特集

10Gbps回線に移行したいけど、ルーターってどうなってる?Wi-Fiこだわりも知っておきたい“レンタル事情”

こちらは「ソフトバンク 光・10ギガ」で提供される機器類。一昔前では考えられなかったことだが、最大通信速度10Gbps(理論値)の光ファイバーインターネット回線がかなり身近になってきた

 在宅ワークでビデオ会議しまくりたい。なんなら、リビングの大画面TVで動画サブスクサービスを遠慮なく楽しみたい。となれば、光ファイバーに代表される固定系インターネット回線サービスの出番だ。スマホのテザリングで賄うのと比べ、複数機器の同時利用や、通信安定性の面では大きなアドバンテージがある。

 光ファイバーと言えば、最大通信速度1Gbpsのサービスが長らく主流だったが、NTT東日本/西日本が2020年4月に最大10Gbpsの「フレッツ 光クロス」を開始。そこからさらに5年が経過し、サービスエリアは拡大している。そろそろもウチも10Gbps化したい……という方は少なくないだろう。現に筆者もその1人である。

 ただ、PCに詳しい人ほど「じゃあ、ルーターってどうなるの?」と気にかかるかもしれない。一般論として、インターネット回線を自宅に引き込む際には、複数のPCやスマホで同時通信するための専用装置が必要になる。それが「ルーター」だ。

 ルーターの扱いは、通信事業者のサービス形態によってかなり扱いが異なる。市販品を比較的に自由に選択できるかと思えば、事業者が提供する専用品を必ず有償レンタルしなければならなかったりする。まさにケースバイケース。そして、それぞれにメリット/デメリットがある。

 そこで今回は、主要サービス事業者をルーター提供形態の観点から比較してみたい。10Gbps回線導入の参考となれば幸いだ。

Wi-Fiの性能を決めるのがルーター。しかしレンタル品だと……

 「ルーターなんて、なんでもいい。業者が用意するものを単に使えばいいじゃないか」──そうした声は当然あろう。ただ、Wi-Fiが絡んでくると、コトはそう単純ではない。ノートPCやスマホで毎日のように使う、あのWi-Fiのことである。

 Wi-Fiは、主に通信速度向上のために、規格をどんどん進化させている。直近では2019年にWi-Fi 6、2020年にWi-Fi 6E(日本での利用開始は2022年)、そして2024年にWi-Fi 7という具合に、3~4年間隔で新規格が誕生した。接続する端末側では、2024年秋発売の「iPhone 16」がWi-Fi 7をサポートした。

 回線事業者からレンタルされるルーターは、少なくとも5年は継続利用するはず。新型ルーターを頻繁に買い、新しいWi-Fiをいち早く使いたいマニア層にとっては、レンタルルーターがむしろ邪魔になりかねない。

 もちろん、長期間レンタルのルーターにもメリットはある。特にONU(Optical NetWork Unit)と一体型のルーターなら、通常2つ占有する電源コンセントが1つで済むし、不具合発生時のサポートも切り分けの手間が減って効率的だ。

筆者宅の機器類。左がONUで、右がルーター(TP LinkのBE550)。戸建て住宅の場合、この2つの機器を室内のどこかに設置し、しかも24時間365日体制でコンセント電源動作させなければならない

 ONUについても説明しておこう。一般論でお話すると、戸建て住宅で光ファイバーのインターネット回線を導入にあたって、小型の電子機器を2つ、24時間365日体制でコンセント駆動させることになる。1つがデータ通信を分岐したりWi-Fi電波を発信するためのルーターで、もう1つがONUである。ONUは光ファイバーの信号をルーターとの接続のために変換する機械、と捉えてくれればOKだ。

 2つあるのは邪魔なので、ONUとルーターを一体化する例は多い。ただ、そうなると今度はルーターだけを交換するのが難しくなる。そしてONUとはそもそも市販されるタイプの製品ではない(ONUはほぼ確実に自社サービス専用品を使うことになる)。似たような機器が2つある不便さより、最新のルーターを選べないことにストレスを感じる層もまた、確かにいるのだ。

