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セキュリティチップ搭載のMac、部品交換が困難に

〜自己診断プログラムのパスには特殊ソフトが必要

T2はApple独自設計のSoCで、暗号処理のほかSSDコントローラーや音声処理など多様な機能を持つ

 米メディアMacRumorsは4日(現地時間)、Apple独自のセキュリティチップ「T2」を搭載するiMac Proおよび2018年モデルのMacBook Proについて、同チップによる部品紐づけのために自家修理が困難であると報じた。

 これは入手したAppleの内部文書に基づいたもので、正規サービスプロバイダ以外での修理(DIYなど)の場合、部品の交換後に自己診断プログラム(Apple diagonostics)でエラーが発生するとのこと。エラーを解消するためには、認証を受けたサービスプロバイダに提供される「Apple Service Toolkit」とよばれるソフトを用いて修理を完了する必要がある。

 MacBook Proではディスプレイ、ロジックボード、Touch ID、トップケース(キーボード、バッテリー、トラックパッドを含む)のモジュール交換が監視の対象で、iMac Proでは比較的ゆるやかなロジックボードとSSDのみとなる。

 もっとも、対象となるMacBook Proはメモリ、SSDともにロジックボード上にはんだ付けされているため、最初からメモリやストレージの交換や増設は不可能となっている。iMac Proではメモリは汎用品であるものの、SSDは特殊形状のものが搭載されているため、これも気軽に交換ができるようなものではない。

 MacRumorsは、これらのiMac ProやMacBook Proが旧製品の区分「ビンテージ」や「オブソリート」に該当するようになった場合、Appleで修理することもできず自分で修理することもできなくなる恐れがあるとした。

 Touch IDは決済などでも利用されるため、高度なセキュリティが要求される。そのため、すでにiPhoneでも同様な指紋センサー部とロジックボードの紐づけが行なわれている。米国では「修理する権利」にまつわる法律を根拠に、こうした特殊なセキュリティを採用したデバイスの修理を自由化するための議論が行なわれている(Apple、破損したiPhone液晶カバーガラスの修理設備を外部修理業者に提供予定との報道)。