特集
スマホがノートPCに早変わり!?PC周辺機器をいろいろつなげてみた
2024年8月28日 06:24
スマートフォンの周辺機器といえばワイヤレスイヤフォンや充電器が代表的だ。
あとはメーカーによっては特定の機種専用の周辺機器を用意しているものもあり、たとえばゲーミングスマートフォンの専用空冷ファンやゲームコントローラなどが挙げられる。
だが、実はスマートフォンはスマートフォン用でない機器も周辺機器として使えるものが多い。
もちろんPC向けでもスマートフォンでも利用できると書かれているものもあるのだが、今回は主にPC向けとして販売されているいろいろな機器をスマートフォンにつないだ結果を紹介していく。
(1)USBフラッシュメモリ
(2)外付けSSD
(3)光学ドライブ
(4)多機能ハブ
(5)オーディオインターフェイス
(6)ポータブルモニター
(7)PC周辺機器でスマートフォンの可能性は無限大
USBフラッシュメモリ
PC同士のちょっとしたデータのやりとりに使われることが多いUSBフラッシュメモリも実はスマートフォンで利用できる周辺機器だ。
中にはスマートフォン向けとしてデータのバックアップアプリとセットで販売されているようなものもあるのだが、そうしたパッケージでないものでもスマートフォンで利用することが可能だ。
USB Type-C端子が備わっているスマートフォンであれば、USB Type-C端子のUSBフラッシュメモリをそのまま挿して利用することができる。USB(Standard-A)端子のUSBフラッシュメモリであっても、USB Type-Cに変換するアダプタや、USBハブなどを介して利用することが可能だ。
使いどころとしてはPC同士と同じで、メールなどに添付して送るにはファイルサイズの大きなデータをスマートフォンに移したい場合や、スマートフォンの内蔵ストレージがいっぱいになった際のデータ退避などに利用することができる。
外付けSSD
フラッシュメモリ続きで今度は外付けSSDをスマートフォンにつないでみた。
最近はUSBフラッシュメモリのようなスティック型の外付けSSDも多数リリースされているため、こちらをデータのやりとりに使っている人もいるだろう。
もちろん外付けSSDもスマートフォンでデータの読み書きを行なうことが可能だ。
同様に外付けHDDもスマートフォンで読み込むことはできるため、PCで使っている外付けストレージは基本的にスマートフォンで利用できると言っていいだろう。
注意点を挙げるとすれば外付けストレージのフォーマット形式で、スマートフォンでの読み書きには「FAT16」、「FAT32」、「exFAT」でフォーマットされていないといけない点がある。
とはいえ、だいたいの外付けストレージはこれらの形式でフォーマットされているので特に気にする必要はないかもしれない。
もしスマートフォンにつないで全く読み込まれないようなことがあれば、その時はPCにつないでプロパティからフォーマット形式を確認するといいだろう。
光学ドライブ
続いてつないでみたのは光学ドライブだ。
今回はポータブルDVDドライブなど外付けのものが手持ちになかったので、デスクトップPC用のSATA接続のBlu-ray Discドライブを、USB Type-Cの変換アダプタを介してつないでみたのだが、これもあっさり認識された。
実はスマートフォン向けの周辺機器として、音楽CDのリッピングが行なえるアプリと光学ドライブがセットになった製品も発売されている。
Blu-ray DiscやDVD、CDといった光学メディアをスマートフォンで読み込むシチュエーションはなかなか想像できないのだが、PCレスで光学メディア内に保存されたデータを読み込むことができることは覚えておいて損はないだろう。
余談だが、記録メディアとしては「フロッピーディスク(FD)」や「MOディスク」もどうにかスマートフォンにつないだ場合は読み書きを行なうことができる。
なかなかこれらを読み出す機会も機械(ドライブ)もないと思うのだが、もし手元に持っている人がいればつないでみるといいだろう。
多機能ハブ
