レビュー
PFUのドキュメントスキャナ「ScanSnap iX1500」を試す(後編)
2018年10月25日 06:00
PFUのドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズの最新モデル「ScanSnap iX1500」のレビュー、前編では外観周りの紹介からセットアップ、実際のスキャンまでを、新ソフトウェア「ScanSnap Home」を用いてチェックした。
今回の後編では、残る新機能の紹介に加えて、製品ページでは触れられていない本製品ならではの挙動、既存モデルとの違いを中心に紹介していく。おもに既存ユーザの方、およびこれから購入を考えている方の参考になれば幸いだ。
タッチパネル上で設定が変更できるのは是か非か
今回のiX1500の最大の特徴は、なんといっても本体のタッチパネル上で読み取り設定(プロファイル)を選べるようになったことだ。従来モデルのiX500であれば、
・(スキャナ側)原稿をセット
・(PC側)プロファイルを選択
・(スキャナ側)Scanボタンを押す→読み取り
・(PC側)結果を確認
という、スキャナとPCの間を行ったり来たりのフローだったが、今回のiX1500では
・(スキャナ側)原稿をセット
・(スキャナ側)プロファイルを選択
・(スキャナ側)Scanボタンを押す→読み取り
・(PC側)結果を確認
というシンプルなフローに改められた。最初にPCを開いて設定を確認/変更しなくてもよいのは非常に便利で、いちど使うと従来の流れが不自然に感じられるようになる。
読み取り設定(プロファイル)は、PCにインストールしたユーティリティ「ScanSnap Home」上で登録する。デフォルトのプロファイルをそのまま(もしくは編集して)使ってもよいし、「ScanSnap Home」の「新規プロファイル追加」にあるサンプルから追加・編集してもよい。
ところで本製品は、スキャナ側でプロファイルを選べるだけではなく、一部設定の変更までスキャナ側で行なえてしまう。なるべくスキャナ側で操作を完結させられるという意味で優秀な機能だが、この仕組みだと、スキャナ側で一時的に変更したプロファイルを元に戻すのを忘れたまま、延々とスキャンを続け、気づいた時にはすでに原稿が手元になく後の祭り……という事故を防げない。
もしこれが、スキャナ側での設定変更はあくまで一時的なもので、本体の電源をオフにするなどの操作によって、ScanSnap Home側のプロファイルに上書きされて元に戻る仕組みであれば、このような問題は起こり得ないわけで、個人的にはこのほうがよかったように思う。現状のように、ScanSnap Home側のマスターデータまで書き換わると、どこを変更したか確認もできない。上書き禁止のモードと両方を選べるようにしてほしかったところだ。
またこれとも関連するのだが、プロファイルの設定内容を一覧できる画面が欲しい。たとえば後述する新機能「縦筋軽減」は、プロファイルのメイン画面には表示されておらず、「フィード」→「オプション」を開かなければ確認できず、オンのつもりがオフになっていたというミスが起こりやすい。設定できる項目数もかつてに比べて増えている現在、ぜひこれは実現してほしいところだ。
あと気をつけたいのは、スキャン中のプレビュー表示ができなくなったことだ。従来であれば、スキャン中にページのプレビューが表示されることで、現在どのあたりのページをスキャン中なのか、またページの向きやカラーモードの設定を間違っていないか確認できたが、今回はスキャン済みの枚数が表示されるだけになっている。iX500など従来モデルについても「ScanSnap Home」に置き換えると表示されなくなるので要注意だ。
プロファイルのインポート・エクスポート機能が欲しい
本製品に付属する「ScanSnap Home」は、1ライセンスにつき5台のPCが接続でき、かつ1台のScanSnapにつき4ライセンスが利用できるなど、複数PCおよび複数人での利用に向いたライセンス体系になっている。しかし実際に複数のPCに「ScanSnap Home」をインストールし、各PCから本製品を利用できるようにすると、挙動はかなりややこしいものとなる。