2台体勢ができるサービスだと、ルーターの交換は比較的簡単。しかしONUはそうはいかない。筆者宅のONUは、ラベルで判別するに2005年12月の製造。20年近く経ってなお、我が家のインターネット接続のためにバリバリ稼働している

 というわけで、ここからは各社のルーター提供状況を見ていこう。ルーターの選択自由度が欲しい方は、ルーターレンタルが必須でない事業者を選ぶといいだろう。一方、そこまでWi-Fiにこだわりがない方なら、むしろ月々のサービス全体料金を第一に比較検討しよう。基本的に、どの事業者もルーターのレンタル自体は実施している。

フレッツ 光クロス(NTT東日本)

フレッツ 光クロス(NTT東日本)
通信サービス料金月額6,050円+プロバイダー料金(1,100円~)
レンタル形態任意(持ち込み可)
レンタル料金月額550円
Wi-FiスペックWi-Fi 6
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3
フレッツ 光クロス向けにレンタルで提供される「XG-100NE」(画像出典: NTT東日本 公式サイト)

 日本のインターネット回線事情を語る上では、NTTの存在を抜きにはできない。そこでまずは、NTT東日本の10Gbpsサービス「フレッツ 光クロス」について見ていこう。

 まず前提として、フレッツ 光クロスそれ単体ではインターネットを利用できない。別途「プロバイダー(ISP)」の契約が必要になる。ただ現実問題として、契約が別々になるのは面倒だ。そこで窓口を一本化して、ワンストップで手続きできるようにした「プロバイダパック」という契約形態が近年は一般化している。

 プロバイダーによって付帯サービスが違うため、月額料金はそれぞれ異なるが、ベースとなる回線スペックはほぼ共通だ。そして気になるルーターの扱いだが、フレッツ 光クロスにおいてはレンタルするかどうかは完全に任意。借りてもいいし、フレッツ 光クロス対応と銘打った製品を自前で買ったものを使ってもよい。

 レンタルで提供されるルーターは「XG-100NE」という品番で、料金は月額550円(設置工事費等は別)となっている。Wi-Fi 6対応ということで、最新スマホがWi-Fi 7のサポートを本格化させる中ではやや見劣り感はある。ただし、10Gigabit Ethernetの有線LAN端子をWAN側に1つ、LAN側に1つ備えているのは流石。ちなみに、同様の有線LAN仕様のルーターを市中で買おうとすると、予算は3万円といったところか。少なくとも1万円台前半ではムリだ。

 XG-100NEのスペックや仕様については、説明書がオンラインで公開されているので参考に。メッシュ構築のような派手な機能はないが、Wi-Fi接続先となるSSIDを最大で3つ同時利用できる機能(2.4GHz帯で2つ、5GHz帯で1つ)などはしっかりある。

フレッツ 光クロス(NTT西日本)

フレッツ 光クロス(NTT西日本)
通信サービス料金月額5,720円+プロバイダー料金(1,078円~)
レンタル形態任意(持ち込み可)
レンタル料金月額550円から
Wi-FiスペックWi-Fi 6
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3

 サービス名は「フレッツ 光クロス」でNTT東日本と同じ。共通する要素は多く、ISPは別途契約しなければならないし、セット契約プランも存在するだが、料金など微妙に違う点がある。

 ルーターの扱いはどうだろうか。まず、レンタル制度は存在するが、必ずしも利用が必須ではない。対応条件を示した上で、市販機器の利用が可能であることは明言されている

 レンタル料はに関して、別途基本料月額550円が必要なひかり電話を未契約の場合で月額550円。契約の場合は、無線LAN機能を使うならひかり電話の基本料に月額110円を加算、有線LANだけで接続するなら無料という格好だ。なおレンタル提供される機器は「XG-100NE」で、NTT東日本のものと同じではある。Wi-Fi 6対応やWAN側/LAN側に1ポートずつ10Gigabit Ethernetを搭載するが、価格体系を考慮すると、ソフトウェアの実装が多少異なる可能性はありそうだ。

