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米SF雑誌Clarkesworld、AIによる剽窃作品の投稿増加により受付中止

ニール・クラーク氏のブログより、スパム(剽窃記事)投稿数の推移のグラフ

 米国のファンタジー・SF系オンライン雑誌のClarkesworldは21日、投稿の受付を中止すると発表した。中止の理由について編集者のニール・クラーク氏は、「AIチャットボット」による生成が増えたためだと自身のブログで明らかにした。

 パンデミック初期の頃から、他人の作品をあたかも自分のものとして投稿する剽窃/盗用行為はあったのだが、2022年末にAIチャットボットが登場して以来、こうした剽窃は急激に増え、今や38%に達したという。同氏はどうやって記事の剽窃を見破ったかについて述べていないが、「明白なパターンがある」としている。

 なお、剽窃されたテキストや機械的に生成したテキストを検出するためのサードパーティーのツールはあるが、このツールを提供している会社のうちの1社は、提出者がツールに検出されないようにするために販売しているともいう。また、提出プロセスの中でこのツールを組み込んで自動化するのもコストがかかるため非現実的だとしている。

 こうしたAI生成から投稿による流れは止まらず、クラーク氏自体も有効な解決策を見いだせないままにいることから、投稿の中止を決めたとみられる。