やじうまPC Watch

【懐パーツ】IDEで初めて8.4GBを超えた5インチHDD「Quantum Bigfoot TX」

Bigfoot TX。ちょっと当時のPR画像風に撮影してみた

 かつて存在したQuantumの「Bigfoot TX」シリーズは、5インチ(5.25インチ)フォームファクタを採用したIDE接続のHDDだ。1997年10月30日に発表され、同年11月上旬から量産開始された。当時の価格は容量12GBモデルで4万8,300円だ

 当時(というか今でもだが)、デスクトップPC向けのHDDと言えば3.5インチが主流であるのだが、Bigfootシリーズは大型プラッタを採用し5インチとすることで容量向上を図るというユニークな製品である。

 Bigfoot初代は1996年に投入され最大容量は2.5GB、2世代目の「CY」も同年に投入され4.3GBを実現していたが、今回紹介する3世代目のBigfoot TXではついにコンシューマ向けIDE HDDとしては初めて8.4GBの壁を突破して12GBに達した。

 ちなみに「8.4GBの壁」というのは当時搭載されていたBIOSの制限から来るものであり、BIOSがHDDにアクセスする際に指定するシリンダ番号(C)、ヘッド番号(H)、セクタ番号(S)の組み合わせでアクセスできる最大容量が約8.4GBだったからだ。このため8.4GB以上認識させるためにはBIOSの更新が必要だった(詳細は長くなるので省くが、Windows 2000などBIOSを介してアクセスしない場合はこの限りではない)。

3.5インチや2.5インチ、1.8インチHDDと比べるとそのフットプリントは圧倒的だが、意外にもローハイト。5インチベイに装備してもスカスカだろう

 話をBigfoot TX戻すと、TXは従来のCYと比べて回転速度が3,600rpmから4,000rpmに向上し、性能が向上しているという。5インチの大型プラッタを採用しているため、外周のシーケンシャルアクセス速度は悪くなさそうだが、回転速度の遅さから来る待ち時間やヘッド移動距離から来るシーク時間(とは言え平均12ms以下とされている)の影響で、ランダムアクセスは不得意だったと思われる。このため、OSをインストールしておくよりも、データを貯めておくドライブの方が適していただろう。

 実はBigfootシリーズを初めて手にするのだが、5インチのドライブと言えば光学ドライブサイズを思い浮かべていたため、ローハイトというのは意外だった(逆に3.5インチでハーフハイトの製品なら手にしたことがあるのだが)。重量も想像していたよりずっと軽い。とは言え、フットプリントは比較写真を見ての通り圧倒的であり、存在感は抜群である。

 容量面は確かに優位性はあったのだが、結局パワーユーザーが求めたのは速度だったようで、Bigfootシリーズは1998年に投入した第4世代の「TS」をもって幕を閉じた。余談だが、PCI Express接続のIDE/SATAカードを購入したので、近いうちに繋げて動かしてみようと思う。

本体正面
本体底面
本体側面
NECのコントローラと見られる「787012JGC115」があるが、用途は不明
日立の「HM511667CTT6」も今となっては何かを知る由もないのだが、キャッシュメモリだろうか?
LUCENT製でQuantum向けのカスタムチップだろうか。本製品のみならず、Fireballシリーズなどでもよく見かける気がする
基板裏面もチップを実装しているのが分かる