があるからです。じっさい、対戦でなくても、レバーを倒して前後に歩くだけでもわかるくらい反応が速い環境を作ることができます。今後もしPCが公式大会の標準プラットフォームになるなら、作戦の立て方を変えていかないとダメだと感じるほどです。
奥村:では、じっさいにヒット確認(※相手を攻撃して、1発目がガードされたら何もせず、ヒットしていたらコンボにつなげる。技にもよるが、相手のガード/ヒットを目視で確認する猶予時間は60分の16秒前後)を、ここでデモンストレーションしてもらえますか?
ときど:僕のメインキャラは豪鬼で、このしゃがみ中キックからのヒット確認猶予は16フレーム(60分の16=約0.267秒)なんですね。せっかくなんで、今回はメインキャラではないうえに、ヒット確認猶予が15フレーム(0.25秒)しかないキャミィというキャラのしゃがみ中キックからスパイラルアローのコンボに挑戦してみますよ。
ガチくん:16フレームと15フレームは、たった1フレーム(約0.017秒)の差だけど、16フレームはできても、15フレームはトッププロでも本当に難しいって言われてます。これが、現実的なレベルでできるようになると、試合の勝率はかなり変わってきますよね。
ときど:20回中成功19回です。
ガチくん:すごいっすね!(笑)
ときど:自分でもびっくりしました(笑)。普段、豪鬼を使ってもここまではできないかもしれません。やっぱり普段の環境とは違いますね。このタイミングでボタンを押してもまだコンボに間に合うの? という感じです。Intel World OpenはPCがプラットフォームになるので、上位を狙いたいなら、PC版にも慣れておきたいです。
ガチくん:僕はインプレスeスポーツ部の定期配信「ガチくんに!」では、いつもPCでプレイしているんですが、最高画質にすると、より絵が緻密で迫力が増すのもいいですよね。
あと、ガチくんに!で使っている機種や自宅のPCはストレージがSSDなんで、1戦ごとのロードもすごく速いです。オンラインで試合を終えた後にトレーニングモードへ戻るのが速くなるので、結果的に同じ時間でもよりたくさん試合をこなせます。普段の練習にもいい影響がありますね。
ときど:あと、海外の家庭用ゲーム機が普及していない地域ではPCを使うというケースもありますね。今は安価なPCでも性能が上がってきてるから、わりとストリートファイターVが動作するPCも多いんじゃないかな。
奥村:ガチくんはノートPCでもストリートファイターVをプレイするんですよね。
ガチくん:ノートPCのいいところは、薄くて持ち運びやすいところ。おもに海外遠征のときに使っています。ノートPCなら、場所を問わず、ゲームを起動して調べ物をしたり、ほかに誰かいたら一緒に練習することもあります。空港とかでも練習することも。回線があれば、これ1台で配信もできますし、重宝しています。
奥村さんにも質問
編集:最後に、奥村さんにもいくつか質問をさせていただきます。ストリートファイターVをはじめたきっかけってなんだったのでしょうか。
奥村:私はそもそもゲーム自体をすることがあまりなくて、やるとしてもカジュアルで、みんなでワイワイ楽しむような遊び方でした。で、今お世話になっている浅井企画でゲーム部ができたときに、ストリートファイターリーグの話をいただいたのが直接のきっかけです。それまで格ゲーどころかゲーム自体真剣にやったことがなかったのですが、ビギナークラスだからということで、思い切ってやってみました。それからちょうど今で1年くらいです。
編集:ストリートファイターVのここが面白い、と思うところはどこでしょうか。
奥村:これはライブ配信をしていることとセットなのですが、プレイする私と、見ている視聴者の方が、プレイ内容やゲームの情報を共有して、複数の面から楽しめるところです。ただ漫然とプレイしているだけ、見ているだけでなく、ストリートファイターというゲームのライブ配信を通して、1人でプレイするだけでは得られない楽しさがあるところが魅力ですね。
視聴者のなかには「奥村さんを見てはじめました」と言っていただける方もいらっしゃって、そういうときは、ストリートファイターVをやっていてよかったなと思いますね。はじめてすぐの頃は本当に全然勝てなくて、当時は「ビジネスでやってる」なんて言われたりもしましたが、それはむしろ「絶対にやめない」と自分の背中を押してくれた出来事でもありました。
編集:今後、どういうプレイヤーになりたいですか?
奥村:うまいへたは関係なく、とにかく楽しめること、女性でもできるゲームであることをアピールしていけるプレイヤーになりたいです。もうビギナーではないと思うので、練習、応援、配信に加えて、出られる大会にはどんどん出たい。直近ではTOPANGAチャリティーカップにも参加するつもりです。
ときど:リーグという「無理やり戦わされる」、「強制的に評価される」場でやるというのは、相手も同じビギナーとはいえ、すごくしんどい思いをしたと思うんです。そんななか、みんな頑張りましたよね。
奥村:長かったですね。
ガチくん:みんな最後まで戦い抜いたのは偉いですよね。
ときど:その結果、ちょっとだけ上手くなった。ちょっとずつ上手くなっていくところをみんなに見せてくれたというのは、意味のあるリーグだったなと思いますね。
奥村:ありがとうございます。
編集:目標としているプレイヤーはいますか?
奥村:海外女性プレイヤーのSherry Nhanさんですね。強いし、ぐいぐい先に進んでいく感じもある。でもたまにCPTの公式解説席でご飯を食べたりしてるし、オールマイティに楽しんでるところに憧れます。それから、はつめさんも目標にしている1人です。はつめさんも初心者向けに配信したり、大会に出たりしてらっしゃいますよね。私もキャミィの動きを教えてもらいました。彼女のように、配信も、プレイヤーとしての活動も、同じくらいの力でできるようになりたいと思っています。
--後編へ続く--
現在インテルは、「Intel UNLEASH YOUR BRILLIANCE キャンペーン」を開催中。2020年2月29日まで、対象店舗にて第9世代Core i5プロセッサー単品か、対象CPU搭載PCを購入すると、ストリートファイターVのシリアルコードがもらえる。以下に、そんな第9世代Core i5プロセッサーを搭載した編集部お勧めPCを一挙紹介する。
ストリートファイターVは、2020年2月に新バージョン「ストリートファイターVチャンピオンエディション」が発売されるが、現行のバージョンも「ストリートファイターVアップグレードキット」(発売中)を購入することで、アップグレードできる。
また、来たる12月14日(土)には、東京・アキバCOギャラリーにて、ストリートファイターVをはじめとしたPCゲーム/eスポーツの楽しさをいろいろなかたちで体験できるイベントが開催される。ここに紹介したPCは、こちらのイベントでも展示予定なので、購入前に実機に触れたいという人は、足を運んでみてはいかがだろうか?