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Core i7-11700搭載の水冷式ミニタワーPC「ユニットコム STYLE-M056-LC117-UHX」

STYLE-M056-LC117-UHX

 パソコン工房では、Core i7-11700を搭載したミニタワーPC、「STYLE-M056-LC117-UHX」を販売中だ。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

オーソドックスなミニタワーに水冷式でCore i7-11700を搭載!

 今回ご紹介するのは、扉の写真からもわかるように、microATX/ミニタワーを採用したシンプルなデスクトップPCだ。搭載プロセッサはCore i7-11700。8コア/16スレッドと強力なものとなる。

 ただしiGPUがIntel UHD Graphics 750なので、GPUパワーが必要なゲームなどには向かないものの、そこはCore i7、一般的なアプリであれば十分なパフォーマンスで作業できる。

 特徴は、CPUクーラーが水冷式、電源に80PLUS BRONZE認証の350Wと、長期間の使用にも安心な構成という感じだろうか。主な仕様は以下の通り。

ユニットコム「STYLE-M056-LC117-UHX」の仕様
プロセッサCore i7-11700(8コア16スレッド/2.5~4.9GHz/キャッシュ 16MB/TDP 65W)
チップセットIntel B560
メモリ16GB(8GB×2)/DDR4-2933 DIMM(PC4-23400)/2スロット空き0
ストレージSSD 500GB(NVMe対応 M.2)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows 10 Home(64bit)
グラフィックスIntel UHD Graphics 750/ミニD-Sub15ピン×1、DVI-D×1、HDMI×1
ネットワークGigabit Ethernet
インターフェイスPS/2、USB 3.0×6(前面×2/背面×4) 、USB 2.0×2(背面×2)、音声入出力
拡張スロットPCI Express4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x1×2
拡張ベイ5.25インチベイ×2、3.5インチベイ×1、3.5インチ内蔵ベイ×2、3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×1
電源350W 80PLUS BRONZE認証
サイズ約175×387×360mm(幅×奥行き×高さ)
付属品日本語キーボード、マウス
価格11万4,378円から

 プロセッサは先に書いた通り、第11世代Rocket LakeのCore i7-11700。8コア16スレッドで、クロックは2.5GHzから最大4.9GHz。キャッシュは16MB、TDPは65W。メモリはDDR4-2933 DIMMで8GB×2の計16GB。スロットは2つで空きは0。カスタマイズで最大32GBまで搭載可能だ。チップセットはインテル B560。

 ストレージはNVMe対応 M.2 SSDの500GB。光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブも搭載している。OSはWindows 10 Home。ビルドが20H2だったので、この範囲でWindows Updateを適応、評価した。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 750。Rocket LakeなのでIntel Iris Xe グラフィックスではなく、iGPUとしてはパフォーマンスが劣る。出力はミニD-Sub 15ピン×1、DVI-D×1、HDMI×1。3画面同時出力対応で、HDMIは2.0に対応、最大解像度は4,096x2,160@60Hz、他は1,920x1,200@60Hzとなる。

 インターフェイスは、Gigabit Ethernet、PS/2、USB 3.0×6(前面×2/背面×4) 、USB 2.0×2(背面×2)、音声入出力。BluetoothやWi-Fiは非搭載だ。

 今時としては、Thunderbolt 4がないのは残念だが、主な用途となる、グラフィックスやストレージは、筐体内部に搭載可能なので、この手のデスクトップPCに関しては欠点にならないだろう。

 拡張スロットはPCI Express 4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x1×2で全て空き。拡張ベイは5.25インチベイ×2、3.5インチベイ×1、3.5インチ内蔵ベイ×2、3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×1。内5.25インチベイ1つがDVDスーパーマルチドライブに使われている。

 80PLUS BRONZE認証の350W電源を搭載し、サイズ約175×387×360mm(幅×奥行き×高さ)。税込価格は11万4,378円からとなる。

 なおカスタマイズではOS(Windows 10 Pro)、メインメモリ(最大32GB)、1stストレージ(最大1TB SSD)、2ndストレージ(最大6TB HDD)、記録型ブルーレイドライブ、カードリーダー、電源(最大700W)などに対応している。

前面。マットブラックでシンプルなミニタワー(microATX)。上部の丸いボタンはDVDスーパーマルチドライブ
前面上部。パネルを開けると3.5インチベイ、USB 3.0×2、音声入出力が現れる
背面。拡張スロットは全て空き
背面(アップ)HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×2、PS2、USB 2.0×2、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、音声入出力
右サイド(内部)。拡張スロットが未使用のため中は混み合っていない
上部に電源ボタン
内部(PCI Express付近)。PCI Express 4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x1×2。x16の右側にM.2 SSD
内部(CPU付近)。CPUクーラーは水冷式。メモリスロットは2つ。ASRock B560M-HDVの刻印が見える
内部(拡張ベイ付近)。5.25インチベイ1つはDVDスーパーマルチドライブで使用
電源。80PLUS BRONZE認証の350W
付属品はUSB式のキーボードとマウス
BIOS。起動時[F2]または[Del]キーで表示