【7月31日訂正】記事初出時、無線LAN機能利用時のみレンタル料が必要としておりましたが、これは誤りです。お詫びして訂正します。

ドコモ光(NTTドコモ)

ドコモ光(NTTドコモ)
通信サービス料金月額8,030円~(プロバイダー料金込み。長期契約割引など別途あり)
レンタル形態任意(持ち込み可)
レンタル料金月額550円
Wi-FiスペックWi-Fi 6(XG-100NEの場合)
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3(XG-100NEの場合)
ドコモ光対応ISPである「GMOとくとくBB」のWebサイト。XG-100NEのレンタルプランを用意する一方で、より安価な機器も案内している

 これまた回りくどい話で恐縮だが、「光コラボレーションモデル」について解説しておきたい。NTT東日本・西日本が、インターネット回線を広く“卸売”する事業であり、提携する事業者はまるで自社サービスのようにインターネット回線を提供/販売することができる。これにより、住宅メーカーがインターネット回線を提供するようなことも簡単になった。

 ドコモ光も、そうした光コラボ型通信サービスの1つにあたる。ただし、NTTドコモの携帯電話回線とセット契約することで大幅な割引したりと、サービスそのものについては独自性を強く打ち出している。

 ドコモ光は前述のフレッツ 光クロスと同じく、ISP契約が別途必要になる。ただしISPがセットになったプラン自体は豊富だ。そしてISPが異なるとルーターの扱いもそれぞれ微妙に異なる。各ISPのWebサイトをチェックしてみたが、原則としてルーターの選択は自由。所定の仕様を満たした機器を自分で買ってもいいし、レンタルしてもいい。なお複数のISPにおいて、前述のXG-100NEが月額550円でレンタルできることを確認した。ただ実際のところは、対応ルーターを優待販売したり、割賦販売する例が目立つ。

auひかり ホーム10ギガ(KDDI)

auひかり ホーム10ギガ(KDDI)
通信サービス料金月額8,338円(プロバイダー料金込み。長期契約割引など別途あり)
レンタル形態ONU一体型ルーターのため、実質的にレンタル強制
レンタル料金無料(Wi-Fi利用時のみ月額660円)
Wi-FiスペックWi-Fi 6E
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3
auひかり ホーム10ギガ向けの「BL3000HM」。解説ページには“Aterm”の表記も見える(画像出典: au公式サイト)

 auひかりは、KDDIが独自に構築した回線網をベースとしたサービス。au携帯電話とのセット利用で割引になる特典「auスマートバリュー」の対象として、ご存じの方も多いはずだ。auひかりもまたISP契約が必要になるが、申込みサイトではグループ内ISPであるau one netの存在が強くアピールされている。

 さて、auひかりの「ホーム 10ギガ」プランにおいては、ルーターに相当するホームゲートウェイ(HGW)が標準で提供される。ただし、同HGW内蔵の無線LAN(Wi-Fi)機能を利用したい場合は、月額660円のオプション料金がかかるという仕組み。NTT西日本エリアにおけるフレッツ 光クロスの仕組みに近い。

 auひかりの10ギガサービスでは現在、「BL3000HM」というHGWが提供されている。ONUとルーター機能が一体型になった製品で、Wi-Fi 6Eによる通信をサポートしているという。Wi-Fi 7の一世代前の規格となるが、とはいえ6GHz帯での通信が可能な点は見逃せない。

 加えて注目したいのは「おうちどこでもWi-Fi」機能だ。BL3000HMを軸に、いわゆる“メッシュ”を構築することで、自宅内のWi-Fi通信エリアを拡張できる。こちらも追加オプション扱いで、月額料金は880円。これには子機1台分のレンタル料金が含まれる。

ソフトバンク 光・10ギガ(ソフトバンク)

ソフトバンク 光・10ギガ(ソフトバンク)
通信サービス料金月額7,590円(プロバイダー料金込み。長期契約割引など別途あり)
レンタル形態必須(レンタル強制、ONU一体型)
レンタル料金月額550円
Wi-FiスペックWi-Fi 7
有線LAN端子Gigabit Ethernet×4
「ソフトバンク 光・10ギガ」で提供される「ホームゲートウェイ(S)」こと「10G EWMTA1.0」