もともとScanSnapの読み取り設定(=プロファイル)は、従来の「ScanSnap Manager」の頃からインポート・エクスポートの機能がなく、インストール先のPC上で毎回作成する必要があった。PC移行時もいちから再作成しなくてはいけないという、極めて不便な仕様である。今回のScanSnap Homeもこの仕様は同一だが、いかんせんiX1500は、スキャナ側とScanSnap Home側でプロファイルを同期する仕様だけに、少々ややこしいことになる。
具体的には、別のPCにScanSnap Homeを導入して認識させると、別のPCのプロファイルもまた、タッチパネルに追加されてしまう。つまり、AというPCで作成した5つのプロファイルが表示されているところに、Bという新しいPCを接続すると、Bで作成されたプロファイル(デフォルトでは4つ)が追加され、合計9つのプロファイルがタッチパネルに並ぶことになる。接続先ごとに異なる色で表示されるので判別こそ容易だが、見た目はかなり煩雑だ。
またこのプロファイルは、PC間で共有できない。プロファイルは、たとえカラーモードや画質などが同一でも保存先のパスなどが異なるため、完全に同じ設定のまま共有するのはたしかに無理だろうが、そのせいで前述のようにアイコンが煩雑になってしまう。業務用の製品によくある、タッチパネル上でユーザーを選び、さらに保存先を選ばせる方式が必ずしもよいとは思わないが、アイコン数が増えるのを見越した何らかの解決策はほしいところだ。
また、そもそもの問題として、新しいPCを接続するたびにほぼ同一内容のプロファイルを新規作成させられるのは、正直かなりの手間だ。すべての項目でどの選択肢を選んだのか覚えているわけではないし、何より設定する項目の数が多すぎる。保存先などPC固有の設定を省いたプロファイルのインポート・エクスポート機能があれば、解決しうるように思う。ScanSnapアカウントに紐づけてクラウドにアップロードできたりしないものだろうか、と思う。
ちなみに、すでに作成済みのプロファイルをベースに、新しいプロファイルを作る手順も非常に分かりにくい。具体的には、新規プロファイルの編集(追加ではない)から該当のプロファイルを選択した状態で「編集」→「コピー」を行なうと、末尾に_(1)とついたプロファイルが作られるので、それをベースに編集すればよいのだが、ダイレクトに「プロファイルを複製」という項目があってほしいところだ。
異なるスキャナでのプロファイル共有が不可能に
上記の問題は、従来の「ScanSnap Manager」にもあった問題が表面化しただけなのだが、従来は可能だったのが今回できなくなった機能もある。それは本製品を含む複数のScanSnapを1台のPCで使う場合の、プロファイルの共有だ。
従来は、ScanSnap Managerをインストールさえしていれば、そこに別のスキャナを接続しても、同じプロファイルを共有できた。たとえば、通常はiX100を使い、両面および枚数が多い原稿はiX500を使い、さらに本の見開きスキャンはSV600を使う……といった具合に、用途ごとにスキャナを取り替えても、プロファイルが1つあれば事足りた。
ところが今回のScanSnap Homeでは、利用するスキャナごとに別々にプロファイルを作成しなくてはならなくなった。つまり前述のようなケースだと、3台のスキャナそれぞれについて、合計3つのプロファイルを、完全に新規に作成しなくてはいけない。これについても、プロファイルのインポート・エクスポート機能があれば解決できるはずで、いろいろなツケが回ってきているように感じられてならない。
ちなみにほかのPCで作成したプロファイルは、削除だけはできてしまう。作成者しか削除できない仕組みだと、作成者がScanSnap Homeをアンインストールすると誰も削除できなくなるので、このような仕様になっていると推測されるが、参照も編集もできないのに削除だけは可能というのは、考えてみれば不思議な仕様だ。