 筐体はマットブラックでシンプルなミニタワー。一般的な筐体で長く使っても飽きが来ない。フロント、電源ボタンは上面。上部の丸いボタンはDVDスーパーマルチドライブ。中央あたりのパネルを開けると、3.5インチベイ、USB 3.0×2、音声入出力が現れる。

 背面はHDMI、DVI-D、ミニD-Sub15ピン、USB 3.0×2、PS2、USB 2.0×2、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、音声入出力。拡張スロットは全て未使用。付属品はUSB式のキーボード、マウス、電源ケーブル。

 内部は、CPUクーラーが水冷式。メモリスロットが2つ、拡張スロットはPCI Express 4.0 x16×1、PCI Express 3.0 x1×2全て空き。x16の右側にM.2 SSDがある。拡張ベイは5.25インチの1つのみDVDスーパーマルチドライブで使用され多くが空きだ。

 マザーボードにはASRock B560M-HDVの刻印が見える。カスタマイズはメモリ最大32GBだが、マザーボードの仕様的には64GBまで対応している。BIOSは起動時[F2]または[Del]キーで表示できる。

 ノイズや振動は試用した範囲では全く問題なし。特にノイズは水冷式と言うこともあり、このクラスのプロセッサを搭載している割には音が静かだ。これなら机の上に設置(つまり耳に近い位置)しても気になることはないだろう。

 CPUクーラーが水冷式以外は特徴のないミニタワーPCだが、その分、dGPUやドライブを追加するにも自由度が高く扱い易い。

CPUは高速だが、アプリや処理によってはiGPUがウィークポイント

 初期起動時、スタート画面(タブレットモード)はフルHDで1画面。特に追加されたグループなどはない。デスクトップは壁紙の変更といくつかのアイコンが並ぶが、そのほとんどはサイトへのショートカットとなる。

 ストレージはM.2 SSD 500GBの「WDC WDS500G2B0C」。仕様によると、シーケンシャルリード/ライトは2,400/1,750(MB/s)。CrystalDiskMarkの結果もほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約464GBが割り当てられ空き425GB。

 DVDスーパーマルチドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GH24NSD5」。Gigabit EthernetはIntel製だ。標準構成ではWi-FiやBluetoothは非搭載となる。なおWindows 11で必要なTPM 2.0にも対応している。

スタート画面(タブレットモード)はフルHDで1画面。特に追加されたアプリなどはない
起動時のデスクトップは壁紙の変更といくつかのアイコンが並ぶ
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはM.2 SSD 500GBの「WDC WDS500G2B0C」。DVDスーパーマルチドライブは「HL-DT-ST DVDRAM GH24NSD5」。Gigabit EthernetはIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約464GBが割り当てられている

 プリンストールのアプリケーションは、「Cyberlink Media Suite」、「LoiLoScope 2」、「Norton Security」、「WPS Office」、「ユニットコムのお勧め」(リンク集)など。本機固有のアプリやツールなどはない。

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMarkを使用した。

 純粋なCPUテストのCINEBENCHは結構速いが、iGPUがIntel UHD Graphics 750と言うこともあり、同じ11世代でもTiger Lake/Intel Iris Xe グラフィックスと比較すると遅く、全般的にCore i7搭載PCとしては平凡なスコアとなる。

 この点は、PCI Express 4.0 x16が空きなので、物足らなくなったら後でdGPUを追加するのもありだろう。ただし電源が350Wなのであまり強力なのには対応できないものの、それでもiGPUよりかなり高速になる。

ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2523
PCMark 10 Score5,179
Essentials10,416
App Start-up Score15,355
Video Conferencing Score8,045
Web Browsing Score9,150
Productivity7,139
Spreadsheets Score6,563
Writing Score7,766
Digital Content Creation5,071
Photo Editing Score5,742
Rendering and Visualization Score4,134
Video Editting Score5,496
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.04,555
Creative Accelarated 3.05,072
Work Accelarated 2.03,304
Storage5,084
3DMark v2.20.7256
Time Spy749
Fire Strike Ultra515
Fire Strike Extreme1,024
Fire Strike2,211
Sky Diver8,014
Cloud Gate15,632
Ice Storm Extreme54,243
Ice Storm76,792
CINEBENCH R23
CPU11,075
CPU(Single Core)1,522
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード2485.354 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1820.237 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード1233.008 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト950.480 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード785.770 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト445.500 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード59.316 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト246.778 MB/s

 以上のようにユニットコム「STYLE-M056-LC117-UHX」は、Core i7-11700を搭載したシンプルなミニタワーPCだ。拡張スロットが全て空き、拡張ベイもほぼ空きと、拡張性も高い。CPUクーラーが水冷式なので音も静かだ。

 Rocket LakeでグラフィックスがIntel UHD Graphics 750と言うこともあり、iGPUは強くないものの、8コア16スレッドなので、プロセッサ性能を優先するユーザーにお勧めできるデスクトップPCと言えよう。