 ソフトバンク携帯電話とのセット割引特典を用意しているのが、こちらの「ソフトバンク 光・10ギガ」。NTTグループの光コラボをベースとしているが、業界の競合状況を知っている身からすれば何とも不思議だ。ただ、それだけ光ファイバー系の固定インターネット通信網を構築するのは、大変なのだろう。

 注目は、標準サービスとして提供されるルーターのスペックだ。2025年4月から、Wi-Fi 7をサポートする新デバイス「ホームゲートウェイ(S)」の提供を開始した。サポート記事などによると品番は「10G EWMTA1.0」。6GHz帯もしっかりサポートしており、かつ1つのSSIDで2.4/5/6GHz帯でのWi-Fi接続を自動的に切り替える「バンドステアリング」機能が利用できる。Wi-Fi周りに関して、本稿で紹介するルーターの中では、最もハイスペックな1台と言える。

 なおソフトバンク 光・10ギガでは、ルーターのレンタルは必須とされる。「ホームゲートウェイ(S)」の配下へ、好みのWi-Fiアクセスポイントを追加することは当然可能だろうが、機器選択に若干の制約が付くことは覚えておきたい(特に有線LANがGigabit Ethernetに限定されるため)。これはauひかりにも当てはまる(そちらは10Gigabit Ethernet付き)。

NURO 光 One 10ギガプラン(ソニーネットワークコミュニケーションズ)

NURO 光 One 10ギガプラン(ソニーネットワークコミュニケーションズ)
通信サービス料金月額5,500円(プロバイダー料金込み。長期契約割引制度あり)
レンタル形態ONU一体型ルーターのため、実質的にレンタル強制
レンタル料金無料
Wi-FiスペックWi-Fi 6
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3
NURO 光のサポートページ。「NSD-G3000T」もラインナップされている

 ソニー系のインターネット回線サービス。この(2025年)2月に開始した戸建て向け新プランが「NURO 光 One」である。従来の「NURO 光」と比べて、工事/開通プロセスを一新したとしており、アプリによる工事予約、工事回数を2回から1回へと低減させるなど、申込み初期のフローが改善された。また最低契約期間が設定されていないのも特徴だ(長期契約割引制度は存在する)。

 ソニー製Wi-Fiルーターを無償レンタルする点も、大きくアピールされている。10ギガプランで提供されるのは「NSD-G3000T」。NURO 光の既存プランにおいてすでに提供実績のある製品だが、NURO 光 Oneでは本モデルが“必ず”用意されるという。

 NSD-G3000TのマニュアルはWebでも公開されている。表紙の記述によれば、リリースは2020年。Wi-Fi 6に対応している。全部で4つあるLAN側端子のうち1つが10Gigabit Ethernet仕様。なおONU一体型の製品のためWAN側には光ファイバー接続口が存在する。

J:COM NET 光(10G)(JCOM)

J:COM NET 光(10G)(JCOM)
通信サービス料金月額6,710円(プロバイダー料金込み。2年契約の自動更新)
レンタル形態ONU一体型ルーターのため、実質的にレンタル強制
レンタル料金無料
Wi-FiスペックWi-Fi 5(XE-050WX-A(1/5/10G))
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3(XE-050WX-A(1/5/10G))
「NOKIA XE-050WX-A(1/5/10G)」のサポートページ

 ケーブルテレビ(CATV)事業者としてお馴染みのJCOM。サービスエリアは全国規模だが、地域特性に応じてそれぞれ異なるサービスを展開している。提供されるルーターも、時期/物件構造/エリアによって大幅に違うため、たった1つの分かりやすい機種というものを提示するのが難しい。

 あくまで一例とはなるが、戸建て住宅に光ファイバーを引き込むかたちで提供される「J:COM NET 光」の10ギガプランでは、「NOKIA XE-050WX-A(1/5/10G)」が主たるモデルとなっているようだ。