むしろほかのユーザーが作ったプロファイルを複製して使い回せる機能があれば、削除が可能なことも含めて辻褄は合うし、またプロファイルのバックアップにもなることから、ここまで述べた諸問題が解決できるように思える。考えうる仕様の中から取捨選択してこのような実装になっているのだろうが、いずれにせよユーザー目線では、複数のPCおよびスキャナを使う場合には、いろいろと首をひねることが多いのは事実だ。
「ScanSnap Home」が外部ツールの編集を受け付けない問題
もう1つ、日常のスキャンにおいて、筆者的にはかなり困った問題がある。それは今回の「ScanSnap Home」が、従来あった読み取りを行なうソフト「ScanSnap Manager」と、ファイルの管理・編集を行なうソフト「ScanSnap Organizer」が統合されたことに起因する問題だ。
筆者はこれまで「ScanSnap Manager」で読み取りを行なったあと、PDFの表示や編集にはAcrobatを、また一覧表示にはWindowsのエクスプローラーを使っていた。「ScanSnap Organizer」を使わなかった理由は動作が重いこと、また「ScanSnap Organizer」で編集可能なのはScanSnapで読み取ったファイルだけで、汎用性に欠けるからだ。
ところが、今回は「ScanSnap Home」では「ScanSnap Manager」と「ScanSnap Organizer」が統合されたため、スキャン完了後は否応なくScanSnap Organizer相当の画面が表示されるようになった。問題なのは、この画面で表示されるPDFのサムネイルや基本情報(スキャン日時やページ数など)が、Acrobatなど外部ツールでPDFを編集すると、更新されなくなってしまうことだ。
更新されなくなったことを画面上で見分ける方法はないので、Acrobatでの編集後に何度ScanSnap Homeをリロードしても表示される情報は以前のままという状態に陥る。ダブルクリックすれば開くことはできるが、外部ツールでリネームするとそれすら不可能になる。要するに「もうウチの子じゃありません」という状態になるわけだ。
ScanSnap Homeは検索性能も高く「ローカルで動作するEvernote」と考えれば優秀なのだが、たとえばホーム画面の中央列(コンテンツリストビュー)に表示される3行サマリなる要約文はPDFに埋め込まれているわけではなくScanSnap Home側でデータを持っているようで、これによってPDFファイルの保存先が縛られるのは、個人的にあまり好きではない。
また従来同様、お世辞にもスピーディーとは言えない動作速度もネックで、A4×1ページのPDFをCドライブ内の別フォルダを移動するだけで5~6秒かかる。これは正直かなりきつい。本製品を使い始めて3週間、この点だけはうまい解決方法が見つかっていないのが現状だ。
縦筋軽減やクリーニングアラームなど「美しくスキャン」が大幅進化
と、ややネガティブな評価が続いたが、その一方で、こんなことまでできるようになったのか、と驚かされる秀逸な機能がいくつもある。なかでもスキャンを美しく行なうための機能は、大幅な進化の跡が見られる。その最たる例が、新しく加わったオプション「縦筋軽減」だ。
「縦筋」は、背景が濃い原稿をスキャンすると高い確率で発生するアレ、といえば既存ユーザーの方にはお分かりいただけるだろう。センサーに付着したゴミにより、読み取り方向に向かって白い縦線が入る現象のことで、泣かされた経験のある人は多いはずだ。今回の「縦筋軽減」はこの縦筋を軽減するためのオプションで、自炊など大量の読み取りを行うユーザーには待望の機能と言っていいだろう。
設定する場所はややわかりにくいのだが、プロファイル編集画面の「マルチフィード検出」のオプション付近にあり、デフォルトはオンになっている。今回、オフにした状態で1,000枚近くスキャンを行なっていたところ、都合よく(?)縦筋が発生する原稿が見つかったので、オンにして再度スキャンを行なったところ、見事に縦筋が解消された。具体的には以下の画像をご覧いただきたいが、お見事というほかはない。
