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Intelが2035年の「Xe」ビデオカードを公開?

Intelが公開したCOMMUNITY GRAPHICS CARD CONCEPT FOR 2035

 米Intelは5月28日、COMPUTEX TAIPEIの基調講演に相当する「COMPUTEX Industry Opening Keynote」にて、第10世代Coreプロセッサー(開発コードネームIce Lake、以下第10世代Core)の生産開始・出荷開始を発表するなど、今回のCOMPUTEX TAIPEIでは精力的な発表を行なった。

 また、その翌日の5月29日夕方には「Odyssey」と名付けたグラフィックス関連のイベントを行なった。この中でIntelは発表したばかりの第10世代Coreに内蔵されているGen 11の性能や、「Intel Graphics Command Center」の最新版をWindows Store経由で配布開始したことなどを明らかにした(内蔵GPU性能、第10世代CoreはRyzen 7 3700Uを上回る)。

 そのイベントの後半で、Intelは「COMMUNITY GRAPHICS CARD CONCEPT FOR 2035」というタイトルで、CGにより作成した2035年のビデオカードの姿を予想した。

22年ぶりにビデオカードの新製品を投入するIntelが、2035年のビデオカードを予想

 Intelにとって、ビデオカードビジネスはこれまで「黒歴史」の1つだったと言って良い。

 1998年に発表された「Intel 740」は、Intelにとって初めての単体GPUを搭載したビデオカードだった。その後継として、「Intel 752」という後継製品も用意されていたのだが、発売前にその計画はキャンセル。結局一般に販売されることもなく、そのままお蔵入りになってしまったのだ。

 そのIntel 740の流れを汲んだGPU(当時はGPUという呼ばれ方はしていなかったが)は、「Intel 810」としてチップセット統合型のGPUとして採用された。そして、それは今回発表された第10世代Coreプロセッサに内蔵されているGen11 GPUまで引き継がれてきているが、ついにこの間にIntelが単体GPUをリリースすることはなかった。

 だが、すでにIntelは単体GPUをリリース計画があることを2018年に明らかにしており、その開発コードネームとして「Xe」も明らかにしている。

 現在の計画では、Xeは2020年中にリリースされる予定になっており、ついにIntel 740以来の単体GPUを搭載したビデオカードが、Intelから登場することになる。

COMMUNITY GRAPHICS CARD CONCEPT FOR 2035
クリスチアーノ・シクエイラ氏

 そうした事情があって、今回Intelは2035年のビデオカード・コンセプトというのを公開した(公開したといっても実際にはイベントの余興のようなもので、真剣なものではない)。

 紹介されたのは、著名なイラストレーターであるクリスチアーノ・シクエイラ氏のデザインで、「シリウス」、「アンドロメダ」、「ジェミニ」、「オブリビオン」、「プロメテウス」などの名前がつけられたIntel GPU搭載ビデオカードのCG。それぞれ特徴的なデザインを採用したものとなっている。

シリウス
アンドロメダ
ジェミニ
オブリビオン
プロメテウス

 来年には1998年のIntel 740発売から22年を経て、Intel単体GPUビデオカードが登場する見通しだ。

 果たして、2035年にこうした製品が実際に登場することになるのかは、その「Xe」の出来にかかっているだけに、来年のリリースは要注目と言えるだろう。