 XE-050WX-Aはノキア製のONU一体型ルーター。WAN側にあたる光ファイバー接続口以外には、10Gigabit Ethernetを1ポート、Gigabit Ethernetを3ポート搭載している。Wi-Fiは対応規格のうち最も高速なのがIEEE802.11acなので、これはWi-Fi 5に相当する。ちなみに「J:COM NET 光 on au ひかり」では、Wi-Fi 6対応の「NEC Aterm BL1001HW」などが提供されている。

eo光シンプルプラン (オプテージ)

eo光シンプルプラン (オプテージ)
通信サービス料金月額5,500円(プロバイダー料金込み)
レンタル形態ONU一体型ルーターのため、実質的にレンタル強制
レンタル料金無料(Wi-Fi利用時のみ月額105円)
Wi-FiスペックWi-Fi 6E
有線LAN端子10Gigabit Ethernet×1、Gigabit Ethernet×3
ep光シンプルプランには2つのルーターが用意されている。こちらは「eo-GW100(S)」

 大阪府を中心とした関西の2府4県で提供されている光ファイバー回線サービス。MVNO「mineo」で知られる、関西電力系企業のオプテージが運営を手がけている。TVや固定電話がセットになった「eo光ネット」を展開する一方、提供サービスを戸建て向けの10Gbpsネット接続のみとし、Web申込み限定としたのがこちらの「シンプルプラン」だ。

 サービス契約にあたっては原則としてルーターが提供され、有線LAN機能のみの利用であれば無料。Wi-Fi機能を利用したい場合のみ、月額105円課金される仕組みとなっている。NTT西日本エリアのフレッツ 光クロスも似た形態となっており、このあたりはお土地柄なのだろう。なお無線規格としてはWi-Fi 6Eに対応する。

 提供モデル名は「eo-GW100(S)」「eo-GW100(N)」。WANインターフェイスが光コネクタとなっていることからも分かるように、ONU一体型の製品だ。

ルーターを月500円で3年借りたら1万8,000円。高いか、安いか自分なりに判断を

 今回は、大手事業者を中心に8社のサービスを比較してみた。自由にルーターを選択したい方にとっては、NTT東西のフレッツ 光クロス(+任意のプロバイダー)か、ドコモ光 10ギガが有力な選択肢だろう。なお、対応するルーターの予算感としては1万円代半ば~2万5,000円といったあたり。10Gigabit Ethernetの搭載ポート数が増えると、これが4万円近くにまで跳ね上がる。

 ルーターの性能面に着目すると、Wi-Fi 7対応のソフトバンク 光10ギガ、Wi-Fi 6E対応のauひかり ホーム10ギガ、eo光シンプルプランがやや抜け出ている。ただ、これを言っては元も子もないが、Wi-Fi 6からWi-Fi 7へ移行して、それだけで体感速度が倍になるようなことはない。安定性と連続性を重視した、保守的なサービス選びも当然あって然るべきだ。ちなみに、まったくの余談だが、携帯電話サービスで存在感を高めている楽天は、10ギガサービスをラインナップしていなかった。

 さて、機器のレンタル料は多くの場合500円前後なので、同じ機種を3年(36カ月)使うとすると合計額は1万8,000円になる。5年(60カ月)なら3万円だ。2万円で最新ルーターを買って4年以上使うなら、購入の方が金銭的には有利。このあたりが、レンタルするか買うかの判断材料になる。

 ただ筆者は、新しいルーターを2~3年で買い替え、最新規格を味わい続けたい。10ギガ移行にあたっては、レンタル費の損得を抜きに、市販ルーターが自由に使える事業者を選ぶつもりである。読者の皆さんも、自分の趣味や志向にあった回線サービスを選び、ネット & Wi-Fi生活をエンジョイしてほしい。

 なお、レンタル機器の種類や提供形態は、利用エリアや申込み時期によっても変わる。一度申し込むと2~3年は連続して料金を支払い続けるサービスなだけに、手続きにあたっては必ず、最新状況の確認をお願いしたい。また工事費についてもお忘れもなく。