この機能で危惧されるのが、原稿にもともと図柄として存在する縦線を誤って消してしまわないかということだが、今回縦筋が発生した原稿にはページの折り目があり、そちらは消えていなかったので、少なくとも縦方向の線を無条件に消しているわけではないようだ。また読み取り速度への影響もないようなので、重要な原稿では目視で確認したほうがよいにせよ、通常はデフォルトオンの状態で使っても問題ないだろう。
ただしオンの状態でスキャンした場合、オフの状態のそれに比べて、わずかながらシャープネスが強くなる傾向があるようだ。もともとScanSnapの絵作りは他社に比べてシャープネスが強く、そこにさらにシャープがかかることになるので、このあたりの絵作りが気になる人は、通常はオフにしておくのも手だろう。
またこれとも若干関連するのだが、読み取りセンサーが汚れた時にそれを検知してユーザーに通知する「クリーニングアラーム」機能も秀逸だ。これまでは読み取り完了後にPDFを目視でチェックして汚れが影響を及ぼしていないか確認しなくてはいけなかったが、本製品ではセンサーに汚れが付着したことを検知してアラートを出してくれる。
しかもセンサーのどのあたりが汚れているか、バーで表示してくれるという親切さである。ユーザーはこの通知が出たときに淡々とクリーニングを行なうだけでよい。スキャン後の目視チェックがまったく不要とは言わないが、たいていはこれで済んでしまうのではないだろうか。前述の縦筋軽減とともに、本製品に買い換える価値がある機能の筆頭といえる。
タイトル自動生成機能は秀逸だが時間がかかることに注意
スキャンしたファイルのタイトルを自動生成する機能も目玉の1つだ。ScanSnap Cloudではすでに実装済みの機能で、読み取ったデータをテキスト認識し、その中からタイトルと思しき文言を抽出してファイル名につけてくれる機能だ。スキャンを大量に行なうと、読み取り日時だけのファイルがズラリと並んで見分けがつかなくなるが、この機能を使えば、ある程度は中身を類推できるようになるので重宝する。
ただし気をつけたいのは、この機能をオンにすると、読み取りが完了してからPCで表示可能になるまでの時間が大幅に伸びることだ。とくに自炊本のように100ページを超えるPDFはこれが顕著で、たとえばA4カラー300dpiで132ページのPDFの場合、タイトル自動生成がオフだと1分38秒のところ、オンだと4分22秒と、約2.5倍の時間がかかった。いくつかのパラメータを変更して試してみたが、2倍強になるのは変わらないようだ。
もっとも、この機能はそもそも、サムネイルだけでは判別しにくいデータを見分けやすくするためのものなので、表紙だけで内容が判別できる自炊データの場合、オフにしておいても問題ない。そもそも自炊データはスキャン後にタイトルを手動で付け直すはずなので、この機能の出番はまずないだろう。
一方で、この機能が必要とされる数ページ以下のドキュメントは、仮に処理時間が倍になったとしてもせいぜい30秒が1分強になる程度なので、まったく問題ないとは言わないが、まだ我慢できるレベルだ。要は自炊本など必要としないスキャン時にこの機能をうっかりオンにしないよう、プロファイルをしっかり分けておけば問題ない。
キャリアシート不要になったA3スキャンは使いづらい点も
ここまで紹介しきれなかった新機能、および仕様や挙動が変更になったポイントを最後にまとめて紹介しておく。
新しい付属品である「名刺レシートガイド」は、給紙ガイドに取り付け、名刺やレシートなどの原稿をセットしやすくするオプションだ。名刺については同時セット可能枚数が少なくなることもあり、個人的には特に必要性を感じなかったが、レシートのように反り返る原稿についてはセットした際に手前に反らなくなる利点があり、使う価値があると感じた。
A3サイズの読み取りにキャリアシートが不要になったのも1つの目玉機能だ。2つ折りでスキャンしたのち、ソフト上で表裏を結合させてA3サイズに合成する仕組みはそのままだが、従来はキャリアシートに挟む必要があったのが、本製品ではキャリアシートが不要になり、A3原稿を2つ折りにしてセットするだけで処理されるようになった。
