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シャープの社員寮「創意館」が完成
2019年7月17日 15:05
シャープは、2019年7月16日、大阪府堺市の本社エリアに、新たな単身者および独身者向けの社員寮「シャープ堺匠寮 創意館」を完成させたのにあわせて、開所式を行なった。
同社では、2018年6月に、「シャープ堺匠寮 誠意館」が完成し、社員が入居している。今回の創意館は、誠意館と並ぶかたちで作られた。シャープの経営信条は「誠意と創意」であり、新たな社員寮の完成で、経営信条の両方が揃った。この2つの社員寮は、あわせて「堺匠寮」と呼ぶことになる。堺匠寮の名称は、同所の地名である匠町にちなんだものである。
午後2時から行なわれた「創意館」の開所式では、シャープの戴正呉会長兼社長や野村勝明副社長、清水建設の池田耕二副社長などが参加。テープカットを行なった。
野村勝明副社長は、「開所式を迎えてうれしく思う。工事期間中、事故もトラブルもなく、引き渡しをしてもらえたのは工事関係者の尽力によるものである。2018年6月に、誠意館の開所式を行い、今日、2棟目の創意館が竣工した。誠意館、創意館という寮名は、経営信条である『誠意と創意』から命名した。誠意とは、会社における業績への貢献、ルールの遵守、ホウ・レン・ソウの徹底、有言実現の実践など、物事に真摯に向き合うことである。創意とは、新たなアイデアの発案、挑戦的な目標設定など、常に高い成果を追い求めることである。この寮での生活者はもとより、社員一同、この創業の精神を忘れることなく、業務に邁進することを誓い合いたい」とした。
また、工事施工者である清水建設の池田耕二副社長は、「シャープが、早川電機工業時代だった1953年に、西田辺のテレビ工場の新築工事をご下命賜って以来、日本国内、世界各地の拠点において、長年に渡りお世話になってきた。とくに、グリーンフロント堺の建設では、当社初のビッグプロジェクトのご下命を賜った。創意館は、誠意館に続き、設計、施工においてご下命をいただいた。グリーンフロント堺に勤める方々が増加したことに伴い建設したと聞いている。意義深いプロジェクトに関わった。工業専用地域内での社員施設の建設という条件下での設計、施工となったが、シャープの協力を得て、支障なく進めることができた。工事着手以来、無事故、無災害で開所式を迎えることができた」などと挨拶した。
一方、開所式後に、取材に応じたシャープの戴正呉会長兼社長は、「とても、うれしい。創意館と誠意館が揃い、シャープの経営信条を、社員が覚えるようになった。私自身、誠意館に住み、社員と食堂などで会話することがある。日本に入国するときには、住所欄に『誠意館』と書いている」などと述べた。
創意館は、シャープの本社があるグリーンフロント堺の入口横にあり、本社には徒歩で通える。
堺匠寮全体では6,218平方mの敷地に、誠意館に隣接する形で鉄筋コンクリート構造の6階建て、184室の寮として建設。誠意館とあわせて、384室の規模になる。創意館の建築面積は1,242平方m、延床面積は5,062平方m。
誠意館には、戴会長兼社長も住んでいるVIPルームや女性専用フロア、食堂があったが、創意館には休憩ルームはあるものの、ワンルームの一般的な部屋だけを用意。男性だけが入居する寮となっている。創意館の入居者は、誠意館の食堂を利用することになる。誠意館とは屋根がついた通路で玄関同士が結ばれている。
各部屋ともに約17平方mのワンルーム型となっており、ユニットバスのほか、机、ベッド、クローゼットを設置している。だが、部屋のなかにはキッチンや洗濯機、冷蔵庫を設置する場所が用意されておらず、炊事や洗濯は共用エリアで行なうことになる。また、全棟が最新のセキュリティシステムで管理されている。全室禁煙で、喫煙室を各フロアに用意している。
なお、創意館には、大阪市阿倍野区のシャープ旧本社の近くの早春寮の入居者が、7月中に移転して入居する予定であり、すぐに満室になる見込みだ。
また、同社では、早春寮の閉鎖についても発表。戴会長兼社長は、「築55年を経過しており、耐震面などが心配であり、閉鎖することにした。今後の使い道については検討していくことになる」と語った。