PC向けの周辺機器の多くは未だUSB(Standard-A)端子のものが多い。そのためスマートフォンにつなぐ場合にはUSB Type-Cへの変換が必要になる。
PCでもここ数年はUSB Type-Cしか外部接続端子を持たないものも珍しくなく、そうしたPC向けに「USB Type-C接続で、USBなど多数の端子を持ったハブ」が販売されている。便宜上、本稿ではこうしたハブを「多機能ハブ」を呼ぶことにしよう。
もちろんこうした多機能ハブはスマートフォンに接続した場合でも認識される。
そのためUSB端子の周辺機器をスマートフォンで利用したい場合の変換アダプタとしての利用にも使うことができる。
またこうした多機能ハブにはUSB端子以外に「HDMIなどの映像出力端子」や「有線LANポート」が備わっているものも多い。
今回試した組み合わせでは、有線LANポートを使っての有線LAN接続も、HDMI端子からの映像出力も行なうことができた。
このあたりはスマートフォン側が「USB Type-C端子からの映像出力に対応しているか」でも結果が変わってくるため絶対ではないのだが、PC向けの多機能ハブがあれば、さまざまな機器をスマートフォンにつないで利用できる可能性があると覚えておくといいだろう。
オーディオインターフェイス
ここまでは割と普通のものをつないできたが、続いては少し変わり種をスマートフォンにつないでみよう。
次につないだのは「オーディオインターフェイス」だ。オーディオインターフェイスといえばDTMなど音楽製作のために楽器をつなぐために用いることが多い。また数年前だとコロナ禍のテレワークなどでビデオミーティングが増え、本格的なコンデンサマイクなどをPCに接続するために導入したという人も多いだろう。
今回接続を試したのはSteinbergの「UR22C」。USBだけでなくUSB Type-Cでの接続もサポートしているオーディオインターフェイスだ。
スマートフォンと接続した場合は、UR22Cに接続された外部マイクの利用だけでなく、オーディオの出力先としても利用することができた。
ポータブルモニター
最後に試したのはポータブルモニターだ。主にノートPCとつないで使うことの多い周辺機器だが、これもスマートフォンとつなぐことで便利に利用することができる。
前提条件としては「スマートフォンが映像出力に対応していること」があるのだが、対応しているスマートフォンであればノートPC同様にUSB Type-Cケーブル1本でポータブルモニターに映像を出力することが可能だ。
また特定の機種に限った話になるが、外部ディスプレイをつないだ場合にPCライクな画面で表示する機能もスマートフォンに用意されている。代表的なものではSamsung Galaxyの「DeX」やモトローラの「Ready For」などだ。
これらの機能であれば、ノートPCと変わらないサイズのモニターにPCライクな画面を表示できるので、ブラウジングやドキュメントファイルの閲覧や編集といった操作がさらに行ないやすくなる。
また、ここまでにテストしたようにPC向けの周辺機器はスマートフォンで動作するものも多く、たとえば別途キーボード/マウス(これはUSBでもいいし、Bluetoothでも良い)を用意するなど、組み合わせ次第ではノートPCの代わりとして十分に仕事などを行なえる可能性も高い。
PC周辺機器でスマートフォンの可能性は無限大
スマートフォンの外部接続端子がUSB Type-Cに変わって以降、Micro USB端子だった頃と比べると大幅にさまざまな機器を接続しやすくなっている。
特に変換アダプタなどなしに「ポン付け」で使えてしまうものも増えているため、手持ちのさまざまな機器を試しにつないでみると意外な組み合わせが実現するかもしれない。
ただ物理的につなげられたとしても、たとえば「専用のソフトを必要とする機器」だと使えないといった弱点もあるため、完全にPCの代わりになるというわけではない。
が、どうしてもPCが使えない場面でもスマートフォンで代用できる可能性があるということは知っておいて損はないだろう。
ぜひ手持ちの機器でスマートフォンと組み合わせたら便利そうなものがあれば、一度つないで動くかどうか、動く場合はどう使ったらいいか、試行錯誤してみてほしい。