ただじつはこれが曲者で、原稿の折り曲げ部分に文字や文字や図表がある場合はA3とみなして合成されるが、そうでなければA4(の両面)とみなされるため、たとえば履歴書のように左右に完全に分離している原稿をスキャンすると、左右別々のページに切り離される。従来のように、なるべく折り曲げ部分に文字や図表がかからないように2つ折りにすると、かえって失敗の確率が上がるのが厄介だ。
もし合成されなかった場合、読み取り後にソフト上で手動合成するか、キャリアシートを使うことになるが、前者はサイズ違いでエラーが出ることも多く、後者は従来と違ってキャリアシートは同梱されないため別途購入する必要がある。確実性が下がったぶんだけ、かえって以前よりも使いにくくなったというのが筆者の評価だ。
また手差しスキャンも便利な機能だ。従来は封筒など2枚重ねの原稿を読み取ろうとすると重送エラーが発生していたが、このモードを使えば普通にスキャンできるので、たとえば封筒の宛名なども手軽にスキャンできる。筆者はこれまで封筒の読み取りはストレートタイプのiX100を使っていたが、今後は本製品だけでカバーできそうである。地味だが助かるという人も多いのではないだろうか。
ちなみにこの「手差しスキャン」をもってしても、コート紙など滑りやすい紙は、従来モデルと同様、エラーが起こりやすい。とくに自炊本の表紙で原稿の左右どちらかにノリが残っている場合、原稿を排出し終える直前にスリップし、原稿の下数cmの部分が横に曲がる現象が発生する。
そのため自炊本をスキャンする場合、こうした表紙やカバーだけは、キャリアシートに挟んでスキャンするか、もしくはそうした症状の起こりにくいスキャナ、具体的にはストレート排紙のiX100で読み取ってやる必要がある。どのような症状かは、以下の動画で確認してほしい。
他社に比べ「2周リード」も、やや自動化にこだわりすぎか
以上のように、タイトルの自動生成や縦筋軽減など、技術的にも難易度が高いはずの機能をさりげなく盛り込んできている点は秀逸だが、その一方でA3の2つ折りスキャンのように、確実性が低下したことで逆に使いにくくなった機能もある。またスキャン中のプレビューのように、ひっそりとできなくなっている機能があるのも気になるところだ。
もともとScanSnapは、すべてをワンタッチで行なえるのがコンセプトだそうである。確かに初心者にはこれが有効で、その点で自動化を推し進めるのは理解できるが、ユーザーが求めるのは「ワンタッチで99%うまくいけば残り1%は失敗してもいい」ではなく、「この方法でやれば100%成功する」という確実性ではないかと思う。その点については、個人的に感覚のズレを感じる。
そもそもビギナーが求めるハードルの低さと、確実性云々の話はまったく別物だと思うのだが、今回の製品はこれを全部ひっくるめて自動化で処理しようとするあまり、ブラックボックス的な挙動が増え、確実性はもちろん、中級者以上が求める自由度も低下している。これが製品を数年来使い込んだ「老害」だけの意見ならスルーしても構わないだろうが、今はスキャンだけで満足しているビギナーも使い込めばいつかそこに到達するわけで、今後の舵取りは少し気になる。
ScanSnapという製品が現時点で強く支持されているのは、製品自体が優秀なのはもちろんだが、他社製品が不甲斐なさ過ぎて、ScanSnap以外の選択肢がなくなっている点も大きい。つまり言語化しにくい違和感があっても、あまり実売など目に見える影響が出にくい状況にあることは、差し引く必要はあるだろう。とくに今回の製品では、他社に比べこれまで1周リードだったのが、2周リードくらいまで引き離した印象なので、この懸念はむしろ大きくなったように思う。
現時点でハードウェアに関しては、前述のスリップの問題や同時セット枚数など、かなり極端な用途におけるツッコミどころくらいしかないので(どちらも自炊ユースに関連したもので、優先順位的には高くないだろう)、むしろソフトウェアについては、有料でもさらに細かい調整ができるProバージョンがあれば、喜んで使いたいところではある。すべてを自動化で片付けるのではなく、確実性や自由度を高める方向性も追求してもらえれば、個人的には非常に喜ばしい。